フランス議会のアルメニア人虐殺否定処罰法案にエルドアン首相反発(Milliyet紙)
2006年10月11日付 Milliyet 紙

エルドアン首相はフランス国民議会のアルメニア人虐殺否定処罰法案を受けてフランスとヨーロッパに対し反発を示した。首相は、法案によって中世の暗黒時代に戻ることを〔フランスは〕望んでいると述べ、「中傷と虚言を吐くような者は、自国の歴史を見てみるがいい。自国の歴史を省みる勇気があるなら、公正に人間性を追求すべきだ。わが国の歴史に宗教裁判はなかった」と語った。首相は昨日行われた公正発展党党会合で次のように述べた。

・理性の堕落:今日、フランスで内政の具としてトルコに対してなされたばかげた主張は真実にも理屈にも合わない。人々の苦難の末に成立したEUは、EU自身の未来の為にも、重要な加盟国フランスにおけるこの理性の堕落に対してなんらかの処置をとるべきだ。

・政治的失敗:トルコとアルメニア間の問題のために課題を探すことはいつからフランスの仕事になったのだ。もはや世界は植民地の兵営ではない。今月12日の誤った行動がトルコに変化を与えることは決してないが、フランスでは多くの変化をもたらすだろう。嘘を「嘘だ」ということを犯罪とみなすことに法律上の道理は一切ない。プロパガンダは真実を変えることは出来ないのだ。トルコとフランスのような2つの大国の関係を傷つけるこの誤った判断、この政治的失敗がパリから撤回されることを期待している。

・自分の歴史をよく見よ:もしも独断や偏見と戦うことなく、人類がこの方向に進歩を遂げることがなかったならば、二度の大戦を経て破壊されつくしたヨーロッパ諸国は、今日のように統合できたであろうか。20世紀にナイジェリア、セネガル、チュニジア、アルジェリア、モーリタニア、カメルーン、ギニア、チャド、ジブチ、ルワンダ、ベニンで何が起きたか、よく見てみるがいい。

・アルジェリア法案:わが党には、慎重な対応を勧めたい。「フランスはあんなことをした。それなら我々も同様の措置を」〔などという声には次のように答えよう。〕いいや、同じことはすまい。われわれは汚れでもって汚れをすすぐようなことをする人間ではないのだ。

・トルコに宗教裁判はない:われわれの歴史に宗教裁判はないのだ。暗黒の中世はなかった。植民地主義や植民地秩序、人種間戦争もなかった。昔、地球が平たい盆形であることを否定した人々が罪に問われた。今日、存在しないものを「存在しない」という権利が奪われるのは、あの時代に戻ることを意味するのではないか。「地球は丸い」といったコペルニクスやガリレオ・ガリレイのような知識人がいなかったら、ヨーロッパがこれほど発展することは可能だっただろうか。



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( 翻訳者:塚田真裕 )
( 記事ID:3681 )