30歳のダーデレン氏、ウエートレスから国会議員へ(Milliyet紙)
2005年09月21日付 Milliyet 紙

30歳のセヴィム・ダーデレン氏は、ウエートレスやトイレ掃除の仕事も経験した。その頃まず労働組合活動に、次いで政治の世界に足を踏み入れた。そして若くしてドイツの国会議員となった。

ドイツの連邦議会議員選挙で左派党から初当選した30歳のセヴィム・ダーデレン氏は、博覧会やカフェでウエートレスをしたり、トイレ掃除の経験もあると語った。初出馬で当選を果たし、一方でケルン大学法学部の学生でもあるダーデレン氏は、16歳から今までずっと働きながら勉学を続けてきたことや、6人兄弟の中で唯一大学教育を受けたことを明らかにした。同氏は本紙の質問に次のように答えた。

■13年間の政治活動

Milliyet-選挙の勝因は何ですか?どういう人物なのか皆関心を持っています...

Dağdelen-家族や兄弟のためではなく、私たち人間一般の抱える問題の解決を訴えて選ばれた。これは政治の世界に足を踏み入れた理由でもある。国民が私がどのような人生を送ってきたかを知る必要はない。ただ1人の若者として、若者に手本を示すことはできるかもしれない。私を含め若い世代が政治や社会の情勢に一層関心を持つことや、移民の諸権利を保護することは重要だ。私は13年間政治活動をしている。しかし選挙後、「若い女性」であることがクローズアップされる。家族がエルズィンジャン出身であることや、6人兄弟であることなどもそうだ。しかし私は、我が党が何を要求しているかが伝えられ、移民の権利追求闘争や政治闘争への参加が促されることを望んでいる。

M-どのような家庭に育ったのですか?

D-子どもの多い労働者家庭の生まれです。エルズィンジャンからイスタンブルへ、さらに1973年にドイツへ移住した労働者家庭の子どもとして生まれました。上から3番目で、ドイツに来て初めての子どもでした。

■働くことは、立派なこと

M-政治への関心はどのように持ち始めましたか?

D-学生時代にゾーリンゲンやロストック、メルンで起こった人種差別的、ファシスト的な攻撃や虐殺の影響を受けた。ゾーリンゲンで5人のトルコ人が火を付けられているにもかかわらず人々がそれを傍観している姿にも影響された。アメリカによる湾岸戦争の際にはデモ行進に参加した。政治活動は16歳のときに始めた。石油のために人々が死んでいくことに目を背けることは決してできなかった。

M-家族はどのような反応をしましたか?

D-私を支援してくれた。ただ、家族は私が大学を卒業することを望んでいた。家族のなかで大学に行った唯一の子どもが私だった。しかし家計は苦しかったので私は働かざるを得なかった。父は早くに退職していた。私は働きながら学校に行った。両親に負担をかけないよう、16歳からデュッセルドルフ空港で清掃員として働き始め、そこで母親と一緒に働いていた。労働組合に入ったのもそのときだった。清掃員から国会議員へと報道されているが、このことを私はまったく恥じていないし、隠すつもりもない。飛行機も掃除したし、そのトイレもだ。だから私は労働者が汗を流して稼ぐお金を蔑んだりしない。額に汗してお金を稼ぎながら、家族に負担をかけまいと働いた。労働者が働くことや、お金を稼ぐことは立派なことだ。

■搾取とは何かを知っている

M-なぜ左派を選んだのですか?

D-16歳のときから労働や搾取が何であるかを知っている。これらを家族からも感じ取った。父方のいとこが鉱山で働き癌になったことや、働いたのに報酬をもらえなかったことを大変不愉快に感じた。私は勤め先で労働組合員になった。

M-ご家族はどんな職業につくことを望んでいましたか?

D-母は心臓に持病があるため医者になることを、父の方は、労働者の権利を守るため弁護士になることを望んでいた。父は大学が少し長いと怒っていた。

M-なぜ法学を学んでいるのですか?

D-ここで生活しているトルコ出身者は自分たちの問題を解決できるよう努力しなければならない。トルコ政府は我々をいつも“外貨製造機”のように見て、問題を解決する姿勢を見せなかった。本来はここの人々の問題にも目を向けるべきだ。

M-トルコには行っていますか?

D-1997年にドイツセンター学生代表機構執行部のメンバーだった。トルコで新聞記者のメティン・ギョクテペ氏が警察官に殺されたのに、容疑者は罪に問われなかった。両親はこのような事件が起こったのでトルコ行きを反対したが、1997年にギョクテペ事件の審理に出席したヨーロッパからの代表団のメンバーの1人が私だった。トルコでギョクテペ事件に関する抗議集会にも参加した。

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( 翻訳者:栗林 尚美 )
( 記事ID:910 )