EU諸国向けオリーブ油輸出に非関税枠を求める (Radikal紙)
2006年11月14日付 Radikal 紙
EUはオリーブ油輸出に対して1 トン当たり1400ユーロ(約20万円)の関税を適用している。この関税が原因で、トルコのオリーブ油業者が市場参入のため、無税での輸出を可能とする非関税枠の獲得に躍起なっている。輸出業者は今後、トルコ輸出業者協議会(TİM)の指揮の下で非関税枠を要請していくため、ピーター・マンデルソンEU通商担当委員を訪れる予定だ。
エーゲ海オリーブ・オリーブ油輸出業者協会のアリ・ネディム・ギュレリ会長は、「EUはチュニジア、アルジェリア、ヨルダンといったイスラーム諸国に対してオリーブ油の非関税枠を与えているが、トルコに対してはこれを認めていない。EUはトルコ人の宗派を気に入らなくて、邪魔しているのでしょうか。」と疑問を投げかけ、次のように続けた。「1996年にEU関税同盟に加盟した際、オリーブ油は関税対象品に残されました。この障壁を乗り越える為に、我々に非関税枠を付与するようにと主張していますが、EUは与えてくれないのです。以前は我々がムスリムであるから非関税枠を付与しないのかと思っていたのですが、チュニジア、ヨルダン、シリアは、EUに対する非関税枠を使って、関税をかけられることなくオリーブ油を売却しているのです。ということであれば、EUは我々トルコ人の宗派が気に入らないというので、オリーブ油の非関税枠を付与しないのでしょうか。」
■非関税枠問題解決は絶対必要
アイヴァルク商工会議所(ATO)は「オリーブ収穫祭」イベントの枠組みで、トルコ輸出業者協議会(TİM)からも支援を得て、「トルコ・オリーブ油の国内外の市場への紹介」というパネルトークを開催した。パネルで話をしたギュレリ氏は、輸出における困難を次のように説明した。
「関税同盟に加盟したときに、対EUオリーブ油輸出の道は関税によって閉ざされてしまったのですから、トルコに対する非関税枠問題をEUは解決する必要があります。トルコのオリーブ油がEUの非関税枠をとることができないことは、非常に深刻な締め出しです。以前は「我々がムスリムだからEUはトルコのオリーブ油を買いたくないのだ」と考えていました。しかし、チュニジア、ヨルダン、アルジェリア、そしてシリアにも扉が開かれたのです。これらの国々はEUに関税なしでオリーブ油を輸出することができます。なぜかと言えば非関税枠をもっているからです。EUと正式加盟交渉を行っているトルコに対しては、この権利を与えないのです。これはどう解釈すべきでしょうか。この問題を解決するために、絶対に行動を起こすべきです。」
タリシュ・リサーチ社のムスタファ・タン社長は、EU諸国ではオリーブ油生産者に対して1キログラムあたり1,32ユーロ(約200円)の資金援助が行われていることを明らかにし、次のように述べた。「支援を得ているので、EUのオリーブ油生産者は、価格についてあまり関心をもつ必要がありません。トルコのオリーブ油生産者にとっては、EUでも世界でも競争はこのような条件下で大変困難なものとなっています。」ムスタファ・タン氏はEUがチュニジアに対して56,000トンのオリーブ油輸出の非関税枠を認めていること、ヨルダンには現在1,000トンの非関税枠が2010年までに12,000トンへ引き上げられることを明らかにした。
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( 翻訳者:新井仁美 )
( 記事ID:3895 )