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■「戦争終結」に向けた米国の努力:イスラエルへの支援とイランへの抑制? 【本紙:ムニール・ラビーウ】 米国・イラン間の交渉の扉が開き続ける限り、イラン政府が地域的な利益を模索するのは当然である。そのため同政府は、自国の利益は、軍事情勢の悪化を防ぐ唯一の方法として、イスラエルが自身の目的を完全に果たすことないままにガザ地区での停戦が実現されることにあると強調しているのである。見解の分裂が生じているものの、これはイスラエル人らがさらなる作戦を実施するのに資する交渉であ 全文をよむ
■「戦争終結」に向けた米国の努力:イスラエルへの支援とイランへの抑制? 【本紙:ムニール・ラビーウ】 米国人らにとって、ヒズブッラー・イスラエル軍間の軍事情勢における爆発の発生を防ぐという政治的な重要性が残っている。一方で米国・イラン間には、戦域の拡大を防止するための広範なチャンネルがある。というのも、特にイスラエルのヒズブッラーに対するエスカレーションを防止することに関して米国人らが拠り所にしている成功は、イラン・米国間の相互理解が構築されなければ達成できないか 全文をよむ
■「戦争終結」に向けた米国の努力:イスラエルへの支援とイランへの抑制? 【本紙:ムニール・ラビーウ】 戦争が続くなか、またイスラエルによる妨害が続くさなか、米国はガザ地区での停戦を実現するための交渉の継続に固執している。しかし米国の望むところは、同域のエスカレーションを軽減する手段として交渉を続ける一方、情勢がこれ以上悪化する可能性を遅らせることにある。継続中の詳細な交渉の文脈としては、現時点でフィラデルフィア回廊に関する合意が形成されていないにもかかわらず、交渉 全文をよむ
■「戦争終結」に向けた米国の努力:イスラエルへの支援とイランへの抑制? 【本紙:ムニール・ラビーウ】 西岸地区でのイスラエルの動きからは、同国政府が2つの目標の達成を希求していることが明白に示される。1つ目は短期的なもので、「一部のキャンプや地域で抵抗勢力の細胞に打撃を与え、自国そのものや、入植活動の拡大を筆頭とする自国の各政策にとって目下の危険とみなされるものを理由として、抵抗勢力の解体を目指すこと」である。2つ目の目標は長期的なもので、「暗殺作戦、そして治安・ 全文をよむ
■「戦争終結」に向けた米国の努力:イスラエルへの支援とイランへの抑制? 【本紙:ムニール・ラビーウ】 米国の高官らは、イスラエルによるレバノンに対する戦争の回避に取り組んでおり、現時点ではこれに成功していると述べている。米政権はこうした試みを、イスマーイール・ハニーヤ氏の暗殺に対するイランの報復を回避し、ベイルート南部のダーヒヤ地区への攻撃に対するヒズブッラーの報復を緩和するために、同じくイランも採用している精力的な外交活動の範疇のうちに位置付けている。米政府は、複数のルート 全文をよむ
■レバノンのビーチ:安心して泳げるのはどこなのか...汚染区域と危険区域 【本紙】 「危険~非常に危険」な6つの地点は次のとおりである。「アッカール」:クライヤート町。「ベイルート」:アイン・ムライサ地区(サイヤーディーン新埠頭とリヴィエラ・ホテルの間)。「ベイルート」:マナーラ地区(ベイルート灯台の下)、「ガーズィヤ」:市民ビーチ。「サイダー」:市民ビーチ、「スール」:レストラン通り。 「汚染~ひどく汚染」されている5つの地点は次の通りである。「トリポリ」:市民海 全文をよむ
■レバノンのビーチ:安心して泳げるのはどこなのか...汚染区域と危険区域 【本紙】 レバノンの沿岸部の37の地理的地点を対象とした研究は、各地点を3つのレベルで分類した。 「良い~とても良い」、遊泳に適した26地点は次のとおりである。「ミニーヤ」:プライベートビーチがある浜、「トリポリ」:アブドゥルワッハーブ島に面した港、「トリポリ町:市立スタジアムの横、「アンフィフ」:ナートゥーラ修道院の下、「アンフィフ」:タフタ・リーフ(ホテル)、「ハリー」:プライ 全文をよむ
■レバノンのビーチ:安心して泳げるのはどこなのか...汚染区域と危険区域 【本紙】 各年の時期と同様、科学研究国民評議会(CNRS)は例年の慣例として、国家海洋研究センター(NCMS)が行った研究結果を発表した。この研究は最北端のアッカール県の住民から南部のナークーラ地区の住民まで多くの人が訪れる複数の海水浴場に関連して、有機汚染や細菌学的海洋許容度(細菌学とはDNAの形、環境、構造およびバクテリアの生化学を研究する専門分野)といった観点からレバノンのビーチの衛生状態を評価す 全文をよむ
■リクードの幹部たちへ:ネタニヤフとその一派に「第三神殿の破壊」を許すな 【シキ・レヴィ】 それにもかかわらず、ネタニヤフがシーア派枢軸に対する全面戦争を選択する可能性は高い。彼は自らの連立が揺らいでいると感じており、たとえ数か月間であっても、自らの統治を維持するために戦争を選ぶことだろう。 全面戦争は徴兵法や彼の連立を脅かす賢者たちのことを忘れさせ、が、スモトリッチやベン・グヴィルからの熱烈な支持を得るだろう(ゴグ・マゴグ戦争だって?支持します!)。ネタニヤフの「 全文をよむ
■リクードの幹部たちへ:ネタニヤフとその一派に「第三神殿の破壊」を許すな 【シキ・レヴィ】 これらの条件のいずれもが必要であり、そのうち一つでも欠けた状態でヒズブッラー、イランとの戦争を始めるのは極めて非合理的な行動である。 現在、これらの必要条件は一つも満たされていない。 最終的には、両当事者が相手にどれほどの損害を与えることになるかは明らかではないが、最終的には今でも到達可能な同じような合意に至るだろう。「ベイルートの破壊」対「テルアビブの破壊」は、双 全文をよむ
■リクードの幹部たちへ:ネタニヤフとその一派に「第三神殿の破壊」を許すな 【シキ・レヴィ】 第三次レバノン戦争の可能性は高く、日々増している。ヒズブッラー、そしておそらくはイランとの戦争が、いずれかの段階において避けられないと考える人がいる。またその他の人々は、知恵と外交によってシーア派の脅威を無力化できると考えている。 しかしすべての人が同意するのは、仮にそのような戦争が発生すれば、それはイスラエルがこれまで経験したことのない規模の人的・物的被害ともなう、存在をか 全文をよむ
■餓死していくガザの人々…家族は半食分で48時間を生きる 【ガザ:本紙】 多くの危険 「妊婦はたくさんの課題や困難に直面しています」。ダイル・バラフ医療クリニック(中央県)のザイナート・ワシャーフ医師は、この言葉でアナトリア特派員に話し始めた。 同医師は「これらの困難には、第一に保健センターへ到着することの困難さ、次に健康的な食糧の不足による栄養失調があります」と付け加える。 さらに現状の悲惨さを説明しつつ、次のように付け加える。「UNRWAでは 全文をよむ
■餓死していくガザの人々…家族は半食分で48時間を生きる 【ガザ:本紙】 困難な状況 戦時中の出産の困難さについて、ワルダさんは次のように述べる。「私はガザ(市)のサハーバ医療複合施設で、極めて劣悪な環境のなかで子どもを出産しました。周辺の地域にはイスラエル軍が駐留していました」。 彼女は「ロバが引く荷車に乗って、相当な苦労をして病院に到着しました。そして出産した後も短時間で病院を去り、来た時と同じ方法で帰りました」と明かす。 そして彼女は現状に 全文をよむ
■餓死していくガザの人々…家族は半食分で48時間を生きる 【ガザ:本紙】 昨年11月には複数の国連機関が、ガザ地区で激化している敵対行為の負担を女性、子ども、新生児が担っていると警告した。国連児童基金(UNICEF)、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)、国連人口基金、世界保健機関は当時の共同声明で、生後数か月にも満たない乳児を含む420人の子どもが毎日殺害され、あるいは負傷していると述べた。 イスラエルの集中的な無差別攻撃が激化するなかで、ワルダさんはガザ 全文をよむ
■餓死していくガザの人々…家族は半食分で48時間を生きる 【ガザ:本紙】 飢餓の影がガザ地区北部の40万人以上の市民を取り囲む 昨年10月7日にイスラエル戦争が開始して以来、ガザの女性らは食糧の欠乏と医療ケアの不足により出産前後に極めて困難な状況に苦しんでいる。イスラエル軍の攻撃によって、およそ240万人が暮らすガザ地区の医療システムが破壊されたためである。 苦境に置かれたその母親は、お腹を空かせた乳児を落ち着かせようとしながら、「粉ミルクが不足しているた 全文をよむ
■餓死していくガザの人々…家族は半食分で48時間を生きる 【ガザ:本紙】 さらに「我々は、ガザ地区の包囲や援助到着の妨害の責任は占領軍にあると考える」と付け加え、占領軍による市民への攻撃停止と、戦争の終結を求めた。同様に包囲の解除に向けて占領軍に圧力をかけるよう求めた。 一方、チャンネル「ジャズィーラ」は、食糧不足が原因でガザ北部の複数人が餓死したと伝えた。同チャンネルは、イスラエル占領軍が援助の導入を妨害し続けていると説明し、一部の家族が日々の食事を確保することが 全文をよむ
■餓死していくガザの人々…家族は半食分で48時間を生きる 【ガザ:本紙】 イスラエルがガザ地区で開始した破壊的な戦争によって、多数のガザの人々が食糧不足のため餓死しており、一部の家族は48時間で半食分しか得ることができていない。またこの戦争によって、イスラエルはジェノサイドを行った嫌疑で国際司法裁判所の継続的な裁判を受けることが要求されている。 ガザ地区政府広報局のイスマーイール・サワービタ局長は、ガザ地区北部の人道状況が壊滅的な段階を越えたと述べた。 同 全文をよむ
■「不可避でありながらも、適切なタイミングを待つべき」...イスラエル:いつ米国政府とレバノンの「明日」を話し合うのか 【イスラエル・トゥデイ:オデド・グラノト】 このことはイスラエルが政治的解決という考えを拒否し、北部で新たな戦争を開始することに固執するべき理由なのか。今のところ答えはノーだ。もしヒズブッラーが提案された解決策の条件を厳格化し、例えばレバノン領空での戦闘機の飛行を停止するよう求めた場合であれば、いずれかの段階において同組織の脅威を排除するための北部での戦争は 全文をよむ
■「不可避でありながらも、適切なタイミングを待つべき」...イスラエル:いつ米国政府とレバノンの「明日」を話し合うのか 【イスラエル・トゥデイ:オデド・グラノト】 基本的な準備が求められる ヒズブッラーが提示されたステップに基づいた政治的解決への扉を閉ざさない別の理由がある。それは、全ての状況においてそこから最大の受益者が生まれるということである。 一つの例:イスラエルは国境線変更の実施を約束し、おそらくは地域から軽程度の撤退をも誓約するだろう。しかしヒズ 全文をよむ
■「不可避でありながらも、適切なタイミングを待つべき」...イスラエル:いつ米国政府とレバノンの「明日」を話し合うのか 【イスラエル・トゥデイ:オデド・グラノト】 ガザ地区同様、レバノンにおいてもテロ組織との直接交渉は行われなかった。レバノンはガザ地区とは異なり見かけ上は政治的国家だが、しかし、見せかけにすぎない。カタール政府と全く同じように、暫定政府は提案を真の主であるヒズブッラーに伝え、同組織の唇が発する言葉を待っているだけである。 ナスルッラー書記長は、ガザ地 全文をよむ
■「不可避でありながらも、適切なタイミングを待つべき」...イスラエル:いつ米国政府とレバノンの「明日」を話し合うのか 【イスラエル・トゥデイ:オデド・グラノト】 昨年10月以降、イスラエル・ヒズブッラー間の現在の対立を、地域戦争に発展しうる全面的な戦争へと拡大させないための試みとして、多くの仲介者たちがエルサレムやベイルート、西欧諸国の間を奔走している。 こうした仲介者には、英国外務大臣、フランスの外務、防衛両大臣、対外治安総局長官、エマニュエル・マクロン大統領の 全文をよむ
■「米国ブランドから買うことは恥である」…ガザ戦争により米国ブランドが損害を被る 【ロンドン:本紙】 米国がイスラエルを支持しているという考えは、これらの企業に影響を与えている。なぜなら米国は共犯者であり、その複数の経営者は、米国の商業帝国とソフトパワーの一部であるからだ。 「米国がイスラエルをひいきしているという考えは、実際にこれらの企業に影響を与えている。なぜなら米国は共犯者であり、企業の経営者らは米国の金融帝国、そしてソフトパワーの一部であるからだ」 全文をよむ
■「米国ブランドから買うことは恥である」…ガザ戦争により米国ブランドが損害を被る 【ロンドン:本紙】 同時に、ケンタッキーフライドチキン、ピザハット、クリスピークリーム、ハーディーズを中東で運営している「アメリカーナ・レストラン・インターナショナル」チェーン(アメリカーナ・グループとして事業展開するクウェート・フードカンパニー)の株価は戦争開始後の期間に、サウジアラビアの株式市場で27%下落した。アナリストらは同社の売上高が戦争によって影響を受けるだろうと予測していた。 全文をよむ
■「米国ブランドから買うことは恥である」…ガザ戦争により米国ブランドが損害を被る 【ロンドン:本紙】 若者主導で レポートはまずエジプトを取り扱い、イスラエルのガザに対する戦争の開始以来、カイロでコミュニケーション科学を学ぶ19歳の女子学生ナイラ・アフマドさんは近くのスターバックスに行くのをやめたと指摘した。なぜならこのカフェの名前がエジプトのSNS上で配布された、ボイコット対象となるブランドやファストフード店の一覧表に載っていたためである。 そして彼女は 全文をよむ
■「米国ブランドから買うことは恥である」…ガザ戦争により米国ブランドが損害を被る 【ロンドン:本紙】 米国の通信社「ブルームバーグ」のウェブサイトは、「ガザ戦争によるスターバックスやコカ・コーラのボイコットは中東における彼らの競合他社を強化している」という題目のレポートを掲載し、スターバックスやコカ・コーラのような米国ブランドのボイコットキャンペーンは中東における地元の競合他社のビジネスを強化したと強調した。 このレポートは、アラブ世界やパキスタンのようなイスラーム 全文をよむ
■アールーリー氏殺害…ネタニヤフ首相は戦争を拡大している! 【本紙】 イスラエルの最大の同盟国である米国のレベルでは、イスラエル自体の矛盾を反映する矛盾した2つのイメージが見て取れる。1つ目は世界最大の米空母ジェラルド・フォードの地中海からの撤退によって表される。また2つ目は、バイデン政権が議会の合意を越えて、2件の武器取引によってイスラエルの殺人マシーンを増強したことによって表される。 戦争は同様に、米国の立場に歩調を合わせる西欧のほとんどの政府からは対抗勢力が生 全文をよむ
■アールーリー氏殺害…ネタニヤフ首相は戦争を拡大している! 【本紙】 人道レベルでは、イスラエルの侵攻は集団虐殺へと変容した。またこれによって、現在起こっていることを、パレスチナ人をガザ地区の外へと追放するための第2のナクバに変えようとしているベン・グヴィル氏とスモトリッチ氏の気ままの水準が上がることとなった。しかし戦場レベルでは、イスラエルの侵攻はイスラエル軍にとっての停滞と圧迫に変容し、ガザ地区にいる同軍の5つの旅団の撤退につながった。またそれは、停滞と「ハマースの根絶」 全文をよむ
■アールーリー氏殺害…ネタニヤフ首相は戦争を拡大している! 【本紙】 イスラエル総保安庁(シャバック)のロネン・バー長官は、「ガザ地区、ヨルダン川西岸、レバノン、トルコ、カタールのどの場所」でも「ハマース」を根絶できると確約した。その際こうした行動を、イスラエル諜報特務庁(モサド)が行った、1972年9月のミュンヘンオリンピック攻撃事件の計画に参加したとされるパレスチナ人幹部らの殺害作戦「ミュンヘン作戦」になぞらえた。 その時点で、バー長官はこうした暗殺には数年を要 全文をよむ
■2023年の終わりに、中東地域と世界の経済はどのようにみえるのか? 【本紙】 私たちが別れを告げるこの年は、間違いなく困難な1年であった。しかし、それと同時に新しい年に希望の光をもたらしており、災難や戦争が増える中東地域の人々の苦しみに終止符を打つかもしれない。一方で、(中東地域の人々は)息を整え、より輝かしい機会が待っているかもしれない道へ方向転換する期間を、特に、丸一世紀以上というかなり前から絶え間ない苦難を背負っているパレスチナの人々がより必要としている。まず私たちが 全文をよむ
■上院の左派議員が繰り返す…「政権内の潮流は国王の方針と対立している」 【アンマン:本紙】 これによると、左派や近代化プロセスの強化やエンパワーメントに向けた彼らの熱意にとって、彼らの活動の背景は捨ておける問題なのである。なぜなら、ズィヤーディーン氏が議論のなかで示唆した基礎的な政治的近代化のメカニズムの一つは、国家は実質的に万人のものであり、ムスリム同胞団や保守潮流でさえ反対や支持を独占することはない、というものだからである。 この著しい挑戦は近々終結を迎えるかも 全文をよむ
■上院の左派議員が繰り返す…「政権内の潮流は国王の方針と対立している」 【アンマン:本紙】 この二つの質問に関して、作家であり歴史家でもあるアフマド・サラーマ氏は、左翼がマイクで抗議する情景の描写において、彼が皮肉的に「ライオンと豹」と表現したもの役割に関して示唆した、最初の、もっとも顕著な人物かもしれない。 しかし、特に上院に身を置く抗議者らは、保守的潮流の象徴とみなしうる人による記事や発言、コメントなどを通じて激しく攻撃された。一方現状が明らかにしているのは、少 全文をよむ
■上院の左派議員が繰り返す…「政権内の潮流は国王の方針と対立している」 【アンマン:本紙】 この新法案は、左派を街頭でイスラーム主義の側に近づけ、またサブリー・イルビーハート氏やマアン・カターミーン氏、サミール・ハバーシュナ氏といった前大臣等を含む広範囲のクラスタを自身らの経路から遠ざけ、沈黙を破らせるほどには挑発的であった。ハダーディーン氏や、彼以前にはハマールナ氏やニムリー氏によって行われた告発は、鋭くその特徴において明確であった。そしてそのもっとも広範な見出しは単に「は 全文をよむ
■上院の左派議員が繰り返す…「政権内の潮流は国王の方針と対立している」 【アンマン:本紙】 この運動が多くの方針と領域において、市民、イスラーム、左派の3つの運動を集合させたことは注目すべき点である。そしてその要因とは、ズィヤーディーン氏がクドゥス・アラビー紙に説明したように、全ての改革的方針に反しており、新たな法律に記されている挑発的解釈なのである。 「挑発的考慮」という表現の下には、いくつかの線を引くことが可能である。そして今日のイメージとは、国家と人々を分離さ 全文をよむ
■上院の左派議員が繰り返す…「政権内の潮流は国王の方針と対立している」 【アンマン:本紙】 その一方で労働党とその事務局長であるルーラー・フルーブ氏の潜在的なエネルギーは、政府の新たな条文、つまり政府が監視と追跡のためにデジタル・ネットワークを管理下に置くための口実として用いられた条文に対する抗議と反対における取り組みを調整する幾何学のもとで真摯であったのである。 左派のニムリー氏も同様に、同氏いわく政治的近代化プログラムに反対する「国家の中枢ら」あるいは「決定の幹 全文をよむ
■上院の左派議員が繰り返す…「政権内の潮流は国王の方針と対立している」 【アンマン:本紙】 ハダーディーン氏や上院のその他の左派議員らもこの疑問には関心を持っていない。しかし今日に至るまで、新たなサイバー犯罪法が前例のないかたちで国内の様々なクラスタや構成要素を刺激したことは明確かつ明白である。すでにムスタファー・ハマールナ氏のような有識者は、議会の場で新法案の拒否を公表することで、明確にも大胆な立場を主導していた。 またそれ以前には、上院議員でメディア専門家である 全文をよむ
■上院の左派議員が繰り返す…「政権内の潮流は国王の方針と対立している」 【アンマン:本紙】 ヨルダンの上院議員で大臣経験者であるバッサーム・ハダーディーン氏は率直かつ大胆に、目的を持たせながら、熟慮するに値するもっとも重要なこととして、次のような発言を行った。「国王の方針に相反する政権内の潮流が存在する」。 この表現はイスラーム教徒の反体制勢力や在外勢力、あるいは国内の運動家の口から述べられたものではない。むしろ交戦規定に基づき、王国内の権威、機関、左派エリートの間 全文をよむ
■イスラエルの歴史上最も過激な政権がもたらす危機! 【アブドゥッラー・ハリーファ・シャーイジー:本紙】 米国務省の声明は、例によってイスラエルの違反行為および犯罪の隠蔽を保証する主要な支持者であった。同省のスポークスパーソンは、パレスチナ当局の決定を受けて以下のように表明した。「我々は、イスラエルの占領に関して国際司法裁判所に意見要請を提出するというパレスチナのイニシアチブに失望している」。 ベン・グヴィル氏の襲撃に対する国際的な抗議は広範に及んだ。その結果、イスラ 全文をよむ
■イスラエルの歴史上最も過激な政権がもたらす危機! 【アブドゥッラー・ハリーファ・シャーイジー:本紙】 バイデン大統領は「イランの脅威や中東和平プロセスの進展など、中東地域が直面する挑戦に立ち向かい、また機会を実現するために、ネタニヤフ首相と協働すること」への期待を表明した。またベン・グヴィル氏によるアル=アクサー・モスクの中庭への襲撃に対する非難は広範にわたったにもかかわらず、米政府からモスクへの襲撃および冒涜に対する公かつ明確な非難がなかったことは衝撃的であった。国家安全 全文をよむ
■イスラエルの歴史上最も過激な政権がもたらす危機! 【アブドゥッラー・ハリーファ・シャーイジー:本紙】 同氏は、パレスチナ人に対する人種差別により有罪判決を受けたことのある人物で、国家治安相を任じられている。同氏はその過激思想とアル=アクサー・モスクへの度重なる襲撃、シェイク・ジャラー地区の住民への脅迫で知られており、パレスチナ人に対する締め付けを強化し、死刑制度を復活させることを公約している。同氏の過激思想は、アル=アクサー・モスクの中庭を襲撃したことに反映された。これは初 全文をよむ
■イスラエルの歴史上最も過激な政権がもたらす危機! 【アブドゥッラー・ハリーファ・シャーイジー:本紙】 先週の本紙の記事において、私は以下のように述べた。「最も過激なネタニヤフ政権は、すべての仮面を脱ぎ捨てる」。第6次ネタニヤフ政権のアジェンダのうち最も危険な事項は、「パレスチナ人の権利および国家、存在、人民としてのパレスチナを無効化する古典的なトーラー主義的・シオニスト的プロジェクトを採用している」ことである。同政権はそのシオニズム過激思想によって、特にネタニヤフ首相が自身 全文をよむ
■バディーア・マサーブニーのカジノ前では競争禁止…エジプトの通りを走る自転車の歴史 【マフムード・ディスーキー】 (5)に戻る 研究者で歴史家のディヤー・アンカーウィーは『アフラーム』紙に対し、工場で働いていた女性たちは、女性が自転車に乗ることを拒絶する男性たちから多くの反対に遭ったと語った。彼らは「回るものに乗った工場の女子が我々に恥をかかせた」という非難の標語を通りに掲げたという。 アンカーウィーによれば、工場で働く男性たちはまた作業服の着用を拒み、ガ 全文をよむ
■バディーア・マサーブニーのカジノ前では競争禁止…エジプトの通りを走る自転車の歴史 【マフムード・ディスーキー】 (4)に戻る 1920年代、エジプトでは自転車が運輸と郵便において普及した。エジプトの新聞による貴重なレポートによれば、1923年にバートン・パシャが郵便から退きマズルーム・パシャがその後を継いだ後、自転車が動物の代わりに使用されるようになったという。当時、農民らは綿花の最新の値段を知っており、街の人々と同様に新聞、ニュースを読んでいた。また、大きな郵便 全文をよむ
■バディーア・マサーブニーのカジノ前では競争禁止…エジプトの通りを走る自転車の歴史 【マフムード・ディスーキー】 (3)に戻る 同条はまた、道の真ん中で自転車から降りることを禁止して歩道の端で降車するよう義務付け、警察に呼ばれた際には停止するよう定めた。第6条はこれらの条文に違反した者に対して25から100ピアストルの罰金を規定した。一方第7条は、官報に掲載され公布された法律を実効化する必要性を明確に強調しつつ、自転車が鉄道橋を通行するために支払う料金を規定した。 全文をよむ
■バディーア・マサーブニーのカジノ前では競争禁止…エジプトの通りを走る自転車の歴史 【マフムード・ディスーキー】 (2)に戻る ギザ県は、自転車が同県で広まりエジプトに普及すると、全7条の規則および決定を定めた。つまり、1894年1月27日に混合控訴裁判所総会の批准を経て、刑法第351条および混合刑法第340条に基づき交通法を発布したのである。 第1条はモーターバイクの走行区域を指定した。具体的には「ギザ中心部、アアマー橋からギザ刑務所、またそこからピラミ 全文をよむ
■バディーア・マサーブニーのカジノ前では競争禁止…エジプトの通りを走る自転車の歴史 【マフムード・ディスーキー】 (1)に戻る 足で推進力を得る三輪車に似た自転車は、エジプトでは郵便車両として普及した。歴史学者らによれば、自転車の登場は郵便輸送の道具としてのラクダやロバといった動物の利用の終焉を告げるものであった。塩や旅券、新聞を運搬するエジプトの郵便配達制度の中で動物が使われていたのである。自転車がエジプトの各都市で新聞購読を増やしたり綿花取引所のニュースを報せた 全文をよむ
■バディーア・マサーブニーのカジノ前では競争禁止…エジプトの通りを走る自転車の歴史 【マフムード・ディスーキー】 二輪であれ三輪であれ、自転車は長距離を移動できるものとして19世紀の世界の話題であった。こうした状況はパリ万国博覧会でセル・ラピード、つまり「速い足」の発明が展示されたことによってもたらされた。この自転車は木製で、両輪の間に木でできた椅子のようなものがあり、そこに跨って両足で地面を蹴り、車体を前に進め、そして車輪が回るというものであった。 自転車は186 全文をよむ
■目を疑うこと間違いなし!コロンビア大統領選の候補者に詩人ニザール・カッバーニーの生き写し 【本紙:ヤースミーン・ナートゥール】 「他人の空似も40人」という諺*はあながち間違っていないのかもしれない。今まで人生で出会ってきた人のうち、知り合いや有名人に見た目がまるでその家族のようにそっくりだった人はどれだけいるだろう。大袈裟にならずとも、きっとあなたも他の誰かに似ていると言われたり、間違えられたりしたことがあるのではなかろうか。 世界のニュースに興味がある方であれ 全文をよむ
■想像されるカイロ:映画と現実の狭間にある都市の姿について 【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】 (9)に戻る ポストモダンの状態とは、ディヴィッド・ハーヴィーが考えるように、流動的な蓄積や源泉と結果の多様化、意思決定の断片化と結びつく。「アスファルトの悪魔」の運転手らの場合、マイクロバスの運転手のコミュニティは自己資金調達と利益の蓄積に基づく新しい金融の一部門を構成しており、これが彼らに力を与えている。運転手らは金持ちではないかもしれないが、輸送の経済の一部門を 全文をよむ
■想像されるカイロ:映画と現実の狭間にある都市の姿について 【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】 (8)に戻る この興味深い一冊の別のある章では、建築家のマリヤム・マルイーが運転席から見たカイロのイメージの読解を試み、運転手が自らの視点からカイロおよびそこでの生活様式をどのように見ているのかを理解しようとしている。この点を扱おうとした映画は数多く、例えばマフムード・ハミーダが出演している1996年の「アスファルトのイフリート」は、父と祖父からこの仕事を受け継いだサ 全文をよむ
■想像されるカイロ:映画と現実の狭間にある都市の姿について 【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】 (7)に戻る 建築家ハイリーが指摘するのは、エジプトの映画産業の歴史を通じてカイロは概して文化の中心かつ近代性の標識として描かれ、ロマンス化されてきたにもかかわらず、両映画ではカイロはひどく汚染された街として現れていることである。ここではカイロが騒音と粗暴者だらけの負のものへと変容している。このことは、1つ目の映画で監督がアフマド・アダウィーヤの歌「ああ、この世は混雑 全文をよむ
■想像されるカイロ:映画と現実の狭間にある都市の姿について 【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】 (6)に戻る アティーヤは、ファリード・シャウキー演ずる土地購入者のカマール・ベクと強い関係を築き、その娘のハウハと結婚し、ついには二度とカイロには戻らないことを決意する。「ここがカイロ」では、映画はスヌースィーとその家族の暮らす小さな街の光景から始まる。一家は早い朝食を楽しんでおり、その後、ナイル川を渡る小さなボートで息子を学校へ送るスヌースィーが映される。しかし、 全文をよむ
■想像されるカイロ:映画と現実の狭間にある都市の姿について 【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】 (5)に戻る 別の章では、アカデミックな建築家であるタイスィール・ハイリーが、1980年代半ばに公開された2つの映画を通じて都市からの逃亡という考えを論じる。1つ目は、1984年のムハンマド・ハーン監督の「行きて帰らず」、2つ目はムハンマド・アブドゥルアズィーズ監督の「ここがカイロ」である。これら両作品では、都市生活者と農村生活者という2人の際立った登場人物が体現する 全文をよむ
■想像されるカイロ:映画と現実の狭間にある都市の姿について 【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】 (4)に戻る 『新しいカイロ』のようなマフフーズのその後の作品は、映画化を通じて、町の床屋アッバース・フルウが隣人のハミーダを愛し、彼女と結婚したいと切に願う物語を伝える。しかしアッバースは結婚に必要な資金を持たないため、イギリス軍の宿営地に働きに行くことを決める。一方、とあるポン引きは彼の恋人を娼婦の世界に入るよう説得することに成功する。また、ラバーブ奏者やハカワー 全文をよむ
■想像されるカイロ:映画と現実の狭間にある都市の姿について 【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】 (3)に戻る 二作目の映画では、一家の息子の一人がイギリスの占領に反対するデモの最中に殺され、長男ヤースィーンの離婚の話題に大部分の重点が置かれる。一方三作目の映画では、家族のメンバーがどんどん増えていく。このように映画のストーリーを通じて、カイロ大学のドームや通り、女学校、外国様式の建築が映され、近代カイロが徐々に姿を現すのである。そして屋上はもはや恋人たちの逢瀬の 全文をよむ
■想像されるカイロ:映画と現実の狭間にある都市の姿について 【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】 (2)に戻る この文脈で、ニザール・サイヤードとムハンマド・サラーマはナギーブ・マフフーズの映画的カイロを研究する。ナギーブ・マフフーズほど、のちに映画化されたその小説作品において真正性と変化の間で揺れる都市を表現した作家はいなかった。エジプトのハサン・イマーム監督はマフフーズのカイロ三部作(『双宮の間』『欲望の宮殿』『スッカリーヤ』)を映画化した。一作目の『双宮の間 全文をよむ
■想像されるカイロ:映画と現実の狭間にある都市の姿について 【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】 (1)に戻る カイロについてのこうしたイメージはまた、時に非現実的に見えるが、リサ・ウィンの研究において注目すべきは、カイロについての想像上のイメージの創出に関連して20世紀のエジプト映画が及ぼした影響の大きさである。この点は、カリフォルニア大学の建築学の教授であるエジプト人研究者ニザール・サイヤードの関心テーマを為してきた。20年近く都市とその映画における表現との関 全文をよむ
■想像されるカイロ:映画と現実の狭間にある都市の姿について 【ムハンマド・トゥルキー・ラビーウー】 今から約10年前、アメリカの文化人類学者リサ・ウィンは、その興味深い著書『夜の観光・昼の観光』において、カイロを訪れる人々について通常描かれる二元的なイメージの解体を試みた。というのもこのステレオタイプ的イメージにおいて、湾岸の人々は夜にバーやハラム通りに繰り出す観光客として現れる。一方ヨーロッパの人々は、朝からピラミッド遺跡の見物に出かけるようで、遅い時間になるまで起きない怠 全文をよむ
■玉ねぎを讃えて 【エリアース・ハウリー】 (4)に戻る 現代文学から玉ねぎが姿を消したわけではない。チリの詩人パブロ・ネルーダは、作品の中で「光り輝くガラス瓶、その葉は剣」と描写した。マフムード・ダルウィーシュは愛と混ぜながら言及した。「私の美しい女性よ、あなたは心臓とみずみずしい玉ねぎとを切り刻み、スミレのところへ行くのです。」ギュンター・グラスはそれを回顧録の表題にした:『玉ねぎの皮むき』。彼は「その中身を一文字一文字読むことができるように皮がむかれることを望 全文をよむ
■玉ねぎを讃えて 【エリアース・ハウリー】 (3)に戻る 10月の抗議行動の時のレバノンの経験は、玉ねぎの美点について、ドイツ人小説家が描いたのとは根本的に異なるイメージを提示した。我々の玉ねぎは革命的で、後悔を起こすにふさわしい玉ねぎとは対照的である。しかし我々は玉ねぎでは不十分なことを知り、大きな落胆を覚えた。盗人集団によって運営され大多数の人々から拒絶されている腐敗した体制は、人々が通りを占拠しさえすれば崩壊すると考えていた。しかし、それは間違いだった。 全文をよむ
■玉ねぎを讃えて 【エリアース・ハウリー】 (2)に戻る 玉ねぎは涙を防ぐものではなく、むしろ涙を出させるものである。しかしレバノンでの我々の状況において玉ねぎは、治安部隊の砲弾から発散されるガスによる窒息に対して効果的な武器であった。涙には涙で対抗していたのだ。ガスの催涙効果を玉ねぎの涙が消した。 ものはものを想起させるため、玉ねぎを手にする人々の光景に私はギュンター・グラスの小説『ブリキの太鼓』に出てくる玉ねぎ地下酒場を思い出した。 同小説の 全文をよむ
■玉ねぎを讃えて 【エリアース・ハウリー】 (1)に戻る ほとんどの場合で、女性名詞としての玉ねぎ(バサラ[可算名詞])を男性名詞化させること(バサル[集合名詞])はその重要性に起因すると考えられているが、これは誤った認識である。重要性が要求するのは女性名詞化であって、男性名詞化ではない。アラブ人の言語では「太陽」は女性名詞であり、ヨーロッパ人の言語では男性名詞であるのと逆である。同様に、「生命」は女性名詞であるが、それは起源が女性であるからである。 しか 全文をよむ
■玉ねぎを讃えて 【エリアース・ハウリー】 子どもの頃はよく、ラブネのサンドイッチに玉ねぎを入れて食べたものだった。ラブネと玉ねぎの組み合わせは、理由は分からないが最近では姿を消してしまい、ラブネときゅうりの方が好まれるようになっている。一方でニンニクについては、レバノン料理で有名な前菜の一品としてラブネにニンニクを混ぜた「ラブネ・ムタウワマ」という料理が出されるなど、その地位を保ってきた。 しかし我々の生活における玉ねぎの重要性は揺らぐことはなかった。玉ねぎは多様 全文をよむ
■現行の危機と80年代の危機の根本的な相違 【フサイン・ハリール:スナック・シリアン・ドットコム】 80年代の危機と現行の危機、あるいはそれがもたらした無力なシリア国民に対する影響の根本的な相違は、前者においてはポケットに金銭があるにもかかわらず、基本的商品がまったくに近いかたちで存在していなかったということである。また国民たちは、昨今の感覚では取るに足らないように思える商品群を入手するために、消費者センターの入り口前で長い列を作ることを強いられていた。今日では状況は正反対で 全文をよむ
■1967年戦争下のエジプトでイスラエルのために働いたスパイの死 【本紙】 (5)に戻る さらに同紙によれば、「ムーサーはハイファ市の女子トイレで働いているが、本人はイスラエルの諜報員として再びエジプトで働くことを切に望んでいる。息子のハイムは工場の夜間警備員で、長男はイスラエルでの生活に耐え兼ねて、ユダヤ人の妻とともにカナダへ移住し、共に衣服のクリーニング店で働いている」という。 1974年11月25日、ムーサーに絞首刑、長男のナビールに懲役5年、またム 全文をよむ
■1967年戦争下のエジプトでイスラエルのために働いたスパイの死 【本紙】 (4)に戻る ムーサーは金のために祖国に対する夫の諜報活動に協力した。そのためにモサドの男性職員との性行為を強要されたこともあった。しかし彼女の夢は長くは続かなかった。1974年8月24日にローマからカイロ国際空港に戻った際、自宅に入った彼女をエジプト情報機関の男たちが待ちうけていた。すでに夫の方には、彼がイスラエルにいる上官に最初の電報を送ろうとしたことから、彼らの手が回っていたのだった。 全文をよむ
■1967年戦争下のエジプトでイスラエルのために働いたスパイの死 【本紙】 (3)に戻る 同時期の1967年6月、イスラエルはシナイ半島を占領した。このような情勢のなかで、イスラエルの情報機関は諜報員の獲得に励んでいた。生活するうえでの厳しいプレッシャーと占領の状況があったためである。実際、シャーヒーンを引き付けることに成功した。彼を引き付けたモサドの職員は、彼が夢にも思わなかったような誘惑をちらつかせた。有り余るほどの金を手にすることと彼の生命およびアリーシュに暮 全文をよむ
■1967年戦争下のエジプトでイスラエルのために働いたスパイの死 【本紙】 (2)に戻る ラーフィー氏は、母親がモサドに採用された詳細をこう明かした。「母は父に伴ってベエルシェバに行き、そこで二人はモサドの職員であるアブー・ナイームに会った。そして職員が、二人は完全に自らの支配下にあり、なおかつイスラエル・モサドのために諜報活動を行うことを望んでいることを確信すると、両親の採用は決まり、スパイとしての能力が開発されていった」という。 インシラーフ・ムーサー 全文をよむ
■1967年戦争下のエジプトでイスラエルのために働いたスパイの死 【本紙】 (1)に戻る ラーフィー・ブン・ダヴィド、あるいはアーディル・シャーヒーン氏の説明によれば、氏ら兄弟の名前がヘブライ名に変更されたのは、彼らがエジプトを離れてイスラエルで暮らすようになり、ユダヤ教に入信したこと後のことだという。このとき父親のイブラーヒーム・シャーヒーン氏の名前はブン・ダヴィドに変更され、モサド内での名前はムーサーであったという。一方母親のインシラーフ・ムーサーは、イスラエル 全文をよむ
■1967年戦争下のエジプトでイスラエルのために働いたスパイの死 【本紙】 イスラエルのために働いたエジプト人スパイであるインシラーフ・ムーサーが先日、イスラエルのテルアビブ市で87歳で亡くなった。埋葬はユダヤ法に則って行われた。長きにわたるうつ病との闘いの末でのことだった。 ムーサーの息子であるラーフィー・ブン・ダヴィド氏は、ムーサーの亡くなる2か月前に、ウェブサイト『カイロ24時』への声明の中で、「両親は67年のナクサ(訳注;後退の意。1967年の第三次中東戦争 全文をよむ
■「刑務所での1日」 (3)に戻る そして、活動家という名のエージェント、つまりあらゆる人権の側面についてエジプトと西側諸国を比較することを旗印にしている人々にはこのように言いたい。アメリカの統計によればアメリカ合衆国の連邦政府の刑務所数は1800に達しており、カレッジや大学の数を上回っている。アメリカの多くの地域、特に南部では、大学のキャンパスに身を置く人よりも刑務所に住んでいる人の方が多く、劣悪な生活環境と病気の蔓延のなかで暮らしている。この傾向は特に黒人の受刑者の間で顕 全文をよむ
■「刑務所での1日」 (2)に戻る 私を本当に喜ばせたのは施設内の中央病院である。最新の設備と医療機器はもちろんのこと、あらゆる専門性に対応できる手術室、感染症のための隔離室、大病院に劣らないほど体制の整った救急科、さらには最高水準の設備を備えた中央薬局に加え、放射線科や透析室さえそろっている。これらすべてで、収容者および彼らに面会に来た人も含める、あらゆる感染予防対策が講じられている。 疑う人々には、「人権におけるエジプトの飛躍を見に行ってみよ、システム全体の重大 全文をよむ
■「刑務所での1日」 (1)に戻る 施設は指導部が最近適用を開始した人権に関する国家戦略の原則に沿った懲罰実施システムの開発の枠組みのなかで、10か月以内の期間において竣工・開設された。同原則は単なるメディア向けの言葉でも実効性のない決定でもなかったのだ。私たちは、全刑務所数の25%にあたる12の刑務所の収容者を収容する場所をこの目で見たのだ。施設は、刑務所の歴史の中で初めて、矯正・更生プログラムを基にした科学技術的様式で設計されている。収容者の扱い方や更生の方法についての研 全文をよむ
■「刑務所での1日」 【シェリーン・マルワーニー】 大多数のエジプト人と同じように、私はワーディー・ナトルーンに刑務所施設が開設されるのを見た。その光景は、エジプトでも中東地域全体でもこれまで誰も見たことがないような奇妙なものだった。反応は様々で、出来事の信憑性を疑うものとそれを現実だとして政府の働きを賛美するものの間で揺れ動いていた。後者のような意見には、刑務所を生活・矯正・生産を統合する城のごとく見せることで多少の誇張も含まれただろうが、私は機会を得て、私自身の驚嘆、そし 全文をよむ
■ペデルセン(シリア問題担当国連特別代表):体制と反体制派は憲法改革草案を起草することで合意 【ベイルート:本紙】 ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表は、体制派と反体制派が参加するシリア合同憲法委員会が、同国における憲法改正草案の作成に着手することに合意したと発表した。 ペデルセン氏は日曜日、シリア合同委員会の指揮部門に参画する当事者たちと面会した後、1週間にわたって継続する協議を前にして、ジュネーブで報道陣に対し以下のように述べた。「委員会において政府 全文をよむ
■シリア内戦においてアラウィー派、クルド人、スンナ派はいかに挫折したか? 【スーリーヤ・ネット:アムル・クドゥール】 むろん、民主的な変化は「万が一それが起こったとしても」、その全てが一度に実現することはなかっただろう。ここで恐れるべきは、まだそれが始まったばかりであり、今後それを止めようとしても不可能だということである。さらに様々な集団を安堵させようとする試みは、西洋の国々の憲法が担保する(エスニック)集団の権利を取り入れようとする際に、思考上のペテンやごまかしが行われたた 全文をよむ
■シリア内戦においてアラウィー派、クルド人、スンナ派はいかに挫折したか? 【スーリーヤ・ネット:アムル・クドゥール】 「裏切られた」革命が提供したもののなかには、ある集団を構築するうえでの個人的権利、あるいはそれから脱退する個人の権利がある。それらは専制政治を解体するものであるだけでなく、宗教的あるいは国家的な集団の「先天的な」権利として理解されているものを破壊しつくすものでもある。そのうち後者の「国家的な集団」という概念が現代的制度の範疇に組み入れられているにもかかわらず、 全文をよむ
■シリア内戦においてアラウィー派、クルド人、スンナ派はいかに挫折したか? 【スーリーヤ・ネット:アムル・クドゥール】 「体制」が革命をスンナ派革命として表現し、自身を「民衆的な誓約・表現」を用いながらアラウィー派とマイノリティーの庇護者として喧伝することによって、明確に宗派主義を採用し始めたことが事実であったとしても、「必ずしも反体制」ではなかったその他の集積物からなるその他の集団は、革命を「スンナ派革命」として描写する機会を与えてはこなかった。 アサドは、スンナ派 全文をよむ
■シリア内戦においてアラウィー派、クルド人、スンナ派はいかに挫折したか? 【スーリーヤ・ネット:アムル・クドゥール】 一定の人々は、「これまで表にならなかったもの、すなわち集団内の各関係におよぶ分裂、また彼らと他の諸集団の間の目に見えない壁が存在したという事実が、革命によって露見することとなった」と断定することを好む。しかしこれは、極めて単純化されたうえに非常に一方的な見解であり、その深層的な影響、すなわち革命がそれ自体の敵を駆り立ててしまい、革命に対抗するために彼らの台頭を 全文をよむ
