エルドアン首相:女性をめぐる問題の原因は宗教ではなく慣習に(Yeni Safak紙)
2006年11月20日付 Yeni Safak 紙

エルドアン首相は、「イスラム会議機構加盟国の社会的発展における女性の役割」というテーマで行われたイスラム会議機構の首脳会議に出席した。イスタンブルのデデマンホテルで開催されたこの会議で演説したエルドアン首相は、女性に対する差別は人種差別と同じくらい非常に危険なことであると述べた。イスラム社会には女性をめぐる問題があることについて認めるエルドアン首相は、「しかし、一般的に考えられているのとは反対に、問題なのは宗教ではなく、宗教的なものと思われている慣習なのです。」と述べた。慣習的殺人について言及したエルドアン首相は、無知によって起こるこれらの殺人が、宗教と関連がなく個別的な事件であることに注目した。女性が社会の中でふさわしい地位を獲得しない限り、社会の発展については語られないであろうと述べるエルドアン首相は、女性差別問題が公正発展党政権の優先課題であることを表明した。

「イスラム会議機構加盟国の社会的発展における女性の役割」というテーマの第一回首脳会議はイスタンブルで始まった。エルドアン首相、イスラム会議機構のエクメレッディン・イフサンオール事務総長、ニメト・チュブクチュ女性と家族担当大臣らが開会式の挨拶を行った。公正発展党ハヤーティ・ヤズジュ党首補佐、ブルハン・クズ国会議員、ロクマン・アイワ国会議員、セルマ・カワフ国会議員、ムアッメル・ギュレルイスタンブル県知事、カーディル・トプバシュイスタンブル市長、エミネ・エルドアン氏、スメイエ・エルドアン氏もこの会議に参加した。会議が始まる前に、コーランが朗誦された。

エルドアン首相は、今日、まるですべての問題が解決されたような社会がある一方で、この分野で進展がなく、信仰心が問題解決の障害になっていると考えられているような社会があると述べた。エルドアン首相は、女性が搾取され抑圧されているという認識が広まっていることを明らかにしながら、「私には、これがとても後ろ向きな捉え方のように思われます。特に西洋諸国がイスラム社会における女性の地位について書いた論文などはこのような見方から書かれています。もちろん、イスラム社会で女性にとって不都合なことや問題はあるでしょう。『ない』とは言いません。社会参加する際の障害もありました。しかし、この問題の根本にあるのは、主張されているのとは正反対に宗教ではなく、宗教的なものと思われている慣習なのです。その他の理由は、社会的経済的な不整備です。もう一度、これらをきちんと分けて考えなければならないのです。さらに、女性が社会の発展プロセスにかかわることや女性の社会進出にかかわる問題は、イスラム諸国に限ったものではありません。この問題の表れ方はそれぞれ違っていても、世界中で起こっているのです。誰もこのことは否定できないでしょう。」と話した。

他の問題でもそうであるように、女性問題の原因をある特定の地域の信仰や文明のせいだとすることは間違っていることを強調したエルドアン首相は、女性が社会の中で取り残されているという問題は、そう簡単には解決しないであろうと述べた。


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( 翻訳者:田辺朋子 )
( 記事ID:3935 )