神学校の扱いめぐり駆け引き:ギリシャ正教会とアルメニア正教会(Milliyet紙)
2005年09月18日付 Milliyet 紙

ギリシャ正教会とアルメニア正教会は、必要とされる宗教家の育成に関して意見が分かれた。

ギリシャ正教会は、ヘイベリ島神学校を独立させるとともに、高等専門学校と同格ながらどの大学からも独立した教育を行うことを求めている。一方アルメニア正教会は、イスタンブルにある国立大のうちの1校の付属機関であるべきだと主張している。
アゴス新聞は今週号で、ギリシャ正教会のバルソロメオス総大司教とトルコ・アルメニア正教会総大司教のメスロブ2世が今月10日に会い、この件に関して話し合ったと報道した。会談後、2人の大司教が別々に会見したと伝える同紙によれば、メスロブ2世の会見内容は次の通り:
「アルメニア正教会は、イスタンブルにある国立大学のうちの1校で比較神学のコースが開かれ、このコースを通じて少数派の教団に宗教家を養成する機会が与えられるよう提案した」。
一方、ギリシャ正教会は、アルメニア正教会の提案は自分たちには合わないと述べた。同教会のは次の見解を示した:
「ヘイベリ島にある神学校は、1971年以前と同様の形で運営されることが望ましい。国民教育省の管轄下ながら、独立した存在でなければならない。どこかの大学の付属機関となることは望んでいない。高等専門学校と同格の職業学校として運営されるべきだ。アルメニア正教会には聖職者養成の学校がない。彼らを受け入れてもよい」。
トルコ東方正教会のスポークスマンであるセブギ・エレネロル氏はアルメニア正教会の提案を支持した。
「イスタンブル大学またはマルマラ大学の神学部の中に、キリスト教徒のために特別な学科が設けられるべきだ。聖職者不足はこうした形で対応できる。ギリシャ正教会は自らをエキュメニカル教会(キリスト教の世界教会)だと主張しているためこれに同意しないだろう。神学校が独立した国際的な宗教家養成機関になれば、ギリシャ正教会も国際的な存在となるだろうから」。

■キリスト教コース

トルコに住む少数派に関する著作で知られる新聞記者のアイトゥンチ・アルトゥンダル氏は、神学校は閉鎖されなかったとし、次のように述べた。
「神学校はギリシャ正教団により無期限の休校状態となったのであり、政府が閉鎖した訳ではない。国立大学の1つにキリスト教コースを創設することは可能だが、EUは教団直属の学校となるよう望んでいる。教団は、神学校のカリキュラムに外部から横槍が入ることを望んでいない。カリキュラム制定を教会の“内政権”と考えているからだろうが、そこで提供されるカリキュラムは統一教育法(Tevhidi Tedrisat Kanunu)に反する。女子生徒を受け入れていないからだ。しかしトルコには世俗的な教育がある。さもなければイマーム・ハーティプ高校も女子生徒を受け入れないだろう。これはローザンヌ条約に反する」。

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( 翻訳者:坂 泉穂 )
( 記事ID:890 )