メリス捜査委がシリアで捜査開始 シリア闇市場ドルへ殺到(アル・ナハール紙)
2005年09月21日付 Al-Nahar 紙

■ 携帯電話回線会社の4人を情報隠匿と文書偽造の罪で逮捕
■ ダマスカスの街角では不満の声、人々はドルに殺到
■ メリス捜査委がザバダーニーで仕事を開始、夜にはレバノンへ帰還

2005年9月21日付アル・ナハール紙(レバノン)HP1面

 殉教者ラフィーク・アル=ハリーリー元首相暗殺事件の国際捜査は、国際捜査委委員長デトレヴ・メリス裁判官がようやく昨日シリアに移動するとともに新たな段階が始まった。4人の治安機関高官の尋問が予定されており、3~4日かかる見込みである。この展開がメリス捜査委の側にとって重要な要素だとすれば、シリア一般のレベルではメリス氏を取り巻く注目のありようは、様々な形をとった期待や不安を物語っている。アラブのメディアや国際メディアが注目したシリアの街角での反応には、不快感や、今後数日間の捜査で明らかにされる事柄に対する不安が反映されていた。

 経済の面では、闇市場でドルへの殺到が起きたことを受けて、ドルに対してシリア・ポンドが圧迫され、公的介入が求められる状況となった。昨日シリアの経済問題担当副首相アブドゥッラー・アル=ダルダリーはこれについて声明を発表し、シリアは米ドル為替レートを「闇市場でのレート以下」に制限すると述べた。記者会見で経済問題担当副首相は、闇市場で現在55シリア・ポンドであるのに対して銀行でのドル・レートは「54シリア・ポンドになる」と説明した。

 また経済問題担当副首相は、シリアには「不安を感じる要素はない。それゆえメリス委員長のチームのような専門家の捜査チームへの全面協力に同意したのだし、同意している」と述べた。また「メリス委員長は、シリア高官と証人として話をすることになる。従ってメレス委員長は、誰にも尋問はしない」とも述べ、「シリアにとって重要な利益となるのは、(レバノンのハリーリー元首相暗殺について)真実への到達がなされることだ」と付け加えた。

(後略)



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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:965 )