イスラエル軍文書「レバノン領空飛行の目的は国際社会への圧力」(アル・ナハール紙)
2006年11月03日付 Al-Nahar 紙

■ イスラエル軍文書「レバノン領空飛行の目的は国際社会への圧力」

2006年11月03日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 イスラエル国防省高官は昨日、議論の的になっているイスラエル空軍のレバノン領空飛行の目的の一部は、ヒズブッラーへの武器密輸阻止と2人のイスラエル兵捕虜の解放のために国際社会へ圧力をかけることだという内容のイスラエル国軍の内部文書が存在することを明らかにした。

 この文書は、「イスラエル空軍のレバノン領空飛行は今年の夏にイスラエルと33日間にわたって交戦したヒズブッラーに関する情報収集を目的とする通常の監視活動の一部であると」のイスラエルの公式発表と矛盾するものである。

 メディアで話す権限が与えられていないため匿名を求めたこの高官は、「外交・戦略レポート:軍は国際的圧力を確実なものにするため空軍の[レバノン領空]飛行を継続せねばならない」という題名のこの文書はイスラエル軍のダン・ハルーツ参謀総長が承認したものであると述べた。

 イスラエル外務省報道官は、政治的な目標を設定することはイスラエル軍の任務ではないと述べ、「その文書については知らない。しかし、軍から出されたこの文書に政治的な目標のリストが掲げられていたことが実際に明らかになったら、この事柄については議論しなければならない。なぜなら軍はイスラエルの安全保障を委任されているのであって、政治的な事柄について委任されているのは他の機関だからだ」と語った。

 イスラエル軍は、内部文書についてはコメントしないと発表した。イフライーム・スネー副国防相は水曜日に、国連および多数の国々から非難されているにもかかわらず、イスラエル空軍のレバノン領空飛行は続くと発表している。

 いっぽう、ベンヤミン・ベン・エリエゼル社会基盤相はハルーツ参謀総長にレバノン戦争での「失敗」の責任をとって辞職すべきだと要求した。イスラエル放送は、ベン・エリエゼル社会基盤相の「ハルーツは軍の状況を改善できる人物ではない」との発言を報道した。またベン・エリエゼル社会基盤相は特に、ハルーツ参謀総長が軍の師団司令部の人事において、今回の戦争に参加した4個師団の司令官を任命の対象に含めると決定したことを批判し、ハルーツ参謀総長はこの決定を発表する前に、アミール・ペレツ国防相に相談するべきであったと強調した。

 この人事を背景に昨日、ペレツ国防相とハルーツ参謀総長の間で緊張が高まり、国防相はこの人事の承認を先送りにしたと発表した。

 イスラエル軍筋は、ハルーツ参謀総長がペレツ国防相が人事について承認しなかった場合には辞表を提出する可能性を検討しているとの報道を否定した。

 イスラエル放送は「ハルーツ参謀総長は参謀総本部が承認したすべての人事についてペレツ国防相に報告した」とのある上級将校の談話を伝えた。

【AP、AFP、MENA、UPI】



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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:3879 )