コチ財閥、今年は買収の年:ヤプ・クレディ銀行からテュプラシュまで(Milliyet紙)
2005年09月13日付 Milliyet 紙

コチ財閥は今年になって、まずヤプ・クレディ銀行(YKB)を買収し銀行業で攻勢をかけた。続いてタンサシュを買収し小売業界で首位の座を固めた。そして今回、トルコ最大の企業であるテュプラシュを買収し、産業界のリーディングカンパニーの座を不動のものにした。

コチは、伊ユニ・クレジットとの合弁会社でYKBを15億ドルで買収した。合弁会社の持ち株比率は50%ずつなので、コチはYKB買収に7億5000万ドル投資したことになる。その後ギマを(仏カルフールとサバンジュ・グループの合弁会社である)カルフールサに奪われたコチは、ドウシュ・グループ系の小売チェーンであるタンサシュを3億8700万ドルで買収した。これにより企業買収に投資した額は11億ドルに上った。
さらにコチ財閥は昨日、テュプラシュの買収で今年最大の企業買収を成し遂げた。トルコ最大の産業組織であるテュプラシュを41億4000万ドルで買収したコチは、株式の90%を保有するためテュプラシュに対し37億ドル投資したことになる。これで企業買収に投資した額は48億ドルになった。

■4つの精製所を保有
コチはテュプラシュを買収することにより、同社の精製所4つと石油化学施設1つを所有したことになる。テュプラシュはディタシュ株の79.98%を保有する大株主でもあり、昨年得た配当金は110億リラにのぼる。

■企業価値は81億ドルに上昇
 民営化の流れを受け国内、外資系企業の双方から寄せられた強い関心は、テュプラシュの株式の時価総額に反映された。年初に22億ドルであった同社の時価総額は先週 45億ドル弱となった。昨年末に12.10リラだった株価は24.00リラとなり、上昇率は98.34%を記録した。昨日、株式の51%を41億4000 万ドルで売却した同社の総時価総額は81億ドルに達した。同社は今年の総取引額の目標を160億ドルと発表した。
 今年の納税前の利益は約8億5300万リラとなる見込み。最初の6カ月間で、前年同期と比較して総取引額が約33%、純売上高が約38%、純利益が約61%増え、2億9320万リラの純利益を上げた。
 同社の輸出額は2004年の最初の6カ月で4億2400万ドルだったのが、今年の同期には約97%増え8億3600万ドルに達した。

■金の株
 テュプラシュの全株式売却の決定にともない、「金の株」と呼ばれるCグループの「特権付き株式」が公開された。この株は、会社の存続を保障しトルコ軍の必要経費をまかなうことを目的としている。このように民営化事業局管轄下のCグループ特権付き株式を発行する会社は、基本協約の取り決めにより同事業局運営委員会に1名派遣することができる。

■メンデレス時代に開始
 テュプラシュの基礎は44年前、トルコ石油株式会社(TPAO)とアメリカの石油会社カルテックス社によって築かれた。イズミトのトゥトゥンチフトリキ地区にあるイスタンブル石油精製所株式会社(ipraş)は、株式の51%がTPAO、残りの49%はアメリカのカルテクスの所有であった。
 当時の総理大臣アドナン・メンデルスによって開始された企業のアメリカ企業との合弁は、組織協定の取り決めどおり10年後に終了した。
 株はTPAOによって買収され、ipraşは完全にトルコ企業となった。İpraşの基本協約は1983年10月25日に開かれた臨時総会においてトュルパシュ基本協約に変更された。この頃には、TPAOのもとで活動していたイズミルとバトゥマン精製所と建設が続けられていたクッルカレ精製所はテュプラシュに引き渡されていた。


Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:清水 葉月 )
( 記事ID:856 )