イラクで燃料危機が再燃か?!(サバーフ・ジャディード紙)
2006年10月02日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ 石油省関係筋:「現在の燃料危機は一時的なもの」

2006年10月02日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【バグダード:アリー・ジャースィム】

ガソリンと燃料の危機が再び頭をもたげ、ガソリンスタンドへと続く車の列が戻ってきた。運転手達がガソリンを求めての新たな“回遊”に備える一方、危機の可能性が再び囁かれ始めた。
一時はガソリンの価格が1リットル当たり2000ディナールにまで上がり、燃料価格の高騰が疲弊した家計を苦しめたが、その危機的状況はあっという間に過ぎ去り、ここ数週間はガソリンスタンドもがらがらで、私家発電所の経営者達もほっと一息ついたばかりだった。

いくつかのマスコミに流された情報によれば、こうした状況は近隣諸国からの石油製品輸入に生じた問題に起因しており、その裏には政治的な背景があるらしい。

石油省関係筋は石油製品の供給が危機にあるとの見方を否定し、ここ二日間のガソリンスタンドの混雑は当然のことで、その原因は数日にわたり政府から出されていた外出禁止令の後、ガソリンを入れようとする車の数が増えたことに加え、市民が自分の車にガソリンを入れるだけでなく、自家発電用にもガソリンをタンクに詰めていることにあると見なした。同筋はこうした人出が増えたことがガソリンスタンドの行列につながったのだと指摘した上で、この危機的状況は一時的なもので、2,3日もすれば解消すると明言した。

一方、石油輸出を停止すると脅している国々をめぐる報道に関しては、不正確でなんら根拠がないとして、こうしたマスコミ報道は危機の再燃を目的とした単なる噂に過ぎないと強調した。

さらに同筋は、未だ複数の諸国からの石油輸入は続いているし、石油省には非常事態に備えた大量のガソリン備蓄があるとも指摘した。
さらにガソリンの安定供給についてはもう一つ重要な要素があり、それは精油所やガソリンスタンドを動かすために欠かせない電力の供給であると明かした。
また「フセイン・アル=シャフラスターニー石油相は一昨日、石油生産能力の向上を目的としたイラン、トルコ、クウェイトとの間での合意を通じた油井の発展計画を発表した」と付け加えた。


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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:3672 )