■シリア内戦においてアラウィー派、クルド人、スンナ派はいかに挫折したか? 【スーリーヤ・ネット:アムル・クドゥール】 当初の分断について、我々はそれをアラウィー派、クルド人、スンナ派という3つのグループの革命に直面する分子として、あるいは革命にとって代わる分子としての台頭に帰することができよう。 ここで意図されている台頭とは象徴的、あるいは空想上の台頭である。否定の論理をもってこれに反論することは有用ではない。こうした概念は善意によって、あるいは悪意によってこれまで 全文をよむ
■シリア内戦においてアラウィー派、クルド人、スンナ派はいかに挫折したか? 【スーリーヤ・ネット:アムル・クドゥール】 過去10年のなかで、挫折の感情と敗北の感情、あるいはその両方がシリア人の間で前例がないほどの広がりを見せている。こうした感覚は様々な原因によって3つの地域に蔓延している。すなわち、アサド政権の支配地域における貧困と生活・サービスの崩壊、トルコの支援を受ける諸派閥の支配地域に重くのしかかるロシアの脅威、クルド人の自治区において可能性のある米国の撤退に関する不可知 全文をよむ
■バハレーンの国交正常化使節団がエルサレムに...ツイッターでは「新たな入植者どもは歓迎しない」の声 【エルサレム:本紙】 国交正常化へ反対する数々のスローガンが掲げられ、バーレーン国境正常化使節団を「新たな入植者」呼ばわりするなか、バーレーン人数百人が今日水曜日(7日)、様々なSNS上で蜂起し、使節団のエルサレム訪問に反対した。 エルサレム住民のカメラは、バーレーンの使節団がイスラエル治安部隊の隊員らの同行のもと、聖地の市街を散策する様子を捉えた。とはいえ、同使節 全文をよむ
■世界のハイエナたちはチュニジアに何を望む? 【本紙】ファイサル・カースィム 端的に別の視点から言えば、ある人が言うように、世界のいかなる政治的軍事クーデターや議会およびその政府の打倒も、権力あるいは世界の強国の後ろ盾なしには発生し得ないのである。クーデターの後ろ盾と、その最大の請負人が周知の通りであることは疑いない。それもそのはずアメリカの承諾と意向のもとで行なったのであるから、カイス・サイードのしたことに対し同国が「クーデター」という表現を用いなかったわけである。カイス・ 全文をよむ
■世界のハイエナたちはチュニジアに何を望む? 【本紙】ファイサル・カースィム (アラブの春から)10年半が経ち、国際システムによってチュニジア国民に対しあらゆる類の種類の全面的国際戦争が開かれてきた、とあるチュニジア人はツイートする。そして勝利を収めたのは計画者であった。またある者は、次のようにツイートする。「チュニジアで起きていることは妙手だ。国外の計画を、国内の手で実行する、悪魔のような計画だ。議会を、そして国民の利益を妨害し、騒擾と混沌、国民内部の利権争いをつくり上げ、 全文をよむ
■世界のハイエナたちはチュニジアに何を望む? 【本紙】ファイサル・カースィム ムハンマド・ハニード博士はツイートで以下のように強調する。「チュニジアのクーデターの試みは同胞団(訳注:ナフダ運動を指す)に対するものではない。彼らは統治しておらず、一日たりとも統治したことはく、もとより統治の資格は持っていないのだから。このクーデターは、あらゆる頓挫を経験してきたために民主主義を実践することが許されないアラブの国における、民主主義的実験を標的としている。恐れているものとは何か、それ 全文をよむ
■世界のハイエナたちはチュニジアに何を望む? 【本紙】ファイサル・カースィム チュニジアでのクーデターに光を当てたとき、脳裏に浮かぶ問いはこれだ。このような一歩を大統領、ひいてはチュニジア軍までもが、地域的・国際的な青信号あるいは外的祝福なしに、敢えて進むであろうか?あり得ない。果たしてチュニジアにおける抗争は、同国をめぐり拮抗する者たちのより大きな抗争を、単純かつ明確なかたちで反映しているのであろうか。 *19世紀末から20世紀初頭にかけて大英帝国とロシア帝国が中 全文をよむ
■世界のハイエナたちはチュニジアに何を望む? 【本紙】ファイサル・カースィム まずチュニジアで起こったことは決して国内の事件ではないという認識を共有することとしよう。というのもチュニジアは他のアラブ諸国、殊にマグリブ諸国同様、依然として西洋の植民地的な軌道上を回っており、決して独立を果たしてはいないからである。チュニジアの元大統領ムンサフ・マルズーキー氏は『第二の革命』と題した意義深い本を著している。同氏はその中で、大部分のアラブ諸国、とりわけ祖国チュニジアは依然として諸外国 全文をよむ
■世界のハイエナたちはチュニジアに何を望む? 【本紙】ファイサル・カースィム チュニジアのカイス・サイード大統領が同国で起こした現在の政治情勢に対するクーデターは、フランスの諺「木を隠すなら森の中」に似ている。換言すれば、チュニジアで起きていることを、単なる大統領と軍の間の抗争、あるいは革命やイスラーム主義の流れとみなして満足すべきではなく、むしろ事態はそれよりはるかに大きいのである。同様の事態は、大国や彼らに属するアラブ的ないしは地域的な道具による青信号や外的祝福なしには決 全文をよむ
■本日の本紙の見出し:過半数は月曜日にミカーティーに投票する予定だが、ヒズブッラーと自由愛国運動の間には相違も 【本紙】 サアド・ハリーリー前首相の(首相候補)辞退を受け、組閣を任せる政治家の任命を目的とした拘束力のある国会議員協議の趨勢を決する上でカギとなる一時休止として、今後48時間を注視する。そして、ハリーリー前首相が(首相候補を)辞退するに至った妨害的なプロセスが進んでいくのか、あるいはそのようなプロセスの支持者らがそれを取り下げ始めるのかどうかを観察する。もし、上記 全文をよむ
■近代国家の概念においても諸部族は存続し、更新されてゆく! 【イラク:ワーイル・イサーム】 2011年リビア革命の一連の出来事の間トリポリで筆者が一緒に仕事をしていた同僚のリビア人記者、マフムード・アブー・ジャナーフ氏はこう言う。「ハフタル将軍がリビア東部で頼りにしているこれらの部族は、オスマン帝国の存在に歴史的な敵意を抱いている。そしてトルコがGNAを守るためリビアに介入してから、この敵意は増幅した。これらの部族に支援を受けるハフタル将軍の軍隊がトリポリにやって来たとき紛争 全文をよむ
■近代国家の概念においても諸部族は存続し、更新されてゆく! 【イラク:ワーイル・イサーム】 イラク、シリア、レバノンにおいて人種的な部族の役割が非部族地域で弱まったとするなら、精神的部族、つまり宗派の役割が高まっているといえる。それはもう一つの原始的紐帯であり、市民(citizenship)の概念に逆らい、近代国家の土台を破壊するものだ。 このようにして、アラブの春における諸革命やその革命の陣痛の期間が生んだ紛争は、シリアにおいては宗派的特徴を、リビアにおいては部族 全文をよむ
■近代国家の概念においても諸部族は存続し、更新されてゆく! 【イラク:ワーイル・イサーム】 政治的情勢や忠誠心に変化は生じたものの、バシール家の指導者層は依然として、部族というものが常にそうするように、部族の存続と役割を維持するための弛まぬ努力のなかで、政治同盟(相手)を天秤にかけることによって、強固であり続けている。一方トルコは、東部の獅子軍やアブー・アムシャ司令官の師団(スルターン・スライマーン・シャー師団)などの、シリア北部の部族的特徴をもつ諸派閥と共に行動すること以上 全文をよむ
■近代国家の概念においても諸部族は存続し、更新されてゆく! 【イラク:ワーイル・イサーム】 イラクに駐留していたアメリカ海兵隊の高級将校たち−なおアンバールとファルージャでの作戦における指揮官の一人だったマティス前米国防長官もその中に含まれる−は、彼らが同国を占領した後に直面したスンニ派の暴動という窮地から脱したときの経験を、アメリカ陸軍士官学校の諸研究施設が作成した数々の文献や研究の中で振り返り、次のように結論づけている。すなわち、反政府諸派閥を解体し、またその一部をジハー 全文をよむ
■近代国家の概念においても諸部族は存続し、更新されてゆく! 【イラク:ワーイル・イサーム】 部族の紐帯は、アラブ地域ないし旧世界の国家概念に対し、依然として積極的な役割を果たしている。そして部族への帰属は、それが民族的なものであるにせよ、精神的なもの(宗派)であるにせよ、政党や社会的階級によって人々を分類しようとする数々の近代的政治制度の面前に立ちはだかる。部族的紐帯の相互作用やネットワークは近代国家の形に影響を与えており、それがゆえに、これらの近代主義的観点を擁する者たちは 全文をよむ
■イスラエルの「独立」に対するUAEの祝福! 【本紙】 在イスラエルUAE大使館は2つのツイートを投稿した。ひとつはアラビア語で、「我々はイスラエル市民の幸せな独立記念日を願います」と述べた。ふたつ目は英語でツイートされ、ヘブライ語をラテン文字に転写した「独立記念日おめでとう」(「Yom ha’atzmaut sameach!」)という文が続いた。それはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の心を喜ばせる行為であり、同首相は「イスラエルの全国民からあなたたちに感謝を!」と返し 全文をよむ
■ハマースからコロナとイスラエルへ 「死なない程度の困難はかえって私を強くする」 【イスラエル・ハヨム紙:ヨアヴ・リムール】 昨日(18日)未明のアシュドドへのミサイル発射がガザ地区における新たな傾向を示しているかは疑わしい。しかし、イスラエルは、和解の取り組みが暗礁に乗り上げ、コロナ危機を利用したハマースとの交渉の機会を逃したことを懸念するべきである。 ミサイルの発射自体は、夜明け前の2時にハマース支配下の地域であるガザ地区北部ベイト・ハヌーンから行われた。迎撃シ 全文をよむ
■なぜジハード主義者たちはイブン・タイミーヤに反旗を翻したのか? 【本紙:ファイサル・カースィム】 ここで次のような疑問がわいてくる。「アル=カーイダやダーイシュのようなスンナ派ジハード主義集団は、実際に、スンナを実践しているのか?あるいは、国務長官の言葉を借りれば今やアル=カーイダの故郷(拠点)となったイランのために大多数のスンナ派を貶めているのか? 」 時代の違いや教義の相違は別として、これまでに示した2人の模範、すなわちイブン・タイミーヤの見解およびファトワー 全文をよむ
■なぜジハード主義者たちはイブン・タイミーヤに反旗を翻したのか? 【本紙:ファイサル・カースィム】 イランとも関わりがあるシリアの体制側情報筋によると、アメリカはソレイマーニー司令官を暗殺したのは、彼が(彼のために)引かれた一線、ついには、シャーム解放機構(かつての「ヌスラ戦線」)から逸脱しはじめたからだ。 「スンナ派」パレスチナ・イスラーム「抵抗」組織の一部が、イブン・タイミーヤがラーフィド派と見なしたイランから物資的、政治的支援を受けていることを公に認めているこ 全文をよむ
■なぜジハード主義者たちはイブン・タイミーヤに反旗を翻したのか? 【本紙:ファイサル・カースィム】 イブン・タイミーヤの発言を引用したのは、決して、その発言を信じているからというわけではない、また誰かを罵倒するためでもない。そうではなく、イスラーム主義グループにこの発言を思い出させたかったからだ。彼らはイブン・タイミーヤの教えを字義的に信奉しているにもかかわらず、ポンペオ米国務長官によると、今ではイランを彼らの故郷(拠点)と見なしている。ポンペオ米国務長官は「アル=カーイダは 全文をよむ
■なぜジハード主義者たちはイブン・タイミーヤに反旗を翻したのか? 【本紙:ファイサル・カースィム】 「このことからあなたは、ラーフィド派、イスマーイール派、ヌサイリー派の一団が本質では自分たちの言葉が不道徳であることを知っていて、信頼できる者たちとそのことを話し合っていることを知る。」、「ラーフィド派は諸宗派のうちで最も無知であり、最も虚言癖があり、伝承された事柄および理性の対象である事柄に関する真理から最も遠いのである。彼らは自分たちの宗教の法源に基づいてタキーヤ(信仰秘匿 全文をよむ
■なぜジハード主義者たちはイブン・タイミーヤに反旗を翻したのか?(1) 【本紙:ファイサル・カースィム】 イスラーム過激派ジハード主義グループの理論的、思想的、教条的出発点に目を向けてみると、それがイブン・タイミーヤ(1263〜1328)のファトワー、教え、(クルアーンとハディースの)注釈や解釈を一字一句そのまま信奉することだとわかる。このようなグループは、しばしば「イスラームの師」(イブン・タイミーヤ)の思想に従って行動や政策を決定してきた。多くの人はこのことに驚き、次のよ 全文をよむ
■忘れられたシリア 【ズィヤード・マージド】 年始よりシリアの出来事が西ヨーロッパやアメリカの政治や報道でほとんど扱われていない。これは、一方ではコロナウイルスの蔓延による健康、経済、社会的な危機を受け、それを日々集中的にフォローアップし続けており、また他方では(シリアの)後にイラクとリビア、それからレバノン、その前はアルジェリアとスーダンで生じた中東と北アフリカの出来事、さらにはアラブ首長国連邦、バーレーンとイスラエルの関係正常化のニュースがあったためだ。シリアは 「アンテ 全文をよむ
■チュニジアに対して陰謀を企てているのは誰だ? 【ロンドン:本紙】 こうした地方勢力は、エジプトのアブドゥルファッターフ・スィースィー大統領のクーデターを成功させ、リビアのハフタル将軍の台頭および強大化という現象を後援した。彼らは「ムスリム同胞団」との闘いという口実に乗じていたにも関わらず、実際に意図されているのはイスラーム集団をいかなる政治民主化運動をも破壊することに仕向けることだった。彼らによるベン・アリー元大統領やその他左派勢力(の方向性)に向けた促進・支援活動にもかか 全文をよむ
■チュニジアに対して陰謀を企てているのは誰だ? 【ロンドン:本紙】 チュニジアは多面的な政治的危機に足を踏み入れている。中でも重要なのは、放逐されたザイン・アブディーン・ベン・アリー前大統領の支持者らや複数の政治団体による立憲自由党への追従によりイリヤース・ファハファーハ首相がサイード大統領に辞表を提出したことである。こうした「内戦」はアン=ナフダ運動に対抗する運動であり、石油などの天然資源に富むタタウイヌ州カームール地域の住民は、2017年に(当時座り込みの解消に失敗した) 全文をよむ
■チュニジアに対して陰謀を企てているのは誰だ? 【ロンドン:本紙】 . チュニジアのカイス・サイード大統領は昨日水曜日、「外国と共に陰謀を企てる者は法の裁きを受ける」と威迫した。この「陰謀者ら」に対する非難は、同氏がチュニジア軍の特別軍部隊司令部と首都チュニスの内務省を訪問した際になされたものである。同氏はまた、国家を侵犯するいかなる者、あるいは法に反するような思想の者に対しては軍隊が力によって立ち向かうとの考えを示し、チュニジア軍は「勝利か殉死以外は甘受しない」と述べた。 全文をよむ
■『シリア獄中獄外』の著者が語るシリア問題の困難さ 【本紙:ヤシーン・ハージュ・サーレハ】 社会革命はいまや起きていない。もはや社会がないからだ(「国民」の90%の貧困はもはや貧困とはみなされない。これは飢餓であり、国家的な死を意味するからだ)。民主的変革の空想は現実にそぐわない。なぜならシリアでは、民主主義的過半数や政治ブロックを構成する基礎が公的な民主主義の中に見出していた私的な利益が、国家の愛国主義が完全に崩れ、社会における愛国主義の崩壊が進んだことによって壊れてしまっ 全文をよむ
■『シリア獄中獄外』の著者が語るシリア問題の困難さ 【本紙:ヤシーン・ハージュ・サーレハ】 これを示しているのが、拡大、成熟し、重要になった新たな政治組織が存在しないことだ。(そういった状況にさせる)取り決めがあるわけでない。未来からやってきた惑星シリアが主張しているのは、もはやこの国には未来がないということのようだ。 未来に通じる道はない。未来というのは、他でもなくその道自体のことを言うのだから。進歩は役に立たず、革命は自らを食い潰すことになる。あるいは、この国で 全文をよむ
■『シリア獄中獄外』の著者が語るシリア問題の困難さ 【本紙:ヤシーン・ハージュ・サーレハ】 愛国主義やシリア市民の危機の正常化によって、ある程度この世界的危機の現状は取り戻される。これは同時に、オルタナティブな思想の機会でもある。この思想は五つの占領国の競合によって縮小された世界であるところのシリアから生まれてくるのである。そして、この5カ国に加えて、グローバル化との双子であるアル=カーイダは別にしても、隣国(レバノン、トルコ、そしてイラク)での内戦の危機の中で生まれてきた国 全文をよむ
■『シリア獄中獄外』の著者が語るシリア問題の困難さ 【本紙:ヤシーン・ハージュ・サーレハ】 これら全ては、外国の侵略を前にした敗走というよりも、自壊によるものである。模範というものは、魚のように頭から腐っていく。影響ある二つの信条、すなわちイスラーム主義と世俗主義を、我々の社会における活動家や知識人の思想の中に加えた場合であっても、これは同じことである。イスラーム主義それ自体が自身に与えたほどの損害をイスラーム主義にもたらしたものは一つもない。その破壊はあまりにひどく、人々が 全文をよむ
■『シリア獄中獄外』の著者が語るシリア問題の困難さ 【本紙:ヤシーン・ハージュ・サーレハ】 また西洋式の資本主義が、(自国の)技術的・科学的優越性や旧植民地諸国からの資源の略奪を原因とし、直接的にであれ不平等な貿易を通じてであれ、あらゆる社会主義的試みを困難にしたというのが真実だとすれば、社会主義が失敗した根本的原因は共産主義・社会主義政党にあるということになる。というのも、それらの政党は社会主義の思想にはそぐわない権力闘争に陥り、自らの能力と釣り合わなくなったからだ。それら 全文をよむ
■『シリア獄中獄外』の著者が語るシリア問題の困難さ 【本紙:ヤシーン・ハージュ・サーレハ】 そして、植民地主義や帝国主義、それに伴うブルジョワ主義(彼らは公共資源を独占し、自分たちが一国を支配し、統治している貴族であるかのように振る舞っている)、あるいはこの国の独裁や国家専制に抵抗するための言説を打ち壊してしまったのは一体誰なのだろうか?旧宗主国(彼ら自身、今日でも強大な国際的支配勢力である)は、たとえ衰退したとしても、健全な祖国解放に向けてより不適切な国際的環境を旧植民地国 全文をよむ
■『シリア獄中獄外』の著者が語るシリア問題の困難さ 【本紙:ヤシーン・ハージュ・サーレハ】 2011年春の革命以前、シリア国民が半世紀にわたって政治的に沈没していたように、この国の分析が沈没している原因はここにある。しかし考えてみれば、実際これは、他の諸国あるいはすべての国に共通した状況であるかのように思えてくる。 祖国解放、社会・民主化革命という大義は、固定的かつ安定的な特定の政治的・社会的意義もなく漂う、まるで言葉の水車のようだ。シリアは、様々な政治組織が活動す 全文をよむ
【本紙:ヤシーン・ハージュ・サーレハ】 困難なシリア問題 シリア問題は祖国解放の問題ではない。シリアにある種の植民地主義的次元の勢力が存在し、5カ国(イスラエル、イラン、アメリカ、ロシア、トルコ)が次々とシリアを占領し、そのうち少なくとも3カ国、おそらくは5カ国全てが占領を続けようとしているにもかかわらず、である。またこれは、貧困に関連する側面の強さや、祖国革命の源を国有化し、アサド王政の略奪者らとその支援者の財産を没収する必要性があるにもかかわらず、社会革命の問題のように 全文をよむ
■イラク:宗派が怪物を創り出すとき 【ヤヒヤー・カビ―スィー】 この怪物は、もはや宗派の都合のいい道具としての役割に耐えられなくなった。それどころか、怪物を作り上げた宗派だけでなく、国家全体に対しても暴力で復讐するようになった。 女性作家マリー・シェリーの小説『フランケンシュタイン』の作中、怪物はフランケンシュタイン教授に難題を投げかける。「どうしてあなたはこんな忌まわしい怪物を作ったのですか?自分で作って置きながらどうしてそれを見捨て、忌み嫌ったのですか?」そして 全文をよむ
■イラク:宗派が怪物を創り出すとき 【ヤヒヤー・カビ―スィー】 2016年6月、宗派の怪物の製作に関わる主たる組織、バドル戦線のメンバー、フワーリー・ブームディーン・ダーウードという名の「個人」がアンバール県のサジャル地域から逃れてきた民間人17名を殺害し、集団墓地に埋めた!この犯罪が明らかになっても、一体どうやって戦闘員の一人である「個人」がたった一人でこれほど多くの罪のない市民を殺害して埋めることが出来たというのかということについて、疑問を呈する者は誰もいなかった!そして 全文をよむ
■イラク:宗派が怪物を創り出すとき 【ヤヒヤー・カビ―スィー】 怪物ISISとの闘いで、宗派の怪物は最も凶悪な罪を犯した。そして犯罪のいくつかを記録し、宗派内に熱意を広め、仮想の宗派の敵たちの心に恐怖の種をまくことに熱心だった!行われた戦争犯罪や非人道的な罪は、確実に政治的に、そして社会的にはより確実に保護された。さらに、犯罪を個人的な行為とすることで、正当化・合法化されることになる。そもそも加害者の身元が知れていればの話だが、こうしてイラクでは犯罪はその加害行為ではなく、加 全文をよむ
■イラク:宗派が怪物を創り出すとき 【ヤヒヤー・カビ―スィー】 ほとんどの人は、怪物が正式に、形式的に公示される前に、この怪物の主な部分が出来上がっていたことを十分に了知していた。そしていわゆる宗派の利益を守るために、怪物を完成しなければならないという明確な決定がなされたことも承知していた。そして2010年から2014年までの間、だれもが、この危険なプロジェクトや、シリア国内とバグダード近郊でこの怪物に行われたさまざまな実験を目の当たりにし、耳にし、読むことになる。しかし彼ら 全文をよむ
■イラク:宗派が怪物を創り出すとき 【ヤヒヤー・カビ―スィー】 ヴィクター・フランケンシュタインが怪物(被造物)を創造したとき、彼は、この怪物が将来彼に反逆し、足かせとなり、それどころか彼を次々と犯罪に引きずり込むことになることなどと思いもしなかった。そして創造者であるフランケンシュタインは、最後は創造物の人質となり下がってしまった。実際、フランケンシュタインは彼の怪物から投げかけられたこの質問に答えることができなかった。「どうしてあなたはこんな忌まわしい怪物を作ったのですか 全文をよむ
■西洋はどのようにしてアラブから民主主義を奪ったか(シリアを例に) 【N.P:本紙】 トムソン氏は「シリアに関する常識」という自身の以前のプロジェクトについて言及しつつ、著書を締めくくっている。このプロジェクトの中で彼女は、1946年にフランスからの独立を実現したシリアの歴史、社会についての議論を提示しており、ジョシュア・ランディス氏とピーター・フォード氏もこれに参加した。 彼女は20世紀のシリアの歴史について、より詳しいイメージを提供できることを願っている。またこ 全文をよむ
■西洋はどのようにしてアラブから民主主義を奪ったか(シリアを例に) 【N.P:本紙】 ビデオ対談の中で、トムソン氏はクワント氏と1920年の憲法を起草したグループの主要メンバーの1人がたどった軌跡について詳しく議論した。彼はレバノンのリベラル・イスラミスト作家・思想家のシャイフ・ラシード・リダーである。彼はエジプトで、西欧の政府が憲法統治の中でいかに彼の期待を裏切ったかに対して怒り、これはのちにハサン・バンナーがムスリム同胞団を創設するにあたっての主要な着想の源となった。 全文をよむ
■西洋はどのようにしてアラブから民主主義を奪ったか(シリアを例に) 【N.P:本紙】 トムソン氏によると、イギリス人やフランス人は、どのアラブ人も自治政府に対する「準備ができていない」と述べつつ、委任統治体制を採用するよう当時の国際連盟を説得した。またこれは隠れた植民地支配の形態の一つであり、その後これらの管轄権は国々の間で互いに分割されたのだという。 パレスチナでは、イギリス人がシオニストによる植民地化プロジェクトに関連する多額の支出のために管轄権を行使した。そし 全文をよむ
■西洋はどのようにしてアラブから民主主義を奪ったか(シリアを例に) 【N.P:本紙】 ドイツとオスマン帝国の敗北の後、ファイサル王子は当時のシリア全土の指導者層幅広い同盟と共に活動を続けた。これは同国に立憲君主制による統治制度を樹立するためであり、そこにおいて彼は王となるが公憲法による制限に従うことになる。 多くの西欧人がもっとも良く覚えているのは、アレック・ギネスが映画「アラビアのロレンス」で演じたキャラクターであるが、彼は実在の人物だった。ロレンス中佐は1919 全文をよむ
■西洋はどのようにしてアラブから民主主義を奪ったか(シリアを例に) 【N.P:本紙】 対談の中でトムソン氏は、エジプト軍が選挙された大統領ムハンマド・ムルスィー氏を「野蛮に」追放し、彼が属するムスリム同胞団が指導する民衆運動を鎮圧した2013年の夏にまず着目し、同テーマについての研究を始めることに熱心だったと述べている。また同氏は、1920年3月にダマスカスで活動を開始し、結果長くは続かなかったシリア・アラブ民族会議のいくつかの記録が、民主主義を支持しシリアやアラブ世界全てに 全文をよむ
■西洋はどのようにしてアラブから民主主義を奪ったか(シリアを例に) 【N.P:本紙】 イギリスとフランスは第一次世界大戦の直後、アラブ世界の大部分に対する委任統治権を得ることに関し、どのようにして他の政府を納得させたのか。シリアとレバノンに対する管轄権を与えられたフランスは、シリア人がシリア人の国家において立憲体制を樹立するための政治的・先駆的・発展的な計画を排除するために、どのように自国の力を用いたのか。その後フランスは、どのようにこの憲法制定の努力の全ての歴史を抹消し、こ 全文をよむ
■コロナと体制との間で…ラマダーンにおける貧しい人々の空腹 【ロンドン:本紙】 国際連合世界食糧計画(WFP)によると、現在世界中で約3億2000万人もの子供たちが学校給食を失った。貧困の激しい国々では、何百万もの人々がラマダーンで飢えに苦しむものの、彼らの空腹は日が沈んでイフタールを告げる声が聞こえても終わらない。 一方で、外出禁止や自宅待機、礼拝所などの公共施設の閉鎖を義務付ける試みを一層強化した政府や宗教的権威もある。中には、礼拝のみならず断食をしないように人 全文をよむ
■コロナと体制との間で…ラマダーンにおける貧しい人々の空腹 【ロンドン:本紙】 ラマダーンの間、何百万もの人々が飢えに苦しむだろうが、ある英国紙が伝えるように、断食ではなく他の要因によってである。コロナ禍が課した現状の封鎖は、富裕層の家庭にとっては家族と共に時を過ごしたり、手料理のバラエティーを増やしたり、ダンスやSNSに興じて過ごす機会になるのかもしれない。だが、そうでない人々にとって、この自宅待機は生活の基盤を失うこと、飢餓に陥る危険を意味する。 しかしそれは、 全文をよむ
■コロナと体制との間で…ラマダーンにおける貧しい人々の空腹 【ロンドン:本紙】 世界中の人々が新型コロナウイルスの感染拡大に苦しむ中、今年も聖なるラマダーン月がやってきた。多くのイスラームの国々において、伝染病とラマダーン月の(同時)到来は専断的な諸体制による苦しみに追い打ちをかける。だが、より苦しむことになるのは、おそらく貧しい人々であろう。彼らは感染の拡大により生活の糧を断ち切られ、当局が外出制限を課したことで糧を求めに出ることも禁じられた。こうした人々の多くは、その日毎 全文をよむ
■アメリカのWHOへの資金提供停止は何を意味するか?2人のアラブ人医師が説明する(4) 【パリ:本紙】 この記事は、全世界がグローバリゼーションや国際協力に対抗する国家主義的な政策に向かっている時期において、アメリカが国際舞台から身を引き、財政責任を放棄し続けるであろうことは明らかだと結論づけている。また、この熱狂的な右派の方向性は世界の発展途上国、とりわけ最貧困国や、戦争または貧困の圧力や干ばつ、感染症に屈している国々に悪影響を与えるだろう。世界では、第二次世界大戦後の体制 全文をよむ
■アメリカのWHOへの資金拠出停止は何を意味するか?2人のアラブ人医師が説明する(3) 【パリ:本紙】 特筆すべきは、WHOがまず財政危機について現地のパートナーにまず伝え始めており、そしてそれに伴い一部のプロジェクトが停止するかもしれないということだ。結局、WHOへの拠出金がアメリカの年間予算から消されるのか、あるいは異なる方法と、おそらく異なる政治ビジョンによってプロジェクトを実行するパートナーに直接分配されるのかは分からない。 さらに、その二人の医師は以下のよ 全文をよむ
■アメリカのWHOへの資金拠出停止は何を意味するか?2人のアラブ人医師が説明する(2) 【パリ:本紙】 また、アブドゥッラー・シャーヒーン医師とタイスィール・カリーム医師は以下のように述べた。「この危機に対応することは長期的なWHOの未来を描くことになるだろう。つまり、この危機への対応が世界の保健活動の場におけるWHOの存在感を確立する一助となるか、あるいはWHOに終止符を打つのを早めるかということだ。」国連機関が透明性、優れたリソース管理、対応方法、危機管理に関する深刻な問 全文をよむ
■アメリカのWHOへの資金拠出停止は何を意味するか?2人のアラブ人医師が説明する(1) 【パリ:本紙】 アメリカのブラウン大学感染症科の助教授であるアブドゥッラー・シャーヒーン医師と、フランス在住で世界中の紛争地帯や災害地域における救援活動の専門家であるタイスィール・カリーム医師は以下のように語った。「世界保健機関(以下、WHO)への資金拠出の停止がWHOの活動や一部のプロジェクトの進展に悪影響を与えるのは明らかだ。なぜならアメリカが毎年WHOに行っている約4億ドルの拠出が停 全文をよむ
■新たなヨルダンの「国益をめぐる問い」の諸相:コロナ、エストニア、キッシンジャー、イスラエル産ガス、ネゲヴのオイルシェール 【アンマン:本紙】 ≪政府は代替エネルギー計画を「開始」するも、イスラエルとの関係正常化への問いはのこされたまま≫ 改めて、これは解くことが難しいヨルダンの政治的な「等比数列」である。コロナウイルスによって国際関係の枠組みにめまぐるしい変化が起きているにも関わらず、現在のところヨルダン政府はオイルシェール問題や太陽光から風力に至る国のエネルギー 全文をよむ
■新たなヨルダンの「国益をめぐる問い」の諸相:コロナ、エストニア、キッシンジャー、イスラエル産ガス、ネゲヴのオイルシェール 【アンマン:本紙】 エネルギー安全保障といえば、エストニアで最も有名な世界的専門家と共にイスラエルが「シェールオイル」生産協定に署名したというニュースは、具体的に何を意味するのだろうか? この質問は、特にコロナウイルスが流行しているタイミングにおいて、政治的なもの、殊にヨルダン的なものとなる。ヨルダンは2年前から同国への同様の投資が直面している 全文をよむ
◾︎ポリティコ:イスラーム国はコロナウイルスを利用しイラクにおける再編成を画策する 【ロンドン: 本紙】 2011年とは異なり、アメリカ軍はイラクを去るべきではなく、存在を見せるべきではない。アメリカの非軍事部隊は、特にイラク脱出の口実としてウイルスを用いたため、今後大勢でイラクに戻ってくることはないだろう。またイラク軍はイスラーム国の活動を抑制する準備ができていない。おそらく、イラク内のアメリカ軍の数は減少するだろう。イランの支援を受けた民兵は、イラクで米国人顧問に対する長 全文をよむ
◾︎ポリティコ:イスラーム国はコロナウイルスを利用しイラクにおける再編成を画策する 【ロンドン: 本紙】 イスラーム国はもはや弾圧されることがなくなったため、地域レベルにおいて野心を見せ始めた。組織はイラク・イラン間の国境に近いハーナキーン県において、イラク治安部隊に対する武力攻撃や地上作戦に用いる弾道ミサイルや迫撃砲弾を倍増させている。 3月17日からの5日間で、武装部隊が15発の迫撃砲弾をトゥーズ・フルマートゥーとアミルリーの密集した居住地域に向けて発射した。同 全文をよむ
◾︎ポリティコ:イスラーム国はコロナウイルスを利用しイラクにおける再編成を画策する 【ロンドン: 本紙】 イスラーム国はウイルス流行の中、様々な方法で活動に順応する優れた能力を持っている。各支部は孤立しており、長期にわたって社会的距離(ソーシャル・ディスタンス)を保ってきた。社会的距離の実践が、各国が目下取り組む政策となる前からである。 組織の指導部は早々にメンバーに向けて声明を発表し、ウイルスに近づかず接触を避けること、手を洗うこと、咳とくしゃみをする際は口を覆う 全文をよむ
◾︎ポリティコ:イスラーム国はコロナウイルスを利用しイラクにおける再編成を画策する 【ロンドン: 本紙】 同時期、イラク軍はコロナショックを受けた緊急支援活動、移動規制の強化、また彼ら自身とその家族をウイルス感染から守ることに忙殺されていた。公式の統計によると1100人がコロナウイルスに感染し、65人のイラク人が死亡した。検査が不足している中、その実数はさらに増加する可能性がある。本来特別作戦部隊が行っている農村地域での捜索および掃滅作戦も減少しており、これは治安情報の共有や 全文をよむ
◾︎ポリティコ:イスラーム国はコロナウイルスを利用しイラクにおける再編成を画策する 【ロンドン: 本紙】 3月19日、有志連合とNATOはウイルス感染拡大を理由に訓練と軍事行動を二ヶ月間停止することを決定した。また3月29日、フランス、オーストラリア、スペイン、イギリス、ポルトガル、ニュージーランド、オランダは自国の訓練官のほとんどをイラクから撤退させた。これに平行し、アメリカは3月の最終週のうちにモースル、カーイム、カヤーラ、キルクーク、タカッドゥムにある前哨基地から自国の 全文をよむ
◾︎ポリティコ:イスラーム国はコロナウイルスを利用しイラクにおける再編成を画策する 【ロンドン: 本紙】 イスラーム国はコロナウイルスによってどのように給餌されているのだろうか?ワシントン近東政策研究所のマイケル・ナイツ研究員は、雑誌「ポリティコ」に掲載された記事の中で「世界は閉ざされ、増加している死者数や経済的損失ばかりを数えているが、イラクから遠く離れた地域ではイスラーム国が新たな生活を享受している」と述べている。 COVID-19が同地域に拡散する前まで、イス 全文をよむ
◾️熟考の呼びかけ⑷ 【オマーン:アーン・ビント・サイード・キンディー】 今回教訓からきちんと学んだ人は、間違いなく環境保護と地球温暖化防止への取り組みの大切さを理解したはずだ。環境保全を国の開発計画の前提条件にする人は、グローバルな役割を果たすだけでなく、高水準の生活を実現することになる。今回教訓から学んだ人は、自然と調和した、決して自然を破壊しない都市計画の大切さを知るだろう、それは私たちの祖先がやってきたことに他ならない。教訓から学んだ人は、様々な(分野での)優先順位 全文をよむ
◾️熟考の呼びかけ⑶ 【オマーン:アーン・ビント・サイード・キンディー】 教訓をよく学び、露呈した弱点を強化する人もいるに違いない。同様に、事実を美化して、過去に戻り、起こったことは例外で、二度と起こらないと自分に言い聞かせる人もいるはずだ。また、欠陥の状態を注意深く観察して道を修復する人もいるだろうし、利益や職位のために過ちを観察する人もいるに違いない。さて、国民の関心とリーダーの知恵が、無力さを認め、たとえ苦悩を伴っても変革に努める能力をもたらした。あらゆる国、あらゆる 全文をよむ
◾️熟考の呼びかけ⑵ 【オマーン:アーン・ビント・サイード・キンディー】 湾岸諸国は、自国の医師たちの可能性は保健システムの水準より優れていると考えている。どうしてそうなのか?それは、湾岸諸国の中には自国の医師を世界最高レベルの大学で研修させることに投資する国があるからである。しかしそれだけでは、十分な保健水準を作り上げることはできない。つまり、医師育成への投資が、保健システムへの投資より大きかったのだ。そのことが、これら(研修を受けた)医師たちが、医療レベルであろうと実験 全文をよむ
◾️熟考の呼びかけ⑴ 【オマーン:アーン・ビント・サイード・キンディー】 これまで世界は、一人一人が洞察してこなかったことに目を向け考え直すことで、強制的な停滞を乗り越えてきた。絶え間のない活動が引き起こす混乱が突然停止してしまった。さて、私たちはこの機会に、じっくりと考え直しただろうか? この停滞が、私にとって、またあなたにとって、あるいは湾岸諸国、中東、そして世界全体にとって、どういう意味を持つのか? 私たちが、発展の優先順位を見直すことを意味す 全文をよむ
■「コロナ帝国」:イスラエル…そしてジョイント・リスト 【パレスチナ:イマード・シャクール】 私が思うに、人類の有史の中で、2020年ほど1492年によく似た年はない。 我々は今日、悲しむことではないが、アメリカの覇権の雲が散開し始めたのを目撃している。おそらくこれによって最も被害を被るのはイスラエルである。イスラエルはパレスチナを「盗賊の洞窟」にしてきた。 イスラエルを悩ませていること、それは一年以内に訪れる総議会選挙の三つの「戦い」である。終わることが 全文をよむ
■「コロナ帝国」:イスラエル…そしてジョイント・リスト 【パレスチナ:イマード・シャクール】 今日、全ての人類は有史の中で前例のない新段階に向けての敷居のもとに立っている。プロテスタント福音主義によって樹立され、強制され、主導された世界秩序の崩壊の始まりである。これは、福音派に代表されるこの潮流において最も後進的かつ熱狂的で陰険な者たちへの移行とともに始まった。そのうち最も顕著な政治的指導者はアメリカのマイク・ペンス副大統領とマイク・ポンペイオ国務長官だ。そしてこの崩壊は、( 全文をよむ
■「コロナ帝国」:イスラエル…そしてジョイント・リスト 【パレスチナ:イマード・シャクール】 彼らは近代的な意味での「ナショナリズム」を採用し、宗派主義的スペクトルによって、他の国民・民族に対する植民地主義と搾取を始動させた。例えば、コンゴはベルギーによる植民地主義によってカトリックになり、ケニアはイギリスの植民地主義によって英国国教会になった(ケニア革命の指導者で初代大統領であるジョモ・ケニヤッタは、このことについて以下のように言及したと伝えられている。「彼らは我々に空を与 全文をよむ
■「コロナ帝国」:イスラエル...そしてジョイント・リスト 【パレスチナ:イマード・シャクール】 これは、この世界秩序によって不正、差別主義、後進性、そして科学と進歩に対する闘争が強化されるまで続いた。しかし実際には、(驚くべきことに)二つの大きな勝利の実現を除いて、歴史的な意味において世界のピラミッドの頂上からの破滅の段階は始まらなかったのである。第一は、1492年にアラブ人とイスラーム教(そしてユダヤ教)をイベリア半島(アンダルシア)から追放したことによる勝利だ。そして第 全文をよむ
■「コロナ帝国」:イスラエル…そしてジョイント・リスト 【パレスチナ:イマード・シャクール】 このコロナウイルスはまさにそのような(比類なき)ものである。なぜなら、政治、経済、社会学、報道の専門家も、作家、思想家、哲学者も、あらゆる人間が何よりも先んじてコロナウイルスや、これが地球上での生活に関連するあらゆるものに対して及ぼす影響について話しているからである。それはあらゆるレベルにおいて例外がない。コロナは、水平・垂直のあらゆる方向に包括性および深みにおいてかつてない政治的、 全文をよむ
■「コロナ帝国」:イスラエル…そしてジョイント・リスト 【パレスチナ:イマード・シャクール】 「コロナ帝国」のトピックは多くの記事や本、書物で取り扱われるに値するが、この記事における話題はそれに限定されるものではない。すなわち、イスラエルにおける政党レベルの発展、新たな連立形成、選挙連立の分裂、ここ数日間に起きた驚くべき事態、これから数日の間に起こるであろう驚くべき事態を無視する余地はないということであり、こうした動きに関しては、その内容を研究し、これらがもたらす即時的および 全文をよむ
■The sixth day 国の試練か女性の試練か 【本紙:ヒヤム・ウライエル教授】 1986年にユニークな映画(The sixday)を作ったとき、ユーセフ・シャヒーン監督は世界的な監督では無かった。 彼はただエジプトの学生たちが反英運動を行っていた時代のある時期を歴史に残したかっただけで、1947年にエジプトを揺るがした伝染病(コレラ)流行の悲劇や、コレラに対処できないエジプト政府の脆さを露呈した(負の)連鎖、つまりコレラで数千人のエジプト人が亡くなり、と 全文をよむ
■アラブの大統領の国際刑事裁判所への身柄引渡は歓迎すべきことなのか 【本紙】 こうした事実は、バシール前大統領の弁護人が引渡の決定を「政治的敵対行為であり、復讐だ」とみなす理由を明らかにしている。また、同弁護人は、この決定は「スーダンに多大な影響を及ぼす」ような治安・政治的影響があるだろうとの認識を示している。実際、権威的で象徴的なこの決定によりスーダン国外にも政治的影響を与えることが想定されている。というのも、今回の発表が実行され、バシール前大統領と指名手配中の高官らの引渡 全文をよむ
■アラブの大統領の国際刑事裁判所への身柄引渡は歓迎すべきことなのか 【本紙】 スーダン当局は、当局交渉代表団が、国際刑事裁判所(ICC)から指名手配されている者らの引渡を行うことでダルフール地方の複数の武装闘争運動と合意したと発表した。ICCから指名手配されているのは、解任されたオマル・バシール前大統領を始めとする、ダルフール地方での戦争犯罪に問われている政党指導者4名である。スーダン主権評議会のメンバー、ムハンマド・ハサン・タアーイシー氏が明らかにした。 同発表に 全文をよむ
■シリア:内戦の軍事的終結は可能なのか? 【本紙:社説】 途切れ途切れではあるが、特に2017年以降、飢えに喘ぐ包囲下諸地域からの反体制派シリア人の移住が顕著になった。彼らはダラーヤ、グータなどのダマスカス近郊から、アレッポ内あるいはヒムス、ハマー郊外を通過し、いわゆる緊張緩和合意の影響下に置かれたイドリブ県に皆で集結した。緊張緩和合意とは、アスタナ・プロセスの一環であり、国際的に組織された手段や以前のジュネーブ会合からシリア情勢を取り出すものであった。そしてこれは、シリア政 全文をよむ
■誰が強いイラクを望んでいるのか? 【ハイファ・ザンカナ】 イラク大統領と国民議会は、首相の罷免と政府の解散の後、抗議者の要求と犠牲者の血に見合った臨時的な後任の指名に向けて何をためらっているのだろうか?有権者中18%の得票率を得て選任された国民議会は何をするつもりなのか?一方で有権者の82%はこれに対立していたことになるが、彼らは現在、複数の県や都市の広場で宗派主義や腐敗、雇用問題についての抗議運動を行っている。これら問題については特にここ16年間の大卒者を中心に、若者を悩 全文をよむ
■イスラエルがアラブ諸国をゆすっている…訴訟の準備か 【本紙】 イスラエル政体がユダヤ人を集める以前に、彼らが元々属していた社会で排斥、追放および攻撃をうけたという仮説を流布し始めた。これは、アラブ諸国に対する措置を伴うプロパガンダ・キャンペーンを開始するために政治的な土壌を整える一環だ。 1948年に出現し建国を宣言したイスラエル政体は世界のユダヤ人を集めたという厳然たる事実から70年の時を経て、イスラエルはその事実の捏造を開始した。というのも、集まったユダヤ人た 全文をよむ
■エジプトでパレスチナの旗を掲げることは犯罪である(2) 【本紙】 ある活動家はこの事件に対して、「その(逮捕された)人物は、イスラエル国旗を燃やすことでスィースィー大統領に近い人物を侮辱した容疑で起訴されることを恐れていた(から代わりにパレスチナ国旗を掲げた)」とコメントした。実際のところ、このウィットに富んだコメントは、図らずも一族の名誉を傷つけられた者や、狼のように国旗を掲げる者を攻撃する者たちを突き動かすロジックに近いものだ。そして、エジプト人だけではなく、アラブ人が 全文をよむ
■エジプトでパレスチナ国旗を掲げることは犯罪である(1) 【本紙】 U-23の(サッカー)エジプト代表対南アフリカ代表の試合中に、世界は鮮烈な「国民投票」を目撃した。この数日前、観客と一部の選手がガザに隔離されイスラエルが新たに行った凄惨な敵対行為に晒されているパレスチナ人に深く心を痛めていた。なお、この敵対行為はイスラエル政府によって指導者の1人を暗殺されたパレスチナ小隊の対抗措置に復讐するかたちで行われた。 試合の最中に、エジプト人選手ウサーマ・ギラール氏とムス 全文をよむ
□賢い犬が29の単語を使って飼い主とコミュニケーションを取っている(動画) 【ロンドン: 本紙】 賢いメス犬が、キーを押すことを覚え、それを使って飼い主と話し、餌や散歩などいろいろなことをおねだりしている。 アメリカ人の言語療法士クリスティーナ・ハンガー女史(26歳)は、特別なキーボードを使って愛犬ステラを教育した。ステラは脚でキーを叩いて、したいことを表すのだ。 ハンガー女史は自分でキーボードを考案し、驚くべき結果が確認された。 ビデオには、生後18 全文をよむ
