イラクで戦争以来最大の人的大災害(アル・アハラーム紙)
2005年09月01日付 Al-Ahram 紙
■イラクで戦争以来最大の人的大災害
バグダードで、テロ攻撃の噂でアル=アインマ橋に人が押し寄せ死者816人
衛生相、事故の責任を取って内相と国防相の辞任を要求
【バグダード:ムハンマド・アル=アンワル】
自爆しようとしている者がいるという流言によって引き起こされた恐慌状態から、チグリス川に掛かるアル=アインマ橋に数百人のシーア派信者が押し寄せたために起きたイラクの恐るべき人的大災害で、少なくとも965人が死亡し、その数は少なくとも千人まで増えるとみられている。死者の多くは女性と子供だった。この他に465人が負傷した。
イラクのバーキル・スーラージュ内相は、流言が流れたことの裏にはテロリストがいると述べた。同時に、イスラム革命高等評議会のアンマール・ハキーム氏とシーア派の指導者、ムクタダー・アル=サドル氏のスポークスマン、アブドゥルハーディー・アル=ダッラージー氏は、流言を広めて事故を起こしたかどで、イスラム過激派とサッダーム・フセイン前大統領の支持者を非難した。イラクのイブラーヒーム・アル=ジャアファリー首相は、犠牲者を悼んで三日間の国喪を発表した。
アメリカのイラク侵攻以来同国にとって最悪の日であると思われるこの悲惨な事故は、イマーム・ムーサー・アル=カーズィムの亡くなった日を記念するため、バグダード北部のアル=カーズィミーヤ・モスクへ向かうシーア派信者数十万人が橋を渡っている途中で起こり、雑踏の中に自爆者がいると言う流言が広まって人々は恐慌状態に襲われ、走り始めたことで数百人が倒れた。
イラク内務省筋は、犠牲者の多くは溺死、または踏まれて圧死した女性と子供であると述べた。
首都バグダードの全ての病院では緊急事態が宣言され、国民には献血が呼びかけられた。現場には隣接する地区、特にスンナ派が多数を占めるアル=アアザミーヤ地区から数百人が負傷者の救護、遺体の収容、多数の溺れている人の救助のために駆けつけ、自家用車で一番近い病院へ搬送した。
この事件に先立って、アル=カーズィミーヤ・モスクの参詣者の雑踏を狙った爆弾による三件の散発的な攻撃で、シーア派信者が7人死亡、35人負傷していた。
イラク・テレビが報じた声明では、アブドゥルムッタリブ・ムハンマド衛生相が事件の責任は内相、国防相にあるとし、辞任を要求した。
衛生省のアーディル・アブドゥッラー検査官は、多くの犠牲者が出たことの原因を治安上の理由で多くの橋が封鎖されていたことに帰し、アル=アインマ橋はシーア派信者に唯一(通行が)許されていた橋だったと述べた。
さらに、橋を渡るほとんどの人が歩いて渡っており、彼らが渡り終える前に橋の両端を閉鎖した後にこの事故が起きており、片方の端に人が集中したことから転倒が発生したと付け加えた。
アッバース・アル=ラビーイー氏は、殉教者サドル事務所から、アメリカ軍に道路封鎖によって事故を引き起こした責任があり、同様に内務省にも責任があると伝え、イラク国民に団結を求めた。
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( 翻訳者:村山誓一 )
( 記事ID:845 )