外国人記者の目からみたイスタンブル(Milliyet紙)
2006年10月10日付 Milliyet 紙

イスタンブルはある者にとっては「救世主」であり、またある者にとって「魔法のよう」であり、「謎のよう」なところである…「都市の魅力を味わいつくした」外国人記者から、イスタンブルについてどう感じたかを取材した。彼らはどんなことを話したのだろうか…。

 キュルテュル出版社から、「外国人記者の目から見たイスタンブル」という本が発行された。これには、イギリス、イスラエル、パレスチナ、韓国、アゼルバイジャン、そしてイタリアといった国々から23人の新聞記者による、この歴史的都市に対する印象や考えを反映した文章が掲載されている。

■この都市に生きる人々はそれぞれがこの世界の同胞だ

「海が香る我がイスタンブル」ギュララ・イェニセイ(アゼルバイジャン)
 「イスタンブルで一度暮らした者には皆、イスタンブルのおとぎ話が隠されている。このおとぎ話は現実の生活のように悲しみで満ちているが、それだけではなく、魔法にかけられた側面がある。イスタンブルもこのような都市なのだ。魔法があるのだ。(イスタンブルは)全ての困惑や混乱の傍ら、皆に魔法をかけ、イスタンブルの虜にさせるのである。」

「2都市の話―イスタンブルとエルサレム」バシャル・カドミ(パレスチナ)
  「エルサレムとイスタンブルはお互いに非常に似ており、同じ母から生まれた2人の子のようである。道路、建築、暮らしている住民、モスクなどよく似ている。エルサレムにおいて心に平安を与えてくれたセラハッディンは、トルコで言うと征服者メフメト2世ということになるだろう。」

「魔法にかかった都市」サンドロ・トゥッチ(イタリア)
 「イスタンブルには、自信と前進という言葉が西洋化と同等の意味で受け取られていた時代とは反対に、今日では都市固有の遺産を守ろうとする文化的な覚醒がある。」

「イスタンブルは我々の救世主だ」インドラ・ジャスコ・ボジャドツィッキ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)
 「イスタンブルは我々にとって救世主である。祖国を炎で覆いつくした戦争から避難する場所を我々が探していたとき、イスタンブルは優しくその腕を伸ばしてくれた。」

「イスタンブルよ、お前のために私は震えているのだ」ジェロム・バスティオン(フランス)
 「都市は全て人間の手により建設された。だがイスタンブルは、そこに住む人間を形づくる都市である。この都市に住む者は、望もうと望まずともひとりひとりがこの世界の同胞なのだ。」

「私はこの都市から離れることなど考えられない」アスデ・アブデュル・コチャン(マケドニア)
 「私は4年間の予定でイスタンブルを訪れたが、この11年は冒険へと姿を変えていた。母親、そして新聞記者という職業による困難にも関わらず、自分の生まれた都市に帰れない理由がイスタンブルであることを私は分かっている。イスタンブルは私にとって未だになぞなぞのようだ。私はこのなぞなぞを将来解くだろうし、解かずしてここを離れるつもりはないのだろう。それほど、この都市から離れることなど想像できないのだ。



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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:3673 )