■トリポリはその奪われた称号「レバノン第二の首都」を取り戻す 【ジャナー・ドゥハイビー】 ・歴史的な光景 トリポリの(デモの)4日目、アブドゥルハミード・カラーミー広場(光の広場)には推定10万人以上のデモ参加者が集まり、広場の中心から隅々に至るで、歴史的な光景の中でレバノンの国旗だけがはためいていた。光の広場はレバノンの代表的な広場であり、真の街の広場であり、様々なバックグラウンドや宗派、勢力のトリポリの市民らを受け入れた。そして、皆が喜び、怒り、そして革命の下 全文をよむ
■トリポリはその奪われた称号「レバノン第二の首都」を取り戻す 【ジャナー・ドゥハイビー】 この輝かしい10月20日日曜日に、トリポリは称号とレバノンの地図上の真の役割を取り戻し、名実ともに「レバノン第二の首都」の称号に値することを証明したと言えるだろう。トリポリは遠く離れて孤立した保守的でイスラーム主義的な村というだけでなく、紛争や一連の戦闘の地というイメージがあった。しかし、今回のこの変革の機会がレバノンに訪れ、あっという間に到来した歴史的な瞬間の中で、有り余るほどの素晴 全文をよむ
■アビー・アハメド首相にノーベル平和賞…シーシー大統領は? 【本紙】 両首脳の相違点の中でも最悪なのは、エジプトの水源事情に影響を及ぼす巨大ダムをエチオピアが建設した後の2015年にシーシー大統領がエチオピアと原則合意を締結した際のことである。なおアフマド・ムフティー博士(エジプト灌漑省の法律顧問)によると、この合意は「エジプトの唯一の水源」を保証するものではなかった。なぜなら「船長さん(訳注:シーシー大統領を指す)」は合意締結の際、彼の全ての政治決定と同様に独断でその決定を 全文をよむ
■アビー・アハメド首相にノーベル平和賞…シーシー大統領は? 【本紙】 この流れの中で注目に値するのが、今回のニュースが数多くのエジプト人の政治家、作家、活動家がアビー・アハメド首相とエジプトのアブドゥルファターフ・シーシー大統領を比較するきっかけになったことである。両氏ともが大国を統治する(エチオピアの人口は推計1億人)首脳であり、アビー・アハメド首相はシーシー大統領と同じく諜報機関出身のためであり、加えて両国は独裁的な軍事支配の深刻化に悩まされている。また二国間では「グラン 全文をよむ
■アビー・アハメド首相にノーベル平和賞…シーシー大統領は? 【本紙】 平和・安全保障研究の博士号を持つアビー・アハメド首相は、国内の安定と諸外国との和解への取り組みを並行して進めた。具体的には、1998~2000年に国境戦争を行うなど歴史的に長く敵対関係にあったエリトリアとの和平を実現したほか、今年4月に抗議活動を受けてスーダンのウマル・バシール大統領が放逐された際には、スーダンの紛争両当事者の意見のすり合わせに成功し、市民政府の成立に寄与している。 こうした大きな 全文をよむ
■アビー・アハメド首相にノーベル平和賞…シーシー大統領は? 【本紙】 エチオピアのアビー・アハメド首相は、昨日金曜日(10月11日)に発表された自身が受賞したノーベル平和賞は「アフリカの勝利」であると語った。種々の政治的・軍事的紛争や内戦、貧困や専制が蔓延る、人権が抑圧された大陸である。この意味において、今回の賞は、2018年4月にアハメド氏が政権を樹立して以来の短期間に行われた、前述の危機の複合からエチオピアを脱せしめるための同氏の取り組みに対して贈られたのだ。同氏の首相就 全文をよむ
■立憲主義と民主主義の狭間のシリア人 【ムーフィク・ニーリビーヤ】 おそらく、政権の支持者たちが――自由に――デモを起こしに出かけたならば、「憲法委員会は革命の正当化であり、政権への裏切りである」という風に、スローガンは全く逆のものとなるだろう(もちろん彼らの「アラビア語ではない」言語で)。しかしながら、いくつか矛盾する事実もある。すなわち実際のところ、政権による承認は常に、そしてあらゆる時点において、反体制派によってなされるそれよりも多かったのである。 このように 全文をよむ
■立憲主義と民主主義の狭間のシリア人 【ムーフィク・ニーリビーヤ】 憲法委員会は2018年初頭、アサド政権がシリアの勢力図において優勢に立つための変化に固執する中、シリアの政治的未来に打撃を与えていた膠着状態を打開するため、ソチで合意を結んだ。またアサド政権が国際的合法性や安保理決議を遵守する義務を熱心に回避しようと試みることによって、憲法委員会は結果的に、ジュネーブ宣言からウィーン合意、さらには彼ら自身の基本的土台であり(存在意義の)拠り所でもあった安保理決議2254に至る 全文をよむ
■立憲主義と民主主義の狭間のシリア人 【ムーフィク・ニーリビーヤ】 一方で立憲主義者たちは、選挙において(憲法によって無制限の権力を与えられた)「多数派」という形で現れた際、多数派に予想される専制政治の悪を防ぐ手立てとしての規制や制度をわざわざ制定することによって、自分たちの権利を放棄する理由はどこにもない。また、シリア人自身とは異なる巨大な「株主」が存在し、彼らの大半は既にシリア問題の将来的解決策が憲法によってなされることに合意しているのだ。 仮にロシアが、確固た 全文をよむ
■立憲主義と民主主義の狭間のシリア人 【ムーフィク・ニーリビーヤ】 その一方、あくまで法に則った懸念事項や恐れをもつ構成要員は、憲法を通じて自身の立場を保証することに固執する。前者の場合、人々は「市民の集合体」にすぎず、後者では別の特徴が追加され、すなわちそれは「構成要素の集合体」となるのだ。 以上のように多くの国で2つの潮流が形成されていった。すなわち一方が立憲的な流れ、もう一方が民主的な流れである。また米国の第一党には「共和党」というまた異なった名前がある。同国 全文をよむ
■立憲主義と民主主義の狭間のシリア人 【ムーフィク・ニーリビーヤ】 国連の過去の事例は、(ある国で)憲法に関する対話が始動した時、もし同時に紛争がいまだ激しく継続中であったのなら、彼らが政治プロセスに到達するのを支援することは不可能であることを示した。すなわち、憲法議論が開始される前にまずもって達成すべき最低条件というものがあり、それは戦闘や軍事・治安作戦の最終的な停止を説得力をもって保障することである。 シリアでは、しばしば過剰なセンシティブさが他の偽りの話題の背 全文をよむ
■立憲主義と民主主義の狭間のシリア人 【ムーフィク・ニーリビーヤ】 この問題には別の側面もあり、過去30年間、国連アーカイブは多くの地点における紛争解決に寄与してきたが、ほとんどの場合憲法起草は紛争解決と国家和解における不可欠の要素と見なされてきた。これら過去の経験から明らかなのは、例えばエチオピアやカンボジアの例(2003年にある国連報告書で言及された)のように、明白・明瞭な形での立憲プロセスが妨げかねないような安全保障上の問題に目を向けることの重要性だ。また、ボスニア・ヘ 全文をよむ
■立憲主義と民主主義の狭間のシリア人 【ムーフィク・ニーリビーヤ】 シリアのイドリブ地方では先週金曜日(9月27日)、デモ参加者たちが「憲法委員会は政権の正当化であり、革命への裏切りである」とのスローガンを掲げ、国連事務総長およびゲイル・ペデルセン国連シリア担当特使によってなされた憲法委員会設置の合意に関する公式発表に対する、激しい怒りを表明した。これが意味するところは、2012年ジュネーブ宣言によって他のあらゆる政治プロセスよりも優先度を高くおかれた暫定統治機構の形成が実現 全文をよむ
アラブの一体性は失われたのか? 【ヤースミーン・ジャマル:ベイルート】 歴史的に、中東における多国間協調主義の強化という使命は次の2つの組織に課されていた。それは、政治・経済・文化の問題に関する幅広い同盟を体現するアラブ連盟と、第一に経済問題を扱う湾岸協力会議(GCC)だ。両組織の歴史、や注力するポイント、加盟国の性質には違いがあるもかかわらず、両組織の設立目的はイスラエルへの対抗のような重要かつ決定的な問題に関してアラブの一体性を保証し、加盟国間での紛争を回避するための機関 全文をよむ
■聖テクラ祝祭日に度重なる苦難:「私は自分の村であるクファラスィルワーンに帰りたい」 【ベイルート:本紙】 人々は呆然としながら私に尋ねてきます。「自分の町のことを知らない人がいるなんているのか」と。はい!私リーン・ローニー・ハーリス・ブームーサーは自分の村のことを知りません。1日たりとも破壊された自宅に入ったことない上、隣人が誰なのかさえ知りません。そして1日たりとも村の中心を訪れたことも、果樹園からリンゴを盗んだことも、ミサに参加したこともありません。何にもありません。こ 全文をよむ
■聖テクラ祝祭日に度重なる苦難:「私は自分の村であるクファルスィルワーンに帰りたい」 【ベイルート:本紙】 今日は聖テクラの祝祭日。今日は私自身と家族、そして私の村クファルスィルワーンの守護聖人の祝祭日です。しかし、戦争の苦しみにより私はその村を1日たりとも訪れたことはありません。ええ、私は村の1日たりとも知りません。28年間ずっと、そして今日もまた、私はクファルスィルワーンにある聖テクラ教会を訪問できることを願っています。そして、翌年の祝祭日は違うものになるだろうと、毎回自 全文をよむ
■「小さな恐怖」 エジプト人のネズミとの奮闘記は死によってその幕が下ろされることも 【カイロ:El Watan紙:ムハンマド・ラマダーン】 “クドゥリーさん”にはネズミとの悲劇的な話がある。ネズミが彼のペットの小鳥たちを貪り食べてしまったのだ。ネズミが小鳥を攻撃しているのを止めるすべは見つけられなかったという。 一方、“サハルさん”の話はいくらか奇妙なものである。「キッチンでネズミを見つけたの。笑っちゃったのが、私が飼ってる猫が2匹ともネズミを恐れていたことよ」。 全文をよむ
■「小さな恐怖」 エジプト人のネズミとの奮闘記は死によってその幕が下ろされることも 【カイロ:El Watan紙:ムハンマド・ラマダーン】 その事件は驚きと悲しみを同時にもたらした。バサーティーン地区に住む22歳の青年が階段の吹き抜けの近くでタバコを吸っていると、突然一匹のネズミが現れた。青年は「巨大な猛獣」に追い立てられているかのようにネズミを恐れ、急いで離れようとした。すると彼はバランスを崩し、7階の階段の吹き抜けから落下し、ネズミが原因で命を落としてしまったのだ。 全文をよむ
■トルコの経済危機の背後にあるエルドアン大統領の政策 【アンカラ:本紙】 アメリカの制裁はトルコの経済的損失の最大の要因であったが、ヨーロッパの制裁も発動されていた。EUが「包括的航空協定」を一時停止したことで、トルコは年約50億ユーロの利益に加えて加えて少なくとも4万8000人の雇用を失った。 トルコは未だにアメリカの制裁を克服しておらず、苦しんでいる。それに加え、追加制裁が予期されている。いわゆる「対敵対者制裁措置」法に則ったもので、イランと北朝鮮の経済を破壊し 全文をよむ
■トルコの経済危機の背後にあるエルドアン大統領の政策 【アンカラ:本紙】 世界のあらゆる国家の政府にとって、経済は国内政策および外交政策と密接に関係する。そしてこのことは、国内政策と外交政策において最も均衡の取れた国々の経済成長からも明らかだ。例を挙げれば、日本やドイツ、アメリカ、そして強靭な経済力を有する他の国々である。 トルコはかつて比較的均衡のとれた対外政策を行っていた時期があり、それはトルコ経済に現れていた。目覚ましい成長を遂げ、産業は賑わい、成長率は高水準 全文をよむ
■ヒジュラ暦おめでとう 【ズィヤード・ダリース:本紙】 去る土曜日(8月31日)の朝はいつもとは違っていた。ヒジュラ暦1441年ムハッラム月1日だったからではなく、人々が、軽い調子の祝福の挨拶や、喜びを表した絵(インフォグラフィア)を交わしたからだ。それはまるで、ムハッラム月1日ではなく、(西暦の)1月1日のようだった。 否定できないのは、我々がヒジュラ暦をおろそかにし過ぎ、完全に隅へと追いやりすぎたということだ。おろそかにし始めた当初にこういう風に言っていただけで 全文をよむ
■サウジアラビアのためのフィリピン人による讃美歌と宣伝 【アクル・アルアクル】 思い出せば「アラムコ」は以前、サウジアラビアで働き、長年を過ごした人びととの交流・訪問計画を実行してきた。しかし、このフィリピン人女性アーティストついてはどうだろうか?例えば彼女と連絡を取り、サウジアラビアでの愛国的、芸術的、文化的機会への彼女の招待を担うべきメディア省の役割や、対外広報活動の任務はどこに行ってしまったのだろう?少なくとも、外務省と連携して在フィリピン大使館の代表者に彼女へのコンタ 全文をよむ
■サウジアラビアのためのフィリピン人による讃美歌と宣伝 【アクル・アルアクル】 サウジアラビア程の規模の国で、外国のメディア活動における危機が存在するこの時期に、力強く、影響力があるような意見がいまだ出ていないことは認識されているのだろうか!?奇妙なことに、サウジアラビアには、例えば英語によるラジオ放送やテレビチャンネルが存在しない。実際には、かつて英語の第二チャンネルが存在していたが、一年前に閉鎖された。結果、英語で世界に向けて発信する手段がサウジアラビアに存在しないという 全文をよむ
■サウジアラビアのためのフィリピン人による讃美歌と宣伝 【アクル・アルアクル】 昨今、フィリピン人女性の美しく悲しい歌がSNS上で拡散されている。その中で彼女は、自らがサウジアラビアで過ごした20年の歳月に関する悲哀や渇望、憧憬を歌っている。そして歌詞には、彼女がもう一つの祖国を離れることが書かれている。 我々はメディアや外交機関において、外国に向けた広報や、(サウジアラビアの)ステレオタイプ的なイメージを強化・改善するために行わなければならないこと、この分野におけ 全文をよむ
■イドリブのジハーディストの地が革命最後の地に変わる時(3) 【本紙コラム:ワーイル・アッサーム】 トルキスタン・イスラーム党やアンサール・ディーン戦線、ムハージリーン・アンサール軍などのジハーディスト諸勢力が伸長している。その一方で、シャーム解放機構がそれら諸勢力を取り込み、彼らとの調整に成功した。現状、これら諸勢力はシリア政府による最も激しい攻撃の一部に耐えると同時に、活発な戦闘行為の大部分を担っている。また、テロリストのレッテルを張られたこれら諸勢力は、穏健な反体制派が 全文をよむ
■イドリブのジハーディストの地が革命最後の地に変わる時(2) 【本紙コラム:ワーイル・アッサーム】 同地には、アフリーンとユーフラテスの盾のように、革命派の反体制派諸勢力のいる地域が二つあるが、両地域をその字義どおりに反体制派地域と見なすのは極めて困難である。両地域は、ロシアの傘の下でトルコが獲得した地域であり、トルコは、シリアに領土回復と主権の尊重を可能とさせる条項を含むアスタナ合意を通じて両地域を獲得した。 アスタナ合意はアサド政権による領土回復を支援するロシアとトル 全文をよむ
■イドリブのジハーディストの地が革命最後の地に変わる時(1) 【本紙コラム:ワーイル・アッサーム】 シリア革命の勃発から8年が経ち、イドリブはシリア政府にとって厄介事でしかなく、シリアの反体制派の手中にある地域の中で最も反乱が起きている場所の一つである。軍事作戦を開始したのはシリア政府の方だ。この作戦は長期化するかもしれないが、その結果がなんであるにしろ、最終的にはそうそう違わないだろう。残酷な破壊と卑劣な虐殺を経て、焦土と化したこの地が制圧されるのだ。 今日(5月 全文をよむ
■石油不足でどの写真にも長蛇の列が写し出される…ロシアとイランはシリアからの問いに捕らわれる 【ダマスカス:本紙】 この問いはシンプルだが、誰がこれに答えることができようか。その理由は金銭的なものなのか、もしくは技術的なものなのか、それとも政治的なものなのだろうか。 この問いに関連する形で、2015年9月にシリア軍への軍事的支援のため即座の介入を決定したロシアは、なぜ今、燃料不足に悲鳴を上げているシリア政府の支援のため、緊急介入を行う決定をしなかったのか、というシリ 全文をよむ
■石油不足でどの写真にも長蛇の列が写し出される…ロシアとイランはシリアからの問いに捕らわれる 【ダマスカス:本紙】 あなたがシリアで周りをどれほど見回しても、燃料タンクに残っているガソリンの最後の数滴でエンジンを動かしている車の列よりも広く、長く伸びた行列を見つけることはできないだろう。この車の列の先頭は見えても最後尾は見えないだろうし、人工衛星や敵味方(双方の)偵察機でさえシリア全土の街ではどこを撮影しても(車が列をなして給油を)待っている光景が写し出されているだろう。空や 全文をよむ
ブーテフリカ大統領以降は何が起こる?(2) 【リンダ・タキッディーン:本紙】 今恐れられていることは、国民会議の設置と6か月に移行猶予を延長する決定が、新しい政治階層の形成の可能性を伴い、そしてイスラーム主義者がそれらを利用することにつながるかもしれないことだ。彼らの構造は現状のデモ参加者よりよく組織され、権限を与えられている。たとえこうした可能性が今アルジェリアにないとしても、6か月の間、もしくは延長されるかもしれない移行期間の間に、政治的イスラーム集団の一つが台頭する機会 全文をよむ
ブーテフリカ大統領以降は何が起こる?(1) 【リンダ・タキッディーン:本紙】 アルジェリア政府がアブドゥルアズィーズ・ブーテフリカ大統領を5期目の大統領職に執拗に推薦することの撤回は、今や政府が自国民を嘲笑し「愚か」とみなすことや、ポスターや声明と化した大統領の幻影に投票しブーテフリカ大統領が真の国家の指導者となるよう国民を説得することなど、もはやできなくなったことを証明した。 アルジェリアのデモは、軍人や軍人および大統領の弟であるサイード氏と近しい関係にあるビジネ 全文をよむ
■モーリタニア大統領と、「イスラエルはイスラーム主義者より人道的である」という論理(1) 【本紙:社説】 複数の活動家やメディアは、モーリタニアのムハンマド・ウルド・アブドゥルアズィーズ大統領の表明に関心を寄せている。同大統領の表明から、彼が新しくて古い論理をもって、逸脱していることが伺える。その論理とは、様々な潮流があるにせよ、イスラーム主義者は「イスラエルよりも危険である」というものだ。これに関する同大統領の論理は、以下の言辞から徐々に展開される。「アラブ世界で起きている 全文をよむ
■モーリタニア大統領と、「イスラエルはイスラーム主義者より人道的である」という論理(3) 【本紙:社説】 第2の詭弁は、「同胞団」(あるいはイスラーム主義者全般)こそが、民衆革命を引き起こした者たちであるとの視覚に潜む。アラブの諸政権自体は、民衆革命の原因ではないというのだ。しかし、アラブの諸政権は、進歩、発展、公正、人間の尊厳の裾野を閉ざし、地上を不義、不正、圧政で満たしたのだ。だからこそ、人々はアラブの諸政権に対し蜂起したのだ。 第3の詭弁は、変化を拒んだ残忍な 全文をよむ
■モーリタニア大統領と、「イスラエルはイスラーム主義者より人道的である」という論理(2) 【本紙:社説】 モーリタニア大統領(とアラブのカウンターパート)が、「イスラーム主義者」を個別ではなく全体で捉えて対応する目的は、「ムスリム同胞団」の潮流に代表される真の反体制派からなる政治集団を打倒することである。ウルド・アブドゥルアズィーズ大統領は、武装するサラフィー・ジハード主義潮流のイスラーム主義者に対する敵意を無視している。そうした中で彼は、意識的であれ無意識であれ、「イスラー 全文をよむ
■どのようにして近代において焚書は起こるのか(2) 【ハーリド・ガザール : 本紙】 ナチズムに対し、共産主義体制は自己のイデオロギー的体系と矛盾、相対する全ての思想と抵抗する中で、ナチズムと同様の道筋を辿った。おそらく最も明確で重みのある例は、1960年代の文化大革命期における中国の経験だろう。驚くべきことに、中国自身が1930年代から40年代にかけて、日本人による図書や図書館の破壊に苦しんでいたのだ。その当時、日本では急進的な民族主義、人種主義、拡張主義の気運が圧巻してお 全文をよむ
■どのようにして近代において焚書は起こるのか(1) 【ハーリド・ガザール : 本紙】 古代、近代の歴史では二種類の焚書がある。一つは人知を超えた自然環境や自然災害に起因する。例えば、1966年にフィレンツェを襲い、貴重で高価な書物を含む約200万冊を破壊した氾濫や、1988年にサンクトペテルブルクの科学アカデミー図書館で起こった、約350万冊の図書を焼き尽くした火災のことだ。こうした災害は、積み重ねられてきた文化的遺産を台無しにすることから、人々を悲しませ、そして悔やませる。 全文をよむ
■私にはイランと戦争をする理由が見つからない(4) トランプ大統領はイランに関しては同じような狂気に取りつかれているため、現在イランが特定の利点と引き換えに核兵器開発を自制すると誓約した国際条約からアメリカが離脱すると脅している。イランに異を唱えるネタニヤフの忠告は、トランプとネタニヤフの関係を強化している。 最近イランはシリアとレバノンに基地を建設した。イスラエル国境からそう遠くない場所だ。イスラエル空軍は時折爆撃を行い、破壊の様子を示す写真を発表している。アラブ人の見方で 全文をよむ
■私にはイランと戦争をする理由が見つからない(3) そう、この事柄がイランにとって不可欠な権益に触れたとき、アーヤトッラーたちはイスラエルの助けを拒否しなかった。イラン・イラク戦争の間、イスラエルは彼らに武器を供給した。武器供与は「アメリカ人人質」事件の渦中において、半ば公然に行われた。つまりアメリカがイスラエルに武器を供給し、イスラエルがそれをイランに横流ししたのである。それに対し、アーヤトッラーたちはアメリカ人の人質を解放した。そして、当時イラン政府への特使だった私の同僚のアメイラ 全文をよむ
■私にはイランと戦争をする理由が見つからない(2) イスラエルとパレスチナの人々の間に和平が存在しない限り、イスラエルは、自国の承認や国交樹立を拒否するアラブ世界と争い続ける。イスラエルはシリアとヒズブッラーとほぼ戦争状態にある。イランはこの権力の空白地帯において指導的な大国になろうとし、それが故に、同国はサウジアラビアとその同盟国ともほぼ戦争状態にある。サウジと同盟国もまたアラブ世界での覇権を狙っているのだ。こうしたことは、イランとイスラエルの共通の利益にとっての強固な基盤になってい 全文をよむ
■私にはイランと戦争をする理由が見つからない(1) 【ヘブライ語諸紙】 1941年末、日本はアメリカを攻撃し宣戦布告をした。これに続いてナチスドイツも同じ行動をとり、当時ドイツの支配下にあったすべての国にも同じ行動を強要した。ハンガリー大使が宣戦布告するために米国務長官コーデル・ハルのところに来たという笑い話がある。国務長官は彼を皮肉ることにした。 「ハンガリー、君たちは共和国か?」 大使は言った。「いいえ、我々は王国です。」 国務長官は尋ねた。「君たちの王は誰だ 全文をよむ
■「BBC」はアフリンに戦いに参加した…「フランス24」に写る文化の現状…「ダーイシュ」は「アル=アラビーヤ」の魅力的なタイトルである。(3) 【本紙:ラーシド・イーサー】 ・代替医療としての「ダーイシュ」 「アル=アラビーヤ」チャンネルの番組「サバーフ・アル=アラビーヤ」は、内科専門医をゲストに迎え、医師は代替医療について議論した。ゲストは代替医療を扱うことに嫌悪感を示し、「代替」という概念が医療分野に限定されることに疑問を呈した。彼は、なぜこの概念が司法や料理等 全文をよむ
■「BBC」はアフリーンに戦いに参加した…「フランス24」に写る文化の現状…「ダーイシュ」は「アル=アラビーヤ」の魅力的なタイトルである。(2) 【本紙:ラーシド・イーサー】 メディアにおけるアフリーンの戦い 命名や表記をめぐる争いは交戦者の間では一般的で、よくあることだ。名前は戦争の本質を要約するものでしかない。例えば、「アラビア湾」と「ペルシア湾」や、「シリア体制」と「シリア政府」の間の名称をめぐる戦いを見てみよう。「シリア体制」はシリアの反体制派が用いている呼 全文をよむ
「BBC」はアフリンの戦いに参加している…「フランス24」に写る文化の現状…「ダーイシュ」は『アル=アラビーヤ」の魅力的なタイトルである。 【本紙:ラーシド・イーサー】 「France 24」チャンネルの「文化」番組のある回 で、シリア人彫刻家ウラー・アブー・シャーヒンとのインタビューがあった。番組の司会者リヤーナ・サーレフは、シリアの詩人ジューラン・ハージーが、パリの作品展覧会で書いた詩の一節を読み上げた。その一節は「想像の記憶」という作品集に収録されている。この作品集で詩 全文をよむ
■レバノン:なぜ致命的な恋人のミスをゆるすのか?その結果は? 【本紙】 大きな愛があれば、人はしばしばパートナーのミスに気付かないふりをする。それは関係を続け、ギクシャクした関係を修復するためのある種の自己犠牲とされる。しかし、そうしたやり方は、関係にポジティブな効果があると言えるのだろうか。 なぜ人は愛情があれば、パートナーが自分のせいで犯した大きなミスを見逃すのだろう?この問いに社会心理学者のフサイニー博士はこう答える。「情緒の問題は論理通りではなく、むしろ、他 全文をよむ
▪️OPECの減産合意がシェールオイルを支える 【リヤド:アブド・マフディー】 最新版の報告書では、最近実現した石油価格のわずかな回復は、アメリカのシェールオイル生産者の多くに増産の機会を与えたと述べた。 アメリカのエネルギー情報局による最新予測は、アメリカの原油生産は年率で2017年には10%、2018年には3.3%増加すると指摘している。 ジャドワー・インベストメント(サウジアラビアの大手投資会社)の報告書は以下のように述べた。「シェールオイルの生 全文をよむ
■シリアの鉄道線路上における移行期間 【ムハンマド・イクバール・バッルー】 国民と国家権力の間の紛争は、両者には何の決定権もない紛争へと、どのように移行したのか。これは専門家によって十分に検討されるべきことであり、革命や内戦においてでさえ滅多に生じない特異な状況である。最も奇妙なのは、両当事者が左右へ打ち付ける激しい波に屈し、従属的な役割に慣れ、麻痺すらしていることである。シリアの地には数百の民兵組織が展開している。その中にはシリア軍という民兵組織が含まれるが、シリア軍は正規 全文をよむ
■見かけではなくその本質(2) 【本紙:アリー・シャムヒー博士】 ここイラクの多くの政党や政治団体の指導者は、多くの民主的プロセスの侵犯を放っておくばかりだ。そうした侵犯の中には、財政的、経済的、社会的な不正を犯し、民衆と指導者の間の関係のこの大きな歪みに、政党や政治団体の内部で対処しないことがある。軌道修正も過去の試みから教訓を受け取ることも、忠誠、従属、服従、盲目的な恭順の中身を確固たるものにする決意もない。リーダーや指導者を無謬の個人として、彼らの言うことを受け入れるば 全文をよむ
【本紙:アリー・シャムヒー博士】 イラクの政治変動は、政党活動のメカニズムや手続きに固執しつづけることが、全体主義体制下の権威交替と大して違わない、使い古された文化をもたらすことを示した。多くの政治的リーダーには、民主主義的な活動の中身への真の信仰はないし、権力や金、影響力を諦め、この種のお題目を捨て、形や言葉ではなく、中身において公正な国家を信じる人々を期待する世論に応えようと真に願ってもいない。 諸国の政治史は、自身を生きたモデルとし、欲望や快楽から自由になるための見本と 全文をよむ
■中東の人々は放蕩者と臆病者の支配下に!(2) その子供がひとたび現実に直面して「ノー」と言われた時、自分の欲しいものが手に入らない時、自分がするのと同じ侮りや嘲りにあった時、自分の発言や批判の根拠を求められた時、我々が耳にするのは、彼のやみくもに泣き叫ぶ声と嘆く声である。彼には、自分を助けてくれる命綱も、当てにできる経験の蓄えもないのだ!こうして彼は規律やモラル、規則に従わない人物になるだろう。そして彼が議論の中で不道徳を働くとき、それを制止するものは何もないのだ! あら 全文をよむ
■中東の人々は放蕩者と臆病者の支配下に!(1) 【アシール・シャイハリー】 ひどく甘やかされ、欲しいものは何でも訳なく手に入れることに慣れた子どもには、物事や生き物に対する価値観が欠けている。そういう子供は、知恵とは縁遠く、富と名声しか知らない家庭の中で育てられた結果、父親の砂上の楼閣のバルコニーから人を眺めることに慣れてしまい、初めて現実の世界に出て自分に「ノー」と言う人と遭遇しても、騒々しく泣き喚き、どう振る舞ったらいいのかもわからなくなる。 こういう子供は、鼻 全文をよむ
■私たちは何をしたのか? 【イブティハール・ハティーブ】 (コラム:私たちは何をしたのか?(1)より続き) 私たちの土地や夢、尊厳、人々をバラバラにしたのは私たち自身なのだ。私たちが資源と人で豊かな地を享受しておきながら、その地を思想の砂漠、貧困に見舞われ、血塗られた不毛の地へと変えたのだ。私たち、かつての私たちが、60年代70年代に民族主義とアラブ性を謳い、80年代90年代には政府への忠誠と服従を謳った。そして21世紀初頭においては、私たちが、アメリカとイスラエル 全文をよむ
コラム:私たちは何をしたのか?(1) ■私たちは何をしたのか? 【イブティハール・ハティーブ】 こんな問いかけを自分がいつかするとは今まで思いもしなかった。自由とアラブ民族主義は、70年代とそれ以前に生まれた私たちの世代が血を流して得た二つの原理であったからだ。自由は我々国民のために、民族主義は我々の地域のためにあった。しかし今日日、以下のような問いかけが、容赦なく現れてくる。つまり、植民地状態が続いていた方が我々の現状はよりよいものだったんじゃないか?私たちは人間 全文をよむ
■カタール国民の名誉 【アブド・アルアジーズ・スワイド】 カタールとの政治的諸関係が断絶された。その後も状況は燃え上がっている。こうした中にあって、直接的な形であれ、間接的であれ、どんな形であれカタール国民の名誉を抵触しないよう忠告する。カタール国民はカタール政府の行為となんら関係ない。カタールとの国交断絶を発表したサウジアラビアの外務省が発出した声明にて、同省は≪サウジアラビアはこれからも兄弟であるカタール国民の支えであり続け、彼らの安全と安定の支柱となる≫と述べた。さらに、サウジア 全文をよむ
■アサドの「ダーイシュ」とアメリカの「9.11」⑵ 【ムスタファ・アルーシュ】 我々は、ここで明白な諸般の事柄をきっちり再確認しなくてはならない。例えば、「ダーイシュ」は自派の法度と教義を適用する政治システムとして実在している。彼らは人々を家畜同然に殺し、首を吊るしあげ、遺跡を破壊する全世界にとっての真の脅威である。ヌスラ戦線も名前は変わったが、行動様式は変わっていない。 こうした様相について、広くは西洋、特にアメリカ合衆国は、政治的現実として捉えており、昼も夜もテ 全文をよむ
■アサドの「ダーイシュ」とアメリカの「9.11」⑴ 【ムスタファー・アッルーシュ】 アル=カーイダがアメリカ合衆国に対して起こした事件、9.11から16年近くが過ぎようとしている。あの惨劇から、アメリカの世界全体に対する政策は変化し、この変化に伴い諸理念や諸概念は政治的、思想的に変化した。しかし、アル=カーイダの思考様式は、独裁者の思考のように、何一つ変わっていない。 2001年9月以降、世界は「イスラーム国」による多くのテロ攻撃を経験したが、9.11ほど恐ろしくは 全文をよむ
■トルコのシリア人たちは職を守るため自らの国籍を偽る 【イスタンブール:アフマド・ザーザー】 (コラム:職を守るために国籍を偽るシリア人たち(1)より続き) ニザールさんの場合も同様である。彼はシリア人で、町の中心部の有名なオルタキョイ地区にあるスポーツマッサージ店で働いている。彼もたいていの場合、顧客の前で自身のシリア国籍を明かすことを避ける。とあるトルコ人の顧客に侮辱されてからは、特に避けている。その客はニザールさんがシリア人であるというだけで、辛らつな言葉でマ 全文をよむ
■トルコのシリア人たちは職を守るため自らの国籍を偽る 【イスタンブール:アフマド・ザーザー】 「出身はどこですか?」トルコ・イスタンブールで28歳の女性サハルさんに幾度となく繰り返される質問だ。質問に答えようとすると、彼女はすぐに困惑してしまう。シリア人の彼女は、自身が働くジャーナリズム業界の仕事柄、真実を伝えるために働いているにもかかわらず、シリア国籍を隠し、好んでイタリア人を自称している。彼女は、トルコ人がシリア人女性を蔑視するために、このような行為に及んでいると説明する 全文をよむ
■目と耳(エジプトとサウジアラビアとより良い未来)(3) 【ジハード・ハーズィン】 私は、米国はエジプトと協力するべきではないとする『ニューヨーク・タイムズ』の社説を読んでいる。もちろん、彼らは、イスラエルと協力してパレスチナ人を殺したいだけだ。 スィースィー大統領は、無認可のデモに参加した逮捕者203名の釈放を命じた。このニュースは、イスラエルの悪党どもにとって都合が悪いため、全部で『ワシントン・ポスト』の7行を占めただけだった。しかし、イスラエルに忠誠を誓う米国 全文をよむ
■目と耳(エジプトとサウジアラビアとより良い未来)(2) 【ジハード・ハーズィン】 サウジアラビアは今日、他のいかなる国よりも多く石油を生産している。同国の生産は国内需要を満たしており、他国への供給が可能である。エジプトでのガス生産は今年中に開始される予定で、まずはエジプト国内の需要を満たし、その後は輸出に向けて徐々に生産量を伸ばすだろう。 米国のリクード支持者たちは、このような状況を喜んではいない。米国は湾岸諸国を「保護」しているが、トランプ大統領は湾岸諸国に保護 全文をよむ
■目と耳(エジプトとサウジアラビアとより良い未来)(1) 【ジハード・ハーズィン】 エジプトとサウジアラビア発のニュースを聴くと安心する。この感情は、貧困層と富裕層、イスラエルの占領や犯罪の支持者たちが一同に解しているメディアで、米国のリクード(支持者)のキャンペーンを目にする時、さらに増す。彼らはイチジクの葉で身を隠し無垢を装っているが、自らの罪を何一つ隠せていない。 サウジアラビアは、世界最大の石油産出国で、同国だけで世界のエネルギー埋蔵量の4分の1を占めるとい 全文をよむ
■モーリタニアのミステリー:再立候補したくない大統領! 【本紙】 本紙ヌクアショット特派員の本日(25日)のレポートによると、モーリタニアのムハンマド・ウルド・アブドゥルアズィーズ大統領は、テレビ・インタビューで「2018年の大統領選挙には立候補しない」と表明した。これは、スーダンのアブドッラフマーン・スワール・アッザハブ陸軍元帥を除けば、アラブの軍事政権において前代未聞の意義深い先例となる。同元帥は、1985年の民衆蜂起において、複数の政党や労働組合の指導者と協調して政権を 全文をよむ
■倫理こそが解決策(2) 【イヴァーン・アリー・オスマーン・ズィバーリー】 ここでヨーロッパのルネサンスに言及すべきであろう。ヨーロッパはそれ以前の時代、血まみれの劇場と化していた。しかし、思想と理性の融合や、理想や意識の地平の開放が進むにつれ、ヨーロッパの社会と諸国家を悲劇的な暗黒の歴史から立て直すべく、倫理に頼ることとなった。今やヨーロッパは、発展、進歩、都市化が最も進んでいる地域である。それは、組織体制や法律が異なるとしても、人間に価値を置くというただ一つの倫理を共有し 全文をよむ
■倫理こそが解決策(1) 【イヴァーン・アリー・オスマーン・ズィバーリー】 混乱が、文明という秩序の中にある人間生活の全てを荒廃させる時、そこには何らかの欠陥が存在することを意味する。この制度を機能させるために、文明と人間には、多くの要素が断じて必要である。なぜなら、たった一つの要素が欠けただけでも文明というものは崩壊してしまうからである。その結果は、現世を見れば一目瞭然:血は無駄に流れ、飢餓は広がり、貧困、悲惨、迫害があらゆる民族を破滅へと導いている。現在、全ての土地で起き 全文をよむ
■トゲオアガマ を食べること:アラブとペルシアの間で 【アブドゥルアジーズ・サウィード】 私と文通しているイランのアフワーズ地区に住む友人が、―イランで検閲と禁止されている事情に従って―アラブ人がトゲオアガマを食べるのは本当かどうか 尋ねてきた。私には彼が奇妙であ るように思え た。彼がそう質問したきっかけというのは、彼が彼のイランの地で現代のペルシア人と交わした議論である という。ペルシア人はアラブ人に難癖をつける。 アラブ人はトゲオアガマを食べている、ないしは食べていたか 全文をよむ
■カイロの爆破事件の裏側にある秘密 【ヌハー・シャルヌービー】 12月11日の日曜日にカイロのアッバースィーヤ地区にあるマルコスィーヤ〔マルコ〕大聖堂横のブトゥルスィーヤ〔ペテロ〕教会を標的とした爆破事件に、私たちは皆驚愕した。この事件の結果、26名が死亡し、49名が負傷した。私たちが衝撃を受けた理由は、治安レベルが最高水準にある場所が〔テロに〕屈したことにある。同様に、わずか2日前にはピラミッド地区のモスクの外にある警察官の詰め所が標的にされ、警察関係者6名が殉職し、市民3 全文をよむ
■祖国は一つであり、運命も同じである。 【ファールーク・ジュワイダ】 テロリストはこう考える。エジプトにおけるイスラム教徒とコプト・キリスト教徒の関係は弱点であると。そしてそこからエジプト人の生活のすべてをだめにするための出発点が見つかると。それが内戦への一番の近道だと考えるのだ。 不思議なのは、こうした愚か者たちは、エジプト人が良い時も悪い時も一体であった長い歴史を無視するということだ。エジプトの国民は一日たりとも、ひとつの祖国のなかで人々を分断することはなかった 全文をよむ
■トランプの奇跡 【マクラム・ムハンマド・アフマド】 合衆国の奥底にある国家、あるいは「エスタブリッシュメント」と呼ばれるもの、それは共和党候補の成功の機会をつぶすためにあらゆることをおこなった。メディアはこの男のイメージを合衆国大統領の地位に就くことなどできない恐ろしいものにすべく、そのひどい姿を嘲った。世論調査を、選挙の数時間前にすべての結果を捻じ曲げるべく操作した。2%から5%の間で民主党候補のヒラリー・クリントンが優勢であると断言すべく。しかしながらトランプ支持派は粘 全文をよむ
■シリアの子ども達、「遠く」からの訴え 【リザーン・ハドウ】 殉死したシリアの子ども達がもし、大人たちと通じ合えることができたら、一体何を伝えるでしょうか。あなたは分かりますか? 親愛なる父と慈悲深き母よ。神がどうか私の死別の悲しみをあなた方に耐え忍ばせてくれるよう願います。友人たちと蹴り合った、紙と雑巾が詰め込まれたあの古い靴下、そしてイードで唯一私が集めることができたあのお菓子の一切れ。喜びのあまり食べずに取っておいて、夢で味わえますようにと祈って、毎晩寝る前に眺めていたあのお菓 全文をよむ
■オリンピックの成果 【オサーマ・ガザーリー・ハルブ】 一昨日、ブラジルのリオデジャネイロで2週間にわたって行なわれた、今年のオリンピックが終わった。締めくくりは、四年後の開催地となる東京の知事への旗の引き渡しであった。 オリンピックは基本的にはスポーツのイベントであるが、競い合う国々—ほとんど世界のすべての国である―を支配する経済的、社会的、文化的な状況の総体を示していることには何らの疑いもない。それは直ちにオリンピックの結果に、最終的な成績に反映される。 全文をよむ
■エジプト人のあいだでは、ビキニとヒジャーブの闘い 【アイマン・マフディー】 ドイツの有名な新聞であるジュートドイチャー紙で、編集委員であるユージン・シュミーダーはリオデジャネイロ・オリンピックにおけるビーチバレーのドイツチームとエジプトチームの試合についてリポートし、エジプト人選手について、その柔軟性と技術の高さを賞賛している。彼女たちの服装は、彼の国の女性たちのものとは正反対だというのにそれについてはいっさい何も触れていない。ビキニとヒジャーブのあいだにはとてつもない違い 全文をよむ
■我々、そしてトルコ 【ジャマール・ザーイダ】 トルコの広場を支配したのは民主主義の風でもなく、軍に対する民衆の勝利でもない。エルドアンは民間人と軍人の暗殺、裁判官と士官の拘束、そして軍部から指導層と下級士官を一掃することを望んだのだ。 組織の再建という名目で何千人もの警察官を粛正することで、トルコは前例のない事態に入るだろう。そしてそれはトルコ軍に、その地位に、そして内外の挑戦を迎え撃つその能力に反映するだろう。 事態を包むのは不明瞭さだ。これはクーデタ 全文をよむ
■トルコ:トルコのクーデターに対するアラブ世界と世界各国の奇妙な態度(2) 【社説】 世界的には、〔クーデターに対する〕態度が注視された〔国々の〕中で最も重要なのは、アメリカ大統領であるバラク・オバマ政権がどのような立場をとるかということであった。オバマ大統領は民主主義を選択したトルコ政府を支持することを宣言し、その後すぐに法治主義の堅持を求めることを重ねて明言した。特筆すべきは、フェトフッラー・ギュレン師の引き渡しに関するトルコ政府からの正式な要請に関する、ジョン・ケリー米 全文をよむ
■トルコ:トルコのクーデターに対するアラブ世界と世界各国の奇妙な態度(1) 【社説】 トルコで軍事クーデターが起こったという報道は、先週の土曜日(16日)の朝、シリアの政府系メディアに大きな歓喜をもたらした。またエジプトや、湾岸のアラブ諸国の資本の衛星チャンネルにおいても同様のことが起こった。しかし、トルコの政権側の態度とレジェップ・タイップ・エルドアン大統領の悪意のこもった喜びがSNS上で明らかになると、エジプトやシリアや湾岸のアラブ諸国の祝賀は、エルドアンとムスリム同胞団 全文をよむ
■もしクーデタが成功していたら? 【トルコ:ヤースィーン・ハッージ・サーリフ*】 もしトルコでクーデタが成功していたら、国会議事堂を爆撃した首謀者たちは何万人もの人を逮捕し、何百人あるいは何千人を処刑し、デモを禁止し、与党公正発展党(AKP)、そしておそらくは全政党を禁止し、トルコでの政治活動を無期限で凍結しただろう。もしクーデタが成功していたら、トルコでの民主主義弾圧は、熱心な軍事クーデタ支持者自身の思いとは裏腹に、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領とAKPが行ったそれよ 全文をよむ
■我々は本当にダーイシュあるいは犯罪者なのか 【ファイサル・カーシム】 欧米のメディアが常に、アラブ人をかつてはアルカーイダ、現在はダーイシュの一員の生き写しとして描こうとするのか私には分からない。大多数のアラブ人はダーイシュの一員ではなく、また悪者でもないことは周知の通りである。その証拠に、アラブ人は、何年も前から、全てのアラブの若者を踊り手や道化師に変えるために数十億ドルを費やしてきた。アラブ人が欧米に代わって、また自らの身を削りながら欧米化のミッションを遂行していること 全文をよむ
■[社説]オバマの最後の仕事は……イランとロシアにシリアを引き渡すこと?(3) 【本紙:社説】 トルコの新たな方向性への回帰は、この段階でのいくつかの不明瞭な点を説明することができるかもしれない。それはトルコを取り巻く諸外国のあらゆる優先事項を再設定する必要をも明らかにするものである。この方向転換は、トルコが自らの存在について真に恐れていることを映し出している。その恐れの理由は、トルコが抱える大局的・地域的な争いに要約することができるだろう。その最も重要な要素は以下の通りであ 全文をよむ
■[社説]オバマの最後の仕事は……イランとロシアにシリアを引き渡すこと?(2) 【本紙:社説】 これらの出来事すべてを繋ぐ糸は、スタッファン・ド・ミストゥラ国連特使が声明の中で述べたことに要約されている。それはつまり、ロシアとアメリカはシリアにおける政治的安定をいかにして作り出すか合意に至らなければならず、「その上で、国連と国連事務局は、シリア対シリアの協議のための新たなラウンドを呼びかける」ということだ。 〔しかし〕この声明は、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相からの 全文をよむ
■[社説]オバマの最後の仕事は……イランとロシアにシリアを引き渡すこと?(1) 【本紙:社説】 シリア情勢にはおびただしい黒い雲がかかり、戦闘と空爆、包囲戦、難民の悲劇と死、そしてさまざまな政治声明がぶつかり合っている。その中でも最も大きな驚きは、トルコのビナリ・ユルドゥルム首相が昨日水曜(13日)が発表した声明において、トルコがシリアとイラクとの良好な関係の発展を目指すとしたことである。 この声明と時を同じくして、シリアの体制派とその同盟者であるイランが、アレッポ 全文をよむ
