レバノン各派協議会きょう第3回会合、組閣めぐる対立解消せず(アル・ナハール紙)
2006年11月09日付 Al-Nahar 紙

■ 多数派勢力はアウン中将を歓迎、ヒズブッラーは3分の1に固執
■ 協議会第3ラウンドは堂々めぐりのおそれ
■ ムッル議員は閣僚26人から成る政府を提案

2006年11月09日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 議会での[レバノン各勢力の]協議会の48時間の猶予は、現在の危機の壁を打ち壊す政治的合意の実現を本気で希望させるような成果を生むことはなかった。そのため会議の主要なメンバーらは今日、立場の表明や条件の提示、それに対する逆の条件の提示といったかたちで双方が強硬姿勢を崩さなかった第2ラウンドの終わったところから協議を再開することになるだろう。挙国一致内閣において反対派勢力が全閣僚数の3分の1を得ることにヒズブッラーが固執し、多数派勢力がミシェル・アウン中将の会派が入閣することについては歓迎してこの目的のためだけに内閣改造を行うことを認めつつも、ヒズブッラーの要求を拒絶しているという理由から、協議会メンバーの関係者らは立場の違いにかかわらず、確実な進展が起きる可能性を楽観しているようには見えなかった。

 このもつれは、ミシェル・アル=ムッル議員が昨日行った危機の出口を見出すための努力にも影響を及ぼした。ムッル議員が訪問や連絡を行った相手はナビーフ・ビッリー国会議長からミシェル・アウン中将、「ムスタクバル・ブロック」代表のサアド・アル=ハリーリー議員およびヒズブッラーに及んだ。

 ムッル議員の提案は政府を閣僚26人に拡大する、つまり現在のメンバー数に閣僚2人を足すというもので、アウン派は閣僚4人を代表として入閣させることになる。そのうち2人は「国民自由潮流」から、3人目はイリヤース・スカーフ議員、4人目はタシュナーク党に充てられる。ムッル議員の提案は閣僚候補の名前や対象となる閣僚ポストには触れていないが、マロン派、東方正教会、少数宗派の現職閣僚3人の交代と、カトリックとドルーズ派の閣僚2人の増員を求めている。これによってアウン派はキリスト教諸宗派およびアルメニア教会の閣僚4人を指名することができるようになり、ワリード・ジュンブラート議員は増員されるドルーズ派の閣僚を指名し、辞任したハサン・アル=サバア内相の代わりにスンナ派の閣僚1人が指名されることになる。

 ムッル議員の提案によると閣僚数26人の3分の1は8.66人となり、反対派勢力は閣僚9人、つまりシーア派の5人とアウン派の4人を獲得することになる。ただし、3分の1プラス1人を数えるにあたって「決定的」となる閣僚が「誰となるか」に関しては解釈の余地が残されることになる。

 情報によれば、ビッリー国会議長とアウン中将とヒズブッラーはムッル議員の提案に合意したが、ハリーリー議員は合意しなかったという。

(後略)



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( 翻訳者:岡本亜有子 )
( 記事ID:3915 )