ローマ法王の訪土に反対—至福党が組織したデモ (Milliyet紙)
2006年11月27日付 Milliyet 紙

ローマ法王ベネディクト16世のトルコ訪問に抗議しようと、至福党(SP)が100万人参加を目標に主導したデモにおよそ3万人が参加した。このデモの様子を国内外あわせて235人の記者が取材した。またプロジェクターの大画面に映し出されたネジメッティン・エルバカン元首相は「教皇はビザンツを再興させようとしているのだ」と語った。
 イスタンブルのチャーラヤン地区で昨日開催された「十字軍連合にノー、教皇は来ないでほしい」と題されたデモで、参加者に大声で語りかけたエルバカン氏は、教皇は一生イスラムに敵対する人物だという考えを示した。
 エルバカン氏はまた、「彼は慈悲深い気持ちをもってここに来るのではない、トルコ国民のことを無視し、ギリシャ正教の総主教の権力を強化させ、ビザンツを再興させようとトルコを訪れるのだ。本当の目的はアヤソフィアを訪問して、オスマン朝のイスタンブル征服を否定することである。」と述べた。
 デモで演説をした至福党のレジャイ・クタン党首も、教皇はトルコ訪問の前に、イスラム教徒に謝罪すべきであるとした。
 クタン党首は「特に悪意と嫌悪のかたまりのような教皇が、アヤソフィアで宗教的儀式を行いたいというのは、許しがたい無礼だ。教皇という人物への最も意味ある答えは、アヤソフィアがモスクとして礼拝にもちいられることである。」
 至福党寄りとして知られるミッリ・ガゼテ紙(Milli Gazete)は、昨日の記事の見出しに、デモには100万人が参加すると示唆していた一方、この数は警察の記録によれば約3万人であった。

■英語の横断幕

 ベネディクト16世のトルコ訪問を取材しようと訪れていたイタリア、ドイツ、フランス、アメリカ、日本といった国々の記者に加え、中東各国からの大勢の記者も、この4千人の警官が警備したデモを報道した。アル・ジャズィーラやアル・アラビーヤで生中継されたデモを、他のテレビ局も時々生中継で視聴者に放送した。デモが始まる前、携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)で「教皇は来ないでほしい」というメッセージを掲げようという動きが、参加者の中にあった。英語の横断幕やプラカードには、ほとんどがコーランからの引用が書かれていたが、「いつかはあなたも死ぬのだ、教皇」「十字軍よ、1453年を忘れるな」などの表現もみられた。デモの間、しばしばアナウンスで女性たちは彼女たちのために割り当てられたスペースに集まるよう求められた。
 ベールを着けていたり、全身黒衣を纏っていたりする人々がきわだっていた女性参加者であるが、彼女らがスローガンを唱える一方で、あるグループは集団礼拝を行った。
 加えて、アメリカとイスラエルの国旗はそれぞれ燃やされた。


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( 翻訳者:及川治香 )
( 記事ID:3988 )