■コラム:トルコのシリア人 【バクル・スィドキー】 トルコ共和国のレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領は、トルコ政府はトルコ国内のシリア難民に対してトルコ国籍を与えると発表した。 シリア難民にとって、この約束は予期せぬ衝撃であった。たしかに、トルコの庇護下で暮らす彼らの状況は不確かなものであり、日々の生活には多くの問題や障害が降りかかっている。トルコの国籍を得るということは、それらの困難からの出口を意味するのかもしれない。しかしこの知らせはまた、シリア問題の政治 全文をよむ
■ケチな実業家たち 【ナビール・サジーニー】 エジプトにいるのは、世界一ケチな実業家たちである。彼らが探しているのは自分たちのプロジェクトととるに足らぬ値の土地に対して政府が課す税を逃れる術と、国が与える投資のチャンスだけだ。それによって利益を増やし、その一方で社会に対する自らの役割と責任については忘れ去る。 不思議なのは、今エジプトのために寄付をしているのは貧しい人々であるという点だ。彼らは掘っ立て小屋に住んでいるというのに、祖国に対する責任を感じ、彼らが夢見 全文をよむ
■警察官という「ほどけない問題」 【ムスタファー・ミリーギー】 賄賂を受け取り、不法な支払いを課し、不正をなし、腐敗している……。ハーリド・ユースフ監督の透徹な眼は、映画「カオス」のハーティム役を通じて、警察官の性質をこのように表現した。 映画から現実に至るまで、われわれは日々報じられるニュースに遭遇する。映画は現実をもとにしたものであるから、現実より闇が浅いかもしれない……。イムバーバ地区ではある警察官が精神障害を持つ女性の暴行事件に関与した。2ヶ月ほど前にはダル 全文をよむ
■広島への逃避? 【マクラム・ムハンマド・アフマド】 アフリカの古い風習にこういうものがある。洞穴の壁にライオン、トラあるいは何か猛獣の絵を描くだけで無事でいられる、狩りに成功するというものだ。つまりその行為が実現不可能と思われる際に、絵を描くことが実際に行うことの代わり、あるいはその一部になるというのだ。オバマ大統領の遺伝子はその一部がアフリカ系で、それが彼は広島行きに誘う。 それは、第二次世界大戦を終えることになった、71年前の1945年8月16日(ママ)に最初 全文をよむ
■ブリュセルはヨーロッパの安全のもろさを露呈 【マクラム・ムハンマド・アフマド】 ブリュッセルにおける先日の爆破により、34人の死者と200人以上の負傷者が出たにもかかわらず、この事件は数か月前に130人に死者を出したフランスの首都パリの事件の余震だと考えている人々がいる。三件の爆破は、パリの事件の首謀者であるサラーフ・アブドゥッサラーム(サラ・アブドゥル・サラム)逮捕に対する報復だというのだ。サラーフ・アブドゥッサラームは逮捕のあと自白し、アラブ系およびアフリカ系のベルギー 全文をよむ
■モロッコと潘基文事務総長の対立の秘密は何か? 潘基文事務総長に代表される国連とモロッコ王国との間に発生した亀裂は、いまだ段階を追って深まり、それらの段階はモロッコ政府への挑発に寄与しているという個人的印象に行きつくほどである。まず、国連事務総長は、自身のモロッコ訪問のタイミングと、そのさい検討されるであろう諸案件を通じ、その訪問のアジェンダをモロッコ国王に押し付けようとした。 次に事務総長は、アルジェリアのティンドゥフにある難民キャンプを訪問し、モロッコに対する軍事的争いを 全文をよむ
■シリアのカギ 【アンカラ:ユースフ・シャリーフ】 トルコはシリア危機当初からシリア難民の問題に向き合ってきた。それは(シリアに)軍事介入を行い、バシャール・アサド大統領打倒を後押しするための人道的・政治的下地を整えるためであった。しかしその努力が失敗に終わった後、難民問題はトルコに経済的・政治的負担を負わせる難問となった。EUは再三にわたり(EU-トルコ間の)国境を封鎖するようトルコに強要してきた。EUがトルコの支援を要望・要請し、難民問題をその加盟国の同意と期待に優先させ 全文をよむ
■魂の無い若者たち 【ワヒード・アブドゥルマジード】 西洋及び世界でもっとも進んでいる国々における若者たちの危機的な状況が長く続いている。かつてこれらの国では、若者たちが社会を生命力で満たしていた。この活気は、前の世紀の60年代および70年代の初めに頂点に達した。左派の思想家の中には、カール・マルクスとその陣営の思想において労働者階級が担うとされた役割を学生たちが果たす可能性を思い描く者がいたほどである。 しかしながらこの活気はこの数十年の間に後退し始めた。その理由 全文をよむ
■革命から5年が経ったイエメン:サナアへの道のりは長い イエメン中部の都市タイズでは、アリー・アブドゥッラー・サーリフ大統領を放逐した「2月11日」革命から5年が経ったことを記念し大規模な民衆パレードが行われ、何百もの市民がひしめき合う集会の場は標語を示すプラカードや横断幕で満たされた。その一方で、イエメンの合法的軍隊は、首都サナアを包囲し前大統領派とフースィー派同盟軍による支配を終了させるために進撃している。 イエメンの最も重要な都市、サナア、タイズ、アデンの政治社会地理学 全文をよむ
■米国にとって「ヌスラ戦線」は「ダーイシュ」より危険 【ドバイ:アフナーン・スマーディー】 米国政府は2012年12月に「ヌスラ戦線」をテロ組織に分類、シリア反体制派代表者及びシリア自由軍指導部はこれを拒否した。また2013年3月30日には、国連安保理で「シャームの人々のヌスラ戦線」を、「アルカーイダ」に関連する組織および個人を対象とする制裁リストに加えることが一致された。 アメリカ企業研究所(American Enterprise Institute: AEI)及 全文をよむ
■文学は死ぬか? 【イブラーヒーム・ファトゥヒー】 西洋の批評家の一部は、テレビや電子機器が(印刷された)本に取って代わると言っている。とりわけ文学作品という形をとるものに関して。小説の時代が終わったあと、小説の死を唱える声が大きくなっている。詩はますます個人の内面に関わるようになり、演劇は映画と比べると限られたエリートのものとなってしまった。 文学批評は哲学と化し、孤立した無用の長物となってしまった。大学の学科の外には、もうそれは存在しないのだ。文学に取って代わっ 全文をよむ
■割礼という犯罪を促進する動きが! 【ワヒード・アブドゥルマジード】 割礼を行なっていた際にその少女を死亡させた嫌疑がかけられた医師について、医師組合の懲戒委員会が調査を中止したというのが本当であれば、この決定はこうした犯罪に暗黙の裡に加担することになる。単に責任逃れでは済まない。調査が中止されたのが確かであれば、それが意味するのは、女子割礼という犯罪を推進し、それに手を染める者を保護し、21世紀に依然としてこの犯罪が行われているという驚くべき社会の後進性を確固たるものにする 全文をよむ
■2015年、揺れる欧州:ダーイシュ、難民、メルケルの人道主義 【ブリュッセル:ヌールッディーン・ファリーディー】 2015年のヨーロッパを振り返ると、ギリシア・マケドニア間の国境から、有刺鉄線が張り巡らされたフェンスがあるハンガリー、さらにはクロアチア・セルビア国境を越えてミュンヘンの鉄道駅まで、難民が行列を作る光景が溢れている。 2015年はヨーロッパの政治的表明の諸矛盾に満ち溢れている。その矛盾は、基本的な亡命の権利の価値を尊重するドイツを筆頭としたヨーロッパ 全文をよむ
■議会のためのキリスト教徒議長の格闘 【ワジード・アブドゥルマジード】 エジプト人の多くは、エジプトの政治史が、今では奇跡としか思われない輝かしいページにあふれていることを知らない。半世紀にわたってエジプトに吹き荒れた嵐の後。 今日では奇跡のように思われる最たるものは、キリスト教徒のエジプト人が、1928年、1930年と、二度にわたって議会の議長を務めたということだ。まだ議長が正規の職位ではなかった時のことである。 亡き偉人、(訳注:コプト・キリスト教徒で 全文をよむ
■女性とダーイシュ:殺す女性と殺される女性 【ヌーラ・ジブラーン】 ニューヨーク・タイムズ紙は、昨年11月20日付の紙面で3人の女性へのインタビューを掲載した。その女性たちはラッカに首都をおく組織「ダーイシュ」からトルコへの逃亡に成功し、ダーイシュの中で彼女らの経験したことや、この組織の風紀取締警察旅団である「ハンサーウ旅団」の徴集兵として行った役割について話した。彼女たちは、女性たちがこの集団内の殺人を遂行する側の者であれ組織の手で殺害される者であれ、ダーイシュのもとで恐ろ 全文をよむ
■ライラ・ムラードは嫌いですか? 【サミール・シャッハート】 まともなエジプト人が、あのシルクのような声を持つライラ・ムラード(訳注:1995年没、エジプトを代表する大物の女優かつ歌手)を嫌うなどということがあり得ようか。ただ彼女がユダヤ教徒として生まれたというだけの理由で。それはあり得ない。 アメリカの大統領候補であるドナルド・トランプは選挙戦において、最近、イスラム教徒に対するおぞましい発言をしたが、彼を非難する前に、我々は正直に、こう自問し、率直に答えなければ 全文をよむ
■タワドロス(コプト正教会)教皇、エルサレム司教の葬儀礼拝を終えて今日カイロに戻る 【アシュラフ・サーディク】 アレキサンドリア教皇であり、聖マルコの座の総主教であるタワドロス2世は今日の夕方、占領地エルサレムを出て、カイロに戻る。先週の水曜に73歳で死去したエルサレム司教のアブラハム師のための葬儀礼拝を終えて。 教皇のエルサレム訪問は大きな議論を呼び起こしたが、教皇は批判者に対して次のように答え、自らの訪問の目的を明らかにした。エルサレムに行ったのはエルサレム司教 全文をよむ
■意見、今週のメモ 【サラーフ・マンスール】 「西洋で、コーランを燃やし、モスクに火をつけるという犯罪に手を染める者たちは知るべきである。こうした行動はいかなる基準をもってしてもテロである。いやそれどころか、私たちを苦しめるテロという思想の燃料となる。」アズハル総長アフマド・タイイブ師、カイロで開催されたイスラム識者会議の開会式において。(アハラーム紙) 「人民議会ができる前に議長について話すのは許されない。まず議会が招集され、議員のあいだから議長は選出されるものだ 全文をよむ
■シャルムッシェイフにいつ観光は戻るのか? 【マクラム・ムハンマド・アフマド】 シャルムッシェイフそしてエジプトの観光地一般の状況を見ていると、心が沈んでくる。しばらく前まで、いろいろな国、宗教の何百万人もの旅行客でにぎわっていたあの美しいシャルムッシェイフが、通りはがらんとしており、ビーチには人気がなく、ホテルはそのほとんどが閉じてしまっており、町はからっぽだ。シーズンの始めには稼働率は90%で、繁盛を予想させていたのだが、ロシア機墜落の後、だれもがそこを去り、ついには1% 全文をよむ
■「イスラーム国」と闘うのではなく封じ込めるということ フランスを襲った連続テロで、ダーイシュ(イスラーム国)はこれがヨーロッパを襲う大嵐の始まりに過ぎないという声明を出したが、その一週間前、オバマ大統領は世界に向けて突如、声明を出していた。ダーイシュはもはやシリアとイラクに限定され、その危険はすでに封じられており、対抗するには空爆で充分であると。 その後パリの一連の事件が起き、オバマはダーイシュについて何もわかっていないこと、その真の危険の大きさを測ることができていないこと 全文をよむ
■フランス:文化とテロリズム 【フサーム・アイターニー】 「公的知識人(public intellectual)」が重要な位置を占めるフランスでは、11月13日事件の直前とそれ以降の彼らの議論が、政治的コミュニティの次元、またイスラーム教徒少数派ならびに世界との関係の次元において、今後フランス国民が歩むことになる道筋を描く中で決定的な一部となっている。 パリ中心部の「シャルリー・エブド」誌とユダヤ教コシェル料理店を狙ったダーイシュ(イスラーム国)的手法の攻撃により引 全文をよむ
■フランスにおけるイスラーム:抗議、アイデンティティ、組織 【ターリク・ダハルージュ】 パリのテロ事件に続く論争は、ダーイシュ(イスラーム国)がフランスと西洋一般に対して行うテロとの闘いの一部にのみ集中している。実際に起きたことの直接的な説明とはなるのであろうが、それではある一つのメッセージを送ることになる。つまり、いま私たちが直面している「フランス版9.11」は、過去25年以上にわたって積み重ねられてきたフランスの政策とは無関係だというメッセージだ。私たちから見ると、それは 全文をよむ
■サウジアラビアとUAEは太陽エネルギー利用に向けて、ステレオタイプの考えに挑戦 【アフマド・マグレビー】 中東諸国は太陽の恩恵に浴しているが、中東の一般的なイメージは常に暖かく、時に燃えるような光の下で常に「日光浴」しているかのように表わされる傾向にある 。一方で、中東諸国がそれ以外のことをしていると思わせるものはなく、あっても極めて限られている。 そして、太陽エネルギーについての話題が増加し、そのテーマに関する数多くの野心的なプロジェクトが存在しているにも関わら 全文をよむ
■シリアのパルミラは女王ゼノビアの元からダーイシュの手に 【ドバイ:マーヘル・ナブワーニー(本紙専門学校)】 シリアの砂漠の中央に位置するパルミラ遺跡は、最も重要な古代都市の一つであると、世界的に認識されている。その町の名は、紀元前18世紀の粘土板にも登場した。町は世界中の旅人や考古学専門家を惹き付けた多数の考古記念物を有していた。しかし、シリアでの紛争はパルミラにも影響を及ぼし、ついにIS(ダーイシュ)の支配下に置かれることになった。ダーイシュは既に多くのパルミラの有名な記 全文をよむ
■おとめマリアの帯…とモスク ホムスでの周遊の間、私は「ベルトの聖母(ウンム・ズンナール)」教会を訪れた。この名前はおとめマリアの帯(ズンナール)あるいはベルトに因んで付けられた。ベルトが発見されたのは1953年だが、教会は世界最古の教会の一つであり、西暦59年に建てられた。 同教会はシリア正教会の教会で、全キリスト教徒にとって有名な巡礼地の一つである。私は伝統的な教会に付属している古い考古学建築がある地下へと降りる機会を得た。それは地下の洞穴に似ており、ユダヤ人とローマ帝国 全文をよむ
■レバノン政府はいつまで耐えられるのか? 【イッザト・サーフィー】 もしアミーン・ジュマイイル元大統領が、1988年に官邸を去る前に、ミシェル・アウン将軍を長とする軍事政権の発足という失敗を犯さなければ、レバノンは現在の危機に見舞われていなかっただろう。神がジュマイイル大統領をお赦しになりますように。 しかし現在の大統領職をめぐる危機は、偶然の産物でも例外的なものでもない。今回は独立以来や独立以前どころか、レバノンという存在が創られ始めた時以来の、最も危険な状態であ 全文をよむ
■「千人のサッダームのイラク」オバマとアバーディーの告白の狭間で オバマ米大統領は、その歴史的な告白の中で次のように述べた。「2003年のイラク戦争においてアメリカ合衆国は賢明ではなかった。イラクにおけるアル=カーイダの出現もイランの勢力とその核プログラムの強化も、われわれが3兆ドルも費やしたその戦争の結果に他ならない。これが歴史の現実だ。」 合衆国大統領の良心がこの遅すぎた覚醒を果たす一方で、イラクでは大衆デモが、蔓延する汚職と失業、公共サービスの機能不全に対する抗議の声を 全文をよむ
■シリア革命と勝利の道標 【ハーリド・ハウジャ】 ダルアー市の完全解放作戦を完遂する準備が行われるのに並行して、シリア北部ではバッシャール・アサド政権軍が急速に衰弱を始めた。アサド大統領は、イドリブやハマー郊外、沿岸部の村落地域の一部において、反政府諸勢力が複数の戦略的要衝や検問所の支配を強化する状況に直面したのである。これは、同大統領が演説を行った翌日のことであるが、この演説は、真面目に耳を傾けるに値する彼の初めての演説だったといっても過言ではない。 2011年3 全文をよむ
■アラブ・イスラエル紛争を消し去ろうとするイスラエルの邪悪な試み 【バシール・アブドゥルファッターフ】 この半世紀以上、中東においては、政治闘争ゲームのルールを掌握しようとする陰謀や試み、戦略的回り道が、イスラエルに対するアラブの総意に甚大な影響を与えることはなかった。しかし、時間の経過とともに、1990年のイラクによるクウェート侵攻、あるいは2003年の英米によるバグダード占領という犯罪行為などを原因として、アラブの地域システムとして知られるものを崩壊させる暴力的、反動的振 全文をよむ
■コラム:バグダードはイラン帝国の首都か? 【ベイルート:ラージフ・フーリー】 アメリカは、その成立が見込まれるイランとの核合意において「安心の分配」を試みている。バラク・オバマ大統領は、「もし、イランの核兵器所有を阻止する合意に至ることができない場合、アメリカは交渉のテーブルを離れる」と述べてフランス人の安心を望んだ。だが、湾岸・アラブ諸国の人々を安心させることはできるだろうか? 否。ジョン・ケリー国務長官が、アメリカの核の傘を湾岸協力会議の諸国に申し出るとき、そ 全文をよむ
■ヒズブッラーとイスラエル、そして公開戦争の回避 【社説】 ヒズブッラーは昨日、被占領地シャブアー農場において、イスラエルの軍用車複数に対して攻撃を行い、イスラエル人兵士2名を殺害、7名を負傷させた。この攻撃は、特に、殺害された兵士の一人がGivati旅団(訳注:イスラエル国防軍歩兵部隊)の中隊指揮官であったことから、イスラエル側にとっては強力な痛手であったとみなされる。しかしこれは、シリアにおいて1月18日に行われたイスラエルの空爆に対する報復として予測された程の攻撃にはな 全文をよむ
■有志連合はどのようにして「イスラーム国」を滅ぼすのか? 【社説】 アラブ諸国、トルコなどの21か国の外相らは、ロンドンにて昨日木曜日開催された「対イスラーム国連合」の会議に参加した。同会議を主催したのはアメリカのジョン・ケリー国務長官とイギリスのフィリップ・ハモンド外相であり、会議は、フランスの襲撃事件から2週間後というタイミングで開催された。これは、世界規模の紛争の中で現在起こっていることにおいて、新たに危険な進展があったことを示すものである。 発表された会合の 全文をよむ
■求められるテロへの怒り、より重要なのはその「雇い主」らに対する怒りか 【本紙:サイヤーフ・アッザーム】 フランスで最近起こった諸々の事件が非難されるべき、危険で、誤ったテロ行為であることに疑いの余地はない。個々人やグループによる様々なテロが危険なものである点も同様であり、それゆえこのことやその原因を過小評価すべきではない。しかし、注目を集めているのは、悲しみにくれているように見えたオランド仏大統領と連帯して、パリで行われた例の怒りのデモである。デモには、海外の様々なレベルの 全文をよむ
■フースィー派はイエメンを制圧することができるのか? 【社説】 イエメンの組織「アンサール・アッラー」(その支持者はフースィー派として知られる)は昨日、アブドゥラッブフ・マンスール・ハーディー大統領の護衛隊に対して戦闘を行った。これは、国家に対して激しい戦争を行ってきた同組織にとっては、いかなる尺度においても小規模な戦闘であった。しかし、それにもかかわらずその戦闘は、1962年のイエメン・ムタワッキリテ王国に対する9月26日革命を始まりとする、イエメン史の大きな歴史的段階の終 全文をよむ
■イランのサウジに対する脅しと「石油戦争」の帰結 【社説】 イランのハサン・ロウハーニー大統領は一昨日、前例のない声明の中で、石油価格暴落の背後に居るとみなした諸国を脅迫し、それらの諸国が「自身の決定に後悔することになるだろう」と述べた。そしてサウジアラビアとクウェートを名指しし、2国が「イランが苦しんでいるように、(石油)価格の後退に苦しむことになろう」と強調した。 サウジアラビアとクウェートは、石油価格の暴落におけるいかなる責任をも否認している。石油価格は201 全文をよむ
■シリア難民と凍死…支援はどこへ? 【社説】 光景が胸を引き裂く。子供たちは寒さと空腹で震え、いくつもの家族は吹雪に閉ざされている。彼らは、何もかもが欠如するテントの中で凍死する危険に直面している。このように、シリアの隣国では何百万というシリア難民の苦しみが深刻化している。以前は十分苦しんでいなかったかのようである。冬が突然やってきたかのようでもある。あるいは、シリア反体制派の諸組織や、シリア難民を受け入れた複数の政府の一部に注がれてきた数億ドルは、彼らをかくまい彼らの生命を 全文をよむ
■政治的見通しを欠く戦争はテロをより強固なものにする 【アブドゥルワッハーブ・バドゥルハーン】 (シリア危機が始まって)四年が経とうとする中、シリア難民の救済に対する世界の努力は弱まる気配を見せており、シリア政権はこれに対し完全に無関心の姿勢をとり続けた。(パレスチナでは、)支援提供者らがガザ戦争の勃発に辟易した思いを見せ、トンネルの先に差し込む光明を求める焦燥に駆られた。その一方で、イスラエル人は近々戦争が起こる可能性について話し合っている。いかなる場合であれ、戦争が長引け 全文をよむ
■地中海対話は、イスラエルにとってアラブ諸国の安全保障に至る架け橋である 【ラギード・スルフ】 北大西洋同盟(NATO)は今年で、「地中海対話」計画の開始から20周年を迎える。この対話には、NATO加盟国に加えて、イスラエル、エジプト、ヨルダン、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、モーリタニアのアラブ諸国6カ国が参加している。この対話の目的は、以下のように要約できる。 第1に、地域の安全保障と安定の実現への貢献。 第2に、対話参加諸国間の相互理解の推進。 全文をよむ
■イスラーム主義者…二つの全体主義と構造 【ルストゥム・マフムード】 シリアで起こっていることから、様々な表現、また社会的基盤を持つ政治的イスラーム組織が、根本的に対立する2種類の「全体主義」と対峙していることが明らかになった。まず一つに、軍政である。その最たる模範である「アサド主義」は、「スンナ派」の政治的イスラーム組織とその居住環境を、あらゆる手段・行為によって暴力的に扱い、破壊してよいとみなしている。なぜならば、彼らは「存在として」、また「戦略的に」、完全、絶対に危険だ 全文をよむ
■アラブ諸国とNATOが協力する必要性 【イェンス・ストルテンベルグ】 「イラク・シャーム・イスラーム国」(ダーイシュ)は国境を越えた脅威となっているが、「ダーイシュ」はイラク・シリア両国民にとっての大きな脅威となっているだけではなく、様々な中東の国々や、世界の他の諸国の諸政府・社会をも脅かしている。 この脅威と対決するためには、多数の国家が協力し、必要な政治的・経済的・軍事的措置を採りつつ、長期間にわたって努力する必要がある。この点に関しては、私は、国際社会の支援 全文をよむ
■モロッコ:モロッコ・フランス間の静かな危機 【ムハンマド・アシュハブ】 フランス人は、自国と、マグリブ周辺の地域二国との関係を説明する際に、フランス・モロッコ間の伝統的な関係が双方に悪影響を与えなかったように、フランス・アルジェリアの相互理解もモロッコに損を与えるものではないと言うことが多い。しかし一般的に有効であったこの説明も、今日では、反均質化(の動き)により、もはやその限りではない一般的に効果的であったその説明は、今日では、反均質化(の動き)により、もはや有効ではない 全文をよむ
■3つの戦線を閉じるためのエジプトの国防戦略 【サリーム・ナッサール】 エジプトでは、歴史はいつも繰り返される。アンワール・サーダート元大統領が「ムスリム同胞団」を釈放し、彼らと協力して、政策を混乱させたナセル主義潮流に対抗したように。そして今週、拘束されているフスニー・ムバーラク元大統領とその2人の息子、そしてハビーブ・アーディリー元内務大臣が、デモ参加者を殺害したとの容疑から無罪放免となったように。 判事が無罪判決を言い渡したとき、SNSサイトは、現政権を批判し 全文をよむ
■イランのダーイシュ(イスラーム国)空爆…新たな地域体制 【社説】 米国防総省(ペンタゴン)は、イランの戦闘機がここ数日間、イラク東部において「ダーイシュ」(イスラーム国)に対する空爆を実施したと明らかにした。テヘラン当局はこのことを確認しておらず、公式には否定している。 しかし、ペンタゴンの報道官は、「イランと協調して行動することはないという原則に基づく我々の政策に何ら変わりはない」と述べた。一方、アメリカのジョン・ケリー国務長官は、昨日、イランがイラクに更なる空 全文をよむ
■ロシアとトルコがアメリカに対する怒りを爆発させるとき 【社説】 ウラジーミル・プーチン大統領が率いるロシアは、シリアのバッシャール・アサド政権にとって世界最大の後援者であると目されている。また、ウクライナを標的とし、トルコとの結びつきが深いマイノリティーであるタタール人が多く居住するクリミア半島を占領している。一方、レジェップ・タイイップ・エルドアンが大統領を務めるトルコは、シリア政権の最大の敵とされており、クリミア半島の占領をめぐってロシアと対立している。そして、アンカラ 全文をよむ
■エジプト:テロとの戦いは警察国家への後戻りを正当化しない 【ムハンマド・アブドゥルハカム・ディヤーブ】 大統領閣下:あなた方は大統領選挙で大変革を行い、エジプトはテロとの血みどろの戦いを行っている。それは誰もが知っていることだ;私たちは土曜、それは軍や警察が単独で行う戦いではないと言った。そして「戦時政府」あるいは非常事態政府を形成することを要求した;このような政府は、政治的疾患のある者、請負人、ブローカー、徴税請負人、拷問を行う輩などの影響を受けるような選択とは縁遠い若者 全文をよむ
■バグダーディーによる偽りのカリフ制:赤く染まるその歴史 【マフムード・タルシュービー】 「イスラーム国」とその指導部はすでに大きな注目を集めている。今週だけでも、「イラクとシャームのイスラーム国」がリビアの沿岸部の町を掌握したと多数報じられた。また、イスラーム国は、彼らの戦闘員の恐ろしい動画を公開した。戦闘員らは、以前米軍で「短期間の戦闘訓練を受けた軍人」で、人道支援活動家になったピーター・カシグ氏の頭を刀で切り刻んでおり、そばには捕虜となったクルド人戦闘員数十名の頭部があ 全文をよむ
■■民主主義の衰退とテロリズムの激化 【アブドゥルアリー・ハーミッディーン】 テロリズムは一輪の花ではなく、アラブ・イスラーム諸国の政治的・社会的・文化的土壌にその根をはっている。また、政治闘争における暴力に基盤を置く思想がわれわれの遺産の中に見いだされるのは明白である。…しかしながら、民主主義の後退とテロリズム・過激派の台頭とは確かに関係しているのだろうか? アラブの春の日々に戻ってみよう。アラブ諸国で民衆による抗議の波が爆発したとき、われわれはいかにしてアル=カ 全文をよむ
■アラブ地域の分裂:これぞまさに歴史的瞬間! 【アブドゥッラフマーン・サラフ】 アラブ世界は今、重大な政治的意義を有する三つの事件に直面している。一つはスンナ派原理主義の勃興とそれに伴う宗派間抗争、もう一つは(地域の)中心国家の分裂である。そして三つ目は、テヘランやアンカラに代表されるような諸国からアラブ地域に対して行われる地域的攻撃、すなわち「干渉」だ。とはいえ、当該地域の利益は国際的なそれと一致するものである。チュニジアの議会選挙の結果を見たとき、「ダーイシュ」(イスラー 全文をよむ
■次第に滅ぼされるレバノン共和国 【イッザト・サーフィー】 レバノン人が、今年11月22日(月)に72周年を迎えた独立以来の自国の歴史プロセスを振り返れば、レバノンは6つの共和国から成り立っており、それが70年続いていることがわかる。各々がそれらの前身を継承しており、その中の最後のひとつが、レバノンでの大統領の(不在という)危機を終わらせる決定権をもっている。 6つの共和国は、レバノンでそれ単独での統治を主張することはなかった。しかしその援助者は国内外におり、もっ 全文をよむ
■ヘーゲル退任…米国の対アラブ政策にとって何を意味するか 【社説】 解任か、あるいは辞任なのか、さまざまな憶測が飛び交う中、2日前にチャック・ヘーゲル米国防長官が任を去った。直前に行われたオバマ大統領との共同会見で二人が目を合わせることはなく、両者の間に対立があるのは明白だった。 米各紙は、同長官がイラクやシリア、アフガニスタンで起こっている世界的危機の問題について、政権を批判したと報じた。それによれば、特に同長官がシリアや他の諸地域における米国の政策を批判する報告 全文をよむ
■日本はあの仕打ちを忘れたのか!? 【ズィヤード・ドゥリース】 誰かが広島と長崎の惨禍を忘れたというのか!?そう、日本人が忘れたのだ!世界にとって、侍たちはカウボーイの仕打ちに屈し、もう元には戻れないように思われた。 第二次世界大戦では、多くの国々が戦勝国から大きな打撃を受けた。しかし、負けたなかで最も顕著だったのは、日本とドイツであった。 他の国々は復讐の炎を燃やし続け、時折因縁をつけていたが、一方で日本とドイツは、軍事的勝利からは目を逸らし、産業におけ 全文をよむ
■ロシアはシリア国内の変化に満足しているのか? 【アリー・クィースィー:本紙】 ロシアのラブロフ外相は数日前、サウジアラビア外相のサウード・ファイサル王子と会談を行った。その後声明を発表し、シリアの政治的解決は安保理理事国とアサド政権が合意したジュネーヴ1を通じてのみ実現されると述べた。この声明はアサド政権の側に立った発言ととれるが、同時に、表舞台の裏側で何らかの動きがあること、シリアの政治的解決に向けて同国に変化を与えるような政治的イニシアティブが浮かび上がったことを意味し 全文をよむ
■ネタニヤフ首相の提出法案、「イスラエルのユダヤ性とダーイシュ性」のはざまで 【社説:本紙】 緊迫した空気の中、怒号が飛び交い机を強打する音が響いた。白熱した議論の末、イスラエル政府はついに、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の提出した法案を採択した。イスラエルを「民主的なユダヤ国家」として認めるという法案である。 48年パレスチナ人と呼ばれる人々は、イスラエルの人口の約2割を占めており、その数およそ180万人に上る。彼らは、1948年のナクバ以後もパレスチナの地に残った1 全文をよむ
■シリア:世俗的カリフとイスラーム的カリフと女性という武器のはざまで 【本紙】 アブー・バクル・バグダーディーが自らをムスリムのカリフとして宣言したとき、バッシャール・アサドは、危険が差し迫っていることを感じ取り、国内外において、バグダーディーとは異なり、あるいはその反対の性格を持つのだという、自身の「世俗的な」「カリフ像」を強化することに力を注ぎ始めた。 アサドは、技巧をこらして自身を売り込み、イメージの再建に取り組んだ。そして、そのためのキーポイントとして女性に 全文をよむ
■組織から国家へ―イスラーム国の諸州 【本紙】 2014年11月13日、「イラク・シャーム・イスラーム国」の指導者であるアブー・バクル・バグダーディー氏は稀な公開声明を発表し、アラブ諸国において新しく多数の「州」を設置したと宣言した。これにより、同氏と同組織は初めて複数の組織が「イスラーム国」に「忠誠を誓った」ことを認めたのである。「イスラーム国」の樹立が宣言されたのは半年前のことである。 2014年6月にバグダーディー氏がカリフ制を宣言して以来、多数の個人やさまざ 全文をよむ
■さらなる死:アラブにオバマの賞! 【社説】 アメリカの複数の高官は、ここ2週間の間に、シリアにおける米政府の外交政策に関して、矛盾する内容の複数の声明を出した。これは、いわゆる「国際有志連合」がイラクだけでなくシリアにおいても「イスラーム国」を標的とする決定をしたことについてである。アラブ諸国・地域各国が、「イスラーム国」を標的とするだけではシリア政権を利することになる、と抗議したことを受け、バラク・オバマ米大統領は注目すべき声明を出した。バッシャール・アサドの「排除」は「 全文をよむ
■プーチンとバグダーディー、どちらが危険か? 【イリヤース・ハルフーシュ】 このような質問を投げかけることは、一見して奇妙なことに思われるかもしれない。表面的に見ればこの奇妙さは、次のような事から来るものであろう。すなわち、ウラジーミル・プーチンは一国家の大統領であるのに対し、アブー・バクル・バグダーディーは勝手に国家を作り、称号、役職を作った。そして、いかなる人道的・宗教的・文明的価値も無視し、敵対者を帰属故に野蛮なやり方で虐殺した、という訳である。 しかし、スタ 全文をよむ
■イスラーム主義者とリベラリストの対立の終焉 【ズィヤード・ドゥリーシュ】 私はこれまで、アラブ世界における「対立する」言説の変容について幾度も書いてきた。このような言説は過去数十年、イスラーム主義者とリベラリストの緊張関係の中で常に現れてきたものであった。しかし、お馴染みの宗教的な論争もしばしば見受けられるとはいえ、ここ数年間で論争は、宗教的というよりは世俗的な性質を帯びたものとなりつつある。 論争において(宗教と世俗という)この新たな「混在」が最も顕在化したのは 全文をよむ
■米国の「対テロ戦争」における立場の根底にあるもの 【ワリード・マフムード・アブドゥンナースィル※】 また、米国のテロ組織リストに最初に登録されたイスラーム主義組織が、スンナ派組織でなくシーア派組織であったということも重要である。その背景にはレバノン情勢の進展があり、1982年夏のイスラエルのレバノン侵攻・占領とそれに続く米海兵隊のレバノン駐留に対決するレバノンのシーア派レジスタンス組織が複数登場してきた。このとき合衆国はアフガニスタンやパキスタンなどの別の場所で、宗教思想の 全文をよむ
■米国の「対テロ戦争」における立場の根底にあるもの 【ワリード・マフムード・アブドゥンナースィル】 ところで、米政権はここ数年、自身がテロ組織とみなした組織のリストを作成し、米国務省が公表しているが、毎年その見直し・更新が行われている。このリストは国際組織に関する他のリストの作成に、特に欧州連合(EU)加盟国やそれ以外の欧州諸国によるテロ組織リストの作成に影響を与えている。 本論文において既に述べたように、私の世代は、合衆国が欧州、極東、その他世界諸地域の左翼・民族 全文をよむ
■米国の「対テロ戦争」における立場の根底にあるもの 【ワリード・マフムード・アブドゥンナースィル】 昨今、否、2001年9月11日攻撃直後に合衆国が「アル=カーイダ」と同組織を支持ないしは類似する諸組織を標的に対テロ戦争の新段階への突入を宣言して以来、対テロ戦争の戦略目標についての誤った見方が、この戦争への取り組みについての合衆国政府の説明を通じて生まれているのが散見される。また、政治や報道分野に従事する者やその仕事に憧れる者たち、あるいは大衆を率いる立場の者たちの間にも、米 全文をよむ
■ガザの子供たち:戦争後も続く恐怖と精神不安 【ヌーラー・ジュブラーン】 「主よ、僕に慈悲をください。昨日から寝ていない。家を爆撃して、僕たちを救ってください…もう疲れた」。この言葉で、少年の人生は締めくくられた。ガザ地区に住むアナス・カンディール(17歳)が数日前、Facebookの記事に投稿したこの言葉だ。この投稿の後一時間もたたないうちに、彼は空爆の犠牲者となった。 アナスの言葉を読めば、彼が彼自身の家の爆撃を望むという状況にまで至っていたことを、誰も疑わない 全文をよむ
■中東で燃えたぎる火山 【ランダ・タキーッディーン】 現在、ガザからシリア、イラク、リビア、イエメンに渡って中東全域を覆う炎は、燃えたぎる火山の様相を呈している。世界はこの炎を鎮めることができなかった。罪深き指導者と政治によって紛争へと突入してしまったアラブ地域、そこで起きている諸々の戦争により、何百万もの民間人が犠牲となった。ガザに関して言えば、イスラエルの占領政策は、他に類のない世界的な助けを得て過激主義を助長し、暴力、抑圧を行うことで、その反発として(ガザ地区の)過激主 全文をよむ
米国はシリアの反体制派へ非殺傷兵器を供与する方法を模索してはいるもののシリアへ介入はしておらず、しかしイラクに関して米国は重大な責任を意識している。米国はイラクに「民主主義を据える」ことを目的に2003年侵攻し、米国とイランの共通の友であるヌーリー・マーリキーの主導下で「政治プロセス」が安定したと判断して2011年、ようやくイラクから米軍を撤退させた。 モースルとイラク北部が記録的な速さで「ダーイシュ」の旗のもとに陥落したことで、米国はニューヨークとワシントンを襲った「アル=カーイダ」 全文をよむ
■シリア(ビラード・シャーム)における「ダーイシュ」の役割は、アフガニスタンで「アル=カーイダ」が果たした役割に等しい 【トニー・フランシス】 米国とイランは現在、かつてのアフガニスタンとそれに次ぐイラクのときと同じように、イラクにおいて協力するための共通基盤を模索している。アフガンのターリバーンに対する戦争が2000年のはじめにおいて両者を接近させた。パキスタンが組織してカブール政府へ送り込んだターリバーンは、スンナ派のカリフ制国家の類を樹立しようとしてシーア派国家綱領を 全文をよむ
■イラク・シャーム・イスラーム国 【アブドゥッラー・ナースィル・ウタイビー】 「ダーイシュ」はどこからやって来たのか?その組織はどのようにして生まれ、成長し、強健になったのか?支援しているのは誰か?最大の優先事項は何か?将来どうなるのか?中東の諸組織、諸国家はどう見ているのか?ひとつの面しかないのか、それともいくつもの面があるのか?彼らの戦いは今後、軍事的・思想的にいかなる展開を見せ得るか? 近頃、右に列挙したような問いがあらゆる情報媒体をにぎわせている。メディアが 全文をよむ
■「アフガン・アラブ」の次は「ヨーロッパのダーイシスト」 【イルヤース・ハルフーシュ】 「ターリバーン」運動と協力してパキスタンとの国境地域の大半を支配下に置いていたアフガニスタンの「アル=カーイダ」が崩壊して以来、今日のシリア・イラク間の国境地帯にまたがる「イラク・シャーム・イスラーム国」(ダーイシュ)ほど、地理的な領域を手中に収めて活動を行う過激主義的なイスラーム系組織は存在しなかった。ダーイシュは両国における複数の主要な県・都市、例えばシリアのハサカやデリゾール、イラク 全文をよむ
■アブー・バクル・バグダーディー…新たな「アル=カーイダ」の指導者 【クリストフ・イヤード】 ジハード主義者の指導者で、アブー・バクル・バグダーディーのようにこれほど数多くの戦闘員を従え、広大な地域で権力を握り、莫大(ばくだい)な資金源を持った者はかつてない。彼の影響力はジハード主義者のなかでも類を見ないものだ。2001年9月11日の攻撃以前に黄金期にあったウサーマ・ビン・ラーディンでさえ、バグダードの外れからダマスカス郊外まで、また対ヨルダン国境から対トルコ国境にいたるまで 全文をよむ
■見聞(イランとの協議失敗) 【ジハード・ハーズィン】 ジュネーブで行われたイランと六か国の間の核協議は先週失敗に終わり、両当事者は新たに協議最終日を7月20日に決定した。6月中は交渉・会議が継続する。 今日は、今後の交渉も失敗するだろうということについて話そうと思う。イランと6カ国(安保理5常任理事国およびドイツ)の間の溝は深く、あまりに広過ぎる。この溝を埋めるにはどちらか一方が譲歩しなければならないが、私の見るところいずれの当事者も譲歩する気配はない。 全文をよむ
■サウジ・イラン間の今後の交渉はなぜ決裂するのか イランのムハンマド・ザリーフ外相が、自身のサウジアラビアのカウンターパート(サウード・ファイサル外相)から招待を受けてリヤードに初めて訪問した。そして、これに留まらず今後おそらくハーシェミー・ラフサンジャーニー元大統領がジェッダを訪れるだろう。ザリーフ外相とサウジ国王は、再度友好的な話し合いを通じてサウジアラビアとイランの間に存在してきた90年代の氷切った関係を打破し、(関係修復の)機運を高めることで石油市場の最適化を図っている。両者は 全文をよむ
■疲弊続くシリア…背後ではレバノン大統領選挙が影を落とす 【サーム・ムンサー】 中東地域の問題を見守るまたは追究する者の間では、これらの問題や中東における紛争に対する米国の外交政策の変化について、多くの疑問が飛び交っている。とりわけ、3年にわたって続くシリアの戦争に対する米国の政策の変化が注目されている。ここ数カ月の間に(地域・世界)情勢の変化がいくつか見られたが、中でも最も重要な出来事はヨーロッパのウクライナ政変と、これが米国政府とロシア政府の関係に及ぼす影響だろう。また、 全文をよむ
■ヤルムーク難民キャンプはパレスチナ人の分裂とアサド政権の怒りの犠牲に 【マフムード・サルハーン】 ヤルムーク難民キャンプ(ダマスカス南部)の餓死に関する悲惨なニュースは、今日世界中のあらゆる方面において耳にする。こうした悲劇的な知らせを受け、国際社会では難民キャンプに敷かれた包囲の解除、および人道的支援の提供を求める声が高まった。反体制派戦闘部隊が支配する、ヤルムーク難民キャンプの周辺地域は、包囲の解除を条件としたシリア政府軍との停戦が実現し、反体制派の部隊が当該地域に留ま 全文をよむ
■「ジュネーブ会議の枠組み」失敗 【ガッサーン・シャルベル】 国連はシリアの問題から手を引くことはできない。また、紛争の犠牲軽減のために手を尽したとも言えない。国連の果たすべきこととは、毛布や子供のミルクを配給するだけであるはずがない。シリアの危機は近隣国・遠国問わず諸外国にとっての危険を生む。いわゆる「シリアからの帰還移民」と呼ばれる集団に対する西側諸国の懸念については、これまで十分に指摘されている。西側諸国は、彼ら帰還移民の「ムジャーヒディーン」を自爆者予備軍と見なし注視 全文をよむ
■米国の立ち場に変化なし 【ハーリド・ダヒール】 昨年(2013年)11月以降、二つの問題を巡るサウジアラビア‐アメリカ両国間の見解の相違が浮上した。すなわち、オバマ大統領の米国政権がシリア革命を放棄し、イランの核開発計画について達成が待たれる最終合意に基づき、同国との政治的合意に到達する方向へ傾いたことである。サウジアラビアと諸外国は、これら二つの問題に対する米大統領の姿勢に驚いた。しかし、父ジョージ・ブッシュ元大統領の時代とオバマ大統領の二期目において国防長官を務めたロバ 全文をよむ
■「ダーイシュ」は、アレッポ郊外バーブ市の最後の砦に「ターリバーン的国家」を設営 【アレッポ:ワーイル・アーディル(本紙)】 「友よ、バーブにはいいものが沢山ある」。彼は5本目のたばこをうまそうに吸いながら言った。バーブ市では、アレッポに来た時に彼が私に教えてくれたように、喫煙は隠れて行われる。市を占領しているイラク・シャーム・イスラーム国のメンバーが、たばこを吸っていたのかどうかを確かめるために指のにおいを嗅ぐ。彼らが市を占領して最初に行なったことは、ある商人が所有する数ト 全文をよむ
■兵士はキリスト教徒、軍はユダヤ性を有する…そんな事が可能か? 【ムハンマド・ハーリド・アズアル】 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は数週間前、政府とキリスト教派閥間のいわゆるジョイント・フォーラムを設ける指針を打ち出した。これは、「軍および官公庁へのキリスト教徒の参入と、イスラエルにおける公共生活にキリスト教徒をとり込むことへの働きかけ」を目的としたものだ。これらの努力は、以前イスラエルが行った同様の取り込み政策をわれわれに想起させる。当時はイスラエルが説明するところ 全文をよむ
■地域空間における政治的変化のメルクマール 【ハーリド・ビン・ナーイフ・ハッバース】 中東地域における影響力をめぐり、激しい地域的競争が存在することは自明の事実である。それ自体は何も新しい出来事ではない。しかし、(昨今の)競争を取り巻く地域政治の変化と移り変わりの速さ、そして中東地域で起きる出来事のダイナミズムには目覚ましいものがあり、中東地域の主勢力による外交政策のプロセスにも特筆すべきものがある。その傾向はトルコ、イラン、サウジアラビアに最も顕著にみられ、アラブの春の影響 全文をよむ
■なぜパレスチナ人はイスラエル国家のユダヤ性の承認を拒否するのか 【サニーヤ・フサイニー】 パレスチナ人がイスラエル国家のユダヤ性を承認することを妨げる理由は、いくつか存在する。イスラエルの現政府は、現行の紛争状況に終止符を打つ恒久的な合意到達の条件として、その承認を求めているにもかかわらずである。アメリカもまたイスラエルのこの条件を支持し、パレスチナ人に対してこの条件を満たす必要性を訴えている。しかし、イスラエルをユダヤ人の国民国家と承認することは、パレスチナ人にとって大き 全文をよむ
■チュニジアにおいてイスラームは解決策ではない 【ビーサーン・シャイフ(本紙記者)】 暗いアラブの春のトンネルの中に、チュニジアでは一条の希望の光が差し始めた。春そのものの持つ光のごとく。同国はベン・アリー元大統領退陣3周年を祝う準備をする一方、政治危機や経済状態の悪化、治安の不在やサラフィー主義グループの台頭からくる激しい陣痛の後、多くの人々が、同国はもとよりアラブ世界において前例がなく、またブルギーバ憲法それ自体をも凌駕(りょうが)する憲法草案に対し賛成した。 全文をよむ
