イスラエルの戦闘機がドイツ海軍の艦船に発砲(アル・アハラーム紙)
2006年10月27日付 Al-Ahram 紙
■ レバノン沿岸でドイツの艦船が銃撃を受ける
■ ドイツ‐イスラエル間で危機発生、ドイツ国防大臣が数日中にテルアビブを訪問
■ ドイツ野党、厳しい抗議の提出と事故調査をメルケル首相に要求
2006年10月27日付アル・アハラーム紙HP1面(エジプト)
【ベルリン:マーズィン・ハッサーン】
二機のF-16型イスラエル戦闘機が、レバノン沿岸でUNIFIL(国連平和維持部隊)に加わっての活動についていたドイツの船舶に発砲したことから発生した静かな危機を収拾するためにドイツ政府が奔走する一方、ドイツの3野党は広範なキャンペーンを仕掛け、イスラエルに厳しく抗議し、ドイツはこのような事態を容認しないと明言する書簡を送るようメルケル首相に求めた。また野党側は事件を「重大で極めて不安を煽る出来事」だと評し、事件の早急で包括的な調査をドイツ政府に求めた。
野党自由民主党の党首は、ドイツ艦船をレバノン沿岸に派遣したときの状況判断に誤りがあったとメルケル政権を非難し、この事故はドイツ海軍とイスラエル軍間での軍事的対立勃発の可能性についてのドイツ国内の懸念が正しかったことを証明したとつけ加えた。
危機の打開と再発防止のため数日中のイスラエル訪問を決めたドイツのフランツ・ヨーゼフ国防大臣は、イスラエルのアミール・ペレツ国防大臣とまずは電話で連絡を取ったが、イスラエルの大臣はドイツ船舶に対する発砲を否定し、同様にドイツ海軍の部隊と対峙する意図はイスラエルにはないと明言した。
事故についてドイツ各紙が報じた話はイスラエル側の声明とは食い違っている。ドイツ国防省の情報筋が、レバノン沿岸から少なくとも6マイル沖を航行していたドイツ船にイスラエルの戦闘機6機が発砲したが命中しなかったことを確認しているのに対し、イスラエルのペレツ国防相は、ドイツ船の甲板から浮上したヘリコプターが所属を明確にしないまま低空を旋回し、2機の戦闘機は誤りに気づいて来た道を取って返した、と語った。
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( 翻訳者:香取千晴 )
( 記事ID:3834 )