イリヤース・ホーリー「必要な集い」(アル・ナハール紙)
2005年07月24日付 Al-Nahar 紙

2005年7月24日付アル・ナハール紙文化付録

 レバノンは現在、シリアの実効支配の時代から先行きの不透明な独立の時代への灰色の過渡期にあって、政治・経済面での嵐を経験しているが、文化的な次元ではささやかな、しかし無限の地平が開かれる兆しでもある一つの成果が生まれた。
 7月15日、サミール・カスィールの没後40日を記念する集いがアメリカン大学のイサーム・ファーリス記念講堂で行われた。このとき、長く待ち望まれてきた一つの始まりが実現した。その始まりは、集会を支配していた空気のなかに体現されていた。それは、左翼の潮流と、民主主義・近代主義ないしリベラリズムの潮流のあいだに歴史的な和解が生まれる可能性を告げるものだったのである。リヤード・アル=トゥルクとガッサーン・トゥワイニーが集うこと、或いはナスィーブ・ラッフードとイリヤース・アタッラーが集うこと、また或いはレバノン、シリア、パレスチナの左翼が一つのヴィジョンを共有したり、コミュニケーションの可能な空気の中で一堂に会するというのは、決して些細な出来事ではないのである。
 これこそはサミール・カスィールが暗殺の後に成し遂げた最大の成果である。左翼勢力が自らに課してきた枷を打破してレバノン社会の民主主義・近代主義勢力との深い対話を確立する段階に移行する。それによって独立のインティファーダが、レバノンが宗派や地域諸勢力のせめぎあう舞台から国民のための祖国へと移行することの必要性において諸々の思想的潮流が結集する、革命と変化のためのプロジェクトとなる...。サミール・カスィールはそのための共通の土台を創り出したのである。
(後略)



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( 翻訳者:森晋太郎 )
( 記事ID:585 )