■1963‐2013年:バアス党と「ダーイシュ」 【ハーズィム・サーギーヤ】 「ダーイシュ」として知られることになった「イラクとシャームのイスラーム国」は、一夜にして(地域の問題の)あらゆる清算を迫られる存在になった。「ダーイシュ」は、強硬かつ暴力的で抑圧的な運動のための組織であり、イラクとシリアの国境をまたいで活動し、両国を一つのイスラーム国家の枠に収めることを主張している。つまり、同組織はサイクス・ピコ協定の合意内容を否定し、統一・連合主義の立場をとる。 昨年の 全文をよむ
■アラブは国際的・地域的合意の調停の蚊帳の外 【ファウズィー・ザイダーン】 シリアの化学兵器問題に関する米ロ間の合意について、アラブ人は憤りを見せた。同合意は、シリアの危機に対するアプローチおよびそれに対する公正な解決策の検討を欠いたまま、シリア化学兵器の除去と破壊について合意したのだ。アラブの怒りは、(アサド)政権がこれらの兵器を市民に対して使用し、その結果何百人もの市民の命、とりわけ子供たちの命が奪われたというその罪を、同政権が清算するということに触れていない点に帰結した 全文をよむ
■シリア:真のカタストロフィ 【イリヤース・ハルフーシュ】 シリアの戦争の政治的解決の機会や、「ジュネーブ2」に誰が参加し誰が欠席するのか、来年に予定された大統領選挙に誰が立候補し誰がしないのかなどをめぐり、不毛な政治論議が続いている。その一方で、この国を脅かす真の人道的カタストロフィが存在している。この大惨事は、シリアの諸地域・諸都市にふりかかっている破滅・破壊よりも大規模で危険だ。しかし、さらに言わせてもらうならば、このカタストロフィはおそらくこれまで殺された死者の数より 全文をよむ
■シリア政権、国際舞台の十字路 【アブドゥッラー・イスカンダル】 シリア政権は、自身が最悪の事態を乗りこえたとみなしている。そして同政権は、政治的にも軍事的にも、以前の状態を取り戻すべく動き始めた。同政権が乗りこえた最悪の事態とは、つまるところ内戦のある段階において、西側、特に米国と対立する中で、ロシア・中国を軸とする布陣に完全に連なるよう強いられそうになったことである。そしてそれは、政権が「ヒズブッラー」の軍事力とイランの多方面の専門技能に助力を求めることを強いられ、少なく 全文をよむ
■対シリア開戦を告げる太鼓は打ち鳴らされたか? 【フサイン・アブドゥルアズィーズ】 ここ数日中に、シリアは、シリア国内ばかりか中東全域にわたるゲームのルールの変更およびシリアが占めているバランスの変化につながるような重大な局面を迎えようとしている。重大な局面とは、米国及び多くの欧州同盟国の声明によって確実視されている軍事攻撃の開始を意味している。 軍事攻撃が切迫していることは、シリアでのあらゆる軍事行動に警鐘を鳴らすに止まらず、露政府はシリア内戦を理由に軍事抗争に介 全文をよむ
■エジプトの軍事機関は内外の板ばさみ状態にある 2013年7月26日『ハヤート』 【ザイン・アブドゥルハーディー】 世界は今不確実な形で幾重にも錯綜(さくそう)した様相を呈しているため、思想家たちや専門家らが取り上げねばならない諸関係が存在する一方、世界にはカオス理論が存在しているので、以下は多くの議論と対話を要する見解であり、最終的なものではない。カオス理論は「ランド研究所」で育まれた。そこはアメリカで最重要のシンクタンクのひとつであり、あるいはまた民族や国民性ま 全文をよむ
■市民の顔を持ち宗教の衣をまとった軍事クーデター 2013年7月3日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 アブドゥルファッターフ・スィースィー将軍は、自身がエジプトの実質的元首であることを証明した。同様に、軍部は唯一統率のとれた組織であり「全国民の意思に従い国益を保持する」というお題目で、いつでも投票箱の結果をひっくり返すことができると立証してみせた。 起こったのは、市民の顔を持ち、宗教の衣をまとい、民主主義を掲げる軍事クーデターであ 全文をよむ
■エジプトでは誰もが避けたがる問題 2013年06月30日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 タハリールで、ヘリオポリスの大統領官邸前で、ムルスィー大統領に反対する数十万人がデモに参加した現在、自ずと浮上してくる問題は、次のステップはどうなるかということだ。今日、明日、今後数カ月の間に何が起きるのか。誰もがその前に立ち止まらなければならない真実を認めよう。エジプトは、あらゆるレベルで悪化するばかりの、分裂状態に等しい困難な状態にある。唯一統制 全文をよむ
■アル=アサド大統領の確信、アル=イブラーヒーミー特別代表の夢 2013年2月19日『アル=ハヤート』 【アル=ヤース・ハルフーシュ】 シリアをめぐる国連・アラブ連盟のアル=アフダル・アル=イブラーヒーミー合同特別代表は、あらゆる手段を用いて自身の調停を存続させようとしている。バッシャール・アル=アサド大統領とダマスカスで行った最近の会談から、シリアに降りかかる破壊、破滅、殺りくにもかかわらず、反体制派がアル=アサド大統領に対する敗北を宣言しない限り、そして政権が権 全文をよむ
■オリエント的エジプト? 2013年2月2日『アル=ハヤート』 【ハーズィム・サーギヤ】 エジプトで広まっているオリエント的イメージのなかに、エジプトがかつて集権的・強権的権力による施政や、オリエントさえ知らなかったような統治の伝統を駆使してきた強固な国だといったものがある。このことは、シリア・イラクといった地域の分断状況を踏まえると依然として正しい。現在、この地域では、これ見よがしと言ってもよいような動乱のなかに自らを曝している。 しかし、この比較によっ 全文をよむ
ガザのイメージ、イスラエルとパレスチナの狭間で 2012年12月24日『アル=ハヤート』 【本紙:カイス・カースィム】 メディアはパレスチナ-イスラエル紛争のニュースを公平に伝えるだろうか?とりわけ国際メディアは?実際、外部からの影響なしにメディアはその役割を果たせるのだろうか?複雑な込み入った問題では、記者や通信員が中立を保つことはしばしば困難なことがあり、また、どちらかの側面に対して、混乱をより深め、複雑化することに組するのを回避するために、世論を掻き立てること 全文をよむ
■水と電気の不足、トルコのシリア人難民キャンプに危機 2012年8月15日 水曜日 『アル=ハヤート』 【アスラー・イードゥン・ターシュ・バーシュ *作家。トルコの『ヒュリエト』紙2012年8月1日の記事。翻訳はユースフ・アッ=シャリーフ】 約3か月前、トルコ政府はシリア人難民に「夢の土地」としてキリス(※トルコ南部の街)のキャンプを提供した。街全体が即入居可能な住宅で構成され、各住居の中には部屋とトイレ、台所付きの広間があり、街には学校や社会施設、レクリエーション 全文をよむ
イランでのアナン、幻想を背後に 2012年7月11日『アル=ハヤート』 【ランダ・タキー・アッ=ディーン】 コフィー・アナンのイランの任務は、幻想の背後にある。イランの任務は不可能である。彼は偽りの約束を持って帰還するであろうが、しかし彼は試みるかもしれない。アナンはイランがシリアへ圧力をかけるカードであると信じている。しかし、その可能性が正しいにしても、イランはコフィー・アナンにこのカードをただでは与えないはずだ。どうしてアナンなどに与えるものか?イラン政権はその 全文をよむ
サウジアラビアでの抵抗運動 2012年7月9日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルビッリー・アトゥワーン】 サウジアラビアは激動するアラブ・イスラム諸国の中にあって、60年間、安定のオアシスとしての地位を保ってきた。1979年メッカのアル=ハラム・モスクを数日間占領したジュハイマン・アル=ウタイビー運動や、90年代段階や21世紀初頭の「アル=カーイダ」の攻撃、のような極めて限られた例外はあるが。 サウジの統治を担う一族は、周囲の国、特にエジプト 全文をよむ
彼のみが解決策を知っている 2012年6月30日 【フサーム・アイターニー】 バッシャール・アル=アサド大統領をおいて他に、シリアの諸問題の解決の仕方を知る者は一人もいない。彼は《非シリア的で、かつ非愛国的な》あらゆる解決策を拒絶している。 テレビインタビューで述べられた彼の言葉は、《シリア指導部の下での政治的過程を通じた解決策》へ至るためのあらゆる取り決め、に対抗する先手を打った努力であるかのように見える。それらの取り決めとは、国際連合とアラブ連盟の特使クーフ 全文をよむ
■エジプトを待ち受ける試練 2012年5月28日『アル=ハヤート』 【ガッサーン・シャルビル】 若者たちは画面に向かって、苦々しい思いをぶつけた。その苦々しい思いとは、エジプト大統領選挙の第一回投票の結果が彼らにもたらしたものである。彼らはタハリール広場から彼らの夢と、スローガン、そして拳を伝えた同じ画面に向かって語りかけた。選挙結果は彼らを困難、あるいは痛みをともなう選択の前に立たせた。その選択とは、中将か同胞団のどちらか、つまり、フスニー・ムバーラク時代に最後の 全文をよむ
■シリアにおけるアル=カーイダ存在の真実 2012年5月18日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルビッリー・アトワーン】 国連事務総長パン・ギムンがダマスカスとアレッポで起きた、数十人の犠牲者を出した最近の自爆行動が、「アル=カーイダ」組織によるものであることを認めるとき、この認知は、シリア内外の反体制派や革命支持者が恐れるより、もっと政権が恐れるものとなるに違いない。と言うのはこのイスラム急進派組織の登場は、政権やその治安の威信を害することを追い求めるであろ 全文をよむ
■『羅生門』! 2012年5月16日 『アル=ハヤート』 【イブラーヒーム・ハージ・アブディー】 ある事件が起きたとき、それがどのような種類であれ、そこには詳細な説明を省略した、一つの事実がある。しかし、衛星チャンネルのフィルターと、その視覚的トリックを通ったとき、この事実は増幅され、転換され、多岐にわたる。事実の表現を誇張するものがいたり、また別のものはそれを過小評価したり、あるいさらに別のものは特定の意図に基づいてそれを説明したりする。したがって、真実とはこの「 全文をよむ
■シリアへの懸念 2012年5月12日『アル=ハヤート』 【ムスタファー・ザイン】 アラブ世界はアイデンティティーの危機を生きている。現存の政権は、これを乗り越えることが出来ず、また多くのグループも解決方法を見つけることが出来なかった。提案された政治的モットーやプログラムも、これらのグループ(イラクでは「構成要素」と名づけているが)を結びつける共通の基準とならない。シリアを例にとってみよう。バアス党の提案したアラブ主義は、その名によって、宗派、教義、民族、競合グルー 全文をよむ
荒れた大地の傍ら スーダンの人々の血 2012年4月21日『アル=アハラーム』 【カイロ:ファールーク・ジャウィーダ】 エジプトとスーダンが一つではない日は想像もしていなかった。私は以前も、また依然として、1月革命の最も大きな誤りは、ナイル渓谷の統一を分離させたことであったと考えている。またムスタファ・アン=ナハース・パシャが「私の運命をかけても、スーダンはエジプトから離すな」と述べた時、彼は正しかったのだと思ってもいる。 もしスーダンがエジプトから分 全文をよむ
■シリア:軍事介入か、あるいは内戦か? 2012年4月19日『クドゥス・アラビー』 【社説:アブドゥルバッリ・アトゥワーン】 フランスの首都、パリで昨日(18日)「シリアの友」の集まる簡略な会議が開かれた。最も目立った参加者はアメリカ外相ヒラリー・クリントン、トルコ外相アフメット・ダーヴトオール、そのほか、ドイツ、サウジアラビア、カタールの外相、そして開催国フランス外相アラン・ジュペなどである。 この会議はこの種の会議としては、3回目で、表明さ 全文をよむ
社説:表現の自由のあり方。映画検閲問題を通して ■ルシュディ・アバーザの「犯罪」 2012年4月16日『アル=ハヤート』 【ガッサーン・シャルベル】 親愛なるアラブ人よ、少し落ち着こう。忍耐は最良の武器である。主張しすぎるな。プロセスの崩壊を求めるな。貴方の国の革命の勝利は一夜のうちの変革を意味するものではない。時間が必要なのだ。より多くの時間がだ。暫定期間は往々にして困難と痛みを伴い、長期に及ぶ。受け継いだものも重い。独裁者はその国が瓦礫の下で朽ち果てる 全文をよむ
■誰が現地で戦闘停止を監視するのか? 2012年4月11日『アル=ワタン』 【本紙】 ダマスカスにおいて、メディアが、明日4月12日に、我々に対立すると思われる人物あるいは団体に質問する。シリアの全ての都市で成った停戦や、緊張の高まっていた全て地域が平穏に包まれたことや、国際特使コフィー・アナンの提案実行や、戦闘の停止、これら全てが成し遂げられていないと言うことを強調するために! もしシリアが提案を遵守しているのであれば、誰が他方勢力の遵守を保証するのか、 全文をよむ
■社説:ロシアとシリアにおける道義的責任 2012年03月19日『クドゥス・アラビー』 アラブや世界のメディアは、日々の報道で、シリアで1年以上続く血みどろの状況の進展に関し、殺戮や暴力に焦点をあてている。これらの暴力は、そのほとんどが公式の軍や治安部隊によるものであることから、[その報道の有り様は、]当然、予測されることである。それらの攻撃で数千人の死者と負傷者と難民が発生している。彼らは、とりわけ、国際社会や人道機関による、できる限り早い支援を必要としている。 全文をよむ
■社説:シリアでの爆弾「テロ」 2012年03月18日『クドゥス・アラビー』 シリアでの殺害報道は様々にあり、この数日その情報源も様々である。シリアのインティファーダの初期におけるニュースは、非武装の市民を標的にした治安部隊の銃に倒れた複数の犠牲者の数に限られていたが、現在は、ダマスカスとアレッポの中心部の治安機関の建物を標的にした自爆攻撃についての報道や、シリア自由軍の活動や、予測される治安部隊や政府側の軍隊の人的損失が伝えられる。 昨日[17日に]、爆発物を搭載 全文をよむ
■社説:ベンガジの独立とその支持者たち 2012年03月16日『クドゥス・アラビー』 ベンガジで昨日[15日に] 連邦制の支持者たちとそれに反対している人たちとの間で起きた血みどろの衝突は、リビアが現在経験している崩壊状況を反映している。その状況は、武装民兵組織や、武器の拡散や国民的和解の不在や国内の諸問題をムアンマル・アル=カッザーフィー政権崩壊後の後を継いで国を経営し、平和な領土へと変えるとされる中央政府や移行国民評議会の弱さに起因する。 キレナイカ[アラビア語 全文をよむ
■エジプト選挙:大統領になれる人物と、大統領になる人物 2012年03月11日『クドゥス・アラビー』 【ムハンマド・アブドゥルワーヒド・リヤード博士(作家・アズハル大学心療内科教授)】 エジプト大統領選が話題に上るようになって以来、マスコミは選挙戦への参加意思を表明した人たちを「大統領になる可能性がある人物」と呼び習わしてきたが、これは正確ではない。いかなる場合もすべてに可能性はあるのだから。私は「大統領候補」という表現の方がよりふさわしいと思う。 何はと 全文をよむ
■社説:チュニジアでのシリア反政府勢力の失望 2012年02月24日『クドゥス・アラビー』 現在チュニジアで開催中の「シリアの友」会議の活動は続いている。しかし、そこでこれまでに明らかにされたことは、この会議に参加しているシリアの反体制派が考えていたレベルの希望に呼応しない様々な立場である。反体制派のシリア国民会議のブルハーン・ガリユーン議長はシリアの危機にどう対処するかに関する談話を通じて、自身の失望を表明した。 反体制派は、ヒムスやその他の町を集中的にシリア体制 全文をよむ
■「アラブの春」の欺瞞 2012年2月23日 『アル=ハヤート』 【ナーラト・アブドゥルカリーム(シリアの作家)】 属性が知れ渡っているものと異なる時、我々を立ち止まらせることが必定なある種の齟齬がある。そのような齟齬の一例に、シリアの統治体制に「共和国」とい単語が当てられていることがある。これに限定するわけではないが一例として、シリアでは次男のバッシャール・アル=アサドが10年間、父亡き後大統領の座についたのだが、このようなことは、様々な形でその他のアラブの諸共和 全文をよむ
■社説:アフマディー・ネジャード大統領による核開発への挑戦 2012年02月15日『クドゥス・アラビー』 イランのアフマディー・ネジャード大統領は昨日[14日]、イラン国営テレビによって放映された祝宴において、新たな3つの核計画を開始し、医療研究炉で自国製の核燃料棒を最初に使用する過程を自ら監督すると発表した。これはイランの欧米諸国に対する挑戦を反映した措置である。というのも欧米諸国は、イランの核開発の野望を挫けないにせよ、阻止したいと考えており、原子炉や核計画に関わるあらゆ 全文をよむ
■社説:アラブ軍はシリアへ? 2012年02月14日『クドゥス・アラビー』 シリアへの平和維持のための他の国際的なものも含めたアラブ軍の派遣をアラブ連盟が決めたことは、様々なアラブや世界各国の大きな関心を巻き起こした。しかし、それを阻止しようとする、ロシア・中国の二重の拒否権のせいで、国連安保理の扉を通してこの計画を進めることは危険に満ちている。 最近のカイロでの会合でこの提案を採択したアラブの外相たちは、前回彼らが起こした悲劇的な誤りを正したいと考えた。彼らは前回 全文をよむ
■社説:アラブは再び安保理へ 2012年02月12日『クドゥス・アラビー』 シリアの血みどろの懸案とその進展に対して、アラブ諸国の外相らの議論が継続する中、2つの突出した進展によって、その場で止まってしまう可能性がある。進展の1つ目は、サウジアラビアのサウード・アル=ファイサル外相の強い調子の演説で、演説はシリア政権を辛辣に攻撃したものだった。常に穏やかな外交を誇り、委縮させるのとはほど遠いサウジアラビア当局の振る舞いからみて、辛辣さは普通のことではない。進展の2つ目はナビー 全文をよむ
■社説:アメリカに対エジプト援助を停止させよ 2012年02月10日『クドゥス・アラビー』 米国とエジプトの関係は、真の危機に直面している。エジプトを封じ込めようとする米政府のあらゆる試みや連絡はこれまでのところ全て失敗に終わった。別の展望を示唆するような兆候は現れず、事態はこの先数週間あるいは数ヶ月間でさらに悪い方向に進展することもあり得る。 思うに、危機は米国から資金提供を受けている非政府組織の問題以上に深刻である。この問題は、エジプト革命の勃発時から膨らみ始め 全文をよむ
■トルコ高官の突然の声明 2012年02月09日『クドゥス・アラビー』 トルコは地理的に隣接し、多くの共通する歴史的な時代があるため、非アラブのイスラーム諸国の中で隣国であるシリアの事件についてより知見がある、時にはシリアの危機に関与していると考えられている。そのため、目下、我々はトルコをこの国(シリア)の危機に関連した殆どの活動や事柄の軸であるとみなしている。 トルコのシリア問題に関わる政策は曖昧なもののように思われる。曖昧なという言い回し以上に突っ込んで、混迷し 全文をよむ
■イスラエルは、彼らの全領土からのパレスチナ人一掃を完遂するために地域的・世界的戦争を押しつけたがっている。 2012年02月日08『アル=ワタン』 【タフスィーン・アル=ハラビー】 1914年以来2度の世界大戦が起こった。そして1917年のバルフォア宣言とそれに続く1939年から1945年までの第二次世界大戦は、パレスチナの強奪、アラブの祖国を分割し、1948年までそれを植民地支配するという最も重要な二つの計画を作り出した。 イスラエル建国宣言、そして現 全文をよむ
■社説:ロシアはアサド政権崩壊阻止を決意 2012年1月13日『クドゥス・アラビー』 もしも、中東地域の戦争の可能性について知りたいと思ったら、ロシアとアメリカのあらゆる反応や、両国の戦艦や空母の動きを注視しなければならない。特にロシアが深い眠りから醒め、強硬にその国益を守るために当該地域に戻り始めた後では。 リビアで大きな欺瞞にさらされたロシア政権は、すぐに、アル=カッザーフィー大佐とに代表される強い伝統的な同盟へのインパクトを失った。市民の保護を目的に、リビアへ 全文をよむ
■イスラエル報道:「沈黙こそ最良」 2012年1月12日『クドゥス・アラビー』 【同日付イスラエルTODAYより訳出:ダン・マルグリット】 イランの原子力計画によって人が殺されるたびに、イスラエルは驚愕をもって登場する。サーチライトは、誰が暗殺を実行したかを知るために、世界のメディアの中の糸の一端を探る。そしてアメリカやヨーロッパの報道官たちが「彼らの政府はその作戦に関与していなかった。」というだけのわずかな報道に満足するだけで、それ以上のものではない 全文をよむ
アラブ監視団とその行為者の無知 2012年1月10日『アル=ハヤート』 【アル=ヤース・ハルフーシュ】 もし、イラク前政権時代の反体制者たちや、リビア、チュニジア、エジプトの革命家たちがアラブ連盟に頼っていたならば、サッダーム・フセインやザイン・アル=アービディーン・ベン・アリー、ムアンマル・アル=カッザーフィー、フスニー・ムバーラクといった人たちは今日の政権に存在していたはずである。このことは、バッシャール・アル=アサド体制が遅れて学び取った教訓である。同体制は、 全文をよむ
革命とは、まず初めに 2012年1月3日 【フサーム・イーターニー】 シリアの反体制派が一つにまとまるのは良いことで、分裂してしまうのは悪いこと。これはすなわち、「知恵」と要約され得るものである。バッシャール・アル=アサド大統領の体制への革命の支持者たちは、この「知恵」によって反体制派の状態や、反体制派の諸集団、諸評議会、諸委員会間の関係を眺めている。 ところで、反体制派の内部間の敵対意識が深刻化していることに疑いの余地は無く、これが革命の進行を遅らせたり 全文をよむ
■アラブ連盟提案の諸目標への脅威 2011年12月28日『アル=ハヤート』 【アブドゥッラー・イスカンダル】 アラブ連盟閣僚評議会がシリアへの監視団の派遣を決定した。この派遣は、悪化した治安状況を沈静化させるために、また危機解決のための話し合いをするに先立って、シリアの社会環境を整える準備をするために、政治的提案という枠組みにおいて実施された。それと同時に、平和的に反体制デモを行う権利の保護も目指された。 しかしながら、アラブ連盟がシリア当局と行い、また監 全文をよむ
■社説:サルバ・キール氏、イスラエルに 2011年12月20日『クドゥス・アラビー』 [南]スーダン共和国のサルバ・キール大統領のイスラエル訪問は突然のことではなく、訪問のタイミングや例を見ないことである、ということについては予測されていた。突然で、予測されていなかったことはこの[イスラエルと南スーダンの]二国間の同盟関係の進展に対し、表向きはアラブ[諸国が]無関心であるという状況である。この関係進展はアラブ民族の平和に直接的な脅威を形成しうるものである。 サルバ・ 全文をよむ
■社説:アラビア湾におけるアメリカ軍の影響力強化 2011年10月30日『クドゥス・アラビー』 バラク・オバマ米大統領の今年末までのイラクからの全ての米軍撤退という決断は突然なされた。オバマ政権は複数の常設基地にいる2万人の兵士はイラクに残ると計画していた。イラクにおける体制の転換はアメリカに一兆ドル以上のコストと、4000人の死亡者、3万人を超す負傷者という犠牲を強いた。 このような措置を敢えてしたことについて明らかにされている理由は、ヌーリー・アル=マーリキー政権との 全文をよむ
■アメリカと中東、正しい政策とは何か? 2011年10月27日『クドゥス・アラビー』 【同日付イスラエルTODAYより訳出】 アル=カッザーフィーが殺害されたことをうけて、オバマ大統領は自信をもって以下のように述べた。「リビア人民を守り、専制君主からの解放を手助けしようと決めた我々の決断は正しいものだったとアル=カッザーフィーの死が示している。」 また、オバマ大統領はイラクからの全アメリカ軍撤退の決断についても「我々の戦略は戦争終結の点で成功をおさめた。」と述べ 全文をよむ
■クドゥス・アラビー社説:「幸福なイエメン」の幸福な日 2011年10月07日『クドゥス・アラビー』 イエメンの女性政治活動家のノーベル平和賞受賞という前例のない出来事は、民主化や圧政と腐敗の体制打倒を求めて始まった「アラブの春」と呼ばれる動きの中でアラブ女性、特にイエメン女性が果たした大きな役割の重要性を確認するものだ。 イエメン人はこの歴史上先駆的な出来事を、2度祝う権利がある。一度目は、彼らの革命の正統性を世界が承認し、変革を求める公正な要求を実現するための彼 全文をよむ
■信仰の弱体化 グループ「ラーキン」はどこに? 2011年9月21日 『アル=ハヤート』 【ダーウド・アッ=シャリヤーン】 大統領に属するアルジェリア人権委員会は、声明でフランスが「民主主義と自由の擁護という口実で独断的に」リビアに干渉していると激しく非難した。同人権機関の代表は、「リビア人がアル=カッザーフィーを拒むのは、彼らだけの問題である。しかしながら、我々の立場は純粋に人権の側面から生じたものである。何故なら、リビアにおけるフランスの振る舞いは醜聞だか 全文をよむ
■ さながら絶滅危惧種のパンダの振る舞い 2011年9月16日『アル=ハヤート』 【フサーム・アイターニー】 東アラブ地域における宗派的・人種的少数派集団は、まるで自らが絶滅危惧種であるかのように振舞っている。最大限の保護を要求する一方、自らはパートナーシップにおける最低限の義務さえも免れようとしているからだ。 これらの少数派、特にキリスト教徒は、東アラブ地域に留まるための保障を望んでおり、さもなければ西洋へ移住し、この地域に残る者を文化的・文明的に置き去 全文をよむ
■大佐なきリビア 2011年8月23日 「アル=ハヤート」 【エリヤース・ハルフーシュ】 40年以上にわたってリビアはカッザーフィー、カッザーフィー(カダフィ)であり、彼がリビアであった。今我々は「発見」している。リビアはカッザーフィーが君臨していなくても存続しうるということを。太陽は昇り、そして沈み、地球は回り続け、そしてリビアの民衆は孤児のようになることはない。すべてカッザーフィーがいなくでも同じなのだ。 かつてカッザーフィーの心は彼の国と彼の民衆のも 全文をよむ
■アル=カッザーフィー、サッダーム・フセイン、ビン・ラーディン 2011年07月22日『クドゥス・アラビー』 リビアのムアンマル・アル=カッザーフィー大佐が、3年前ダマスカスで開かれたアラブサミットに参加した際に、自身の仲間であるアラブ世界の指導者たちに向けて、いまにイラクのサッダーム・フセイン元大統領と同じ運命をたどるだろうと警告した時、自分も何らかの形で似た運命をたどることになろうとは、アル=カッザーフィー大佐も思っていなかっただろう。フセイン元大統領は、アメリカの占領が 全文をよむ
■革命と無秩序! 2011年7月17日 「アル=アハラーム」 【マクラム・ムハンマド・アフマド】 7月8日の抗議行動は、「革命の青年たち」の力を証明して見せた。彼らは多くのグループ、党派に分裂しているにもかかわらず、タハリール広場を埋め尽くすような100万人デモを呼びかけて見せたのである。ムスリム同砲団など、他のいかなる政治的な勢力の支援を得ることもなしに。 7月8日の抗議行動を提唱する理由が正しいか否かはひとまず措き、これが成功したことは抗議行動参加者に 全文をよむ
■イスラエル報道:ネタニヤフは我々をどこに導くか? 2011年07月13日『クドゥス・アラビー』 【同日付イディオット紙より訳出】 ベンジャミン・ネタニヤフ首相は近頃、一連の政治的偉業を成し遂げた。たとえば同氏の最近の訪米を考えてみよう。同首相の発言の重要性は限定的だった。ネタニヤフ首相が成功したことは、力の誇示だった。オバマ米大統領をを貶めることは付随的な結果ではなく、ネタニヤフ首相の主要な目的だった。 ネタニヤフ首相の訪米は、「政治的措置をイスラエルに 全文をよむ
■ クドゥスの意見:アル=ジャズィーラTVのスタッフに殺害の脅迫 2011年7月10日付『クドゥス・アラビー』 アラブ地域ではこのところ政治的・宗派的な分極化が進むなか、特定の勢力を支持するにせよ中立の立場をとるにせよ、報道人であることが難しくなってきている。何故なら灰色の姿勢は許されず、味方か敵かといった論法が支配的になっており、いずれの場合にも、自らのとった立場がもたらす結果を背負わなければならないからである。 何故今このようなことを述べているかと言うと、衛星テ 全文をよむ
■デモ隊の遺体、ラタキアの海に投げ捨てられる 2011年6月19日『クドゥス・アラビー』、イスラエル紙「マアーリーフ」より抜粋 アサド政権のシリア国民に対する暴力行為が続いていることが注目される中、アラブの報道機関は最近次のように自問している。欧米諸国がアサド政権に対して一刻も早く制裁を課そうと試みているにもかかわらず、アラブの支配者らが無辜の人々が抑圧されていることに目をつむり、口を閉ざすような事態がいかにして生じているのか、と。 アラブ連盟やイスラーム諸国機 全文をよむ
■アル=アサド体制崩壊はイスラエルの国益にかなうか? 2011年06月17日『クドゥス・アラビー』 【同日付イスラエルTODAYより訳出】 およそ一ヶ月前アメリカ政府内では、「イスラエルはアル=アサド政権の崩壊を見たがっていない」という新たな噂が広まった。イスラエルに批判的な人々は、リビアに対して行っているような形でシリアに圧力をかけないようオバマ政権に仕向けているのはイスラエルである、とさえ主張している。 実際イスラエルは、「これは国内問題である」として 全文をよむ
■ クドゥスの意見:「諸部族の金曜日」にまたもや流血 2011年6月10日付『クドゥス・アラビー』 シリアで金曜日にまたもや流血の事態が起きた。本稿執筆の時点で犠牲者の数は22人、そのうち11人はイドリブ県で亡くなっている。同県では目撃者によると、軍のヘリコプターがデモ参加者たちを銃撃したという。 軍の戦車やヘリコプターに支援されたシリアの治安機関が今なお、市民に対してあくまで実弾を使用するつもりなのは明らかだ。一方、改革による政治的解決策は全く不在である。 全文をよむ
■アラブのメディアの変化 2011年5月25日(『クドゥス・アラビー』) アリー・ムハンマド・ファフルー 先にドバイでアラブ報道会議が開催された際に、(衛星放送の)テレビ局であるアラビーヤが開催したあるシンポジウムで、「政治の変化とメディアの変化という挑戦を前にしたアラブ」というテーマで議論が行なわれた。議論の焦点となったのは、従来型のメディアとフェイスブックやツィッターといったソーシャルネットワークの比較であり、アラブ世界を席巻する若者たちによる革命に人々を動員す 全文をよむ
■ 社説:シリアで再び流血の金曜日 2011年05月20日『クドゥス・アラビー』 金曜礼拝の後、シリア各地でデモ参加者数万人が街頭に出ていくことは当たり前のことになってきた。また、治安部隊が民主化や自由を求めるデモ参加者に向けて発砲するのもお馴染みの光景になってきた。しかし今回の新しい展開は抗議行動が拡大する様相をみせていることで、抗議行動は当局が用いる治安部隊による解決策の成功によって後退し始めたという考え方が誤りであることが示されたかたちだ。 人権団体が金曜日の 全文をよむ
■ アラブの革命地図を読み解く 2011年5月18日『クドゥス・アラビー』 【ユースフ・ヌール・アワド(スーダン)】 数日前私の注意を引いたニュースの一つに、バッシャール・アル=アサド大統領が反体制勢力との対話のための委員会の設置を発表したというニュースがある。この委員会の設置は、政権が治安部隊による解決に失敗し、国家側の正当化できない武力行使によりシリア国民数千人の死者が出た後のことである。大統領は誰がこのような対話を求めたのかについては言及しなかった。シリアで起 全文をよむ
■ナクバと専制 2011年05月16日『クドゥス・アラビー』 【イリヤース・フーリー(レバノン人作家)】 専制政治こそナクバ[=1948年のイスラエル建国に伴うパレスチナ人の故国喪失]の別の一面であり、イスラエルの安全保障は40年来東アラブ諸国を覆ってきた専制の腐敗の成果であるなどということは、ニューヨーク・タイムズ紙に寄せたラーミー・マフルーフ氏の声明を読まずとも周知のことだ。[訳注:「シリアに安定がなければ、イスラエルにも安定はない」との同氏の声明を指す。参照記 全文をよむ
■はっきりと、シリアの体制を支持する 2011年05月16日『クドゥス・アラビー』 【カマール・ハラフ(パレスチナ人作家)】 この2か月以上、あらゆるシリアの体制に批判的な人達にページを割いてきた『クドゥス・アラビー』紙の流れに逆行するとは知りつつ、次の問いから書き起こすことをお許しいただきたい。「私のようなパレスチナ難民がシリアの体制に反対する側に立ち、集中砲火のメディアキャンペーンに加担することなど出来ようか」。 私はシリアのあらゆるパレスチナ難民同様 全文をよむ
■コラム:「追いつめられるカッザーフィー(カダフィ)」 2011年5月16日『アル=アハラーム』 【マクラム・ムハンマド・アフマド】 NATOはどれだけの犠牲を払おうとも、リビアの現状に終止符を打つことを急いでいるように思われる。連日の空爆は激しさを増し、ムアンマル・カッザーフィー(カダフィ)大佐側の中核で多くの人的被害を出している。大佐側の軍は組織的な破壊を受けて戦闘能力を破壊されつつあるが、それは戦車、装甲車、ミサイル基地、および軍司令部に及んでいる。 全文をよむ
■アラブ革命が国境を開く 2011年05月15日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン編集長】 昨日、パレスチナ人・アラブ人の若者達が、パレスチナ国境やイスラエルの検問所に押し寄せ、流血の衝突が起きた。レバノン南部のマールーン・ラースやゴラン高原のマジュダル・シャムス、西岸地区のカランディヤ検問所、ガザ地区のベイト・ハーヌーン検問所で生じた衝突は、パレスチナ難民が祖国に帰還する権利を目に見える形で示し、最も重要なアラブの大義―いや、むしろアラブの名 全文をよむ
■イスラエル紙より:ムバーラク以後のエジプト展望 2011年05月12日『クドゥス・アラビー』 【5月11日付イスラエルTODAYから訳出】 エジプトは現在、その歴史上、新たな時代の始まりにいる。我々は新しいエジプトの複雑な諸問題に目を向けることができる。そうすることで、エジプトで起こるであろうことが理解できるのだ。 タハリール広場から出発した革命の精神は今もなお活きている。しかし、デモに参加した人々は統治権力の中心からは遠く離れたところにいる。「政府は民 全文をよむ
■再びビン・ラディンについて 2011年5月12日『アハラーム』 【アブドゥルムンイム・サイード】 今週の初め、ウサーマ・ビン・ラーディン(ビンラディン)の死についてのコラムが出たが、私が思うに、私の名において、そしてアハラーム紙の名において釈明しなければならないのは掲載された数字が思わぬ混乱を招いたということである。 アハラーム紙のサイトでウサーマ・ビン・ラ―ディンはテロリストかそれともジハード戦士かという調査を行ったのだが、25%という少数派があの男は 全文をよむ
■コラム「ウサーマ・ビン・ラ―ディン(ビンラディン)の死」 2011年5月7日『アハラーム』 【アブドゥルムンイム・サイード】 アハラーム紙のHPでウサーマ・ビン・ラ―ディンとは誰か、つまりテロリストなのかそれともジハード戦士なのかというアンケート調査が行われ、その結果が手に入った。その結果を見ると、回答を寄せた人々の25%が前者の見方を支持し、後者を支持したのは63%であった。 ここで注意してほしいのは、HPで投票する人というのは特別な傾向を持っていると 全文をよむ
■コラム:「自由な見方」 2011年5月4日 (『アハラーム』) マンスール・アブール・アズム エジプトと(アラブ)湾岸諸国、そしてイラン! 1月25日の革命が掲げた優先事項に従い、エジプトがアラブ湾岸諸国に関する政策を見直すこと、さらに新たに世界との関係を作りなおすことは正しい。そして民衆の利益に関してもそうだ。大統領の権益でなければ外相の利益でもなく、民衆の利益を。 私は日本に約9年間、ほぼ連続で生活したことがあり、間近から日本における意思決定プロセスを 全文をよむ
■「伝説の終わり!」 2011年5月4日『アハラーム』 【マクラム・ムハンマド・アフマド】 殺す者は殺される、たとえしばし遅れることはあっても。ウサーマ・ビン・ラ―ディン(ビンラディン)は、アラブ人であろうと外国人であろうと、イスラム教徒であろうと非イスラム教徒であろうと、宗教や人種を問わず無辜の人々を数千人殺してきた。 そうした人々は彼(ビン・ラーディン)のアメリカの利益に対する闘いにおいてなんの罪もなければ咎もない。アメリカの利益というものがイスラムそ 全文をよむ
■ ガッサーン・ビン・ジッドゥ氏とアル=ジャズィーラの間で:理解の試み 2011年4月29日付『クドゥス・アラビー』 【ラシード・シャリート】 筆者は先週、アラブ諸国の革命に関するアル=ジャズィーラ・チャンネルの報道について、「アル=ジャズィーラは革命に対する堅実な報道姿勢を失ったのか?」という問いを中心に言及した。アル=ジャズィーラが特定の革命を集中的に取り上げながら、他の革命については取り上げておらず、それは一般的に言えばメディアの使命に反し、特にアル=ジャズィ 全文をよむ
■「女性と民主主義革命」 2011年4月28日 『アハラーム紙』 【マクラム・ムハンマド・アフマド】 チュニジア、エジプト、イエメン、シリア、リビア、そしてバハレンで吹き荒れた民主主義を求める蜂起を特徴づけたのは平和主義的な性格であったが、それはこうした民主主義革命の唯一の特徴というわけではなかった。これらの抗議行動が持った基本的な特徴のなかには広範な女性の参加という現象があるからである。それによって女性は基本的な構成要素となったのだ。 女性たちは広場での 全文をよむ
■「コラム:真実のことば」 2011年4月26日『アハラーム紙』 【イサーム・アブドゥルムンイム】 アハリーとザマーレク(エジプトの二大サッカーチーム)に関し、優勝回数に関して違いがあるのは、私の見たところ、まずなによりもアハリーが運営に関して独立性を維持した期間の長さにある。それに対して、国内でもアフリカ大陸のレベルでも良きライバルであるザマーレクはその期間が短いのだ。 私にこの考えが浮かんだのは、アハリー・クラブが21世紀の最初の10年間におけるアフリ 全文をよむ
■最低でもイランとの対話を 2011年04月24日『アル=ハヤート』 【ダーウィド・アッ=シルヤーン】 アラビア湾岸諸国は安全保障理事会に対し、湾岸協力会議(GCC)諸国内の内乱や破壊行為を焚きつけようと試みるイランの介入や扇動、威嚇行為を阻止するために必要な措置をとるよう要求していたが、事態はGCC諸国の国連大使らが潘基文国連事務総長と現在の安保理議長であるコロンビアのネストル・オソリオ国連大使に抗議文を送付するまでに至った。この抗議文には、イランのアリー・アクバ 全文をよむ
■リビアにアメリカの無人航空機 リビアにアメリカの無人航空機 2010年04月22日『クドゥス・アラビー』 【本紙】 アメリカのモラン・マイク共同参謀幕僚長は昨日[21日]リビアの軍事的状況は膠着状態へと向かっていると認めた。おそらく、この発言はバラク・オバマ米大統領が現場での状況打開のためリビアの反乱軍を支援するための無人航空機の派遣を許可したことの説明となるだろう。 リビアにおける欧米の軍事介入は徐々に程度を増し、フランスもイギリスもイタリアも皆リ 全文をよむ
■社説:進撃するカッザーフィー、足を取られる革命家たち 2011年04月06日『クドゥス・アラビー』 リビア情勢は政治的にも軍事的にもひどく不明瞭である。そのことは、このひと月半カッザーフィー大佐の体制に抵抗を続けているリビア革命家たちにネガティブな影響をもたらすと思われる。 昨日米政権は、リビア元首からオバマ大統領に宛てられた書簡を受理したことを明らかにした。書簡では、「リビアに対し十字軍的敵意を抱く帝国主義的軍事同盟」からアメリカが撤退したことへの感謝が述べられ 全文をよむ
■エジプト・イラン国交正常化 2011年04月05日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 エジプト新時代の動向を追っていると、同国がまず第一に安全保障戦略に集中していることが分かる。そしてそれは、前大統領時代に縮小されたエジプトの役割を中東並びに世界において回復することによって行われている。 目を引くのは、その自主独立の気風ならびに枢軸諸国政策との隔絶である。バハレーン危機から完全に距離を取っていた事が示すように、合衆国、湾岸諸国、サ 全文をよむ
■社説:ホスニー・ムバーラク前大統領の資産 2011年03月31日付『クドゥス・アラビー』 エジプトの追放されたホスニー・ムバーラク前大統領とその家族の資産に対して、エジプトでは公的・大衆的なあらゆるレベルでいまだ高い関心が寄せられている。これはメディア上、または密室の中でさえ、触れてはならないタブーの話題の一つだったためだけではない。 食べるにも事欠くエジプトの貧しい人々に驚きをもたらした、その巨額さのためでもある。 軍最高評議会がこの資産を追求し、法的手段を講じ 全文をよむ
■政治パフォーマンスの終焉 2011年3月27日『アル=ハヤート』 【アブドゥッラー・イスカンダル】 数日前のテレビ番組で、アリー・アブドゥッラー・サーレフ大統領が現在の危機を打開するために提示している公約に野党が反応しない理由について、イエメンの野党議員に質問が及んだ。同議員は、「大統領は以前にも、原子炉を建設し遠隔地を含む全ての居住地への電力供給を保証するとイエメン国民に約束した事がある」と答えた。 この回答には、我々アラブ諸国における野党ならびに反体 全文をよむ
■社説:シリア、ダルアー蜂起 2011年03月23日『クドゥス・アラビー』 プラカードに政権打倒を求めるスローガンを書いたという10代の子供たちの一団を治安部隊が逮捕した時、シリア蜂起の第一閃が南部のダルアー市から発せられた。治安部隊が強圧的な対応をしてきたシリア全土の市町村に革命は飛び火する可能性がある。 一昨日、治安部隊はこの蜂起の犠牲者の弔問に訪れた人々に発砲し二人を殺害した。昨日、同じ悲劇が繰り返され、近隣の村々から連帯を示すために来ていた青年たちが殺 全文をよむ
■リビアとイエメン、二人の大佐へのメッセージ 2011年03月21日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 リビア、イエメンの血なまぐさい展開を追い、両国元首がたとえ数百数千の犠牲をだそうとも権力の座にしがみつこうとするのを見ると、チュニジア、エジプトの両大統領が国民に対しいかに「慈悲深かった」かがわかる。両人とも、人命の損失は最小にとどめ、資産は最大に活用できるタイミングで辞任を決意した。 二人の大統領にしても、可能な限り長く踏みとど 全文をよむ
■飛行禁止という罠 2011年03月20日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 たいそうなプロパガンダを伴い、リビア各地の都市にアメリカのミサイルが降り注ぐ。その光景に、かつて2度行われたイラクへの「絨毯」爆撃を思い出さずにはいられない。最初は1991年初め、クウェイト解放との名目で、次は丁度8年前の2003年3月、大量破壊兵器を何とかするという口実で行われたものだ。 もちろん国際社会は、そのような一視聴者の立場にたつわけにはいかない 全文をよむ
■リビアで試し、シリアを標的に 2011年03月18日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 リビアの革命家たちは、元首ムアンマル・カッザーフィー(カダフィ)とその息子たちの部隊による残虐な殺戮に直面している。革命家たちを守るためとして、安保理が外国軍の介入を認める決議1973号を発したその数時間後、イエメン治安軍は、サナアのモスクで平和的な座り込みを行っていたデモ隊を攻撃し40人以上を殺害、他に数百を負傷させた。 アル=ジャズィーラの 全文をよむ
■シリアの運動は何処へ 2011年03月16日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 シリアで現在起きている民衆抗議運動を蜂起の始まりと呼ぶには時期尚早であろう。しかし、この運動をそちらの方向へ押しやるであろう数々の不正と誤った行いがあるのは事実である。そのような事実がありながら、シリア体制がそのことを理解せず、真剣な改革に急ぎ取り組まないとすれば、遅かれ早かれ運動は蜂起へ向かうのだが、体制側には改革の意志がないのではないかと疑われる。 全文をよむ
