ムバーラク大統領「中東を穏健派と過激派に分ける考えを拒否」(アル・アハラーム紙)
2006年10月06日付 Al-Ahram 紙
■ムバーラク大統領、記者会見での声明「我々は中東地域を穏健派と過激派という二つの機軸に分けることを拒否する」
■ ヨルダン川西岸とガザ地区で新たな評議会選挙実施か
2006年10月6日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
ホスニー・ムバーラク大統領は、中東地域において穏健派を含む新たな枢軸が形成されつつあるという考えは正しくないと強調し、最近エジプト、ヨルダン、湾岸協力会議諸国の外相と会談したコンドリーザ・ライス米国務長官がそもそもこの問題を提起したとの見方を否定した。
ムバーラク大統領は「ウスブーウ(週間)紙」のムスタファー・バクリー編集長とのインタビューに答え、「エジプトは中東諸国を穏健派と過激派に分割する考えを拒否する」と述べ、アラブの再統一や対立の放棄を目指す政策を堅持し、現在中東地域が直面している諸問題の解決に努力し、戦争や脅迫によらずに安全と安定を実現すると強調した。
また大統領は、米国務長官との会談を通してイランとの平和的な問題解決の必要性を改めて確認したと述べ、中東からの大量破壊兵器の一掃を目指す自らの主導的立場を指摘した。さらに大統領は米国務長官に対し、武力の行使が中東地域の安全と安定に及ぼす危険性について説明したとも述べた。
大統領は、中東地域は困難で深刻な状況を経験しているが、自分はいつでも平和的な選択を通しての問題解決の側に立つと強調した。
また大統領は、パレスチナのマフムード・アッバース大統領に対し、パレスチナ各派すべての間での合意へ到達するための行動をとることで問題の解決を保証し、パレスチナ人民が現在苦しんでいる封鎖を終わらせるよう伝えたという。
またエジプトはファタハとハマース間で悪化する一方の治安状況を食い止めるため最大限の努力をしているとも強調し、「現在パレスチナで続けられている努力は、二勢力間に存在する危機への解決策として、新たな評議会選挙を実施するという結果に行き着くこともありえる。エジプトはパレスチナが挙国一致政府樹立に到達するため大きな努力をしたものの、この努力はパレスチナ内部の対立によって阻まれてしまった」と述べた。
次にレバノンとシリアの状況についてムバーラク大統領は、「現在エジプト-シリア間で連絡が続けられている。エジプトはシリアとその治安を守り、シリアの体制崩壊へと導きかねないいかなる試みも拒否する」と述べた。
またダルフールの状況については、「米国務長官には国際部隊のダルフール入りとこうした内政干渉の結果起こりうる事態を拒否するスーダン政府の立場について既に伝え、この問題に対する平和的な解決への到達を可能にするためにアブジャ合意に署名していないダルフールの諸勢力全てに対しワシントンが働きかける必要性を求めた」と語り、ムバーラク大統領はスーダンにおける治安の重要性と、それがエジプトの戦略的治安にも関係することを強調した。
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( 翻訳者:田中裕子 )
( 記事ID:3671 )