民間の劇団が役所に大激怒 -1YTL(約80円)のチケットは安すぎる(Radikal紙)
2006年11月21日付 Radikal 紙

イスタンブル広域市議会はイスタンブル市民に演劇を好きになってもらい、観客を増やそうという目的で2006年12月1日から2007年2月1日までの間、市立劇団のチケット代を1YTL(約80円) にすると発表した。この発表は劇団関係者の反発の原因となった。民間演劇団体であるTİYAP(演劇プロデューサー協会)、ÖTD(民間演劇プロデューサー協会)、演劇批評家協会、そして民間劇団オーナー達が、市立劇団に関するこの決定について「不公平な競争を生み出しているし、演劇の品位をおとしめている。」として抗議した。

非難されている点のひとつが脚本家との契約が考慮されていないことだ。チケットの価格の何割かを著作権料としてとっている脚本家たちが今回の値下げに反発するだろうと言われてはいるが、市立劇団側は、シーズンはじめに交わされた契約が今回の値下げキャンペーンの間も有効であると発表した。
TİYAP(演劇プロデューサー協会)とÖTD(民間演劇プロデューサー協会)は、20日、カーディル・トプバシュ市長が劇団関係者との交流のために主催した食事会に参加しなかった。国際演劇批評家協会を代表して声明をだしたウステュン・ アクメン氏は、市立劇団の「しみったれた人気とり行為」を非難した。2006年12月1日から2007年2月1日の間、一時的に適用される料金設定によると、ミュージカルならびに一般演劇のチケットは、大人が1YTL(約80円)、子供が50YKr(約40円)になる予定だ。障害者とその同伴者の料金は25YKr(約 20円)となる。

■「劇団をなくしたいのだろうか」

ゲンジャイ・ギュルン氏(イスタンブル劇団):私は今回の値下げキャンペーンがなぜ行われるのか理解できません。まるで大規模店で行われている安売りのように、値下げするとなれば2ヶ月間だけ安くする。その後、また高くされるのです。これが何のためになるのか、理解するのは困難です。ですから私にはもっともな理由があるようには見えないのです。世界中探してもこのような例はありません。スィミット(ドーナツ型のごま付パン)と同じ値段で演劇をみせるということは、芸術価値をおとしめていますし、また民間劇団に大打撃を与えています。
イスタンブル広域市役所はまず、市立劇団の追加予算を廃止しました。その後、民間劇団への助成金が撤廃されました。アンカラでの演劇祭への助成もなくなりました。そして突然、チケット料金が1YTL(約80円)に引き下げられたのです。その一方で国立劇団は無料で上演を行っていました。(役所は)過度に安い価格を求めすぎています。これらのことを考える必要があります。もしかすると役所は演劇をすこしずつなくしていきたいと望んでいるのでしょうか。


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( 翻訳者:新井仁美 )
( 記事ID:3945 )