■コラム:中国モデルの崩壊か? 2011年03月10日『アル=ハヤート』 【ハッサーン・ハイダル】 中国は、リビアの主権を尊重する必要があるという理由で、同国における飛行禁止区域設定にむけた欧米の努力に反対している。しかし、この留保の背景にはおそらく自己防衛の試みがある。アラブ諸国は、成功をおさめた蜂起を体験し未だ変革を目の当たりにしている。中国当局は、それらのアラブ諸国が中国モデルを採用していたと考えている。つまり、それらの国々は開放経済の制度と治安や社会には制 全文をよむ
■社説:カッザーフィーと時間稼ぎゲーム 2011年03月09日『クドゥス・アラビー』 必死で政権の座にしがみつこうとするリビア元首ムアンマル・カッザーフィー(カダフィ)は、リビアの崩壊が地中海沿岸地域、特に欧州諸国にとって危険であると主張している。そしてこのメッセージを広めるため、国際メディアを武器に使おうとしている。 カッザーフィー大佐の最新のテレビ会見はアンカラ与党よりのトルコ・テレビ局「TRT」であったが、その中でこの問題を真っ向から取り上げている。 全文をよむ
■サウジ、ファトワー、お抱えウラマー 2011年03月06日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 チュニジア、エジプトが現体制の変革に成功し、他三つの革命がリビア、イエメン、バハレーンで目標実現に向け動き出した今、他のアラブ諸国へ目が向けられ始めた。シリアやサウジアラビア王国、スーダン、占領パレスチナまでも含まれるこれらの地で、人々は抑圧、不正、自由の不在に苦しめられている。 昨日、サウジ王国の政権救済に馳せ参じた高位ウラマー評議会は 全文をよむ
■社説:リビア、ソマリア化のはじまり 2011年03月06日『クドゥス・アラビー』 チュニジア、エジプト、バハレーン、イエメン、イラクのいずれにおいても、政権打倒を要請する国民革命が起きた時、その性質は明らかであり共通項があった。それは、完全武装の政権に対峙するこれらの革命が市民的かつ平和的であったことだ。 しかし、現在テレビ画面を通じて我々がフォローしているリビア革命においては様相が異なる。特に、抑圧的政権に対し、これまで得た成果を保持し、制圧した各都市を奪還され 全文をよむ
■脅威である、狂気ではない 2011年03月04日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 リビア元首ムアンマル・カッザーフィー(カダフィ)には一度だけ会ったことがある。1999年8月、大佐が家族と過ごしていたバーブ・アル=アズィーズィーヤの軍事基地で、3時間かけてインタビューを行った。内容は当時の本紙に掲載されている。その後も幾度か招かれたが、諸々に理由で再会は実現しなかった。 大佐の事務局長アル=ハーッジ・バシールの応接室で延々と待た 全文をよむ
■社説:イラクの忘れられた革命 2011年03月03日付『クドゥス・アラビー』 イラク政府は本日早朝から次の通達までの間、サラーフッディーン県全域に、あらゆる乗り物の通行禁止令を発動した。これは公共サービスの改善と行政の腐敗撲滅および失業・住宅危機の解決を求める民衆デモの再発を防ごうという、あまり効果が期待できない試みである。 クルド治安部隊は民衆デモを解散させるためにあらゆる種類の武力を行使した。中でも最大級だったのは、汚職とコネの横行や、少数の人間がクルド民衆の 全文をよむ
■リビアのチャラビーに警戒せよ 2011年03月01日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 Tweet 全文をよむ
■大佐の小鳥たち 2011年02月28日『クドゥス・アラビー』 【イリヤース・ホーリー】 狂気と廃墟のただなかで、自分の政権の死を目の当たりにしているリビアのムアンマル・カッザーフィー大佐は、最早、道化でしかない。血とアフリカの民族衣装の鳥の羽根と米ドルにまみれたピエロが、息子たちに囲まれながら孤独の中にいる。時代が彼に反逆し、待つのはただ転落のみということを信じられずに。 『緑の書』政権の時間を要する血みどろの死は、アラブ世界を席巻する国民革命の中で訪れ 全文をよむ
■同胞団が政党になる前に 2011年02月28日付『アル=ハヤート』 【ムハンマド・ファーイズ・ファラハート(エジプト人作家)】 エジプト革命の最中、大統領ポストを目指すつもりはないとムスリム同胞団が複数の幹部や代表者の口を通して明言したことはあっぱれであった。フスニー・ムバーラク大統領が退陣するに至るまでのデモには、同胞団のメンバーや幹部たちも参加していたにもかかわらず、彼らがいかなる宗教的なスローガンも掲げないよう留意したことも、あっぱれであった。その後この件 全文をよむ
■リビア革命と欧米の偽善 2011年02月27日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 チュニジア革命のデモ参加者たちは旧政権幹部全員の辞任を要請しており、ムハンマド・アル=ガンヌーシー首相はそれに応じた。そのことは、イスラエルの親友たる元英首相トニー・ブレア言うところの「統制された変革」の概念が少なくともチュニジアには浸透し、エジプトでも浸透しつつあるということを示す。ムバーラク大統領の前で宣誓したアフマド・シャフィーク内閣も、チュニジア政府と 全文をよむ
■カッザーフィー大佐が自国民に語る「血みどろの愛」 2010年11月22日『クドゥス・アラビー』 リビアの指導者であるムアンマル・アル=カッザーフィー大佐が首都トリポリの中心部にある緑の広場に姿を現し、同氏の写真を掲げその名を叫ぶ支持者らに向けて演説したことは、何ら驚くものではなかった。しかし同大佐が、「リビア国民は未だに自分を愛しており、自分を政権の座に留まらせるために戦う準備が出来ている」と断言したことには驚かされた。 同大佐は、「国民はムアンマル・アル=カ 全文をよむ
■カッザーフィーのもっとも血なまぐさいスピーチ 2011年02月22日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 昨夕、リビア元首ムアンマル・カッザーフィーが行ったスピーチは非常に不穏であった。語彙あるいは表現の全てが殺戮計画を示唆している。もしそれが成功裏に実施されれば、リビアの分裂、あるいはソマリア化をまねく。そうでなくても血の海だ。血に飢えた手負いの獣と化したカッザーフィーは、その政権、属する部族の権威、追随者の平安を維持するため、リビアを炎上させる 全文をよむ
■サウジに対するライラ・タラーブルシー引き渡し要請 ■クドゥスの見方 2011年02月21日『クドゥス・アラビー』 アラブ各地で起きている革命、特にエジプトとリビアでのそれのため、チュニジア情勢はメディアのスポットライトから遠ざかった。しかし、まだ見過ごせない動きがいくつかある。昨日、チュニジア国営通信が政府報道官の談話として伝えたところによると、同国はサウジアラビアに対し、違法な汚職行為にかかわった疑いでライラー・アッタラーブルシー前大統領夫人を引き渡すよう公式に要請し 全文をよむ
■オバマよ、仮面を外してくれてありがとう ■ヘブライ語紙より 2011年02月21日『クドゥス・アラビー』 [訳注:同日付『ハアレツ』紙の社説をアラビア語訳して転載した記事です。筆者は同紙政治コラム主幹Akiva Eldar] ノーベル平和賞受賞者オバマ大統領は、和平努力に対する破壊活動の停止をイスラエルに呼びかける決議に拒否権を行使した。それは、超大国の国内政策が外交政策に勝利したことを意味する。入植地での建設を非難することは「ピースプロセス」に抵触するという 全文をよむ
■リビア、懸念すべきシナリオ 2011年02月20日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 リビアで何が起きているのか、全く分からない。国営テレビは、首都トリポリでムアンマル・カッザーフィー大佐支援デモに数千人が参加というニュースを流すばかりだ。ひどく不透明な情勢である。当局はネット、つまり「フェイスブック」を遮断した。同国に外国人特派員はおらず、世界の通信各社とコンタクトするのは大多数が政権中枢の人々だ。そうではない人々も政権を恐れている。 全文をよむ
■ リビア、二つの革命の狭間で 2011年02月16日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 数か月前まで我々は、リビアのニュースが少ないと文句を言っていた。読者の興味をそそり読みたいと思わせるようなニュースという意味なので、ムアンマル・カッザーフィー大佐がアフリカの指導者たちと会見したとか、イタリアの美人たちにイスラームについて講義したという類ではない。しかし、現在のジャマーヒリーヤ[大リビア社会主義人民ジャマーヒリーヤ国]では、国の次段階を示 全文をよむ
■アハラーム社説:国民のために 2011年02月14日付『アル=アハラーム』 諸国民の歴史における重要な変革の瞬間にあっては、バランスを失う者もいれば、視野や洞察を失う場合もある。若者たちの1月25日革命が勃発し、変革が始まった当初、アハラーム紙は轟くような変化のメッセージを理解することができなかった。 エジプトの安定した巨大組織の例に漏れず、見解をめぐって内紛が起き、エジプト史上稀な瞬間をどう取り扱うべきなのかについて激しい意見対立が生じた。アハラーム内部で起きて 全文をよむ
■ ジャズィーラとアラビーヤへ、エジプト人が来るぞ 2011年02月14日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 過去60年ほどの間、アラブ・メディア界は二大潮流の間を行きつ戻りつしていた。エジプトと、東のレバノンである。どちらも各々特徴をもち、政治情勢によって片方が先んじ、自由の度合いによってもう片方が高波にのるという風にしのぎを削ってきたが、ある時点で目に見えて衰退した。エジプトの場合は、体制が腐敗し、国家の大望から逸脱して主導的役割から退い 全文をよむ
■ エジプト革命に不快なコメント ■ クドゥスの見方 2011年02月13日『クドゥス・アラビー』 イエメンでは、南部地域でも首都サナアでも、抗議デモが続いている。民主主義、政治改革、汚職根絶、政治体制のあらゆる面での根本的変革が求められている。 この状況下では、イエメン街頭をこれ以上刺激せぬよう、つまり緊張状態により政府が陥っている困難をこれ以上増やすことのないよう、コメントを避けるのが政権幹部たちとしては賢明な対応であるはずだ。 しかし、イエメン国 全文をよむ
■ エジプト情勢の伝染 2011年02月11日付『アル=ナハール』紙(レバノン) 【ラーシド・ファーイド】 エジプトの革命に欠けているものが三つある。「パレスチナ」と「宗教的傾向」と「アラブの統一」である。それは恥ずべきことではない。エジプトで掲げられたスローガンは根本的な変革の道を拓くものである。その変革が達成されるとき、アラブ諸国、周辺地域、イスラム世界に中心的な位置を占める国家としてのエジプトの進むべき方向性が明らかになるだろう。 しかしながらア 全文をよむ
■ 偉大なエジプト国民に感謝を 2011年02月11日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 スライマーン少将がムバーラク「元」大統領の辞任決定とエジプト軍最高評議会の権限掌握を宣言した。これまでに聞いた最高のスピーチだった。そして、副大統領への権限移譲を告げた一昨日(9日)の大統領による最後のスピーチは最悪だった。12ワードに満たない前者は、世界中のアラブ3億5千万人と15億のムスリムを狂喜させた。独裁者が失脚し民主的変革が始まるこの歴史的瞬間 全文をよむ
■変革はエジプトを害するのではなく利するもの 2011年02月10日付『アル=アハラーム』 【ウサーマ・サラーヤー本紙編集長】 外国人特派員に質問された。「アハラーム紙が“民衆革命”と言うようになったのは何を意味するのか?」。私はこう答えた。「それは、若者の革命あるいは若者のインティファーダ[蜂起]によって、エジプトに変革の足音が聞こえてきていると我々が認めていることを意味する。その革命あるいは蜂起は、今や明々白々な事実となった。エジプトで起きた出来事は大きい。だが 全文をよむ
■ エジプトの若者たちへ、陳謝 2011年02月09日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 本日は、政治分析や大カイロでの進展の評価ではなく、それらの間隙から読める新たな側面に光をあててみよう。 執行猶予付きで野放しになっている大統領やその莫大な資産について書いたり、彼がいつどのようにして亡命地へ脱出するのか、あるいは今後の軍の役割などについての予測をひねり出すのを止めてみよう。 今日は、我々がこの30年間忘れかけていたエジ 全文をよむ
■ ムバーラクは栄誉ある退陣に値しない 2011年02月08日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 現政権の存続をのぞみ、民衆革命を挫折させたがっている人々の言い分として、1973年の10月戦争で空軍指揮官の一人であったムバーラク大統領には「ふさわしい形で」政権から退陣してもらわねば、というのがある。ふさわしい形とは、次期大統領選挙がある次の9月まで任期をつとめて、という意味だ。次期選挙ではムバーラク氏もその子息も立候補しないとされる。 全文をよむ
■ 間近に迫った追放のシナリオ 2011年02月07日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 エジプト革命2週間の要約は以下のとおりである。 1.変革を求める人々は未だその要請を固持しており長期戦の構えである。 2.体勢を立て直した政権が国民を一人ずつ取り込み始めた。彼らを革命家たちの元へ送りその勢力を削ごうとしている。 3.革命に便乗し、権限もなく頼まれもしないのに交渉に参加している日和見主義者の一団が互いに乱闘を 全文をよむ
■ 貴い革命が乗っ取られつつある 2011年02月06日『クドゥス・アラビー』 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 おごり高ぶる独裁警察政権を打倒し中東そして世界での主導的役割を回復すべく、エジプト民衆は立ち上がった。だが、その革命に不安と懸念が兆している。これを空洞化し葬り去り、二次的な限られた役割しか果たさなかった勢力に漁夫の利を得させようと、国内外の試みが活発になってきているからである。 この二日間でムバーラク政権は時間を稼ぎ、布陣を整えることに成功 全文をよむ
■ アメリカはこのように手下たちに報いる 2011年02月04日付『クドゥス・アラビー』紙(イギリス)HPコラム面 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 我々は現在、文字通り中東いや世界が変わる歴史的瞬間を経験している。チュニジアとエジプトで中央広場に赴き、アラブ的情熱と信条をもって圧政と専制者にノーを突きつけた人々の勇気によって。 タハリール広場で11日間続いている巨大な国民投票、そしてチュニジアのブルギバ通りでは受理されたそれから学ばれることは、合衆国が 全文をよむ
■ムバーラクへ最後から2番目のアドバイス 2011年2月03日付『クドゥス・アラビー』紙(イギリス)HPコラム面 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 不透明なエジプト情勢の中で唯一明白なのは、ムバーラク大統領が国民大多数による辞任要求を受け入れるつもりがなく、他国へ逃れ平穏な余生を送ることを拒んでいるということだ。 昨日の記者会見でアフマド・シャフィーク新首相は、政権の用心棒たちがタハリール広場の平和的なデモ参加者たちを襲って引き起こした流血沙汰について謝 全文をよむ
■用心棒たちはムバーラクを救えない 2011年2月02日付『クドゥス・アラビー』紙(イギリス)HPコラム面 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 エジプト政権は、罪なき人々の死体を残さねば去らぬつもりらしい。人々は、文明的な手段で現政権に無血の退陣を要請し、30年の抑圧と腐敗による悲惨な現状から自国を再生すべく、新たな指導層を選出する場を明け渡せと言っているのだが。 タハリール広場でデモ隊を攻撃しているのは、民主主義者たちではなく市民でもない。彼らは、あらゆ 全文をよむ
■軍と解決 2011年02月02日付『ハヤート』紙(イギリス)HP論説欄 【寄稿:アブドゥッラー・イスカンダル】 政権と市民の間に大きな断絶が生じて以来、エジプトでは軍に注目が集まっている。政権と市民の力比べがいかなる性質のものであれ、またデモ隊が掲げている要求がいかなる性質のものであれ、軍の立場および軍がどのような解決を考えているかに結果はかかっている。 ここで問題となるのは、エジプトでは軍が半世紀以上にわたって政権を支える柱であり、実際の武力を保持して 全文をよむ
2011年02月1日付『クドゥス・アラビー』紙19面(イギリス) ヨルダンのアブドゥッラー国王は、リファーイー内閣の罷免を求める国民の要請に応じた。同内閣の下では、生活必需品の価格が高騰し、失業率は上昇、また議会選挙は公正さに欠け、国民のさまざまな階層や政治的欲求を真に反映した形で実施されなかった。 新たに任命されたバヒート首相は、誰一人として排除することなく国民のあらゆる勢力と包括的な対話を行うことを優先すると約束した。また、イスラーム主義勢力の参加も示唆しながら、 全文をよむ
■権力の座にしがみつくムバーラク 2011年2月01日付『クドゥス・アラビー』紙(イギリス)HPコラム面 【アブドゥル・バーリー・アトワーン】 ムバーラク政権が崩壊したということには、エジプト内外を含め西も東もなく世界中が合意している。この政権の頭目は取り巻きと共に即刻退去しなくてはならない。この合意に唯一納得していないのがムバーラク大統領本人で、近視眼的頑迷さで権力にしがみついている。 (中略) 大統領が30年間従ってきた、前進も後退もしない「 全文をよむ
■エジプトの体制変革、可能性のあるプレーヤーは誰か 2011年02月01日付『クドゥス・アラビー』紙(イギリス)HP1面 【カイロ:ロイター通信】 フスニー・ムバーラク政権の終焉を求める抗議行動が続く中、エジプトで政権を取る可能性のある人物や団体をめぐる問いが浮上している。30年前に政権に就いて以来、ムバーラク体制はあらゆる政党の弱体化あるいは中立化を組織的に進めてきた。エジプトでは政党活動を拘束するために非常事態令が敷かれ、内務省が管轄する委員会が多くの政党に対し 全文をよむ
2011年1月31日付『クドゥス・アラビー』紙19面(イギリス) シリアのバッシャール・アサド大統領は、中東地域は数十年に亘る停滞が原因で「病に冒されている」と認めた。同大統領は、米紙「ウォールストリート・ジャーナル」のインタビューで、「国の指導者達が自分自身と自国の発展に努め、国民の要請に応えなければならない」と語った。 シリアの大統領がこうした事実を認めることは異例である。もしチュニジアやエジプトで変革を求める民衆革命が盛り上がり、それがイエメン、スーダン、サウジアラ 全文をよむ
■ アラブ共同体の安全保障という神話 【イサーム・アル=ハファージー(イラク人作家)】 「アラブの安全保障は侵害されている」、「太西洋から湾岸にかけて広がるアラブ共同体が直面しているリスクに対応するための、包括的な戦略が不在だったことに由来して、その侵害が起きている」、「どの国も、他のアラブ諸国から切り離されては自国の安全を守ることができない」、「スーダンの分割を招いたこの団結力のなさが、イラクに運び込まれている」。 アラブ指導者たちの舌の上で繰り返されるこの立派な 全文をよむ
■ 二人のアラブの若者へ 2010年10月13日付『サバーフ・ジャディード』紙(イラク)HP社説面 【フセイン・サルマック・ハサン】 かの有名なアメリカの思想家、ノーム・チョムスキーを知らない者はいないだろう。端的に言うと、彼は「生成文法」という理論の発案者であり言語の世界ではよく知られている。アラブの読者が最初に彼を知ったのは彼のこの分野における諸理論からであろうと思われる。しかしチョムスキーは哲学者でもあり、ユダヤ系アメリカ人の政治思想家でもある。アメリカの犬が 全文をよむ
■イラクの友人達が、イラクをレバノンに例えられ気分を害する時 2010年10月8日付『アル=ナハール』紙(レバノン)HP1面 【バグダード:サーリム・マシュクール】 レバノン人の同僚が「イラク情勢はいつ安定するのかね?」と訊いた。私は即座に「レバノン情勢が安定すれば、期待できるよ」と答えた。ここ数日の息詰まる湿気と20年来未解の電力危機に沈んでいるベイルートでの集まりでのことだ。席にいた一人が問うた。「電力事情はどうなってるんだ?なぜイラク政府は問題を解決しない?」 全文をよむ
■イスラエルがエジプト、シリアを核攻撃? 2010年10月08日付『クドゥス・アラビー』紙(イギリス)HPコラム面 我々は今日、アラブ諸国軍、すなわちエジプト・シリア両軍がイスラエル国家に対して大いなる軍事的勝利を収めた10月戦争(第四次中東戦争)37周年を迎えている。しかしサーダート政権時代のエジプトに代表される多くの政治家達は、自らの役割や可能性をかけて同戦争に参加した全てのアラブ人の政治的勝利をうまく体現していない。 エジプトのアンワール・サーダート大統領 全文をよむ
■フセイン大統領と同類とされるマーリキー首相 2010年10月01日付『サバーフ・ジャディード』紙HPコラム面 【ムハンマド・アル=ワーディー】 新聞やインターネット上に掲載されるコラムや記事の多くは、ヌーリー・アル=マーリキー首相をサッダーム・フセイン元大統領になぞらえ始めた。フセイン元大統領が独善や独裁、追放の象徴的な人物であることを踏まえ、こうした描写が総選挙を前にマーリキー首相に対して向けられ始めた。しかしその描き方は、選挙結果が公表されながらも今日に至る 全文をよむ
■神聖なる月…そして物価上昇 2010年08月09日『アル=アハラーム』紙(エジプト)コラム [アブドゥルファッターフ・イブラヒーム] 神聖なるラマダーン月―アッラーがエジプトとイスラーム世界に幸福と祝福をもたらしますように―の始まりが近づくにつれ、牛や羊、鶏等の肉類や、野菜や果物などの食料品の価格が急激に上昇し、低所得世帯どころか中所得家庭の購買力を上回るほど異常なものとなっている。責任者たちの発表が、「市場の監視の強化および価格を翻弄する者たちの逮捕により、商 全文をよむ
■社説:アラブ系議員に殺害の脅迫 2010年06月09日付『クドゥス・アラビー』紙(イギリス)HP1面 イスラエル国会のアラブ系議員たちが、一人の例外もなく、ファシスト的右派議員たちによる悪辣なテロ・キャンペーンに晒されている。 平和と平等のための民主戦線所属のムハンマド・バラカ議員は、ヨルダン川西岸地区のニイリーン村で、[イスラエルによる分離壁の建設に反対する]村民と連帯していた際に、イスラエル兵に暴行したとの容疑で起訴され、禁錮刑が言いわたされる可能性がある 全文をよむ
■ガザの封鎖を我々自身の解放につなげよう 2010年06月03日付『クドゥス・アラビー』(イギリス)HPコラム面 【寄稿:ハニーン・ズアビー】 * [筆者はイスラエル国内のアラブ系政党、国民民主同盟所属のクネセット(イスラエル国会)議員。イスラエル国内のイスラーム運動の指導者であるラーイド・サラーフ師らと共に自由船団に乗船していた。] 自由船団のガザへの到着をイスラエルが妨害しにかかるであろうことは明らかだった。それは彼らが船に「テロリスト」が乗っていると確信 全文をよむ
■ 大陸を超えるアラブ的抑圧 2010年03月18日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 チュニスで行われるアラブ内相年次会議は、アラブの会合の中で最も良く統制され参加を得ているものだと思われる。そこで行われる決定は、[アラブ諸会合の決定の中で]唯一、実地に適用される。それも、馴染みのない情熱をもって。 政治信条における、あるいは国ごとのあらゆるアラブ諸国間の見解の相違は、ここでは脇へ置かれる。サウジ 全文をよむ
■ 仲介者なくして外部干渉は不可能 2010年03月15日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ジハード・アル=ハージン】 イラク議会選挙が行われた日、唯一保証されている顛末は、敗者が勝者に投票結果改ざんの嫌疑をかけることだと書いた。そしてその通りになった。「アル=イラーキーヤ」リストのイヤード・アル=アッラーウィーとその同盟者たちは次のように主張している。自分たちを支持した投票用紙が無視されたか廃棄された。外へ放り出された投票箱が見つかった。25万の兵が投 全文をよむ
■ 湾岸の今後 2010年03月11日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 湾岸から戻ったところである。ある出版社からアブダビ博覧会へ招待されていた。著者たちが講演したり、本を買おうする人たちにサインをしたりする場である。湾岸の人々、国民と居住者たち(もちろんアラブ人の)の気持ちが二つのことに占められているらしいことに、私は興味を引かれた。ひとつは、この1月のドバイ首長国で、欧州並びにオーストラリアの偽造旅券を 全文をよむ
■4人の観察者 2010年03月08日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ガッサーン・シャルビル】 何という醜聞。恐るべき、恥ずべき光景。暗殺作戦の新段階。今回はイラク自身の手によって。この混乱はどうしたことか?行列にスローガンに公約。世界が中継を楽しむ。微笑と沈思黙考。解説者たちはしゃべりまくる。リストとターバン、宗教主義者と世俗主義者、そして共産主義者との競争について。地域的、部族的、政党的な同盟関係について、自治区との関係について。 全文をよむ
■ トヨタブランド を救うための豊田氏の戦い 2010年03月05日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP特派員面 【東京:アフマド・キンディール】 先月24日、アメリカ国民に対してトヨタ自動車会社の豊田章男社長が謝罪した折りには、日本中の目が彼に注がれた。その背景には、彼の会社が技術的欠陥のために、数百万台の車をリコールした事がある。 あらゆる日本人の目が販売台数世界最大の自動車会社の社長である豊田氏に集中したのは、最近まで品質の高さで世界的に有名だっ 全文をよむ
■ バシールが署名したのは、これまでと同様のスーダン合意なのか? 2010年02月25日付アル・ハヤート紙(イギリス)HP1面 【ムハンマド・サイイド・ラサース(シリア人ライター)】 2006年の春、ナイジェリアの首都アブジャで同国とリビアの共催によりダールフール問題に関する会議が行われた際、スーダン政府代表団の前には、2003年2月以来反乱を続けてきたダールフールの二グループの指導者たちが座った。「公正と平等運動」[以下JEM]の長、ハリール・イブラーヒーム博士、 全文をよむ
■エル=バラダイと時限式ではないその爆弾 ■クドゥスの見方 2010年02月22日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 このところのエジプトは、先例なき政治的産みの苦しみの最中にある。その結果は二つに一つとなるだろう。あらゆる分野での蜂起へとつながる抜本的民主改革か、あるいは、治安回復、維持を口実に鉄の拳で国を支配する専制主義かのどちらかである。 現状維持は非常に困難、不可能であるというのは確かだ。腐敗の奈落へ沈んだ部分と表面へ浮上した部分、どちらも 全文をよむ
■ エジプトと関係正常化 2010年02月04日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ダーウド・アッ=シルヤーン】 エジプト新聞連盟は、雑誌「デモクラシー」のハーラ・ムスタファ編集長に警告を発した。彼女がイスラエル大使とオフィスで会見したせいである。また連盟は、イスラエル大使のパーティに出席しイスラエルのビジネスマンたちと会ったという理由で、「オクトーバー」誌のフサイン・サッラージュ副編集長に3か月間の執筆禁止を申し渡した。連盟によれば、彼らの行いは「関係正 全文をよむ
■ 戦争に備える湾岸諸国 ■ クドゥスの見方 2010年02月01日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 このところアラブ地域におけるアメリカの動きが活発である。それは第一にイスラエル、次に湾岸諸国に集中している。アラブ・イスラエル闘争調停とは副次的にしか関わっていないこの動きの主眼は、イランの核への野望に対する措置である。アメリカの平和的提案を受諾するか否かのデッドラインは昨年12月の終わりに過ぎている。 アメリカの活動は二つに大別される。ひとつは米 全文をよむ
■ 武器とイエメン人 2010年01月28日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ハッサーン・ハイダル】 テロの脅威を理由に、近頃は警官がまた武装するようになり、IDを細かく調べる検問所が街のあちらこちらに置かれるようになった。ヨーロッパの人々は、これを良しとしない。彼らにしてみれば、二度払いをしてしまった気分なのだ。まず、自分たちの国が標的にされたおかげで、罪もない人々が無差別爆破により殺された。そして、それに対する返礼として彼らの国は、やはり無差別の踏み 全文をよむ
■ 「ウサーマとオバマ」対決は続く ■ クドゥスの見方 2010年01月25日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 昨日公表されたシェイク・ウサーマ・ビン・ラーディンの最新音声テープは、ナイジェリア人学生ウマル・アル=ファールーク・アブドゥルムッタリブによる米機爆破未遂について述べており、内容と共にそのタイミングに多大な関心が寄せられている。 第一に、「ウサーマからオバマへ」との表題であるが、発話者(ウサーマ)と相手(オバマ)が同等であるという印象を与 全文をよむ
■ 躊躇する実用主義 2010年01月21日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ズハイル・クサイバーティー】 インド、パキスタンの「アル=カーイダ」勃興が新たな戦争の可能性につながるとのゲイツ国防長官による警告は、両国による核戦争の恐怖を広めると共に、過激派の闘争心をくすぐり煽っている。しかし、この警告が前提としているのは、アル=カーイダ側の悪意である。パキスタンの核兵器が「過激派の手に」落ちるのを阻止しようとすると、その戦争を避けるための手段とは、最終的 全文をよむ
■ イスラエルと「小」英国 2010年01月18日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン:本紙編集長】 英国政府は目下、新法案の起案に懸命である。同国を訪れる外国要人に戦争犯罪容疑がかかっている場合について、逮捕状を出す権限を司法機関からはく奪するという法改変に関わるものだ。虚偽の立証に基づきイラク戦争に賛同した労働党のブラウン政府は、来る5月の総選挙開始前の決着を目指し、今週中にもこの法改正を議会に提案するだろう。 全文をよむ
■社説:エジプトのイマームたちの高潔な姿勢 2010年01月15日付クドゥス・アラビー紙(エジプト)HP1面 公的指示に反旗を翻し、自身の良心と信条に従ったモスクのイマームたちに対し、エジプトのワクフ省が獰猛なキャンペーンを行っている。これらのイマームは150万人に及ぶガザ地区住民を締め上げ、あらゆる生存手段を奪うことになる、エジプト政府が建設中の「鉄の壁」を非難したのだ。 数多くのイマームがカイロ中心部のワクフ省前でここ数日デモを行い、17人のイマームが政府の 全文をよむ
■ 自爆攻撃者の工場 2010年01月11日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ガッサーン・シャルベル】 どこかのアラブの国で自爆攻撃者が実行した作戦は、自分に何のかかわりもないと思っているアラブ人がいたら、それは間違いである。自分の国ではそれが起きない保証があるというのも誤った考えである。自爆攻撃者の波と共存する、あるいは彼らを遠ざけるための魔法はない。 他のアラブ諸国と協力せず、自国のセキュリティの力だけでこの現象を食い止められると考えるアラ 全文をよむ
■ガザ国境で発射された内乱を呼ぶ銃弾 2010年01月07日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP社説面 包囲されたガザ住民に支援物資を運ぶ「生命線」キャラバン隊に起きた事態は残念なものであり、このキャラバン隊への参加者たちに対する扱いはエジプト政府に恥辱の刻印を残した。 エジプト治安部隊がキャラバン隊のメンバーに投石したり殴りかかったりしようとは、われわれの誰もが思わなかった。包囲下の飢えた人々に連帯しようとするこれらの人々への出迎えが、流血の抗争に変容し、少 全文をよむ
■ ネタニヤフとのダンス 2009年11月23日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ガッサーン・シャルビル】 ネタニヤフはバラク・オバマとの消耗戦に突入した。和平構想について同意し合う前に、彼をねじ伏せようとしている。そのゲームは非常に危険であり、十億のムスリムの感情を逆なでする。ムバーラク大統領はシモン・ペレスにこのように言った。それはつまり、和平を壊滅させることであり、同盟国との軋轢からイスラエルを孤立状態に落とすことであると、こちらは、クリントン元米 全文をよむ
■アルジェリアとエジプトの残念な争い 2009年11月20日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 来年夏に南アフリカで開催されるサッカーのワールドカップ最終予選は、アルジェリアがアラブ代表の座を勝ち取って終わったが、最終予選で競い合ったエジプトとアルジェリアの関係が急速に悪化している。 アルジェリア在住のエジプト人や、ハルツームで行われたプレーオフを観戦したエジプト人サポーターが妨害やいやがらせにあったことへの抗議として、エジプト政府は駐アルジェリアのエジプ 全文をよむ
■ ホースィー派のカチューシャとサウディの危機 ■ クドゥスの見方 2009年11月16日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 サウジ王国は、国防大臣補佐官ハーリド・ビン・スルターン皇子を通じ、ホースィー派がサウジ領土に対する敵対行為を停止しない限り、彼らに対する戦争を続行すると宣言した。サウジは、地域の村落と住民保護のためとしてイエメン領内10キロまでを無人の中立地帯としたが、そこでの出来事を通じてみると、事態は逆であるといえそうである。 昨日 全文をよむ
■ スイスとイスラーム 2009年11月13日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP 問題と視点面 【アリー・ムフスィン・ハミード大使】 スイスは最高級時計や良質のチョコレート産業、ドイツ系・フランス系・イタリア系の住民が三言語で共存しているという寛容性で有名である。またスイスは直接民主制を行使している唯一の国家であり、そこでは住民はいかなる新しい社会的・政治的変化に対しても、住民投票を行う。 西洋全体の中におけるスイスの独自性にもう一つ付け加わりそうなもの 全文をよむ
■ アッバースは生涯大統領か ■ クドゥスの見方 2009年11月09日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 パレスチナ側が交渉のテーブルへ戻る条件としている入植凍結をイスラエルは拒否しており、イスラエル政府の立場を米政権は擁護している。その偏向した態度への抗議として、先週アッバース大統領は次期大統領選へは出馬しない旨表明したが、そこにはあらゆるカードが混ざっていた。アッバース大統領は、その他のポスト、ファタハの中央委員会、PLO執行委員会の長、そしてパレスチナ 全文をよむ
■ ラーマッラー現地情勢分析:第3次インティファーダは大いにあり得る選択肢 2009年11月01日付アル=ナハール紙(レバノン)HPアラブ国際面 【ラーマッラー:ムハンマド・ハウワーシュ】 パレスチナ人とイスラエル人の摩擦が、現状を白紙に戻してゲームのルールを根本から変えてしまうような衝突に至るのではないかという予測や願望が、このところ頻繁に取り沙汰されている。 パレスチナ人たちはエルサレムやその周辺、もしくはヨルダン川西岸地区においてイスラエルのベン 全文をよむ
■ レバノンとイラク…共通する問題 2009年10月26日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面 【本紙編集部:サーディク・バーハーン】 外部勢力が送り込む風によって内部対立の炎が煽られているためにレバノンを覆っている政治状況は、ある面でイラクで起きていることに類似しているように思える。レバノンの諸勢力が再び「同胞と敵」という問題を繰り返し、レバノン内戦を経てもなお寛容のイロハを学んでいない事は明らかだ。ベイルートを亡霊が住む町へと変貌させたレバノン内戦の責 全文をよむ
■ レバノンとフランスの「意識」 2009年10月21日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面 政治の場において楽観的な声や悲観的な声、「悲楽観的」な声や「楽悲観的」な声が入り乱れる中で、フランスのドゥニ・ビートゥン新大使はレバノン政府高官らに、それぞれの職務にきちんと取り組み「大きな課題に対処することができる能力を持つよう」訴えた。また、責任能力や適性の外に、どこかの省庁の「王冠」や大臣の「玉座」を求めての駆け引きや競争や抗争などの余計な要素を持ち込むことなく、職務に取り 全文をよむ
■ イスラエルに続く打撃 2009年10月19日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ジハード・アル=ハージン】 ほんの二日前、この欄で、イスラエルの新聞を読んでいると、そこに含まれる人種主義、憎悪、アッラーとその信仰に対する虚偽の情報のために神経症や血栓を患いそうだと書いた。しかしながら本日は、そのイスラエル紙を二日続けて読むことにより、免疫ができたことをお知らせする。ことわざに言うように、治療に大金をかけるより、少額で免疫をつける方がよい。 全文をよむ
■ 今は和解延期が適切である ■ クドゥスの見方 2009年10月12日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 パレスチナ和解を目指すエジプト政府のたゆまぬ努力は更なる困難に直面した。ガザにおけるイスラエルの戦争犯罪を糾弾した、ユダヤ人でシオニストのゴールドストーン判事による報告書に対し、ラーマッラー政府が決議投票を取り下げると決定した時、その困難は最たるものとなった。 イスラム抵抗運動「ハマース」は、政治局長代理ムーサー・アブー・マルズーク博士率い 全文をよむ
■ イラクの懸念 2009年10月05日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ガッサーン・シャルベル】 ヒースロー空港で本紙読者だというイラク人に呼び止められた。彼が言うには、我々の新聞はイラク情勢を伝えてはいるが、より重要と思われるトピック、つまり、内部分裂を煽っている種々の介入のためイラク再建が失敗するかもしれないという話題にスポットを当てていない。情勢をフォローしている私は、イラクが困難な状態にあり、移行期間は更に難しいと承知していたが、彼の発言から感 全文をよむ
■ アラブ・リベラリズムの危機 2009年10月04日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP論説面 【サラーマ・カイラ(シリア人著述家)】 なぜアラブ世界にはリベラリズムが根づかなかったのか?なぜリベラリズムは周縁化され、そして試みるたびに周縁化の道を辿ったのか?リベラル思想は19世紀末にアラブ世界に浸透し、当時支配していた伝統主義的イデオロギーに対する苦しい闘いを繰り広げ、その闘いに勝利し、明確な政治的プロジェクトの中に体現された。それは理性と近代性、民主主義と世俗 全文をよむ
■ オバマが無視しようとも人種差別は存在する 2009年09月28日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ジハード・アル=ハーゼン】 メディアの集中度は、ニュースの重要性を必ずしも反映するわけではない。マイケル・ジャクソンの死亡があらゆるメディアで報じられていた数週間の間、戦争もテロも経済危機も継続してあったのだ。一方、911やイラク侵攻は、報じられて当然その要請のあるニュースだろう。オバマ大統領の一週間は、国連演説に始まり、アッバース・ネタニヤフ会談、ピッ 全文をよむ
■選挙と市民権 2009年09月27日付アル・アハラーム紙(エジプト)論説面 【ハーズィム・アブドゥッラフマーン】 エジプトにおける選挙と日本やドイツにおける選挙は別物である。非常に残念ながら、かの国で行われていることと、私達の国で起きることには違いがある。 (1) 次の総選挙で人民議会の過半数の議席を得て国民民主党が勝利することだけが、市民の権利の実現であるなどと考えることは、深刻な間違いである。また他の党が国民民主党に取って代わる、あるいは尊重されるべき議席 全文をよむ
■なぜ私達は読まないのか? 2009年09月20日付アル・アハラーム紙(エジプト)論説面 【ラガブ・アル=バンナー】 全てのムスリムは、アッラーから預言者(彼に神の祝福と平安あれ)に下された最初の命令が、「読め」であったことをよく知っている。この神聖な命令は、あらゆる時や場所で、全てのムスリムが従わなければならないものである。それにもかかわらず、全てのムスリムは、「読め」と命ぜられたウンマ〔イスラーム共同体〕が「読んでいない」ことを知っている。そしてそのために、ウ 全文をよむ
■ ガザ虐殺報告書は葬られるだろう 2009年09月18日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 イスラエル政府は、ガザでの戦争犯罪に関する国連のゴールドシュタイン報告書が安保理やハーグ国際法廷へ到達するのを妨げるため、欧州ならびに合衆国に狂ったような外交攻勢をかけ始めた。イスラエルの政治家、軍人の上層部が法的に糾弾されては困るのだ。我々の考えを裏切らないアラブ政府は、政治的にも外交的にも完全な死に体であり、外交 全文をよむ
■ 20年目の「アル=カーイダ」 2009年09月14日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 アフガニスタン侵略に始まりイラク占領に行き着く対テロ戦争を勃発させた「ニューヨーク侵略」から8年を経て、現在のアル=カーイダ並びにその危険度に関する評価、見解は様々である。過去8年間、911クラスの大規模作戦が実施されなかったことをもって、組織は弱体化し勢いは後退しているとみなす「専門家」たちがいる。あるいは、それとは 全文をよむ
■ 鳩山幸、日本のファーストレディーの型破りなプロフィール 2009年09月11日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP特派員面 【イーマーン・アーリフ】 日本の新首相、鳩山由紀夫が新政権の組閣を終えようとしている中、いまだ定まらないのは彼の妻、幸夫人がこれから果たす役割である。その理由は、政治家の妻の役割に枠をはめようとする日本の政治スタイルの決まりごとではなく、これまでとは外見も中身も異なる幸夫人の特異なキャラクターにある。 ファーストレディーたちが 全文をよむ
