ヤプ・クレディ銀行の名が残されることを希望(Milliyet紙)
2005年09月10日付 Milliyet 紙
ヤプ・クレディ銀行(YKB)のメフメト・チェキンメズ頭取は、「YKBの名前はとても大きな力を持っている。この名前が残されると考えているし、願ってもいる。YKBとは、コウノトリのマークとロゴ、名前、そして行員たちが一体となった力なのだ」と語った。
トルコの銀行の歴史に「最初の銀行」というイメージとコウノトリのロゴで名を刻むヤプ・クレディ銀行は、設立61周年を祝う一方、昨日証券市場に対して行った特別会見で、9月28日に開かれる株主総会でコチ・ユニクレジットと経営統合すると発表した。
メフメト・チェキンメズ頭取は、総会の承認を得て経営を統合したあとも、ヤプ・クレディの行名とロゴが新銀行に引き継がれるよう望んでいると語った。
「YKBの名前はとても大きな力を持っている。この名前が残されると考えているし、願ってもいる。YKBとは、コウノトリのマークとロゴ、名前、そして行員たちが一体となった力なのだ。買収金額の大半は、当行の持つブランドイメージやステイタスのために費やされたと確信している。今回の買収と経営統合のプロセスは、パートナーが我々のことを知る過程でもある。我々のことを正しく理解すれば、YKBの強い面と弱い面がはっきりし、どの部分を残しどの部分を清算すべきかが容易に分かるだろう。
ただし、これらのことを決める際、できるだけ感情を排して、客観的になる必要がある。これがうまくいけば、統合により一層多くのシナジー(相乗効果)を生むことができる。しかし、その逆もあり得る。認識と期待にずれが生じるかもしれない。経営陣が問題をすぐに理解しないかもしれない。こうしたことはコストとなって跳ね返る。
YKBはコチ銀行と経営統合する。今後どうなるだろうか。取締役会で新銀行の名前は何にするかや、どういった経営をするかが決められるはずだが、統合が実際に、また法的に完了するには6カ月から9カ月かかるというのが私個人の見解だ」。
■「買い手は有名グループ」
YKBを買収するコチについて「トルコで名の通ったグループの1つ」と話すチェキンメズ頭取は、トルコ人の会社と並んで外国企業が経営に参画することを「喜ばしいことだ」と評価した。
同頭取は「このことは、ヤプ・クレディに対する1つのトルコ・外国資本企業の見方を示しているのと同時に、外資が我が国の将来を肯定視していることの現れである」と述べた。
■「問題は株主が我々に対する債務者であることだった」
パムク銀行がTMSF(Tasarruf Mevduatı Sigorta Fonu:預金保険基金)の、一方でチュクロバグループのもう1つの銀行であるYKBがBDDK(Bankacılık Denetleme ve Düzenleme Kurumu:銀行監査調整機構)の管理下に置かれることで始まった銀行再編の中で生じた主な問題が「所有権」を巡るものだったと語るチェキンメズ頭取は、「問題は大株主が我々に対する最大の債務者であることだった」と話した。
チェキンメズ頭取はチュクロバグループは、TMSFの最大の債務者でもあるとし、YKBの市場シェアは下がっていると述べた。また同氏は次のように続けた:「ここ10年から15年の間さまざまな問題に直面し続けてきたため、本行の経営状況は悪化してしまった。シェアも下がったが、強みのある分野での面目は保った。しかし伸びはしなかった」。
■ 「オプションのコストは2億ドルだった」
TMSFの保有するYKBの57.4%の株式をユニクレジットとコチの合弁会社であるコチファイナンシャルサービスへ売却することについて、権限もなく担当者もいなかったと話すチェキンメズ頭取は、チュクロバグループとBDDKとの間で2003年1月31日に交わされた合意事項の中で、(YKBの)株を買い戻すオプションについて意見が対立し、(グループ側が)莫大な費用がかかるため反対したことを明らかにした。
同頭取は、「オプションの選択期間が2005年1月に終わったことや、BDDKと同じ意見であることを説明した。チュクロバグループはというと、オプションが2005年11月まで有効と主張していた。オプションの選択権が行使される場合とされない場合の、本行にかかるコストの差は2億ドルにもなることを指摘しておく必要がある」と語った。
■株主総会は9月28日に
ヤプ・クレディ銀行の株主総会はコチ銀行の要請で9月28日に臨時に開かれる。コチ銀行とチュクロバグループとの間で交わされた合意書により業務を停止する日とされている9月28日に、YKBの新しい役員が選ばれる。チェキンメズ頭取は、コチ銀行がYKBの「所有者」になるならないに関わらず、役員と監査役を決めたいと話した。
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( 翻訳者:澤村 華奈 )
( 記事ID:835 )