トルコ航空、整備不良の飛行機で22回のフライト(Milliyet紙)
2005年08月25日付 Milliyet 紙
民間航空庁(SHGM)は、最近3カ月で12の航空会社に合計約3万4千リラの罰金を科した。2万1千リラで12社中最高額の罰金を命じられたトルコ航空(THY)は、飛行に適さない飛行機で22回もフライトを行っていたことが判明した。
検査をより厳格にしたSHGMは、驚くべき事実に直面した。検査の結果、THYが飛行に適さない飛行機でたびたび運航を行っていたことが明らかになった。SHGMの運航部と点検部が科した罰金について、6月15日に第13040号、7月14日に第15434号の2つの報告書が提出された。点検部の報告書には、航空会社が重要な箇所の点検を必要な時に行わなかったと記された。
■12の航空会社に罰金
罰金を科されたのは、THY、オヌル・エアー、フライ航空、アトラス・ジェット、MNGなど12社で、罰金の総額は3万3千966リラ。THYの罰金は12社中最高額となる2万1千120リラで、うち7千634リラは飛行に適さない飛行機で22回運航を行ったことに対して科された。報告書は「残りの罰金は航空会社が許可されていない危険物質を運んでいたことと、SAFA(トルコ国内の航空会社に課される飛行前点検)が不十分だったことによる」としている。THYに次いで2番目に罰金額の大きかったのはオヌル・エアーで、飛行機の操縦を免許証を持たない者にさせたことで2千82リラ、整備の遅延があったことで347リラの罰金を受けた。また3番目はインター・エクスプレス航空で、SAFAが不十分だったことによる罰金2千82リラだった。SHGM高官は、各社とも罰金を支払ったことを明らかにしつつ、検査と罰金が日に日に増えていると述べた。
■飛行禁止も
SHGM高官は、民間航空業法の規定によれば、飛行機1機の(整備不良による)故障に対し1回のフライトで最高347リラの罰金が科されうると言い、「不良箇所が増せば罰金額も増す。同一の飛行機で2つの不良箇所が見つかればこの額は694リラに上がる。必要な処置を講じなければ、オランダが行ったような飛行禁止措置も取る可能性がある」と述べた。
■処罰はより厳しく
ビナリ・ユルデュルム運輸相は、THYが飛行に適さない飛行機で22回の運航を行ったことに関し、「どの会社であれ、こうした行為は認められない。決まりに従わないものが誰であろうと我々は必要な処置を講じる」と述べた。航空会社に科した罰則は覆らないと話すユルデュルム運輸相は、各社の経営者は旅客の生命と荷物の安全を脅かす行為を行ってはならないとし、処罰の厳格化に向けた取り組みを行っていると述べた。
■パイロット協会:点検は後手後手
トルコパイロット協会のツナ・ギュレル会長は、航空会社が点検作業を遅らせていることや、飛行機同士で部品の交換を行っていることを明らかにした。
故障時のために格納庫に予備の部品を備蓄しておくシステムが構築されていると話すギュレル会長は、次のように述べた:「点検には非常にお金がかかる。すべての部品の予備を何十個も用意しておくことはできない。会社側は格納庫に重大かつ緊急を要する修理のためだけに必要な部品を保持している。重要でない部品の故障の際には製造会社から調達している。すべての部品を点検したり予備部品を備蓄することになれば、どの会社も財政面から運航できなくなる。それほど点検には費用がかかるからだ」。
■検査官不足
飛行機を定期検査に出すことが義務付けられている会社は、その期間が長いため、特に夏の間乗客を失うまいと点検を延期させている。SHGMは技術要員が民間企業に流出しているため、最近は検査に支障をきたしている。このため民間航空業法の改正案では、検査する権限を航空会社に認め、必要があればこれらを取り消したり棚上げして検査を担う専門組織を立ち上げることを想起している。改正案によれば、技術要員不足は専門組織で職務を行い必要な教育を受けた、国際便の運航ができる免許を持った人を任命したり契約社員を導入することで解消できるとしている。技術検査官には公務員としての月給のほか、閣議で決定された割合で追加報酬が支払われる。この額はもっとも高い国家公務員の月給の額面の200パーセントを超えない範囲で民間航空業検査手当の名称で支給される予定。しかし6月に国会を通過した法案は、専門組織に派遣されるものの法的身分が明確でないとの理由でセゼル大統領により拒否された。
航空セクターが短期間での拡大が技術基盤の不十分さを招いたと語るユルデュム運輸相は「我が国の航空産業は短期間に拡大した。(もともと公務員だった)熟練した要員は民間企業に流出した。新しい民間航空業法を施行するつもりだったが、大統領に拒否された。国会が開会するやいないや法案を再度提出するつもりだ。法案は人員を強化するための重要な一歩となるであろう」と述べた。
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( 翻訳者:山 雄起 )
( 記事ID:747 )