知事、黒海沿岸地方の高原観光に苦言「ムスリム-トルコ文化の破壊につながる」(Milliyet紙)
2006年11月01日付 Milliyet 紙

アルトヴィン県のジェンギズ・アイドードゥ知事の観光に対する苦言は会議の参加者を困惑させた。トルコ商業会議所・商品取引所連合(TOBB)の会議で、知事は黒海沿岸地方の高原を観光に開放する提案に反対し、「高原はムスリム―トルコ文化が息づく最後の場所です。それさえも観光に開放するというのでしょうか? 」と語った。

アルトヴィン県のジェンギズ・アイドードゥ知事によれば、もしも黒海沿岸地方の高原を観光に開放すると「ムスリム―トルコ文化の息づく最後の場所」も失われてしまうという。アイドードゥ知事は、トルコ商業会議所・商品取引所連合(TOBB)がアルトヴィンで行った会議でこのような見解を明らかにした。

TOBB が土曜日(28日)に開催した会議では、まずアルトヴィン商工会議所のクルトゥル・オゼル所長が講演を行った。その中でオゼル所長は、「アルトヴィンは平原が0.2%しかなく、農業に適していません。このため観光が大きな可能性を秘めています」と語った。オゼル所長に続いて講演したTOBBのヒサルジュクルオール会長も、観光がアルトヴィンの重要な収入源になるだろうとの見解を示し、「この地理上の重要性を認識しなければなりません。トルコの南隣の国々は地下資源に富んでいますが、アルトヴィンは地上の資源が豊かです。ある知事はエルズルムの景観を変えました。ホテルやスキー場で県を観光に開放しました。アルトヴィンはどこもかしこも原石のままです。この地理を破壊しないようにしましょう。冬と夏の観光に開放する必要があります。我々はサルプ国境に3500万YTL(約28億円)を投資する予定です。グルジア政府と合意に達しました。バトゥーム空港をトルコの国内空港のように利用できるようになるでしょう。観光客はアルトヴィンへ90分で到着することになります」と話した。

■会議の参加者は困惑の表情
県の実業家やTOBB会長による、アルトヴィン観光の可能性に関するこのような話に続き講演したジェンギズ・アイドードゥ知事の意見は、会場にいた者たちを困惑させた。アイドードゥ知事は、「本日、黒海地方について大変誤った話がありました。高原観光とは! ムスリム―トルコ文化が息づく唯一の高原までも観光に開放するというのでしょうか? もし高原を失うとしたら、観光によって失うものは、得るものよりも大きすぎます」と語った。



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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:3825 )