「アメリカはイラクから撤退すべきでない」―エルドアン首相、米テレビで発言
2005年09月16日付 Milliyet 紙
米PBSテレビの番組にゲスト出演したエルドアン首相は、イラクの治安維持部隊が十分な力をつけないうちにアメリカ軍が撤退するのは好ましくないと述べた。
ニューヨークでの国連首脳会議に出席したエルドアン首相は、PBSテレビのチャーリー・ローズ氏が司会を務めるトーク番組に1時間にわたってゲスト出演した。以下は、エルドアン首相の様々なテーマについての発言を要約したものである。
・EU/キプロス問題:10月3日に加盟交渉が始まることについて私は不安を抱いていない。コペンハーゲン基準での政治的条件にキプロスの件は含まれていない。宣言をし、議定書へのサインも済ませた。現在南キプロスと北キプロスの間には国境がある。国内の国境問題を解決できていない国をEUに加盟させるというのは一体どういうことなのか?彼らは間違ったことをした。このことの代償をトルコに求める権利はない。
■政治的英雄
・EU加盟プロセスの始まりはアタテュルク:EU加盟がいつ決まるのか、定かではない。この計画は新しいものではなく、ガーズィ・ムスタファ・ケマル・アタテュルク以来のものだ。我々はこのプロセスを加速させながら前進させ、結果を出せるよう努力を払っている。共和国の歴史を鑑みると、建国者という点からも、踏み出した歩みの偉大さという点からも、アタテュルクは我が国の政治的英雄である。
・メルケルの言う通りにはならない:アキ・コミュノテール(EU法の総体系)には「特権的パートナーシップ」という定義は存在しない。(独CDU党首)アンゲラ・メルケル氏がそう言ったというだけで、ありもしない選択肢を我々が受け入れることはできない。このような選択肢がEU法体系の中にあれば、議論することができたかもしれない。しかし(特権的パートナーシップの議論は)試合が始まり、90分プラスロスタイムという段になって、ペナルティーの規則を変えるようなものだ。こんなことはあり得ない。
■キルクーク問題は慎重に
・アメリカはキルクーク問題に対して慎重に行動すべきだ:キルクーク問題は重要なテーマであり、過去には誤りを犯してしまった。同じ過ちを繰り返してはならない。(キルクークでは)ある民族集団が、他の民族を支配下に置こうとしている。目下キルクークを支配下に置こうとしている民族集団は、歴史的に見てキルクークと何のつながりもない。アメリカも慎重に行動する必要がある。
・PKKに対する具体策が講じられなかった:我々にとって北イラクでの最大の問題は、PKKが拠点を確保していることだ。この点についてブッシュ大統領やライス国務長官、パウエル前国務長官と話し合った。我々と同じ考えだと彼らは言ったが、この問題で具体策は講じられていない。トルコとアメリカは、アフガニスタンで互いに協力し合ったが、アメリカが我々のテロとの戦いに同様の支援をしないことが、時としてトルコ政府の国民に対する立場を困難なものにしている。
・アメリカはイラク軍が十分な力をつけないうちに撤退すべきでない:隣国の首相として、イラクの治安維持部隊、つまり軍隊や警察が十分に機能し、彼らが事態を収拾できるようになる前に、連合軍が撤退することは誤りだと考えている。撤退の議論は自己統治能力が備わったときだけだ。
現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る
( 翻訳者:塚田真裕 )
( 記事ID:884 )