イラク憲法草案承認 スンナ派、国民投票での否決誓う(アル・ナハール紙)
2005年08月29日付 Al-Nahar 紙

■ アメリカとイギリスはイラク憲法草案を称賛
■ スンナ派は草案に反対、国民投票での草案否決を誓う

2005年8月29日付アル・ナハール紙(レバノン)HP1面

【AFP、ロイター、AP】

 イラク移行国民議会は、今月15日に草案の準備のための最初の期限の終了後、難しい調整が約二週間続いた後の昨日、イラク憲法草案作成を委任された委員会から憲法の最終草案を受理した。スンナ派アラブ人は草案に反対し、来たる10月15日に実施が決定している国民投票で憲法草案を否決に追い込むことを誓っている。憲法を制定することが反乱の可能性を根こそぎ取り去るための基礎的なことであると考えるアメリカとイギリスの両国は、民主主義が過激主義に勝利したとして憲法草案を歓迎した。

■ スンナ派メンバー

 憲法起草委員会の15人のスンナ派メンバーは声明で、草案の最終版にあるいくつかの点について「容認しない」姿勢を決定したと発表し、意見の食い違いを解消するために「スンナ派の立場を支持する」よう国際社会に呼びかけた。

■ アメリカ

 アメリカのザールマーイ・ハリール・ザード駐イラク大使は、アメリカが支援する日程をイラク側が遵守することを保証するべく活動しており、「宗教と信条の自由という権利の保護という点で、イラク憲法草案はイスラム世界で最も進歩的な統治文書の一つである」と言って憲法草案を歓迎した。一方で、スンナ派の対応には失望したと付け加えて、「スンナ派の状況は理解しており、彼らは厳しい立場におかれている。脅迫が行われており、スンナ派の一部の人々は、憲法草案は魅力あるものだが、草案を公に支持すれば自分たちの生命が危険にさらされるかも知れないことが恐ろしい、と言っている。」と述べた。

■ EU

 同様に、EUの議長国を務めるイギリスは、テロに対する民主主義の勝利として憲法草案を歓迎した。イギリスのトニー・ブレア首相は声明で「平和に満ちた未来へのイラクの願いを打ち砕こうとするテロリストたちの活動にもかかわらず、イラク国民は憲法の起草に成功した」と述べた。

(抄訳)



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( 翻訳者:豊泉麻衣子 )
( 記事ID:769 )