チチェキ法相、刑法第301条は「改正不可」条項ではないと言明(Yeni Safak紙)
2006年10月17日付 Yeni Safak 紙

チチェキ法相はトルコ大国民議会の法務委員会会議に来たところで、トルコ刑法第301条に関する記者らの質問に答えた。

ある記者が「アブドゥッラー・ギュル外相兼副首相は、第301条は改正することが可能であると発言しました。政府にこのような動きはあるのでしょうか。こういった改正はいつになるのでしょうか。」と質問したことに対しチチェキ法相は、ギュル外相の発言をメディアで知ったと述べた。

チチェキ法相は、議論が当初から「第301条は改正されるべき、または改正されるべきでない」という不適切な観点で行われていると述べ、トルコの法律上、改正できない条項はどれであるかを以前説明したことを振り返った。

チチェキ法相は、憲法第1条、第2条、第3条と改革法に関する第174条(訳注:世俗主義を維持するための諸規定)は改正不可であると説明し、次のように続けた。
「そのようなわけで、改正不可の条項以外であれば、法令は改正できるのです。同様に第301条も何度も改正されてきましたし、ごく最近では我々が変更しました。したがって、第301条は改正できない条項ではないのです。しかし第301条に関連する議論は政治的な観点からは行われましたが、法的な観点からはまだ行われていません。法的な視点で議論がされないままであれば、この問題に対して出される答えも違ったものになります。」

■「EUは反対しなかった」

チチェキ法相は、結局のところ第301条がトルコ刑法の旧159条であることを振り返りながら次のように続けた。
「我々が手がけた改正法は、『批判を目的とした声明を罪としないことを第301条の全ての条項に盛り込む』という同意のもとに、EUと理解を深めながら、譲歩しながら施行されたのです。その際、EUはいかなる反対もしませんでした。このように改正が実施されたことで、誰もがトルコで自由が拡大したと考え、自由に関する重要な第一歩が踏み出されたと評価したのです。現時点でこの問題を法的に考えるのであれば、我々が到達するだろう結論は異なったものになりますし、また政治的に考えるのであればその結論もまた違うものになるでしょう。この問題をこんなふうに見る必要があります。トルコがかかえる基本的な問題は、どんな問題に対しても、自らの視点で、自らの専門分野で得られるデータをもとに議論していないことです。我々の問題はそこにあるのです。」


Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:3723 )