左右連立なるか:民族主義者行動党が共和人民党に接近(Milliyet紙)
2006年11月22日付 Milliyet 紙

政治の舞台裏は、MHP(民族主義者行動党)―CHP(共和人民党)の連立の噂でもちきりだ。MHP幹部のシャンドゥルは、「CHPのような党との共通項が増した」。アクシェネルも「かつての緊張関係はない」と述べた。

MHP のデヴレト・バフチェリ党首がCHPのデニズ・バイカル党首から賛辞を受けたことで、選挙後の連立の可能性が、政治の舞台裏で取りざたされるようになった。バフチェリ党首は、党大会の演説でAKP(公正発展党)とDYP(正道党)に対し反発を表明し、他方で、批判しなかったCHPとの連立に前向きな姿勢を示した。党参謀は、「かつての緊張関係はない。AKPが破壊した国民的価値という問題について、CHPとの共通項が増えている」という見解を明らかにした。

■「連立に向けて」
 バイカル党首は、昨日(21日)本紙ミッリトの1面に掲載されたインタビュー記事で、バフチェリ党首が自身の民族主義に対するアプローチを、共和国の価値やアタテュルクの原則に基づいて行うようになったことを、重要な展開と評価した。
 あるMHP上層部の参謀は、この展開がMHPにとって歴史的重要性を持つことを指摘する一方、CHPとMHPが互いに容赦なく争っていた1980年9月12日〔軍事クーデタ〕以前の状況に触れ、次のようにコメントした。「トルコはMHP-CHP連立に向けて進んでいる。AKPの基盤が国民感情からほど遠いのに対し、このような強力なオルタナティヴが形成されつつある。MHPが過去にこだわることは、この連立の可能性を脅かす要素となりえた。30年前のノスタルジーに取りつかれて、MHP内部で声をあげる者達の存在や、MHPが急進的路線に回帰するなどという幻想は、AKPにとって好都合だ。過去へのノスタルジーを口にするウミット・オズダーが立候補するような状況は防がねばばならなかった。」
 このMHP参謀は、AKPの「急進的MHP」化計画を明らかにし、次のように続けた。「『急進的人物が立候補したが、勝てなかった。しかし将来、急進的路線の人物がMHPの党首になりうるだろうか?』というような懸念が大衆の間に生まれることは防がねばならなかった。AKPに近い一部の勢力も、MHPに急進性を維持させようと支援した。しかし不成功に終った。わが党と左派政党のあいだに共通項が増え始めた。左派として知られる人々がMHPに加わるなど、過去には考えられなかった。すでに1980年以前の感情は克服された。アレヴィーもすでにわが党に親近感を抱いている。党大会ではこの方向で政策が承認された。」

■「敬意をもっている」
MHPのメフメト・シャンドゥル副党首は、グローバル化に直面して、ナショナリズムの政治が主流派となるプロセスが生じていると述べ、「我々は、バイカル党首の認識や見解を尊重している。MHPの単独政権を目標にしている。国民構造を破壊したAKPの政治に対する互いの方策は異なっていても、異議を唱える際にCHPのような政党との共通点を求め始めた。共通項は増した」と話した。
 MHP中央運営委員会のメンバーのメラル・アクシェネルも本紙に対し次のようにコメントした。
「政治でCHPとMHPの間にかつての緊張関係はなくなった。AKPが国民的価値に対して行った破壊行為は、政治における優先順位を変えた。共和国と基本的価値に向けられた脅威に対し、共通の立場をとることが多くなった。」


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( 翻訳者:富田祐子 )
( 記事ID:3952 )