■ 本紙独自取材「アフガニスタン総選挙」
■ アフガン国民は投票によって国の未来を決定する
■ 政党不在の中、民族的・宗派的要因が先行
2005年9月19日付アル・ナハール紙(レバノン)HP1面
【カブール:サウサン・アブー・ザフル】
厳戒治安体制の下で、各都市の入り口が土曜日の夜以来閉鎖され、6千人の国際監視員が見守るなか、衆議院の議員を選出するためにアフガニスタンの有権者たちは投票所へ向かった。それは30年間以来初めての一歩であり、ハミード・カルザイ大統領はこれを「アフガニスタンの未来のための決定、アフガニスタンの運命のための決定」と評した。
憲法制定と大統領選出が既に終わっている今、この選挙によってボン会議でその基礎が築かれた政治プロセスが完了する。しかし、ある高官が述べたように、「すべて」が必要なアフガニスタンの前にある道のりはまだ長い。与党勢力と野党勢力はともに、民族的・宗派的要素を軽視しているが、パシュトゥーン人とタジク人の間の民族的対立、スンナ派とシーア派の宗派的対立は投票に影響した。候補者たちは個人単位で選挙活動を行い、政党は何の役割も果たさなかったからである。
■ 夫たちの権力
カブール市中心の学校にある投票所への通りには人気がなく、ほとんどの商店が閉まっていた。投票所には厚紙のついたてが置かれ、武器の持込みを禁止する貼紙が貼られており、投票に来ている女性は男性よりも少なかった。ある有権者は「女性に票を入れるかも知れないけれど、男性の候補者のほうがいい」と語った。
我々は有権者と話をするために英語に長けた選挙管理委員の助けを借りることが出来たが、女性が投票に来たときには事は困難を極めた。英語の理解できる女性の選挙管理委員を見つけるのも、我々と話をしてくれるよう女性たちを説得するのも大変であった。我々が投票所への入場の許可を受けていると知りながら、投票所から出て行くよう求める男性警備員さえいた。
黒いチャドルを身につけた3人の女性は記者たちのインタビューを配偶者たちに禁じられているため、我々と話すことを拒否した。彼女たちはただ親戚の中から立候補した人を選ぶために投票所へやって来た。顔をすべて覆う伝統的な青いブルカに比べて視野が広いからと、チャドルを着用している理由を説明した。
一方で、投票所にいた19歳のある少女は、家族の人々が選挙に参加するよう勧めたと述べた。そして少女は、選挙は「秘密選挙だから」といって投票する候補者の名を明かさなかった。彼女は、候補者を選出するのに十分な政治的意識を自分は持っていると考えていた。
(抄訳)
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( 翻訳者:豊泉麻衣子 )
( 記事ID:904 )