トルコ訪問を希望するローマ法王へ政府からの正式回答はまだ(Milliyet紙)
2005年09月13日付 Milliyet 紙

トルコ政府がトルコへの訪問を希望している新ローマ法王に正式な回答ができないことへの背景には、“エキュメニカル”論争が巻き起こることへの懸念があるようだ。

政府は、11月にトルコを訪問する意向を1カ月も前から表明しているローマ法王ベネディクト16世に対し、返答に窮している。
ローマ法王はトルコを訪問中、アヤソフィアでミサを開くことを希望し、そのため正式な招待には政治的な判断が必要だとする考えを表明したのに対し、外務省はそのような主張には根拠がないという見解を明らかにした。

■「ローマ法王訪問は重要」

訪問日程の件でバチカン政府と話し合ったことを初めて正式に認めた外務省スポークスマンのナムック・タン氏は、「トルコ政府としては、ローマ法王の訪問を大変重要視している。日程については現在調整している。詳しいスケジュールについては現段階では何も決まっていない」と述べた。
コンスタンティノープル総主教庁のバルトロメオス総主教が7月にローマ法王を招待した後、トルコ政府も公式招待を行い、バチカン政府も8月の始めに出した回答の中で11月28日から30日の間、トルコを公式訪問できると伝えていた。しかし、その後1カ月が経過したにも関わらず、トルコ政府はバチカン側の希望する日程に“イエス”の回答を示さずにいる。
舞台裏では、ローマ法王のトルコ訪問の真の理由が11月30日の東方正教会の聖アンデレの日を祝うことであり、バチカン政府がこの日程に固執したことからトルコ政府は回答に躊躇しているという説が広がっている。バチカン政府がコンスタンティノープル総主教を“トルコ政府が認めていない「エキュメニカル(全キリスト教会の)」という形容詞で表現したことから、ローマ法王がコンスタンティノープル総主教庁を訪問することにより“エキュメニカル”論争が勃発するのを懸念していると言われている。
ローマ法王の訪問にトルコ政府が躊躇するもう1つの理由として、ベネディクト16世がローマ法王に選ばれる以前にトルコのEU加盟反対論者であったことが挙げられている。

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( 翻訳者:永井 ひとみ )
( 記事ID:857 )