アクサー殉教者軍団がハマース幹部処刑を警告か(アル・ナハール紙)
2006年10月04日付 Al-Nahar 紙

■ アクサー殉教者軍団、ハマース幹部を処刑すると警告
■ ベン・エリエゼル社会基盤相、ファタハのイスラーム主義者に対する勝利を希望

2006年10月04日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 パレスチナ自治区の治安状況が悪化する中で、事態を一層激化させかねない危険な動きがあった。「ファタハ」運動から派生した「アクサー殉教者軍団」の名による声明が発表され、イスラーム抵抗運動「ハマース」のハーリド・マシュアル政治局長とサイード・スィヤーム内相、マフムード・アル=ザッハール外相の兄弟である内務省所属執行部隊のユースフ・アル=ザッハール司令官には「(ガザにおける日曜日の)醜悪な虐殺の全面的な責任がある」として、彼らを処刑すると警告したのである。

 この声明についてアクサー殉教者軍団は公式に否定してはいないが、ヨルダン川西岸地区におけるファタハの広報担当であるムハンマド・アル=ハウラーニー氏は、声明がアクサー殉教者軍団の発表したものである可能性は低いとの見方を示し、政治家の暗殺は「越えてはならない一線を越えた行為である」と強調した。

 ハマースは声明に対する抗議のため、現在の危機に歯止めをかけるべくエジプト治安当局の代表団の後援のもとで今夜行なわれることが予定されていたファタハ指導部との会合を取り止めた。

 そうしたなか、パレスチナ大統領府と内閣、ハマースとファタハの間では政治的な非難合戦がつづいた。イスマーイール・ハニーヤ首相は「立法評議会選挙を早期に実施する」というアッバース大統領の考えに対して拒否の姿勢を示した。ハマースのムハンマド・ナッザール政治局員はダマスカスから「なぜ大統領選挙の早期実施を呼びかけないのか?」と疑問を表明した。

 パレスチナ立法評議会におけるファタハ系会派のアッザーム・アル=アフマド代表はハマースに対して、挙国一致内閣樹立の合意成立までに1週間の猶予を設定し、これを過ぎれば自治政府大統領は自らの権限を行使し「先ず第一に内閣を罷免することになる」と述べた。またアフマド代表は「ハマース指導部は自治区内部において決定を行なう権限を有していない」との見方を示した。

 イスラエルもパレスチナ内部対立に関与する姿勢を見せている。イスラエルのベンヤミン・ベン・エリエゼル社会基盤相はファタハがハマースのイスラーム主義者に勝利することを希望すると述べ、「私としてはハマースを弱体化させうる全てのことに対して安堵を覚えずにはいられない」と語った。

 またベン・エリエゼル社会基盤相は、「私は2年前からアブー・マーズィン[※マフムード・アッバース大統領の通称]に対して直接の援助を行なわねばならないと考えていた。パレスチナの穏健派勢力を支援するために可能なあらゆる行動をとるべきだからだ」と述べ、「我々の敵はパレスチナ人民ではなく、現在のところハマースが率いている政治指導部だ」と強調した。

 そうしたなかでイスラエル軍はガザ地区内の目標に対する空爆をつづけた。


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( 翻訳者:南・西アジア地域言語論(アラビア語メディア翻訳) )
( 記事ID:3693 )