■ ネタニヤフの窮地 ■ クドゥスの見方 2009年09月10日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 国際社会を軽んじ、占領アラブ領土での入植拡大を続けてきたネタニヤフ首相とその極右政府もそろそろ苦しくなりそうだ。これは四つの側面から観測できる。 第一に、イスラエル入植地で新居住区建設を許可することは国際法並びにロード・マップ違反であると潘基文国連事務総長が表明した。 第二に、イスラエルが占領地でパレスチナ人に対し戦争犯罪をおかしたというチャベス・ 全文をよむ
■ 事実は語る 2009年09月08日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 【イリヤース・ホーリー】 発話でも文章でもよく使われるが、「~と言える」という表現は少々問題だ。スピーチの中で用いれば、その語の意味はあまりなくなる。 しかしここでは本来の意に立ち返って言おう。事実を見れば、東アラブでは何もかもが腐りつつある、と言える。 レバノン政治の紛糾、パレスチナ和解の至らなさ、エジプトで常々繰り返される事、アラブ専制時代の言語的不徳、シリ 全文をよむ
■ ユネスコ事務局長選とエジプト候補の勝機 ■ クドゥスの見方 2009年09月04日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 来る月曜に開始されるユネスコ新事務局長選挙で、多くのアラブならびにアフリカ諸国から支援を得たエジプト文化相ファールーク・ホスニー氏の当選が期待されている。 エジプト政府は自国候補の支援に全力を挙げており、ムバーラク大統領自らネタニヤフ首相に働きかけ、複数のユダヤ団体が行う反エジプト候補キャンペーン停止に介入してほしい、イスラ 全文をよむ
■ 日本の革命? 2009年09月01日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ハージム・サーギーヤ】 観測者、コメンテーターたちの見解によれば、日本で投票箱を通じて起きたことは《革命》なのか? イエスでありノーである。 イエスの部分は、1955年以来、その与党支配が11カ月を超えて途切れた事のなかった《自由民主党》が総選挙で敗北したこと。実際、《日本民主党》に308議席を許し119議席しか得なかったというのは大きな違いである(国会議席は4 全文をよむ
■ 「ハマース」、イスラーム首長国と今後の展望 2009年08月17日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ガッサーン・シャルベル】 ハマースは、アブドッラティーフ・ムーサー(アブーヌール・アル=マクディシー)がラファハで行ったイスラーム首長国宣言をその指導者もろとも打ち消した。ムーサーは、もしハマースがこのままならば、「エルドアン・トルコ首相のようにイスラームとうわべだけで連携する」世俗主義者の政党であると糾弾した。ハマースが見過ごせない嫌疑である。「サラ 全文をよむ
■ ファタハの選挙違反 ■ クドゥスの見方 2009年08月13日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 昨日閉会したファタハ総会における中央委員選挙は、その信頼性が疑われている。特に、ナビール・シャアス、ムハンマド・アシュティフ両氏が同数票で当選し、タイイブ・アブドッラヒームに第17センターのポストが与えられたことについて、疑問を呈する声が大きい。 「信頼性」に大きな打撃を与えたのは、アフマド・クレイウ(アブー・アラー)氏の本紙への談話である。同氏は選 全文をよむ
■ アフリカに侵入するイスラエル ■ クドゥスの見方 2009年08月11日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 アフリカは、アラブの最奥もしくは後衛戦線を形成する故に、過去60年の間イスラエルの戦略的関心を集めていた。しかし、故ガマール・アブドゥン・ナーセルに代表されるアラブ民族主義政権は、イスラエルの侵入をことごとく防いできた。アフリカ解放運動を支援するとの合意がアラブ側にあり、アフリカの指導者たちには偏った姿勢がなく、アラブ指導層と強い友好関係にあった。 全文をよむ
■ エジプトでは貴人が拘留される ■ クドゥスの見方 2009年08月07日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 活動を停止させられている労働党書記長マグディー・フサイン氏に対し、エジプト軍事控訴法廷は、2年間の拘留並びに5000エジプト・ポンド(900ドル)の罰金という以前の判決を支持した。同氏の容疑は、今年初めに違法にガザへ入ったことである。この判決は、エジプト政府の抑圧的心性を裏付けるさらなる証拠となった。 元々、判決を下し更にそれを確定したのが 全文をよむ
■ フェイスブックはアラブ諸国の政府を脅かすか? 2009年08月03日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP1面 【ジャミール・アル=ズィヤービー】 本稿では、電子媒体による社会的コミュニケーションに関心を持つある読者から数日前に郵便で受け取ったエジプト人研究者の「フェイスブック」に関する研究の内容を概観するに留めたい。 私の気に入ったのは、「フェイスブック」の世界についてこの研究者が、「今日の世代の間でネット上に大陸を形成している」と述べ、第三世界に支 全文をよむ
■ ジュンブラートが後悔する時 ■ クドゥスの見方 2009年08月03日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 ワリード・ジュンブラート氏は、自身と党の利益を一般的倫理観念に優先させる、政治的首領としての人格を体現している。英語のことわざで言う所の「隣の芝生の方が緑に見え」れば、彼は、立場を完全に覆すことをためらわない。 昨日ジュンブラート氏は、「3月14日」勢力に身を置いたことは「必然」のなせる技であったが、もはや継続は不可能、「レバノンにおい 全文をよむ
■戦争話とその実情 2009年07月31日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ワリード・シュケイル】 過去三週間、戦争の噂に事欠かなかったと思えば、それらは急速に消えていった。イスラエルがイランに戦争を仕掛けるという話が出たかと思えば、イスラエルがレバノン特にヒズブッラーと戦争をするという話になったりした。 実際には戦争の話は、それらが決して起きないということを意味する。政治声明を通じて戦争に突入することはないからだ。戦争を引き起こす可能性のあ 全文をよむ
■ このイスラエル政府との和平は不可能 2009年07月27日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ジハード・アル=ハーゼン】 オバマ大統領は、カイロ訪問とそこでのムスリムに対する演説の埋め合わせとしてイスラエルを訪問するらしい。歴代米政権は、500万のイスラエル人と12億のムスリムを決して平等に扱わないばかりか、アラブとの闘争の度にイスラエルを支持し、安保理で拒否権を行使して世界のその他大勢から同国を庇護してきた。 今月13日月曜日の二つの事例は 全文をよむ
■ ミッチェル特使による最後の訪問と次の訪問 ■ クドゥスの見方 2009年07月24日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 ジョージ・ミッチェル米特使がアラブ地域への新たな訪問を開始する。「和平プロセスを前進させる。いかに障害物を取り除くか。」という題目でアラブ、イスラエル双方の関係者らと会談の予定だ。 今回の訪問は、米イスラエル関係の緊張下で行われたこれまでの訪問とは違ってくるだろう。その緊張関係は、入植の凍結、占領西岸の入植拠点解体という米政権の 全文をよむ
■ 「48年アラブ」放逐計画 ■ クドゥスの見方 2009年07月18日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 ネタニヤフ率いる現イスラエル右翼政府は、パレスチナ人がユダヤ国家としてのイスラエルを認めるまではいかなる交渉にも入らないと主張する。アラブ諸国そしてパレスチナは、このことを軽視すべきではない。1948年占領地のパレスチナ・アラブを西岸へ、いやヨルダンにまで追い払ってしまおうというイスラエルの意図は、この人種主義的性質を有する政府の元で半ば公然の戦略となっ 全文をよむ
■ レバノンにおけるイスラエル・ネットワーク ■ クドゥスの見方 2009年07月10日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 レバノンは数々の危機に直面している。そのいくつかは、宗派ごとの割り当てをもたらすその政治制度に由来し、またあるものは何らかの利害関係を持つアラブ並びにその他の諸外国が介入してくることにより発生する。現在の組閣にまつわる危機はこの典型である。レバノン国内そしてアラブ諸国のいくつかの方面は目をそむけようとするが、現在レバノンが直面する最大の危 全文をよむ
■ テヘランとアラブ文化 2009年06月23日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 【イリヤース・ホーリー】 イランを席巻する政治危機は、イスラーム共和国において一過性の事件ではない。またそれは、抑圧的体制が強権発動の口実とする、単純な意味での帝国主義的陰謀でもない。それはまず第一に、ホメイニ革命によって創設されたイスラーム国家の哲学に結びついた政治文化の巨大な危機である。そして、その中にイスラーム法学上の深刻な対立が含まれている。その対立とは、ホメイニ 全文をよむ
■ 辞典の番人 2009年06月15日付アル=ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ガッサーン・シャルビル】 英国でもオーストリアでもなく、イランである。民主主義ゲームが開けっ広げに行われるわけがない。ホメイニ師の絵姿の元、最高指導者の監視下で行われる民主主義である。投票者は、自らの怒りや反対で体制を脅かすことはできない。候補者たちが最終的競争に行きつくまでに、不穏分子は確実にいなくなる。つまり、選挙とは、革命がつくりだした体制への忠誠心を改めて示す機会にすぎない。 全文をよむ
■ これまでどおり! 2009年06月08日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 【イリヤース・ホーリー】 2000年選挙でラフィーク・ハリーリーは、支持者たちに、「(候補者名を)消すのではなく、そのリストを落とせ」*と呼び掛けた。2009年選挙において、そのスローガンはレバノンの状態を示す特徴となった。 6月8日月曜の朝、選挙結果と共にレバノン国民は、それが国の政治には何ら変化をもたらさなかったことを知った。まるで選挙など行われなかったかのよう 全文をよむ
■ オバマ演説 2009年06月05日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ワリード・シュケイル】 昨日のカイロにおけるオバマ米大統領演説は、新しい議題、テーマを含むものではなかった。イスラームに対する見方として「形式的イメージへの抵抗」、「我々とは異なる振る舞い」、中東地域緊張の中心としてのイラク、パレスチナ・ユダヤ二国家解決案等々、中には事前に知られていたものもあったが、その多くが、議論を呼び、分析、解明が待たれる議題である。 しかし、オバマは 全文をよむ
■アメリカ風ジョーク 2009年06月01日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ムスタファ・ゼイン】 ローズ・ゴットミューラー米国務長官補佐は、イスラエル、インド、パキスタンに対し核兵器不拡散条約(NPT)への調印を要請した。これにより、核兵器開発中のイランを脅す一方で武器庫を確保しているイスラエルには目をつぶるのかというアラブの疑念は、一応の回答を与えられた。 この事で、合衆国政治とイスラエルに対するその立場は移行したとみなす向きもあった。し 全文をよむ
■ 「ヒズブッラー」ともう一つの見方 2009年05月28日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ハッサーン・ハイダル】 ドイツ誌「ディ・シュピーゲル」によって、ハリーり暗殺に関与しているとの容疑をかけられた「ヒズブッラー」は、同誌の記事をイスラエルに示唆された、どころかイスラエルによるねつ造とみなすと表明した。これもまた、ヒズブッラーのイメージを損ないレバノン国民の間に争いの種をまこうとするイスラエルの戦略の一つであるという。そして、ドイツ誌の記事を「(レ 全文をよむ
■ 「解放9年後のレバノン南部の現状」(2回連載、第1回) ■ 国境地域を当局が長期にわたって放置、移住が増加 ■ ナイーム・カースィム・ヒズブッラー副書記長:「レバノンには抵抗運動の選択が根づくことを望まない者がいる」 2009年05月27日付アル=ナハール紙(レバノン)HP論説面 【アッバース・アル=サッバーグ(本紙)】 「南部について喋り尽くして、詩はもうネタ切れ。南部のためにと声を張り上げ、激昂して演壇を壊しまくり。殉教者が減ったわけでもなく、増え 全文をよむ
■ イスラエル人とイランの恐怖 2009年05月25日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 イスラエルの世論調査が示すところによれば、イランが核兵器を所有した場合、イスラエル人口の三分の一は国外へ避難するという。アラブの考える「戦略的和平」が逆の結果をもたらしているという一つの指標ではないだろうか。「和平」が、安定と安全、経済繁栄を実現すればするほど、パレスチナへ到来し入植地を拡大するユダヤ移民が増える。彼 全文をよむ
■「事実」 2009年05月23日付アル・アハラーム紙(エジプト)HPコラム面 【イブラヒーム・ナーフィウ】 米政権に近いアメリカ情報源は、バラク・オバマ大統領がアラブ・イスラーム世界に向けてカイロから発信する予定の演説で、イスラエルとアラブ国家間の包括的和平計画の概要を発表すると公表した。 このアメリカの新計画の中で最も重要な条項は、交渉はすべてのトラック(交渉経路)、すなわちパレスチナ、シリアそしてレバノン・トラックを含むという点である。特にパレ 全文をよむ
■ ヒズブッラーと選挙 2009年05月16日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP論説面 【アブドゥッラー・イスカンダル】 レバノンのヒズブッラーは次期議会選挙に対して、「レバノンの体制における単なる政治プロセスに過ぎない」と述べていたのとは異なり、同党にとって非常に重要な画期として取り組んでいることが明らかになってきた。議会選挙の重要性に対する立場のこの顕著な変化は、投票の方針が予め決まっている有権者の動員を目的としてはいない。また、「3月14日勢力が選挙結果の重 全文をよむ
■ エジプトと「ヒズブッラー」:相反する二つの政治理論 2009年05月07日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【アムル・ハムザーウィー(本紙)】 エジプトに存在した「ヒズブッラーの細胞」事件とそれに続く同党とエジプト国家間の問題は、現下の中東政治において二つの相反する理論がせめぎ合っていることを鋭く我々に示している。国民国家があり、平時であれ戦時下であれ域内紛争の対処についてはその権力機構に委ねるという理論が、まず一つである。他方、その国家内で国の正当性 全文をよむ
■ 選挙制度における公平性の度合い...レバノンの例 2009年05月06日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP論説面 【イブラヒーム・アル=アラブ(レバノン人弁護士)】 レバノンのこれまでの選挙法制を概観するとしよう。1943年および1950年の選挙法は県を選挙区とし、2回投票による多数決選挙を定めていた。この制度においては、第1回投票で票数の過半数を獲得し、なおかつ第2回投票において単純多数制でより多くの票を得た候補者が勝者とされる。[第1回投票で]有権者全体の 全文をよむ
■ 負け戦から撤退する英国 ■ クドゥスの見方 2009年05月01日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 イラク占領に6年間参画した後、米軍に治安責任を委譲し、英国軍はバスラから公式に撤退した。この措置を受け、(英国内では)この非合法かつ非倫理的戦争に英国が荷担することになった経緯を公開調査せよとの要請が一段と高まると思われる。 英国軍はイラク抵抗勢力との交戦により179名の兵を失った。一方で、数十億ドルを費やしながらその成果は極めて限られている。バ 全文をよむ
■ 現段階の特徴:国家体制と政治組織の争闘 2009年04月26日付アル=ハヤート(イギリス)HP論説面 【アーディル・マーリク(レバノン人著述家、ジャーナリスト)】 エジプトの治安を悪化させる行為に関わった細胞の逮捕を背景としたエジプト当局とヒズブッラーの対立をめぐっては、次のように結論づけることができるだろう。 国家間の争いが大幅に減少する一方、国家と各種の政治組織や政党との争いや対立の激しさは増している。この種の争いをもたらしているのは、様々な組 全文をよむ
■ シリア国家の有力者らが出席者に語りかける ■ シリア政府、対レバノン関係を議論するゲストを招く 【ワッダーフ・シャッラーラ】 2009年04月20日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP論説面 これまでにも重大な結末や長期間にわたって続く苦難をもたらした先例があるのだが、シリア当局はレバノンの学生、教師、政治家ら数十人をダマスカスでの「シリア・レバノン関係」に関するフォーラムに招待した。会議にはシリアのナジャーフ・アル=アッタール副大統領が出席し、開会の辞を述 全文をよむ
■ 出席せずしてイスラエルが勝つ 2009年04月20日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 本日ジュネーブで、反人種差別会議「ダーバン2」が開始される。150ヵ国の出席が見込まれるこの会議をボイコットする少数派がおり、その中にイスラエルと合衆国が含まれている。 正式には会議に出席すらしないイスラエルが闘いに勝ち、いつものようにアラブ諸国は、出席し、参加国の多くがその要請を支持してくれるにもかかわらず、負けることになる。つまり、占領パレスチナにおける人種差 全文をよむ
■ 次期レバノン総選挙における変化は見込み薄...「3月8日」勢力単独での組閣を可能にすべきか 2009年04月14日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP特集面 【ベイルート:ハーズィム・アル=アミーン(本紙)】 レバノン国会選挙は今年6月の実施を前に、最低限の調和と合意に基づき統治できる協調的な政権を樹立させる政治情勢の創出という役割を失っている。この選挙には象徴的な価値はある。しかし象徴には、レバノンにおいて異なった現実を創り出すほどの影響力と意義はない。実施さ 全文をよむ
■ レバノンはどのように包括的交渉に臨むのか? 2009年04月07日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP論説面 【ズィヤード・アル=サーイグ(著述家、レバノン)】 アメリカ合衆国とイラン・イスラーム共和国の間をはじめとする対話の方向性の前向きな側面に依拠するに拙速であってはならないことは確かだが、レバノンは、昨今の周辺地域および国際情勢に対する傍観者であり続けるわけには行かない。イスラエル以外に誰が[交渉への]対応のあり方を決定付けるのかという問いが残っているから 全文をよむ
■ エルサレムと歴史「嫌悪症」 2009年04月05日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ユースフ・ダムラ(本紙)】 敵シオニストにとっては、子供の投石、原始的なカッサーム・ロケット弾、そして詩歌や物語の間に差異はない。ある一つのこと、つまりパレスチナのアイデンティティを主張し、守り、育まれてきたアラブ的文脈の中に自らを置こうとする限り、それらはシオニストにとって同じものなのだ。 占領軍は、偉大な詩人マフムード・ダルウィーシュにハイファでの詩の読 全文をよむ
■ カッザーフィー一人でたくさんだ 2009年04月02日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ハッサーン・ハイダル(本紙)】 ドーハ・アラブ・サミットにおいても、それに続いた南米指導者らとアラブの会合においても、関心をそそるようなことは少しも起きなかった。目を引いたのは、「兄弟を助けよ」の原則にたったアラブよりも南米の人々の方が勇気があり、その場に一緒にいたバシール大統領への支持を拒んだ事ぐらいだろうか。それをのぞけば二つのサミットは、スピーチの単調さ、決 全文をよむ
■ 「アラブ世界、2つの言説の間で」(連載「せめてもの一言」) 2009年04月01日付アル=ハヤート紙(イギリス)HP論説面 【本紙:ダーウド・アル=シャルヤーン】 ドーハ[アラブ諸国]首脳会議でリビアのカッザーフィー大佐がサウジアラビアのアブドゥッラー・ブン・アブドゥルアズィーズ国王に向けた最低限の礼節を欠いた演説は、[アラブ諸国]国王らの慣行と革命家らの軽率さの違いを明らかにするものだった。アブドゥッラー国王は6年間にわたってこの違いがもたらす苦渋を乗り越え 全文をよむ
■ 厄災の30年 2009年03月26日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 本日、エジプト・イスラエル両政府は和平条約調印から30周年を祝う。しかし、その祝典は可能な限り内輪でひっそりと行われるようだ。この条約は、当事者たち、特にエジプト側に重要な変化をもたらしたのだが。 この条約は、イスラエルに平和と安全を、エジプトに富と安定を、そしてパレスチナ人には独立国家をもたらすはずであった。しかしどれ 全文をよむ
■シリアの最古参政治囚 2009年03月23日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)コラム 【寄稿:ヌーリー・ブリーモー】 数日前、半生を刑務所で過ごし、ゆえにシリア最古参の思想犯と呼ばれた元政治囚のファーリス・ムラード氏が、シリア反体制派としての一生を終えた 。60歳にとどかなかった故人ファーリスは、シリアの最も優れた反対勢力の男たちの自由を抑圧し続けてきた格子の中で、30年を過ごした。 私は1970年代のはじめ、共産主義の指導者の一人だった故アブドゥッラ 全文をよむ
■ イスラエル、そしてアラブへの有罪判決 2009年3月23日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【マフムード・アル=ムバーラク】 先のガザ侵攻中イスラエルが犯した「戦争犯罪」を調査すべきとの声が、世界各地の人権関係組織から続々とあがる中、新たにこの「犯罪」の証拠が、今回は彼ら(イスラエル)の身内から出てきた。 イスラエル将校や兵士たちが先月行った証言、先週木曜、金曜の「ハアレツ」紙が報じたものがそれである。証言は、部隊指揮官直々の指令によりそれら 全文をよむ
■ 和解サミット後の動き ■ クドゥスの見方 2009年03月16日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 このところのアラブ圏では多方面で動きが見られる。モッタキ・イラン外相が同国指導部からサウジ国王への書簡を携え予告なしにリヤドを訪れたかと思えば、シリア大統領はカタルの首都に数時間も留まり同国首長にリヤド四者会談の成果を披露している。 アラブ情勢観測者たちは、これらの動きを今月末のドーハ・サミットに向けたアラブ諸国間の和解努力と見るかもしれない。 全文をよむ
■ 改めて「国家」の役割を要請した二つの世界的事件 2009年03月12日付・紙(イギリス)HPコラム面 【ムハンマド・ジャービル・アル=アンサーリー】 世界は、「国家としてのソマリア」が瓦解するのを座視していた。そして海賊を捕まえるのだという。全長約4千キロのソマリア海岸とアデン湾に海賊が現れたことに乗じ、いくつかの国際勢力が、その戦略上重要な区域に進出しようとしている。海賊に対抗し国際航路を保護するためとして、彼らは海軍部隊派遣を主張する。しかし、海賊の出現、彼 全文をよむ
■シリア・アメリカ対話の行方は?! 2009年3月10日付アル・アハラーム紙(エジプト)特派員報告面 【ダマスカス:アイマン・アル=マフディー】 ジェフリー・フェルトマン米国務次官補(元在レバノン米大使)とダニエル・シャピーロ米国家安全保障会議中東・北アフリカ部長という、米政権を代表する二人の特使が、ここ数年来で初めてシリアに派遣されたことは、次のような疑問を抱かせる。アメリカ代表団、とはいえ議会からの代表団による、ダマスカスへの数度の訪問を経て、米・シリア関係に 全文をよむ
■ バシール逮捕状に対するスーダンの選択肢 2009年03月05日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ナディーム・ハースバーニー(ブリュッセル国際危機グループ分析員)】 国際刑事裁判所が人道に対する犯罪並びに戦争犯罪容疑でバシール・スーダン大統領の逮捕状を発行する前、アラブ世界では91%が、この起訴を政治的動機によるものとみなしている旨の世論調査の結果が出た。しかし、そのように見る人々は、ダールフールで犯された凄惨な犯罪の性質について、その動機、犯行手段か 全文をよむ
■ 政治的武器としてのガザ復興 2009年03月02日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 本日、ガザ復興のための国際会議「シャルム・シェイフ会合」が、75の代表団を迎えて開催される。しかしその中には、ガザで1350名を殺戮した張本人(つまりイスラエル)も、そこを防衛し雄々しく戦った抵抗勢力も参加していない。かつて、ガザのパレスチナ人を屈服させ彼らを抵抗勢力に対して歯向かわせるために通行証と食糧が使われたが 全文をよむ
■ 遅きに失したエジプト外交 ■ クドゥスの見方 2009年02月26日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 ホスニー・ムバーラク大統領からその息子ジャマールへの政権移行問題に忙殺され中東域内での役割を失いつつあったエジプトだが、それに関する内外の批判の高まりを受け、このところ外交面での動きは目立って活発である。 ムバーラク大統領は、国際刑事法廷が逮捕を要請しているスーダンのバシール大統領との連帯を示すためハルトゥームに飛んだかと思えば、イランがその14番 全文をよむ
■減速せよ…前方に「選挙」あり! 2009年02月25日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【ズィヤード・ブン・アブドゥッラー・アッ=ダリース:本紙】 1 もし、この宇宙に「民主主義」という理想都市が存在するとすれば、その市長プラトン氏は通りや道々に「減速せよ…前方に選挙あり」、「注意…60km先の日には、急な選挙カーブあり」と警告する交通標識を立てなければならないだろう。これらはすべて単純な理由によるものである。それは、民主都市の市民に公正でまともな暮 全文をよむ
■組織でも集団でもなく、単に混乱した惑える者たちによる犯行 2009年02月24日付アル・アハラーム紙(エジプト)HPレポート面 【本紙:ジャマール・アル・クシュキー記者】 カイロ・アズハル地区で起きた〔22日夜の爆発〕事件は、テロの再来なのか? フセイン広場 で起こったことは作戦行動なのか、それとも単発の事件 なのか? イスラーム主義組織はこの件にどう関わっているのか? 90年代のエジプトが経験した 出来事と今回の出来事との間に関係はあるのか? 実行の方法からして 全文をよむ
■ サウジ・シリア関係、突然の蜜月 ■ クドゥスの見方 2009年02月16日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 サウジ情報局長ムクリン・ブン・アブドゥルアジーズ王子が、アブドッラー国王からの書簡を携えバッシャール・アル=アサド・シリア大統領を訪問した。これは、国際的孤立を打破しようとしたシリア外交の成果の最たるものだ。シリアの外交政策は、同胞のアラブ方面に対する第一の突破口を開けることに成功した。 首都ダマスカスは、少し前には米上院訪問団、その前 全文をよむ
■民主主義と有刺鉄線 2009年02月13日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP意見・見解面 【サーディク・バーハーン】 元駐イラク米国大使ライアン・クロッカーは、「数日前に行われたイラク県 議会選挙は、民主主義への重要な一歩である」と述べた。この言葉は、民主主義の専門家である外交官によるものであり、彼は民主主義の基準、本質、そして人間と社会の存在を構築することにおけるその重要性を知っている。 当然、こうした発言は、民主主義を軽蔑し、西洋から輸入された 全文をよむ
■ さらば、和平の妄想よ 2009年02月11日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 開票途中経過によればイスラエルの選挙結果は、リブニ党首のカディマがライバル政党リクードを僅差で引き離している。しかし、この二大政党のどちらか主導による連立政権がクネセット(イスラエル国会)で承認を得るのは困難と思われ、そこから挙国一致内閣が形成される可能性が生じてくる。 この結果が示す停滞状況には、ヘブライ国家が現在 全文をよむ
■アラブ系政党…現段階でのスローガンは「分裂」 2009年02月10日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP国際問題面 【本紙:ムハンマド・フアード】 イスラエル国会[クネセット]におけるアラブ系諸政党と、同国選挙におけるアラブ票 は、常に論争の的になってきた。多くの人が、アラブ票は幻想にすぎないイスラエルの民主主義というイメージを見せつけるための幻想の覆いであるとみなしており、国内のアラブ系住民 に立候補や投票の権利を認めることは、彼らの平等を主張するイスラエルのた 全文をよむ
■ イスラーム法による統治の問題(3) 2009年02月08日付アル・アハラーム紙(エジプト)論説面 【ラガブ・アル=バンナー】 イスラーム法適用のスローガンを掲げ、政権獲得を追求するのは全ての法律がクルアーンとスンナ[預言者の慣行]に適った統治をうち立てる目的のためだと言う人達は、「それでわれは、凡ての事物を解き明かす啓典をあなたに下した」[クルアーン16章89節]という至高なる神の言葉を繰り返し持ち出しては、クルアーン中には社会や個人が生きていくために、また正 全文をよむ
■ 地方選挙、バグダードとアルビルの間で 2009年02月07日付アル・ハヤート紙(イギリス)HPコラム面 【サーミー・シャウルシュ】 イラク14県で県議会選挙結果が集計されている間、アルビルでは、第3回(自治区)議会選挙を来る5月14日に行う事でクルド勢力が合意したとの発表があった。この選挙は1992年に初めて行われ、イラクのクウェイト侵略失敗とあいまって最初のクルド政府形成のきっかけとなった。第2回は2005年、イラク国内を再整備し、選挙による初のイラク国民政府 全文をよむ
■ イスラーム法による統治の問題(2) 2009年02月01日付アル・アハラーム紙(エジプト)論説面 【ラガブ・アル=バンナー】 もし政治的イスラームの諸団体が公正を求める人達や、宗教についてロマンチックな理解を持っている人達を引きつけることができ、そうした人達を煽ってそれぞれの国の統治システムへの嫌悪や敵意を広めるような影響力を確立できたとしても、宗教を真に理解し、真の宗教者を模範とし、甘い言葉に騙されない大多数の人々にとっては、政治的イスラーム諸団体の本当の目 全文をよむ
■ イスラーム法による統治の問題(1) 2009年01月25日付アル・アハラーム紙(エジプト)論説面 【ラガブ・アル=バンナー】 政治的イスラーム潮流の基本をなす大義は、現在のシステムが神の法から離れており、唯一の解決はイスラーム潮流の指導者達が権力を握ることであるとの主張にある。そうすることでイスラーム法が適用され、ムスリム達の状況が正され、貧困、不正義、腐敗、独占、賄賂、道徳的堕落といった人々の不平の種が撲滅されるとの主張だ。だがこの主張には議論の余地がある。 全文をよむ
■ クウェイト・サミット、成功のチャンスは限られている ■ クドゥスの見方 2009年01月19日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 「穏健派」アラブ諸国はクウェイト経済サミットに多くを賭けているが、このサミットは成功するよりも失敗する可能性のほうが大きい。用意が不十分としてドーハ緊急サミットに反対したエジプトのアブルゲイト外相の言葉を借りれば、こちらは用意は十分であるにもかかわらず、そのドーハ・サミットのために今度の経済サミットは台無しにされるだろう。 全文をよむ
■ハンチントンとマルクス―ニューヨークからガザへ! 2009年01月13日付アル・アハラーム紙(エジプト)論説面 【寄稿:ワヒード・アブドゥルマジード博士】 「文明の衝突」論の主であるサミュエル・ハンチントンは、この「衝突」にさらなる火を注ぐイスラエルの野蛮な攻撃が始まるわずか3日前に他界した。あらためて彼の論の正しさを確証したツィピ・リヴニ・イスラエル外相の言葉を聞くだけの猶予を、運命は彼に与えなかった。リヴニ外相は封鎖下の非武装民間人に対する過剰に野蛮な攻撃を、 全文をよむ
■ 抵抗運動がパレスチナ人を破滅させるわけではない 2009年01月12日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 ラーマッラーPAの長、マフムード・アッバース氏が、ムバーラク大統領との会見後の記者会見でいくつかの挑戦的な表現を用いたのは残念なことであった。特に、パレスチナ各派、中でも「ハマース」を指して、「国民を滅ぼすような抵抗運動を我々は欲しない」と述べた点については。 アッバース氏がこのような言 全文をよむ
■イスラエルの攻撃とイランのハマースとの間で挟み撃ちされるガザ民衆 2009年01月10日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP寄稿欄 【カーズィム・ハビーブ(ベルリン在住のイラク人著作家、政治・人権活動家)】 一方で犯罪的な攻撃が行われ、もう一方でアラブとユダヤ、イスラエルとパレスチナ解放機構(PLO)との間に公正かつ恒久的な和平が実現することを望まない勢力がいる状況、また感情論が支配している状況において、民衆に対し率直で透明性のある姿勢を取ることは研究者にと 全文をよむ
■ エジプト停戦案:ガザ問題の国際化、殺される側の者たちへの休憩、それとも殺す側への報奨? 2009年01月08日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【ロンドン:ハーリド・アル=シャーミー】 ハマース代表団にカイロ訪問を呼びかけたことは、パレスチナ問題での主導権を取り戻そうとする試みだったようだ。国連安保理で攻撃停止を求める決議が難産に陥っていたことからも、これによってシリアのバッシャール・アル=アサド大統領言うところの「出たい人だけが出る」アラブサミット 全文をよむ
■パレスチナ抵抗勢力とイランの目論見 ■クドゥスの見方 2009年01月02日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 ガザでイスラーム抵抗勢力がイスラエルの攻撃にさらされている現在、「アラブ穏健派枢軸」諸国でのテレビ新聞報道を追っていると、アラブ・イスラームの人々にとっての第一の敵はイスラエルではないという手堅い印象を得る。 ニュースやテレビ番組は、イスラエルによる占領、この60年間彼らが犯してきた殺戮行為についてはまともに取り上げることもせず、常に「 全文をよむ
■今週の談話:虐殺―政治と狼藉のあいだ 2008年12月31日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面 【ムルシー・アタッラー本紙社主】 先週土曜日からイスラエルがガザ地区に対して行っていることを、もしもアラブ諸国やイスラーム諸国が行ったとしたら、アメリカは黙っているだろうか。国際社会は口を閉ざしているだろうか。世界のメディアは傍観者の立場をとるだろうか。そう、私たちが今まさに偽善と偏見、そして良心の欠如を目の当たりにしているように。 私たちが生きてい 全文をよむ
■ イスラエルは失敗を認める 2008年12月31日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 イスラエル政府がEU諸国と24時間ばかりの停戦を協議し、仮に受入れたとすれば、それはつまり、イスラエルには現在のガザ攻撃の目的を果たす能力がなかったという事だ。バラク国防相もリブニ外相も言うように、その目的の最たるものは抵抗勢力を撲滅しガザ情勢を決定的に変えることであった。(2006年の)レバノンに対する7月戦争と同様 全文をよむ
■ シリアはオルメルトの罠にはまるのか? 2008年12月24日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 トルコの仲介により、シリア・イスラエル間では、掠め取ろうとする者たちの目を盗んで「何か」がとろ火で準備されているところである。クロアチア大統領のダマスカス訪問を機に行われた記者会見の際、バッシャール・アル=アサド大統領は、「間接的交渉のみでは和平実現が不可能なので、直接交渉の段階への自然な移行」(があるべき)と 全文をよむ
■ ガザ学校、合格者なし 【イッザト・アル=カムハーウィー】 2008年12月01日付クドゥス・アラビー(イギリス)HPコラム面 エジプトで教育が無償だった時代、私立学校に入ることは恥辱に近かった。それは学生の知的能力の低さの証拠だったのだ。サーナウィーヤ・アーンマ〔=高校課程修了資格試験〕の結果はラジオで放送され、合格者の番号を読み上げるのに〔疲れて〕口が渇いたアナウンサーにとって、最も好ましいのは こんな一言で済ませられる学校だった:「合格者なし!」。 全文をよむ
■ ムンバイ攻撃の悲劇的結末 ■ クドゥスの見方 2008年11月29日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 インド対テロ部隊がムンバイ攻撃実行犯らが立て籠もったホテルその他の建物に踏込み、人質を解放した。しかしこの攻撃の波紋は、今後数ヶ月もしくは数年にわたりインド亜大陸の安定を脅かすだろう。 これを計画した組織は、間違いなく大規模な軍事力と情報を有し経験を積んでいる。標的の選択からは、メディアの関心を最大に集中させるべく、政治情勢とメディア動向を共に 全文をよむ
■ アメリカ大統領選挙:抵抗が変革を迫った 2008年11月05日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【本紙編集長:アブドゥルバーリー・アトワーン】 今日の明け方にはホワイトハウスの新しい住人が判明することだろう。あらゆる世論調査はそれがバラク・オバマになると予想している。我々アラブやイスラーム教徒こそが、この選挙の結果を決した陰の重要な投票者であり、米新政権の政策の概要を決する存在であると言っても過言ではあるまい。たとえ全ての予想に反した結果が出たとして 全文をよむ
■ブッシュのために神の慈悲を乞うオルメルト ■クドゥスの見方 2008年11月05日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 米大統領選の前夜、退任したイスラエル首相オルメルトは、ジョージ・W・ブッシュを賞賛し、「その名が久しくイスラエルの心に金字で刻みつけられるだろう」と述べたが、この言葉は米大統領と彼の政党の侮蔑すべき状況を要約している。まるで、現在米国が直面しているあらゆる危機の源泉にスポットライトを当てるかのように。 疑いようもなくブッシュ大統領は、 全文をよむ
■ サウジ和平案に対するイスラエルの情熱 2008年10月21日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 突如としてイスラエル首脳部は、初提案時から6年を経たサウジの和平構想を競って歓迎し始めた。防衛相エフード・バラクは、イスラエル首脳部がこの案を検討し対応を協議中であると公表、シモン・ペレスは、包括的和平条約に至るべく全アラブ世界との交渉に尽力している。「マアリヴ」紙が伝えるところによれば、「シリアやパレスチ 全文をよむ
■ シリア外交とその意外性 ■ クドゥスの見方 2008年10月15日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 シリアのバッシャール・アル=アサド大統領がレバノンとの外交関係樹立を定めたのは、特に意外ではない。数週間前、スライマーン・レバノン大統領がダマスカスを訪問した際、既に合意に達していた事である。しかし、その周知の仕方、タイミングは意外であった。その公布は、レバノン大統領がサウディアラビアを訪問し、政府要人、特にアブドゥッラー・ビン・アブドゥルアジーズ国王と会 全文をよむ
■ ミッキーマウスとジェリーに対する死刑の呼びかけ 2008年10月11日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HPコラム面 【サーミー・ハサン】 あるアラブ国で、宗教人が動画(子供向け漫画)のキャラクターに対する死刑を呼びかけたという奇妙なニュース*をアラビア語紙で見た。その漫画のキャラクターには、ミッキーマウスや、トムと滑稽なコンビを組んでいるジェリーなど、子供よりむしろ大人の心を捉えているものも含まれる。死刑の理由は、撲滅すべき汚らわしい動物、ネズミを彼らが表し 全文をよむ
■ イランの実力とアメリカの不能 2008年09月27日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 アラブがカラダーウィー師による「シーア化」発言にかまけている間に、イランはその軍事力、特に核の力を発展させ強大な地域勢力としての地位を確立しようとしている。 昨日、英「ガーディアン」紙は、イランの核施設を爆撃したいというオルメルト・イスラエル首相の要請がブッシュ米大統領により退けられたと報じた。まず第一にその 全文をよむ
■ 我々アラブの面目を失わせるチャベス 2008年09月13日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 世界各国のテレビカメラの前に立ち手を振り回しながら、チャベス・ベネズエラ大統領は、自国に駐在する米大使に退去まで72時間の猶予を与える旨宣言した。2日前、同大統領の盟友であるボリビア大統領が、あからさまな内政干渉を理由に米大使放逐の手段を取った、それに対する連帯の意を示すためであるという。その光景に私は心を動かさ 全文をよむ
