エジプト・シリア・パレスチナ諸勢力間で挙国一致内閣樹立に向けた連絡協議(アル・アハラーム紙)
2006年10月16日付 Al-Ahram 紙

■ パレスチナ挙国一致内閣樹立問題でエジプト・シリア・パレスチナ諸勢力が連絡協議
■ イスラエルはパレスチナの抵抗勢力に対する作戦拡大を警告
■ オルメルト首相「アッバース大統領との会談開催の準備は中断された」
■ 在米反イスラエル勢力が和平プロセス推進のために新組織設立を決定

2006年10月16日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ダマスカス:アイマン・アル=マフディ、占領エルサレム:諸通信社】

 エジプトが和平プロセス、特にパレスチナにおけるその前進のための努力を続けている中で、現在エジプト・シリア・パレスチナ諸勢力責任者らの3者間で、挙国一致内閣樹立とイスラエル兵ギラード・シャリットの拉致問題終結に向けた連絡協議が行われている。

 シリア筋が本紙に明らかにしたところによると、オマル・スレイマーン情報長官のダマスカス訪問は肯定的な内容で、エジプト・シリア関係に関する重要な収穫があり、その影響は近いうちに現れるということだ。

 シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は、PLO政治局長であるファールーク・アル=カッドゥーミー氏と会談を行った後、昨日出した大統領声明の中で、挙国一致内閣樹立に関するパレスチナ人民のあらゆる合意へのシリアの支持と、パレスチナの団結を強化する必要性を明言した。

 一方占領下エルサレムでは、イスラエルが昨日ガザ地区における軍事作戦を拡大し、インフラやパレスチナ抵抗運動の戦闘員に対する陸上攻撃と空爆を行うと威嚇した。イスラエル国防省高官のアモス・ギラード氏は、イスラエル・ラジオでのコメントの中で、「抵抗勢力のロケット砲発射を防ぎ、武器密輸の試みを阻止するために、あらゆる努力を行なう」と述べ、「ハマースは未だにイスラエルの治安に対する脅威を形成している」と主張した。

 同時にイスラエルのエフード・オルメルト首相は、「パレスチナのマフムード・アッバース大統領との首脳会談開催の準備は中断された」と発表した。
 あるイスラエル高官はAP通信との会見で、「アッバース大統領は首脳会談開催の引き換えにパレスチナ人収監者の釈放を望んでいる」と述べた。

【米コネティカット州:イッザト・イブラヒーム】

 合衆国における最大のユダヤ人ロビー団体であるAIPACの政策に反対するユダヤ人グループが、イスラエル・パレスチナ間の和平プロセスを推進する努力を支援する新組織の設立を発表した。新組織に近い筋は、「有名な資産家であるジョージ・ソロス氏が新組織の支援者の筆頭に来ている」と述べている。

 米外交委員会のヘンリー・シーグマン氏は、「ホワイトハウスとイスラエル政府は両方ともパレスチナ・イスラエル紛争の解決から目を背けており、2国家共存というブッシュ大統領のビジョンを実現するための真剣な歩みを進めようとしていない」と非難した。



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( 翻訳者:新谷美央 )
( 記事ID:3741 )