統計調査結果出る -トルコの大衆はEUを信頼せず、イランは親友(Milliyet紙)
2006年10月24日付 Milliyet 紙

A&Gリサーチ社が行った調査によると、EU加盟を望む人の数はこの1年で急速に減少した。調査結果によると、「トルコがEUに絶対加盟すべきだ」と答えた人の割合は2002年には56.5%、2004年では67.5%、2005年では57.4%、今年は32.2%であった。
この調査は、9月23-24日に32県で2408人に対面形式で行われた。「EUへ絶対加盟すべきだ」と答える人の割合が減少する一方、「EUへ絶対加盟すべきでない」と答えた人の割合は増加した。2002年にEU加盟を望まない人の割合は17.9%であったが、2006年には25.6%へ高まった。「EU加盟はどちらでもよい」と答えた人の割合は33.3%であった。これは2002年には14.6%、2005年には18.2%であった。

■EUに対する信頼感は非常に低い
EUへの信頼がとても低い割合にとどまっていることをこの調査は示した。回答者の78.1%がEUを信頼しないと答える一方、信頼している人の割合はたった7.2%であった。回答者の76.5%は加盟交渉中にトルコにより厳しい条件が突きつけられると考えている。回答者の10.9%は、より厳しい条件は課されないと考えている。

●トルコはEUに加盟すべきか否か?
2002年
絶対に加盟すべき  56.5%
どちらでもよい14.6%
加盟すべきでない  17.9%  
無回答  11%

2003年  
絶対に加盟すべき  58.7%
どちらでもよい19.7%  
加盟すべきでない  9.1%
無回答  12.5%

2004年  
絶対に加盟すべき  67.5%
どちらでもよい12.5%  
加盟すべきでない  8.7%
無回答  11.3%

2005年  
絶対に加盟すべき  57.4%
どちらでもよい18.2%  
加盟すべきでない  10.3%
無回答  14.1%

2006年
絶対に加盟すべき  32.2%
どちらでもよい33.0%  
加盟すべきでない  25.6%
無回答  9.3%

■「フランスは親友でない」
この調査は、トルコ国民が近隣諸国との友好関係を信じていないことも明らかにした。回答者の大半は、とくに欧州諸国をトルコの友好国でないという。回答者の76.1%はフランスを友好国とは考えておらず、また78.5%はアメリカを、78.1%はギリシャを、56.9%がドイツを、64.8%がロシアを友好国でないと考えている。
ここで注意を引く点は、フランスがアルメニア虐殺否定処罰法を承認する前にこの調査が行われたことだ。このことにもかかわらず、フランスを友好国でないと考える人の割合は76.1%であった。

■「イランに信頼をよせる人はより多く」
この調査で目立ったもうひとつの点は、イランを非友好国と考える人の割合が43.1%であることだ。この割合は、フランス、イギリス、ギリシャ、アメリカのおよそ半分であり、トルコ国民がイランにより多くの信頼をよせていることを示している。フランスを友好国とみている人の割合は、2.8%にとどまった。

●EU加盟について(年齢別)
18~27歳
加盟すべき 42.0%
どちらでもよいも29.3%
加盟すべきでない 22.9%
無回答 5.7%

28-43歳
加盟すべき 29.1%
どちらでもよいも38.3%
加盟すべきでない 24.0%
無回答 8.6%

44歳以上
加盟すべき 26.1%
どちらでもよいも 30.9%
加盟すべきでない 29.7%
無回答 13.3%

●トルコのEU加盟交渉についてどう思いますか?
どちらでもよい 33.0%
絶対に加盟すべき 32.2%
加盟すべきでない 25.6
無回答 9.3

●トルコにとって友好だと思いますか?
フランス/友好国2.80%、非友好国76.1、無回答21.1%
イギリス/友好国3.2%、非友好国73.2%、無回答23.5%
アメリカ/友好国3.6%、非友好国78.5%、無回答17.9%
ギリシャ/友好国4.2%、非友好国78.1%、無回答17.7%
ロシア/友好国8.7%、非友好国64.8%、無回答26.5%
ドイツ/友好国17.7%、非友好国56.9%、無回答25.3%
イラン/友好国29%、非友好国43.1%、無回答28%
パキスタン/友好国47.3%、 非友好国24.3%、無回答28.4%
アゼルバイジャン /友好国71.4%、非友好国11.1%、無回答17.5%

●トルコ国民が考えるトルコが解決すべき問題は?
失業問題  49.9%
経済  35.4%
教育  34.2%
テロ/分離活動/PKK26.4%
健康  11.3%
生活困難/物価高/インフレ  10.3%
社会保障  5.4%
スカーフ問題  4.6%
交通  4.4%
不正/わいろ  4%
その他  4%
政治の不安定  3.4%
外交  3.2%
世俗主義  3.2%
EU  2.8%
富の配分 2.6%
安全保障  2.4%
政府への信頼  1.2%
キプロス  0.8%
インフラ  0.2%
司法システム  0.2%
無回答  3.6%


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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:3781 )