トルコ政府、EU加盟交渉を前に市民団体と会談(Milliyet紙)
2005年09月10日付 Milliyet 紙

 政府は、EU加盟交渉過程で支持を得るために50の市民団体と会談を行った。エルドアン首相は、「EU加盟交渉の進行はあなたたちなくしてはあり得ない」と語った。

 政府は10月3日に開始されるEU加盟交渉の前に、スカーフの自由を主張する、人権と人権侵害被害者協会や、拷問反対活動をしている人権協会(İHD)、ドイツのためにスパイ行為をしているという嫌疑で訴えられたトルコ民主主義ワクフ、イスラム主義路線のエンサール・ワクフといったあらゆる主義主張をもった50の市民団体と一同に会した。女性団体に対し特別に優遇措置をとったレジェプ・タイイプ・エルドアン首相に、İHDはエルドアン首相自身も登場した1999年のポスターを見せて思想の自由を思いおこさせた。
 エルドアン首相、ギュル外相、交渉委員長アリ・ババジャンが「我々はともに加盟交渉で奮闘していくだろう。あなたたちなくしてはあり得ない」というメッセージを伝え、この日の市民団体サミットでは全ての団体に発言時間を5分ずつ割り当てた。

■開会挨拶はエルドアンから
 エルドアン首相は、国のゲストハウスで行われた会談で次のような開会挨拶を行った。
「我々は上からの政治はしなくなった。過去のもの、終わってしまったものに未練がある人々や、和解の雰囲気についていけない人々もいるかもしれない。こうした人々につけいる隙を与えてはいけない。我々は安全の名の下に自由を犠牲にはしてこなかったし、これまで自由の名の下に安全を軽視したりもしなかった。しかし、他の者が自由の領域に干渉してきたときは、やむをえません、やるべきことをやります。」
 エルドアン首相が市民団体の支持がなければ加盟交渉はスムーズには進行しないであろうことを明言した一方、ギュル外相も市民団体の支持によって、トルコは世界が「静かな革命」と呼ぶような変化を遂げることが出来ると語った。ババジャンは「EU加盟はトルコの一大プロジェクトだ。この後の交渉過程で我々は市民団体とともに、トルコに対する偏見を解消させるために尽力していくつもりだ」と話した。

■アファーマティヴ・アクション
 エルドアン首相は、会談後に12の市民団体の代表の提言を聞いた。当初、発言する最初の12団体には女性団体が含まれていなかったが、エルドアン首相の要望で会談に参加した女性団体のうちの5団体を順番の初めに入れた。女性団体は、副交渉委員長に市民団体で働いた経験のある女性が就くことを要望した。
 身体障害者連盟委員長のファルク・オズティムル氏が「私のことを4人がかりで食事の場所に上げ、再び4人がかりで降ろした。障害者のために必要なことをしてほしい」と語った一方、公務員組合連盟(KESK)とカムセン(Kamu-Sen)の代表は、割り当てられた時間が短かったと感じた。会談後に会見をしたギュル外相は、市民団体と定期的に話し合いをしていくが、それを諮問委員会のようなものとは考えていないことを示した。

■まずTOBBその後でTÜSİAD
・会談で金曜日の礼拝時には休憩がとられた。
・ある市民団体の代表がゲストハウスから出たとき、エルドアン首相はモスクへ行った。
・庭園での昼食でアブドゥッラー・ギュル外相はIHD委員長ユスフ・アラタシの座るテーブルに就いた。「思想の自由のために必要な一歩を踏み出してほしい」と話したアラタシは、読んだ詩が原因で懲役を宣告されたエルドアンの写真が載っているİHDのポスターを、回覧のためにギュル外相に手渡した。
・EUとの交渉で代表団の一員となることを要望しているトルコ商工会議所・商品取引所協会(TOBB)はリストの筆頭に、トルコ実業家・企業家協会(TÜSİAD)は二番目に記されていた。TÜSİAD委員長オメル・サバンジュ氏は「TOBB委員長とは隣り合わせた。緊張などまったくない。ともに頑張りますよ」と話した。


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( 翻訳者:清水 葉月 )
( 記事ID:834 )