シリア大統領カイロ訪問 エジプト政府、シリアの孤立化に反対(アル・ナハール紙)
2005年09月26日付 Al-Nahar 紙

■ シリア政府、対レバノン関係と国際捜査フォローアップのため「危機対策集団」設置
■ エジプト政府、シリア孤立化に反対 メリス捜査委への協力をシリアに勧告

2005年9月26日付アル・ナハール紙(レバノン)HP1面

【カイロ:ジャマール・ファフミー】
【ダマスカス:シャアバーン・アッブード】

 シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は昨日、カイロへわずか2時間の訪問を行い、エジプトのホスニー・ムバーラク大統領と会談した。エジプトの情報筋によると、ムバーラク大統領との会談の結果、アサド大統領は、この2週間強まってきているアメリカのシリアに対する圧力に対抗するためのアラブの支援をとりつけたと見られる。エジプトはその手始めであり、サウジアラビアの首都リヤードでもこうした動きが見られることになるだろう。

 エジプト大統領府のスライマーン・アウワード報道官が発表したところによると、ムバーラク大統領はアサド大統領に対して、エジプトは「シリアの孤立化」に反対であると言明し、シリアの安定が揺るがされれば地域の安定に多大の悪影響を及ぼすことになると関係各国に伝えたことを明らかにした。また、中東地域は「緊張の源となる場所に満ちており、これ以上は無用だ」と一度ならず繰り返し、アメリカ合州国がイラクにおいて直面している困難な状況に間接的に言及した。

 しかしムバーラク大統領はアサド大統領に対して、レバノンのラフィーク・アル=ハリーリー元首相暗殺事件に関するデトレヴ・メリス率いる「国際捜査委員会への全面的協力を継続」するよう「奨励」したという。またシリア政府が現在に到るまで捜査委に対して「全面的に好意的な協力姿勢」を見せていることを称賛した。

 アウワード報道官は、国際捜査の結果について結論を急ぐべきではないと述べ、「シリアに対して拙速に非難の矛先を向けるのは大きな間違い」だと述べた。また、来る10月21日に「メリス委員長が国連に報告書を提出する以前に憶測に走ったり」、どの方面にであれ非難を向けるのは「賢明なことではない」と述べた。

 またアウワード報道官が示唆したところによれば、ムバーラク大統領はアサド大統領に対して、レバノン内政問題への対処方法を変更すべきだというエジプトの意思を明確に伝えたという。なかんずくシリアが[レバノンの]エミール・ラッフード大統領との結びつきを顕示しつづけていることに関連して、アウワード報道官は「ムバーラク大統領はシリア・レバノン関係の安定と正常化に関心を抱いている」と述べた。

 またアウワード報道官は、対シリア圧力の緩和に向けてエジプトとサウジアラビアの仲介が行われているとの説については明言を避け、「我々は仲介やイニシアティヴについてはあまりお話ししたくない」述べた。一方、情報筋が本紙に明らかにしたところでは、「シリア大統領のカイロ訪問は、シリア体制に対する包囲網の形成を阻止するための国際的ヴィジョンと行動計画を成熟させるために最近カイロ・リヤード・ダマスカス枢軸の周辺で活発に交わされている協議や接触の頂点において実現したものである」とのことである。

(後略)



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( 翻訳者:森晋太郎 )
( 記事ID:948 )