■ ありがとうアイスランド 2008年09月06日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 シリア・イラク国境、不毛の砂漠地帯にある難民キャンプに2年来放置されていたパレスチナ難民29名の受入れをアイスランド政府は決定した。為政者、人民を問わず全アラブは大いに恥じ入るべきである。ウンマ(アラブ共同体)が、あらゆる側面、特に倫理面で、どれ程卑しむべき状態に至っているかを示す事件でもある。 シリア政府が門戸を 全文をよむ
■ 議事堂火災・・・そしてペンの炎 【ムルシー・アッターラー本紙編集長】 08年08月31日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面 政治とジャーナリズムにアッラーの呪いあれ。もしこの2つに合法的に許された道具〔=言論〕が誤った用いられ方をし、統一の代わりに分裂を、希望と愛と人々の連帯のための橋を架ける代わりに、敵意と嫌悪と絶望と挫折の海を作り出すとするならば。 私がこう述べるのは、諮問議会の議事堂火災について書かれたもののいくつかが、正当な批判のあ 全文をよむ
■ アメリカの蜜月の終わり? 2008年08月25日付クドゥス・アラビー(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 コンドリーザ・ライス米国務長官によるイラクとパレスチナ占領地への訪問は、中東におけるアメリカの外交政策が陥っているジレンマの深さを映し出している。 過去5年にわたってイラクに7000億ドル以上をつぎ込み、4000人以上の戦死者を出しながら、米政府は今日に至るまでこれといった戦略的利益も物質的利益も勝ち取れていない 全文をよむ
■ カリフォルニアの虎とイラク人の苦しみ 2008年08月15日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HPコラム欄 【マージダ・ムフシン】 合衆国カリフォルニアの動物園からイラクの動物公園へ虎2頭が贈られる事になった。この出来事が、人権団体ならぬ「動物権団体」の怒りをかっているという。 動物の権利を守ることに関心を有するある団体のリーダーは、声明の中で、この2頭の虎がバグダードで待ち受ける曖昧な未来へ向かって長い道のりを旅立った事につき、「団体メンバーの心は 全文をよむ
■ その死は象徴である 2008年08月13日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム欄 【アブドゥルワッハーブ・アル=アウディ(在英イエメン人ライター)】 韻律詩の中で偉大な詩人マフムード・ダルウィーシュは、「死よ、おまえの負けだ!」と宣している。その詩を聴いたり読んだりするのは簡単なことだ。しかし、その詩人が、苦痛と病に果敢に耐え、長きに渡る闘いと抵抗の末に実際に亡くなったというニュースを聞くのは忍びない。まして、マフムード・ダルウィーシュ(彼にアッラーの慈 全文をよむ
■ イラク、飢餓と数十億ドルの間で 2008年08月09日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 イラクの光景は、そのほとんどが絶望的な格差に満ちている。その中で、先週私の注意を引いたのは、イラク人歌手カージム・アッ=サーヒルがシリアのイラク難民を訪問した事だった。集まった子供達の顔は喜びに輝いていた。この、イラク芸能の象徴ともいえる歌手が、自分達の間に入ってその苦難に同情してくれ、異郷にある痛みを和らげようとし 全文をよむ
■ 『アル=ナハール』紙、創刊76周年を祝う 2008年08月05日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面 『アル=ナハール』紙は昨日、創刊76周年を迎えた...。いや、我々の心情としてはむしろ、第23429号の発行を迎えたと言いたい。なぜなら、本紙の創刊以来全ての号は、その展望と論旨の全てにおいて、憲法の定める自由と権利の防衛の記録であったからだ。 憲法は我々にとって、1933年8月4日に本紙を創刊したジュブラーン・トゥワイニー(父)の時代以来、単なる「冊子」 全文をよむ
■ 侮辱に抗議するパレスチナ人 2008年07月28日付クドゥス・アラビー(イギリス)HP1面 パレスチナ人たちの現状は悲劇に沈んでいるように見受けられる。だが現在の崩壊の程度はあらゆる面において、まだ最底辺には達していないと言っても過言ではない。〔ハマースとファタハという〕パレスチナ政治の等式の両側で、メディア・政治・治安を舞台に恐ろしいまでに事態がエスカレートする中、間違いなく状況はさらに悪化するであろう。 ガザ地区で起きた爆発は、ハマースの第二戦線の現場指揮 全文をよむ
■ 今週の論説:7月革命と力の時代 2008年07月24日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面 【本紙代表取締役:ムルスィー・アタッラー】 現下の国際情勢を公平に見るに、覇権を競い、自国の意向を押し付ける時代に再び戻ろうとするあからさまな願望にわれわれは不快感を覚えざるを得ない。しかしそのこと自体、56年前にエジプトの選ばれし高潔な青年たちが独立と国家主権を求め、植民地支配と外国の後見を拒否して、1952年7月23日の革命を起こすことで成し遂げようとしたことの 全文をよむ
■ 選挙という名の罠:イラクとパレスチナ 2008年07月23日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 現米政権が、占領下にある二国、イラクとパレスチナで、自由かつ清廉潔白な総選挙を欲し、一方で、他のアラブ諸国では、深く根ざしてはびこりその国民を抑圧している専制的政治制度に目をつぶっているのは偶然のことではなかった。イラク占領から5年、ヤーセル・アラファト議長の毒殺から3年を経て、今やアメリカの目的はくっきりと見 全文をよむ
■ タンムーズ原子炉、国民の厄災 2008年07月07日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HPコラム面 【サーミー・ハサン】 私の世代のイラク人なら、1981年6月イスラエルの空爆により一瞬で瓦礫と化したタンムーズ原子炉を記憶しているだろう。イスラエル側の言い分は、イラクが核兵器を開発しようとしていたというものだった。イラク国民には、それが平和利用を目的としたものであったのか、核兵器製造用だったのかは知る術もないのだが。 イラク国民は、70年代以降の自国 全文をよむ
■ 停戦合意、にもかかわらず封鎖は継続 2008年07月05日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 イスラエルが一昨日のネゲブ地方へのロケット攻撃を理由に再びガザの通行地点閉鎖措置を取ったため、ハマースは、捕虜のイスラエル兵ギラード・シャリットの解放に関する交渉を停止した。しかし、これは充分なステップではない。ハマースは、更なる手段を取るべきである。つまり、イスラエルと仲介者エジプトに数日間の猶予を与え、その 全文をよむ
■石油価格の高騰で利益を得るのは誰? 2008年06月14日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面 【サーミー・ハサン】 最近、世界の石油価格が一気に11ドル跳ね上がり、1バレル139ドルになった。将来的には150ドルに届くと言われており、今年中に1バレル250ドルに達するという予想すらある。 政治・経済アナリストたちは、イランが核開発計画を停止しなければ攻撃するとのイスラエルの脅しと、世界各地での紛争勃発とが、石油価格上昇の原因だと見ている。それで 全文をよむ
■ マーリキーの賢明な判断、そして隣国イランに与えられた機会 2008年06月07日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HPコラム欄 【イスマーイール・ザーイル】 マーリキー博士のイラン訪問は、この隣の大国との間の誤解をとき、見解の相違について話し合う最後のチャンスになるかもしれない。我々の地理的、政治的位置は、アッラーの御心、つまりさだめであるが、政治理論、または実用主義的見地からみて、この隣人から逃れようとするのは無駄である。 ごく最近の歴史が十二分に 全文をよむ
■ レバノンで雪だるま式に膨れ上がる暴力 2008年05月10日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 過去四日の出来事によりレバノンにおけるパワーバランスの真相が露呈された。サアド・アル=ハリーリーやワリード・ジュンブラートら与党指導者達は、気づけば自宅を包囲されており軍に護衛を求める事もできなくなっていた。つまり、優位に立ち自らの意図を強制し得る勢力が国内に存在するという事だ。 与党側がこれを知らな 全文をよむ
■ 標的にされるシリア、戦争か平和か 2008年04月26日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 先週はシリア週間であったと言えよう。まずマナーマで、ライス長官主導により穏健派アラブ枢軸会合があった。穏健派とは、シリアがイラン、ヒズブッラー、ハマースと共に加わっている悪の枢軸側に対する戦争がおきた時には、必ず参戦することになっている国々である。それから、これまたライス臨席によるクウェイトのイラク周辺国会合。こち 全文をよむ
■ レバノンに進軍するアル=カーイダ 2008年04月23日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム面 【本紙】 イスラムサイトで公開されたボイスメッセージ中、アイマン・アル=ザワーヒリー博士は、イラクについて事細かに述べ、イスラム国家たるイラク、十字軍とその代理人たちとの戦闘における基本勢力を支援するよう、激しい調子でムスリム達に要請した。しかし本紙の見解によれば、このメッセージで目を引くのは、レバノンに関し、アル=カーイダが彼の地を対イスラエル戦争の出撃基地 全文をよむ
忘れられたイラク解放記念日 2008年04月09日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 今日4月9日は何百万人ものイラク人が、バグダードやモースル、バスラ、ヒッラ、アンバールなどの通りや広場に繰り出し、晴れ着を着て旗や色とりどりの風船を手に、米・英軍によるイラクの解放と、民主主義、経済の繁栄、人権尊重、平等と政治参加の原則に基づく人種と宗派の共存モデルとしての新生イラク共和国樹立から5周年を祝う光景が見られ 全文をよむ
■ ダマスカス首脳会議、舞台裏での見解の相違 2008年03月31日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 アラブ諸国首脳会議は昨日、ダマスカス宣言を発表して日程を終えた。同宣言は、アラブ諸国の連帯の強化、戦略的選択肢としての和平の堅持、イラクの統一と独立の確認といった諸問題に言及している。しかし、それよりも重要なのは、今回の首脳会議がアラブ諸国首脳11人の出席を得て、会議の開催を失敗に終わらせようという数々の 全文をよむ
■ サミットボイコットは敗者の選択 2008年03月26日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 来る土日にダマスカスで開催されるアラブサミットは、その規模や参加者のレベルにおいて、あるいは、そこから現れるであろう政治的立場において、これまでのサミットとは際立った特質を持つ。これまでのサミットは、緊急開催も含め、アメリカの肝いりでイスラエルに有利な譲歩を引き出しつつ和平プロセスを進めるためか、そうでなければ単なる 全文をよむ
■ チェイニー副大統領、和平ではなく戦争への旅 2008年03月24日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 アメリカのディック・チェイニー副大統領は、米政府がイスラエルに対して、安全保障上の利益と相容れないような妥協をするよう圧力をかけることはないと強調した。これは予期しなかったことではない。しかし思いがけなかったのは、チェイニーが今回の歴訪で訪れたアラブ諸国で歓迎を受けたことであった。特にサウジアラビア指導 全文をよむ
■ 女性による自殺攻撃:アル=カーイダの手詰まりか、女性の立場の変化か? 2008年03月18日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP社説面 【イラクの声通信】 カルバラで自殺攻撃を行った女性は、爆発物のベルトを黒の外套に隠し、巡礼者で賑わうアル=ムハイヤム地区(イマーム・フサイン廟から300メートル)に潜入、雑踏の真ん中で自爆した。民間人の死者47名、負傷者75名。現在まで名前も身元も公表されていない彼女が、今年に入って6人目の女性の自殺攻撃者であった。これは、 全文をよむ
■ ガザの祝宴、ブッシュの嫌悪 2008年03月08日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 ブッシュ米大統領は、占領西エルサレムのユダヤ神学校襲撃を非難した。何ら不思議はない。アッバース・パレスチナ大統領による非難も、同じく予測されたものであった。しかし、ガザのパレスチナ人の中に、あえてこれを祝し、事件を喜ばしいと表現した人びとがいた事につき、米大統領は嫌悪を感じたという。これは、アラブ、イスラム教徒の犠牲者を 全文をよむ
■ ガザを焼き尽くし、シリアには戦艦を 2008年03月01日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 イスラエル防衛副大臣が示唆した大惨事は、ガザの子供たちの元だけではなく、全アラブ地域に及ぶだろう。米戦艦USSコールがレバノン沿岸に到着すると同時にイスラエル陸軍がガザ国境に集結したのは、偶然ではない。USSコールは、戦闘機と数千の海兵隊を乗せた船舶の一団を従えている。 これは、米イスラエルが穏健派アラ 全文をよむ
■イラク:占領下の主権 2008年02月27日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 ヌーリー・アル=マーリキー氏率いるイラク新政府は、クルド自治区に対するトルコ軍侵攻を主権侵害であるとして糾弾している。いずれにしても遅きに失したこの非難は、未熟、自嘲、自己欺瞞を含んでいる。なぜなら、そうやって非難した人々は、米兵の侵略以後、イラクの主権は占領という泥とその大罪にまみれている事を知っているからである。 全文をよむ
■ イスラム教信徒らに対し、高まる扇動 2008年02月20日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 この数日、イスラム世界とその信徒らは、欧州メディアによって先例が無いほどかき乱され扇動されている。表現の自由という名の偽りの口実の元に扇動は行われるのだが、結果は双方の過激主義者の利益となるのみである。欧州のほとんどの国に行渡っているこの扇動キャンペーンの指標は以下の点に要約される。 1:四大主要紙を含 全文をよむ
■ サッダーム・フサイン一周忌に寄せて 2007年12月19日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 驚く人もいるかもしれないが、私はサッダーム・フサインのインタビューをした事がない。人を介して度々個人的に招待されたが断ってきた。最後の招待は、今次のアメリカによるイラク侵攻の数ヶ月前であった。 招待を受けなかった理由は幾つかあるが、最たるものは、私が編集長をしているこの新聞と優秀な同僚達の仕事に対し、イ 全文をよむ
■ レバノン:非常事態体制か、体制変更か? 2007年12月12日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP論説面 【イサーム・ナアマーン博士】 レバノンの危機は続いている。独立以来、その政治体制は危険と抱き合わせであり、過去と同じく現在も、レバノンは「移行期間」にある。政治システムが国の存在を脅かす事が明らかとなったため、延々と続いている非常事態体制から、そのシステム変更へと移行するための期間である。いつ、この移行期間は終わり、レバノンの人々のための政治体制が最終的に 全文をよむ
■ アナポリスへのアラブの行進 2007年11月24日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 アラブ諸国外相によるアナポリス会議への参加決定は、驚くべき事ではなかった。しかし、アラブ連盟本部での記者会見中における、アムル・ムーサー連盟事務局長、並びにサウード・アル=ファイサル・サウジ外相による詭弁には驚かされた。彼らは、会議参加を正当化し力ずくで押し通したと言える。 過去数週間ファイサル外相が繰り返し述 全文をよむ
■ イラクの一角に対するトルコの総攻撃 2007年10月27日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 昨日アンカラで行われたトルコとイラク政府による交渉の決裂は、イラクによるクウェイト侵攻の2日前に行われた故サッダーム・フサイン政府と隣国クウェイトの交渉を想起させる。後者は、サウジの仲介により同国の街ターイフで行われた。 ターイフ交渉は、当時の皇太子代表によるクウェイト側がイラクの要請に応えなかったため 全文をよむ
■ アル=カーイダとイラクという挑戦 2007年10月24日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(本紙編集長)】 アル=カーイダ首領、シェイク・ウサーマ・ビン・ラーディンがイラク国民へ宛てたメッセージは、911以降の同組織史上で最も重要なものである。それは、組織メンバーがイラクで行き過ぎを犯したことを初めて認め、彼らに対し、他の抵抗組織と和解し協力体制を築くことにより再出発するよう要請すると共に、それらの過失は人間の本然に由来 全文をよむ
■ アメリカがトルコをイラクへ、シリアをレバノンへ招くのか? 2007年10月17日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP論説面 【イサーム・ナアマーン博士】 合衆国には分権というものが存在し、大統領には立法権がなく連邦議会には執行権がない。しかし、大統領が弱体化する、もしくは任務執行に失敗した場合、議会が、間接的に限られた形で執行権を行使し、その結果更なる混乱や情勢の悪化を招く事がある。 二期目のジョージ・W・ブッシュは特にイラク問題のため非常に力が衰え 全文をよむ
■ 斜陽の帝国主義に対抗するレバノンの民主主義 2007年10月10日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP論説面 【ムターア・サファディ】 アメリカが画策し決定した事をアラブが実施する。命じる者と命じられる者、残念ながらこれが、双方が逃れられない関係の現実である。アメリカはその帝国主義の命運をアラブ第一の富である石油に結びつけ、そのため、アラブは政治的独立を守る事もできず、現代の人間生活において決定的な戦略的財産を盗まれても成す術がない状況に閉じ込められている。米 全文をよむ
■ シリア体制は短期的には崩れず、イスラエルとの全面戦争も発生しない 2007年10月03日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP論説面 【ムハンマド・アジュラーニー博士(在パリ、シリア政治生活研究センター長)】 シリア・イスラエル全面戦争が起きるかのような予測が幾つかなされているが、以下の理由によりそれは発生しないだろう。 1.ダマスカス政府は、もしそうなれば、自身が倒れるような戦争に突入するつもりはない。 2.それがイスラム的体制に対抗する政 全文をよむ
■イスラエルの新たな敵…その国籍はイスラエル、宗教はユダヤ教 2007年09月23日付アル・アハラーム紙(エジプト)特派員報告 【シャリーフ・アル=ガムリー記者】 ヒトラーのスローガンを掲げ、彼の誕生日を祝うような集団がユダヤ人の中から登場し、国内を震撼させたユダヤ人襲撃事件を起こすなどということは、イスラエル人にとってまったく予期せぬ事態だった。イスラエル建国のリーダーたちは、犠牲者600万人とも言われるヒトラーによる虐殺からの救済として、国家建設を唱えたのでは 全文をよむ
■ 戦争を示唆する九つの理由 2007年09月01日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン(同紙編集長)】 夏が終わり欧米世界は通常の業務サイクルに戻り始めた。そして、今後2、3ヶ月間、再び中東地域が最大の関心事項となる事は、あらゆる指標によって示されている。 政治、外交、諜報、軍事、全てにおけるアメリカの戦争の、次の標的はイランであり、かつてなくその緊張が高まる事が予測される。ブッシュ大統領の任期切れが迫っており、イ 全文をよむ
■穏健派連合か、分割派連合か? 2007年08月22日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP論説面 【アブドッラフマーン・ムジード・アッラビーイー】 占領以来イラクでは、全ての政府が失敗に終わっている。形成初期の政府委員会、アッラーウィー、アル=ジャアファリーの暫定政府を経て、現在のアル=マーリキー政府に至るまで、それらは元からアイデンティティもルーツも、実効力も持たず、模倣し屈従する政府だったからである。 彼らがイラクに残された物を根こそぎにした。20 全文をよむ
■ イランの過激派に対抗させるため、アラブの穏健派を武装させよ! 2007年08月08日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP論説面 【イサーム・ナアマーン博士】 アメリカ的見方によればアラブ人とは2種類いる。穏健派と過激派である。前者が多数派で後者が少数派。多数派は、エジプト、ヨルダン、PAパレスチナ(ファタハ・アッバース派)、サウジを始めとする湾岸諸国、その他の東アラブやマグレブ諸国。少数派とはアル=カーイダやヒズブッラー、シリアなど。イランは、イスラエルに敵対 全文をよむ
■ イラク抵抗闘争の選択とその敵の選択 2007年07月28日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP論説面 【ジャマール・ムハンマド・タキー】 イラクの抵抗は、侵略者に立ち向かいその占領に挑戦する事を責務としている点で、イラク国民の崇高さと精神的活力を代表している。イラク解放の目的は何ら達成されず、独立主権国家としての権利の回復も成されていない状況で、抵抗闘争は、帝国主義の撃退に参画している。 過熱した情勢の中でこのように言われるのは、特に目新しい事ではな 全文をよむ
■ 不在のイラク、バグダード米イラン協議 2007年07月24日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP社説面 【ハージム・ムビィーディーン】 米イラン協議の前、イラク側の動きは、イラクの治安情勢が今回の協議における最重要事項であることを示すものだった。マーリキー首相は、イラン代表団との会見後、今回の米イラン協議がイラクの安定に向け、良い結果をもたらす事を希望すると述べ、イラン並びに米大使と個別に会見したタラバニ大統領も、まず第一に治安改善、テロ対策においてイラクを 全文をよむ
■ 大統領が痺れを切らす時 2007年07月21日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン編集長】 マフムード・アッバース大統領と、ハマース幹部の1人、マフムード・アル=ザッハール元外相の間の虚言と互いに対する猜疑心は、今日のパレスチナがどれほど酷い状態に陥っているのかを反映している。 彼の立場という点から見ても、アッバース大統領の方がより大きな責任を負っている。この罵詈雑言キャンペーンを始めたのは彼の方だ。水曜、ラ 全文をよむ
■ 宗教は戦争を招くのか? 2007年07月14日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アフマド・マンスール】 数日前ベイルートのハムラー通りで、若い男女が私を呼び止め、宗教が戦争を招くのだろうか、という興味深い質問をした。宗教関係の衛星放送局による番組の一環だった。しばし考えたが、やや極端で柔軟性に欠ける信仰心しか知らない国で、それを議論するのは不可能だと思った。この小さく、警戒心に満ちた国では、言葉はそれを発する媒体を通じて千の仮面を纏う。それがしばしば 全文をよむ
■ 猛暑の夏に過熱する事案 2007年06月26日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)論説1面 【ダーラークスルー・ハミード】 イラク・クルド自治区の気温は、トルコ軍の「温度計」で見ると上がったのだろうか?世界のメディアを賑わしている疑問である。 我々がトルコ軍と言うとき、それは文民政府に従う軍ではなく、影の部分を支配する軍事及び経済機関を指す。 イラク・クルディスタンは複雑かつ微妙な時期にさしかかっており、指導部には、異なる様々な方面と慎 全文をよむ
■ ガザで何が起きたのか?ハマースは、同胞団思想である「メッカの時代」に終わりを告げたのだ。 2007年06月23日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP論説面 【ウサーマ・アブー・イルシード】 ほんの1週間でハマースは、ガザのファタハとそれに従う治安組織を徹底的に敗北させた。6月14日木曜、市内南西の治安予防部隊拠点が陥落、この軍を指揮してガザを支配していた古参の3人、ムハンマド・ダフラーン、ラシード・アブー・シバーク、サミール・マシュハラーウィーの伝説は崩れた。 全文をよむ
■ ファタハとハマース:対話の環境は整った 2007年06月16日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HPコラム欄 パレスチナ大統領マフムード・アッバースは、挙国一致内閣の解散、臨時政府の形成にサラーム・ファイヤード氏を任命するという手段を採った。これは、ジョージ・ブッシュ米大統領、カルテット(米露、EU、国連から成る四者委員会)、大多数の欧州並びにアラブ諸国政府からの支持を得ている。しかし、今後数日の内に、これらの勢力がどう動くのかという点が大いに疑問である。 合衆 全文をよむ
■ 内務省と国家治安機関の親愛なる皆様、ご協力ありがとう、また次の作戦で。 2007年06月09日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【ホウェイダ・ターハー】 1.祖国への愛 国家諜報機関に対する「畏敬の念」というのは、エジプト国民の意識、個人並びに集団としての心理の中に、幼少時より育つものである。少なくとも我々の世代とそれに続く世代ではそうだ。諜報機関は、エジプトに対し悪意を持つ異物をいたるところで警戒するという任務についている。この機関に 全文をよむ
■ ファタハ・アル=イスラーム、アル=カーイダとファタハの狭間で ■ シリアによる支援という謎 2007年06月02日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP国際面 【ロンドン:本紙アフマド・アル=ミスリー記者】 ナハル・アル=バーリド・パレスチナ難民キャンプに集結したイスラーム主義戦闘集団とレバノン国軍の間で小火器を用いた衝突が続いている現在、ファタハ・アル=イスラームというその集団がもたらした危機は、地理的に見れば、レバノン北部の小さな地点に限定されている。 全文をよむ
■ フランスの対アラブ政策がひっくり返る? 2007年05月20日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトゥワーン本紙編集長】 フランス新内閣の布陣から見て、ニコラ・サルコジ大統領がド・ゴール政権の遺産と決別し、アメリカ合衆国率いるアングロ・サクソン陣営への加入を希望していることは明白なようだ。そうすることで彼はヨーロッパ内のみならず、アラブ地域におけるフランスの自立的な立場と政策を否定しようとしている。 サルコジ大統領が 全文をよむ
■ アハラーム社説:宗教間抗争の幕引きに向けた戦略を ムスリムとキリスト教徒の間で起きた遺憾な事件(訳注:今月11日にカイロ南郊の村でキリスト教徒の家屋・店舗がムスリム住民に放火された事件)を受けてギザ県のバムハ村で開かれた和解の集まりが、宗教間の争いを煽るいかなる試みをも実効力のある形で未然に防げるような、口先や新聞紙上にとどまらない真剣かつ率直な議論の始まりとなることを我々は望む。 今回行われた和解の集まりが重要なのは、特別裁定委員会が問題の対処に直接あたった点にあ 全文をよむ
■アラブとリブニ女史の魔法 2007年05月12日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面 【アブドゥルバーリー・アトワーン】 イスラエルのツィビ・リブニ外相は、3日前のエジプトならびにヨルダン両外相との会見につき、アラブ連盟との幅広く公式な関係正常化へ向けた端緒と評したが、それが的外れなわけではない。この会見は、(連盟の)アラブ和平実現促進フォロー委員会の外相達が、エジプトとヨルダンをアラブ側代表に任命したのを受けて行われた。この2カ国は、ヘブライ国家と外交関係 全文をよむ
■ エジプトと日本、新たな戦略的対話の段階へ 2007年05月04日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP論説欄 【アフマド・ユースフ・アル=カルイー本紙副編集長】 中東歴訪中の日本の安部晋三首相は昨日、主要な訪問地としてカイロを選択し、両国の関係強化のためにムバーラク大統領との間で、共通の関心事である政治課題をめぐる戦略的対話を確立するための相互理解の覚書に調印した。 この戦略的対話と相互理解の覚書(訳注:日本の外務省HPによれば「戦略的対話メカニズム 全文をよむ
■ クルディスタンの夜明け、アラブ化の時代は過ぎ去った 2007年05月02日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面 【アーザー・ハシーブ・カルダーギー】 アル=カーイダとその同盟者達の組織が、イラク憲法第140条の適用地域にテロ作戦を集中しているのは明らかである。前政権は、それらの地域の人口をアラブ化するため行政区域の分離合併を行ったが、同条項は、それにより生じた状況を元通りにする事を目的としている。 第140条の適用地域は、キルクーク市とその周辺 全文をよむ
■ 論説:表現の自由 2007年04月29日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面 【ジャワード・アル=ハーシミー博士】 世界人権宣言第19条を確認しておこう。「全ての個人は意見を自由に表現する権利を有する。これには、干渉されることなく意見を持ち、国境を超えて如何なる形態のメディアを通じてでも、情報を求め受け取り発信する権利が含まれる。」 情報公開という課題については、国際法並びに各国の法において着実な発展が見られる。知識欲は人間の本然であり、人 全文をよむ
■ アメリカのグレート・ウォール! 2007年04月26日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)コラム欄 4月10日夜、アメリカの第82空挺部隊がバグダード市内のアアザミーヤ地区を取り囲む、長さ5キロ、高さ3メートル半の壁を建設するため、最初のコンクリートブロックを設置し、壁を「グレート・ウォール」と命名した。壁の目的はシーア派が集住する地区の間に位置するスンナ派のアアザミーヤ地区を周囲から切り離し、シーア派とスンナ派の抗争を防ぐことにあるのだという。米軍はドゥーラ地区の周囲に 全文をよむ
■ 論説:国民和解とその障害 2007年04月25日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面 【アーザー・ハシーブ・カルダーギー】 治安計画の進捗に伴い国民和解も着実に前進している。この成果は、テロに対抗し終止符を打つ動き、特にアル=カーイダ系の組織を同種のものから孤立させイラクから放逐しようという新たな動きに現れている。 アル=カーイダの一派を名乗る新イラク・イスラム党の立場、その他のテロ現象、有力政治家らに対する個別の反応などを総合すると、アル=カ 全文をよむ
■ 避難民に対する侮辱、私腹を肥やす架空の団体 2007年04月20日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP国内面 【リヤード・アル=ガリーブ】 サッダーム政権崩壊後のイラクで顕著な現象として、「市民団体」がある。非政府組織、NGOとして知られる類の団体であり、独裁体制から脱却した国々の多くで、この市民団体の成長という現象が見られる。民主主義的政治文化における「市民団体」は、「個人と国家の間を仲介するもの」である。つまり、イデオロギーを標榜する伝統的政党に代わるも 全文をよむ
■ バアス党の解体 2007年02月14日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面 【アーザー・ハシーブ・アル=カルダーギー】 イラク全体、特にクルディスタンの安定のために不可欠なのは、バアス党のファシズム、民族主義的政治、圧政、野蛮な行いに決して戻らない事である。 その破壊的哲学、独善的な見解、集団殺戮、強制退去、略奪、化学兵器による攻撃、近隣諸国との戦争、この地域の利に背く陰謀、テロ支援等を繰り返さないこと。 秘密警察国家、ただ1人―アッ 全文をよむ
■ 社説:イラクの将来を最優先に 2007年01月01日付アル・アハラーム紙(エジプト)社説欄 サッダーム・フサインは死んだ。だがイラク国民はこれまでも、そしてこれからも生き続ける。大切なのは、彼らが戦いや殺し合いや無辜の民の殺戮ではなく、平和と安定のうちに生きることだ。 サッダーム・フサインの時代はその功罪と共に幕を閉じた。イラク人はみな自らの背にその時代を負いながら、国の将来を見据えなければならない。 2003年の米・英軍による侵攻以来、イラク人たちが経験してきた試練 全文をよむ
■ サハル・ブアースィーリー「アラブ諸国へのメッセージ」 2006年09月23日付アル=ナハール紙(レバノン)HP論説面 ハサン・ナスルッラー師が「神の勝利」を祝賀する集会において行った演説の国内問題に関する部分について、抵抗運動の武装問題とその将来について、「強力で公正で清潔な」国家をめぐる理解のありようについて、挙国一致政府樹立の呼びかけについて、ナスルッラー師と見解を異にする人は多いだろう。 それだけではなく、今回の戦争の性格とその結果と勝利の国内における意味合い、言 全文をよむ
■ レバノンでのイスラエルの失敗がブッシュ政権を困惑 ■ パレスチナ・トラック再生への呼びかけ 2006年08月22日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP特派員報告 【ワシントン報告:ハーリド・ダーウード】 レバノンにおける米の対ヒズブッラー戦の失敗は、早速にさまざまな波紋を広げている。 イスラエルのペレツ国防相が4ヶ月前の国防相就任以来、ヒズブッラーのロケット攻撃能力について正確な情報を与えられていなかったと公の場で軍指導部に対する不平を口にしたかと思えば、米高官らも 全文をよむ
■ サハル・ブアースィーリー「対レバノン戦争のプレイヤー(6)シリア」 2006年08月01日付アル=ナハール紙(レバノン)論説面 シリアは2005年4月26日まではレバノンにおける主要なプレイヤーであったが、現在は補欠席に座って、グラウンドに戻ってプレーを再開するよう国際社会から声がかかるのを待っている。シリアは今でも不可欠のプレイヤーだと思っているのだ。果たしてそうであろうか? イスラエルの対レバノン戦争開始以来シリアは、同盟勢力であるヒズブッラーに働きかけて事態を鎮静 全文をよむ
■ サハル・ブアースィーリー「対レバノン戦争のプレイヤー(5)イラン」 2006年07月29日付アル=ナハール紙(レバノン)論説面 イランはヒズブッラーとの強い結びつきゆえに、あるいは誰一人としてイスラエル軍兵士2名の拉致作戦がイランの奨励によって行われたのでもイランに祝福されているわけでもないとイスラエルおよびアメリカを納得させることが出来ないゆえに、今回の事態における中心的なプレイヤーとなった。イランはそのことに全く不快を覚えてはいない。 それこそイランの望むところなの 全文をよむ
■ サハル・ブアースィーリー「対レバノン戦争のプレイヤー(4)レバノン」 2006年07月28日付アル=ナハール紙(レバノン)論説面 レバノンがこの戦争においてプレイヤーだと言うのは、いささか拙速であろう。レバノンがプレイヤーであろうと努めているのは確かだが、それよりも確かなのはレバノンが戦争の舞台であり、戦争の対象だということである。 レバノンはアメリカのための舞台である。アメリカはレバノンを、中東に民主主義を普及するというプロジェクトのための胎児とみなしており、最初は「 全文をよむ
■ サハル・ブアースィーリー「対レバノン戦争のプレイヤー(3)ヒズブッラー」 2006年07月27日付アル=ナハール紙(レバノン)論説面 ヒズブッラーはあらゆる意味でイスラエルの対レバノン戦争の中心的なプレイヤーである。ヒズブッラーこそ戦争の公式の標的であり、アメリカやイスラエルが戦争開始以前の状態に戻ることを拒否する際に意図しているのは常にヒズブッラーのことである。 そのことはヒズブッラーがイスラエル軍兵士捕獲作戦において計算を誤ったにせよ誤らなかったにせよ、或いはハサン 全文をよむ
■ サハル・ブアースィーリー「対レバノン戦争のプレイヤー(2)イスラエル」 2006年07月26日付アル=ナハール紙(レバノン)論説面 対レバノン戦争の目的について、シモン・ペレス副首相くらい明確に特定したイスラエル政府高官はいない。ペレス副首相は戦争の14日目に「我々かヒズブッラーか、である。事はイスラエルにとって、生か死かの問題なのだ」と言った。 イスラエルが「ヒズブッラー」というとき、それはレバノンという枠組みの内に位置づけられる党派を指しているのではない。その名称と 全文をよむ
■ サハル・ブアースィーリー「対レバノン戦争のプレイヤー(1)アメリカ」 2006年07月25日付アル=ナハール紙(レバノン)論説面 コンドリーザ・ライス国務長官が中東歴訪をレバノンから始めたということは、現在起こっている戦争がアメリカの国益にとって中心的な重要性を占めていることを物語っている。そして停戦は問題の根源に対処するものでなければならないという立場に彼女が固執していることは、今後レバノンを、そしておそらくはこの地域全体を待ち受ける事態の困難さを物語っている。 ライ 全文をよむ
■ サハル・ブアースィーリー「多少の明確さを」 2006年07月21日付アル=ナハール紙(レバノン)HP論説面 コンドリーザ・ライス国務長官がこの地域に何をもたらしうるのか、いつ来ることに決めたのか、いかにして対レバノン戦争の停止に寄与するのか、それは分からない。しかしここで留意しておくべき事柄が一つある。ワシントンも常に繰り返している事柄だ。それは、明確さが必要、ということだ。 ライス氏自身が「状況が熟する」までは来ないと言ったことを我々は知っている。それはつまり、イスラ 全文をよむ
■ さらに大きな動乱が中東を待ち受けている 2006年07月16日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP社説 レバノンとガザ地区におけるイスラエルの軍事作戦はたしかに重大ではあるが、それ以上の重大事は作戦終了後に待ち受けている事態である。今の軍事作戦が終了され次第、レバノンとパレスチナの政治諸勢力は、多くの言説や立場、同盟関係や国内政治関係についての見直しを始めることになる。その場合、レバノンにおいてもパレスチナにおいても、以下に例をあげるような多くの問いが投げかけられることだろう。 全文をよむ
■ サハル・ブアースィーリー「無制限の戦争」 2006年07月15日付アル=ナハール紙(レバノン)HP論説面 イスラエルはレバノンを24年前に後戻りさせると脅迫し、実際にレバノンを包囲し、国内の交通網を切断し、民間人や重要施設を狙って破壊行為を繰り返すことで、脅迫を実行に移している。しかしこうしたやり方を除いて1982年の戦争と今回の戦争の間に類似の点があるとすれば、それはイスラエルがレバノン情勢に決定的な転回の瞬間を強制しようと試みている点である。 イスラエルは1982年 全文をよむ
シャルル・リズク(法相)「新大統領か、それとも新しい国民協約か?」 2006年2月21日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面 政界の諸勢力は、共和国大統領職の問題についていささか拙速な取り上げ方をしている。あたかも現大統領の交代が、統治体制の正常化と我が国の政治および治安面での安定回復に十分であるかのように。 しかし事はそう簡単ではない。問題は大統領個人の域を超えたものである。そればかりか大統領制度そのものの域すら超えて、レバノンと中東が経験しつつある時代の要請に適合する 全文をよむ
■ カービー・ジャン・シャーミー「1943年11月22日から2005年11月22日へ」 2005年11月25日付アル=ナハール紙(レバノン)HP市民面 2005年11月22日、レバノンは62回目の独立記念日を迎えた。今年は今までの記念日とは違う。2月14日、ラフィーク・アル=ハリーリー元首相とバースィル・フライハーン元経済・貿易相および彼らの同行者たちが、すさまじい爆発によって犠牲になったのである。 この忌わしい犯罪を計画・実行したレバノンの敵は、全てのレバノン人が今までと 全文をよむ
■ イリヤース・ホーリー「シリア防衛のために」 2005年11月06日付アル=ナハール紙(レバノン)HP文化付録 シリアのさまざまな反体制政治団体の署名によるダマスカス宣言が発表されたことで、二つの事実が明らかになった。 一つ目は、シリアが現在直面している危機、とくに国連安保理において厳しい決議が採択された後の危機的な事態は、立ち向かうことが可能であり、克服することさえ可能だということである。 二つ目は、シリアは空っぽの貝殻などではないということである。文化人と政治 全文をよむ
2005年7月31日付アル・ナハール紙文化付録 サミール・ジャアジャアが出獄し、ミシェル・アウンが亡命先から帰国したことによって、レバノン内戦の最後の手前の頁が閉じられようとしている。 実際には、アウン派とレバノン軍団派は、国会選挙における相異なった同盟戦術の選択を通して、それぞれのやり方でこの頁を閉じたのである。しかしまた内戦の頁はレバノン国民が殉教者広場に集い、独立のインティファーダを成し遂げたあのときに閉じられたのだとも言える。かのインティファーダは、宗派主義的政治勢力が事態を 全文をよむ
2005年7月24日付アル・ナハール紙文化付録 レバノンは現在、シリアの実効支配の時代から先行きの不透明な独立の時代への灰色の過渡期にあって、政治・経済面での嵐を経験しているが、文化的な次元ではささやかな、しかし無限の地平が開かれる兆しでもある一つの成果が生まれた。 7月15日、サミール・カスィールの没後40日を記念する集いがアメリカン大学のイサーム・ファーリス記念講堂で行われた。このとき、長く待ち望まれてきた一つの始まりが実現した。その始まりは、集会を支配していた空気のなかに体現さ 全文をよむ
2005年5月15日付アル・ナハール紙文化付録 悪名高い2000年の選挙法に基づいて行われる国会議員選挙の期日が近づくなか、レバノンのさまざまな政治勢力はさして意外な結果の見込めない収穫の季節を迎えようとしている。 しかし、収穫に先立って、二つの前向きな点について銘記しておくべきだろう。 先ず一つ目は、アウン少将がフランスでの長きにわたる国外追放から帰還したことと、それを民衆が盛大に出迎え、彼の政治的存在感を確固たるものにしたことである。国家の中枢において、軍事機構のなかから誕生 全文をよむ