ムバーラク大統領、「カドルの夜」の演説(アル・アハラーム紙)
2006年10月20日付 Al-Ahram 紙
■ ムバーラク大統領:「新たな宗教的メッセージを出す時が来た。イスラームは知性に高い価値を置いている」
■ 大統領、カドルの夜での式典で演説:「イスラームは人種主義や排外主義を拒否しており、イスラーム世界はファシズムにもナチズムにも無縁だった」
■大統領、聖典クルアーンの世界大会の上位入賞者を表彰
昨夜、カドルの夜(訳注:ラマダーン月の終盤10日のうち奇数日の一夜にあたる特別な夜。27日頃が多い。預言者ムハンマドに初めて啓示が下されたとされ、ムスリムにとって特別な意味をもつ)を祝う式典に際し行った演説の中で、ホスニー・ムバーラク大統領は「人々が正しい信仰の知識や自身に有益な事柄を身につけ、誠意をこめて仕事に取り組むことの価値を高め、自らの行いや他者への振る舞いを正し、寛容の精神を広め、行き過ぎや過激主義に抵抗できるような新たな宗教的メッセージが発せられるべき時が来た」と述べた。
続けて大統領は次のように語った。「我々のイスラーム世界が分裂や不和、党派主義の誘因を排除して発言と行動・立場の統一を図り、我々にとっての神聖なるものや公益、大義を擁護するためにその潜在的な資源を活用すべき時が来た」。
「アラブ・イスラームの共同体は、その一員となった諸国の文明を振興する。我々は周辺の世界に対してこう述べたい。イスラームはそれ以前に下された啓典の民たちへの教えを確認し、また諸宗教はみな一つの源から発し、神の唯一性と人類共通の価値観のもとで一つであるということを証明するものとして下されたのだ。イスラームは知性と論理に高い価値を認めており、思慮と熟考を呼びかけ、人間の本性に語りかける。またイスラームは寛容な学びの姿勢と良き模範とを示しつつ、アンダルスから中国を臨む地に至るまでの広い領域から、知識や精神を獲得した」。
「イスラームは人種主義や排外主義を禁止した。そしてイスラームの地において、ナチズムやファシズムは生まれなかった。イスラームの学者や哲学者は、数世紀にわたって文明の火を灯しつづけ、その知識によって人類の遺産に多くのことをつけ加えた」。
(後略)
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( 翻訳者:田中裕子 )
( 記事ID:3965 )