イスラエルが接収したシナイ半島出土のエジプト考古遺物返還を求め、ダヤン将軍の遺族の提訴を準備中(アル・アハラーム紙)
2006年01月10日付 Al-Ahram 紙

■ イスラエルによるシナイ半島出土遺物の返還から11年
■ モシェ・ダヤンコレクションは未返還

2006年01月10日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP検証記事

【マフムード・ヘルミー】

 1994年にイスラエルからエジプトへ、考古遺物の第4次返還が行われた際、記者会見に参加した記者たちの間からは「シナイ半島占領時にイスラエルが持ち出した遺物が本当に全て戻ってきたのか?」という質問が上がった。
 文化省の高官たちは全遺物がエジプト側に戻されたと強調したが、それにもかかわらず、返還の事情を知る者の間には今でも疑問視する向きがある。まだエジプト側に返還されていない遺物があるのではないか? こうした疑惑が消えないのには訳がある。遺物の返還は基本的に、学術的に発表されたか、メディアに報じられた遺物に限って返還を求めるという方式によって行われた。そのため、発掘はされたが未発表の遺物があるのではないかという重大な疑惑が生じたのだ。
 さらにシナイ半島から返還された遺物について記した文献を読み返し、遺物の接収にあたったイスラエル兵たちの証言を分析し直してみたところ、イスラエルの元国防相、モシェ・ダヤン将軍のコレクションを筆頭に、数多くの未返還の考古遺物が発見された。本紙が得た情報によれば、数人の弁護士が現在、これらの遺物の返還あるいは適当な賠償金の支払いを求めて、モシェ・ダヤン元国防相の相続人たちを相手取り、訴訟を準備中であるという。(後略)



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( 翻訳者:山本薫 )
( 記事ID:1692 )