ドルマバフチェ宮殿の宝物、初の国外展示へ(Milliyet紙)
2006年10月14日付 Milliyet 紙

オスマン朝の没落期を経て現在にいたるドルマバフチェ宮殿では、その豪華絢爛さとともに19世紀から今日まで残されてきた絵画と工芸品が初めて宮殿の外へ出されようとしている。130点近くの美術品は、宮殿創建150周年の祝賀行事の一環として、アラブ首長国連邦の首都アブダビで展示される予定で、2500万ドルの保険が掛けられる。
アブダビ文化財センター(ADACH)内のナツメヤシの間(アル=ナヒール展示室)において、11月1日から24日まで催される「ドルマバフチェ宮殿」展のオープニングセレモニーは、トルコ大国民議会のビュレント・アルンチ議長、アラブ首長国連邦のハリーファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン殿下によって執り行われる。

■費用は15万ドル

国家宮殿局の出版部長で編集者のオメル・ファルク・シェリフオール氏によれば、美術品の搬送のために運送会社が25個の特別な箱を用意したという。その箱には防水加工済みの木材が使われており、水・湿気を通さず、強度にすぐれ、不燃性だという。また同氏は搬送費用が5万ドルであることを明らかにした。
シェリフオール氏は、法律により3年前までは宮殿内の美術品を外部に持ち出すことが禁じられていたが、法改正により、国外展示への参加も可能となったと述べた。そしてドルマバフチェ宮殿展の開催場所として当初、アメリカが考えられていたが、全ての費用負担を条件付けられたため断念したことを明らかにし、次のように続けた。「アブダビ側は、全ての経費、すなわち保険、宿泊費、展示費用を負担してくださっています。先方が負担している費用は10万ドルを超えています。」

■展示予定の美術品

展示には、ファウスト・ゾナーロ、イヴァン・コンスタンチノヴィッチ・アイヴァゾフスキーなどの有名なオリエンタリスト画家や、オスマン・ハムディ、ヒュセイン・ゼカイ・パシャ、シェヴケト・ダー、スレイマン・セイト、ハリル・パシャ、ホジャ・アリ・ルザー、そして最後のカリフであるアブデュルメジト2世の絵画65点が展示される予定である。
アブダビへと搬送される65点の工芸品には、礼拝用の敷物、毛織り絨毯、カリグラフィー画、象嵌細工の施された椅子やチェスセット、花押が施された机、ターバン置き、モーゼル社(チェコ)の水差し、ゴブレット(脚付きグラス)、置時計、花瓶、コーヒーカップ、皿、花押付きの電話や皿、スプーン、お玉などもある。


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( 翻訳者:古瀬 由加里 )
( 記事ID:3698 )