本日エジプトで初の大統領選挙(アル・ナハール紙)
2005年09月07日付 Al-Nahar 紙

■ 本日エジプトで初の大統領選挙
■ 最高裁が市民社会の監督を拒否

2005年9月7日付アル・ナハール紙(レバノン)HP1面

【カイロ:ジャマール・ファハミー】

 本日エジプトで行われる初の複数候補者による大統領選挙では、ホスニー・ムバーラク大統領が5期目となる次の6年間もさらに政権に留まるべく活動を続けている。この選挙を円滑に実施するためにエジプトの最高行政裁判所は、選挙の延期につながる他の法廷の判決を無効とし、政治的「協調」を他のあらゆる配慮に優先せざるを得なかった。

 最高行政裁判所では法廷を待機状態にしてあったが昨夜、法廷機構のメンバー全員が協議室から出てきて、第一級行政法廷が土曜日に出した2つの判決を取り消すことを求めた大統領選挙管理委員会の訴えを受け入れる判決を発表した。その2つの判決のひとつは、国内の法律団体が「選挙管理委員会の内外で」投票作業を監視することを可能とする判断を下していた。もうひとつの判決は、ムバーラク大統領の対立候補9人のうちの1人であるアラブ社会主義エジプト党のワヒード・アル=アクサリー候補を党首資格をめぐる対立の存在を理由に立候補の資格なしとした判決で、これは選挙を延期してそれまでの手続全てをやり直すことにつながる判決だった。

 最高行政裁判所の判決は、大統領選挙管理委員会の決定に対する異議申し立てについて審理を行う権限が行政司法当局にはないとの判断を下したものだったが、同最高裁は政治的配慮の決定的影響について明確に示すため、国民投票に代えて選挙によって大統領を選出するよう定めた憲法第76条改正条項を再検討すべきとの前例のないアピールをこの判決に盛り込んだ。判決の中で最高裁は「行政上の決定に対する司法の監督を免除するにあたっては、憲法上の確固たる原理原則に立ち戻るとの前提に立ち、憲法第76条の条文を真剣に再考することを立法者に要請する」と述べた。

 これにより最高裁は、憲法改正条項を強く批判している政界および法曹界の声に加わることになった。これらの批判は、大統領職をめぐる競合への参加を望む者全員に課される無理な条件に関しても、なかば政府寄りの大統領選挙管理委員会の決定をいかなる方面からも異議申し立てを受けつけないものにしたことで、同委員会に絶対的権力を与えた改正内容に関しても批判している。

 また昨日はさらに複数の司法判決が下された。これらの判決は選挙の合法性への疑いを高め、あらかじめムバーラク大統領の勝利が予め確定している結果の発表を受けて、結末の分からない事態の展開を警告するものである。行政裁判所第一級法廷は、大統領選挙管理委員長の決定に対する行政裁判所裁判官16名の異議申立てを受け入れる判決を下した。その委員長決定は、選挙監視を担当する裁判官のリストから彼らを外すというものであった。彼ら16名は、民主化および司法の行政からの独立を求める裁判官らの運動の中で、政府が最も頑固で活動的だとみなす2,000人以上の判事のうちの16名である。判決では、選挙管理委員会には同委員会の監督に当たる裁判官のリストを作成する「権限がない」こと、また、選挙管理委員会が「最高司法評議会のみが有する管轄権を侵害した」ことが述べられている。

 この判決が出された直後、異議申立てを提出した裁判官らは選挙管理委員会の本部へ向かい、委員長であり憲法裁判所長官であるマムドゥーフ・マルイー判事に判決文書の公式コピーを手渡し、その内容を実行し、彼らを選挙を監視する裁判官のリストに加えることを要求した。

 一方でエジプトのアフマド・アブー・アル=ガイト外相はエジプト大統領選挙によって「中東の他の国々に良い影響があるだろう」とみなし、エジプト判事協会のザカリヤー・アブドゥルアズィーズ会長は、選挙管理委員会の監視を委任された判事たちから数多くの訴えがあったと発表した。その中には、一回以上投票に参加できないように投票者が投票を行った後で指を浸すことになっている消えないインクの包みを、当局が彼らに渡さなかったというものもある。アブドゥルアズィーズ判事は、こうした振舞いが政府に透明で公正な選挙を認める意志があるのかどうかという「疑いの扉」を開くことになると主張した。



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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:843 )