ローマ法王、公の場で遺憾の意を表明(アル・ナハール紙)
2006年09月18日付 Al-Nahar 紙
■ ローマ法王は遺憾の意を表明、イスラーム教徒は不十分として謝罪を要求
2006年09月18日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
ローマ法王ベネディクト16世が先週火曜日にドイツのバイエルン州で行った講義においてイスラームやジハードについて引用した箇所をめぐっての論議が続く中、ローマ法王は毎週日曜日に行われる福音の礼拝で異例の行動をとった。彼は公の場で初めてこの問題について語り、引用は「どんな形であれ」彼の個人的な意見を反映したものではないということを強調して、引用が引き起こした反応に対して「大変悲しく思う」と言って、イスラーム世界に対して遺憾の意を示した。
しかし、「気持ちを和らげること」を望んだローマ法王は、複数のイスラーム教徒指導者らが彼に求めた公式な謝罪を表明することはなかった。もし謝罪が行われていれば、それは現代のローマ法王の歴史において新たな先例を作ることになっていただろう。
ローマ法王の姿勢に対するイスラーム世界の最初の反応は様々であった。数日にわたって謝罪要求が相次いだ後の今回の動きに対して一般的には前向きな反応が見られたが、それを不十分だとみなすイスラーム教徒指導者もあった。
バチカンの度重なる鎮静化の試みにも関わらず昨日、ローマ法王に対する非難の波が相次いだ。また、ヨルダン川西岸地区では二つの教会が放火され、ソマリアではイタリア人修道女の殺害に至った可能性のある報復の脅迫がなされるなど、宗派主義的な暴力行為も伝えられた。
■ カラダーウィー師
イスラーム宣教者であるユースフ・アル=カラダーウィー師はカタールの衛星テレビ局「アル=ジャズィーラ」チャンネルを通して、今週の金曜日をローマ法王発言に対する抗議のための「冷静な怒りの日」にしようと「世界イスラーム法学者連盟」を代表して呼びかけた。またカラダーウィー師は「我々が望むのは思慮に欠けたものでない平和的な怒りである。(...)イスラーム教徒が教会や寺院や人々の財産を襲ったりすることのないよう警告を発する」と付け加えた。
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( 翻訳者:岡本亜有子 )
( 記事ID:3647 )