パレスチナ大統領「ハマース主導の現政府を解散させる考えはない」(アル・アハラーム紙)
2006年09月30日付 Al-Ahram 紙
■ アッバース大統領:「イスラエル兵士解放にむけて、エジプトの努力が継続中」
■ 挙国一致政府樹立が暗礁に乗り上げたにもかかわらず、現政府を解散させる考えはないと表明
2006年09月30日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
【ドーハ:アザブ・タイイブ・ターヒル、ガザ:アシュラフ・アブルホウル】
パレスチナのマフムード・アッバース大統領は、拉致されたイスラエル兵士、ギラード・シャリットの解放問題の解決に向けてエジプトの努力が続けられていると強調し、「話し合いは兵士解放の見返りに拘留されている複数のパレスチナ人を釈放させるという方向で進められている」と述べた。
またカタール訪問に際した本紙特派員を含む少人数の記者らとの会見の席で、アッバース大統領は、挙国一致政府樹立をめぐる危機を解決するべく、ハマース運動の政治部門指導者、ハーリド・マシャアルと会談する可能性があるとの報道を否定した。
さらにアッバース大統領は、職務上イスマーイール・ハニーヤ首相とは会談しており、必要が認められればマシャアル氏と会うことを妨げるものもないとも語った。また挙国一致政府樹立に関する状況は白紙に戻ったが、目下のところ、現政府を解散させる可能性はありえないと強調した。予想されているイスラエルのエフード・オルメルト首相との会談に関しては、「会見の実現に対し、いかなる条件も設けない」とした上で、会談のためには十分な準備が必要だと語った。
一方、ハマースのリーダーの一人であるハリール・アル=ハイヤ氏は、挙国一致政府樹立について内部での危機が続いていることを認めたものの、対話を通してこの危機を乗り越えることができるだろうと語った。加えて、ハマースはアッバース大統領の代理人に対し、挙国一致政府樹立の約束およびアッバース大統領とハニーヤ首相の間で合意された政治プログラムをハマースが遵守すると伝えたとした。ただし、イスラエルとの和平に関するアラブ側のイニシアチブについては依然不一致が残されている。
(後略)
現地の新聞はこちらから
( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:3616 )