■　脳内で大量出血
■　シャロン、新たな出血を止めるため、三度目の緊急手術
■　医療チームに健康管理を怠った強い疑い

2006年01月07日付アル・アハラーム紙（エジプト）HP1面

【エルサレム‐諸通信社、ガザ‐アシュラフ・アブルホウル】

　昨日、イスラエルのアリエル・シャロン首相は、エルサレムのハダッサ病院で、48時間に三度目となる緊急手術に臨んだ。この手術は断層検査の結果、脳の右部の新しい出血と、頭蓋内の血圧の上昇によって脳内に血液が充満していることが見つかったことを受けて行われたものである。

　シャロンが手術室から出たかどうかについて、メディアの情報は錯綜した。イスラエルＴＶが首相は手術から三時間後に手術室を出たと強調する一方、病院の医療チームはそれを否定した。

　医療チームに加わっていない医療関係筋は、シャロンの救命の可能性を否定し、脳細胞への大きな損傷なしに回復する見込みはゼロパーセントだとする厳しい見方を示した。

　ハダッサ病院の神経医らはイスラエルのマアリブ紙に対し、シャロンはたとえ助かったとしても、言語能力を失い、麻痺が残るだろうと述べた。

　ハダッサ病院のシャローム・モア・ユースフ院長は、治療にあたる医療チームが、新しい出血が認められた後、出血をコントロールし脳内血圧を通常レベルに戻す試み━絶望的に見える試みではあるが━として、手術という手段をとることを決定したと発表した。前夜の時点で、生命維持のための諸器官は安定しており、生存への意欲が見られたため、手術に踏み切ることにしたという。

　シャロンの政治生命が終焉したことで、イスラエル国内で大きな騒ぎが持ち上がるなか、イスラエルの大多数のメディアは、首相の健康管理責任に対する厳しい疑いと疑問を投げかけ、二つの基本的な質問に対する回答を求めている。第一に、先週木曜の朝にカテーテル手術が行われることになっている状況の中で、なぜ水曜の夜を、ハダッサ病院から一時間も離れた所にある農場の自宅で過ごすことをシャロンに許可したのか。

　第二にメディアは医療チームに対し、血栓を防ぐために血液の流れを促進する薬剤を用いたことが悪影響を与え、大量出血につながったのではないかと取り沙汰されている点について、回答を求めている。（後略）


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（ 翻訳者:勝畑冬実 ）
（ 記事ID:1689 )