イラクとシリア国交正常化へ(サバーフ・ジャディード紙)
2006年11月22日付 al-Sabah al-Jadid 紙
■ イラクとシリアが治安と経済に関する合同委員会の設置に合意
2006年11月22日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面
【バグダード:諸通信社】
イラク政府のアリー・ダッバーグ報道官は、現在イラクを訪問中のワリード・アル=ムアッリム外相率いるシリア代表団との間で治安と経済に関する複数の委員会が設置されることを明らかにした。
記者会見においてダッバーグ報道官は「イラクとシリアは治安対策、両国間国境の取り締まり、情報交換などを行う治安関係の諸委員会を設けるという合意に至った」と述べ、イラク当局は経済や金融についての委員会の設置についてもシリア代表団と同様の協議を行ったとつけ加えた。
同報道官は、シリア側がこの分野に関して示した前向きな姿勢はイラク側からの予想以上の同調をもって受け入れられたと明かしつつも、経済問題に関する委員会の詳細については多くを語らず、シリア側はイラクの立場に真摯な理解を示したと述べるにとどめ、この理解が両国関係改善のため実地に生かされれば、との願いを表明した。
またシリアのムアッリム外相は「シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は全イラク国民に対し安全、繁栄、統一、安定を願っており、イラク国民が直面している試練から脱出するために必要な支援や政治プロセスへの後押しの提供を惜しまない」と述べた。
一方、イラクの議会関係者は、イランのアフマディーネジャード大統領がイラクのジャラール・タラバーニー大統領とシリアのバッシャール・アル=アサド大統領に対し、来週前半にテヘランを訪れるよう呼びかけていたと明かした。これに対しシリア側は月曜日に、特に治安と経済の問題に関して隣国イラクとの関係を再開させることへの意欲を明言していた。
こうしたシリアの姿勢はヌーリー・アル=マーリキー首相とシリアのワリード・アル=ムアッリム外相の会談の成果に現れた。ちなみにムアッリム外相は2003年春にアメリカが主導したイラク戦争が勃発して以来、イラクの首都バグダードを訪れた最高位のシリア高官となる。
ムアッリム外相はマーリキー首相に対し、シリアがイラク挙国一致内閣を支持する旨を伝え、イラクの国民や機関を標的としたあらゆるテロ行為を非難すると改めて強調しつつ、両国間の治安協力メカニズムの設置を支援すると発表した。またムアッリム外相は「我々は損得を共にするパートナーとなり、治安や政治や経済協力の分野で協力のレベルを向上させることを望んでいる」と述べた。
これを受けてイラクのフーシュヤール・ズィーバーリー外相は、昨日火曜にバグダードで行われたシリアのムアッリム外相との共同記者会見において、約四半世紀ぶりにイラクとシリアの外交関係を復活させると発表した。
ズィーバーリー外相は「四半世紀ぶりにイラクとシリアの外交関係を完全な形で復活させる宣言につい先ほど署名した」と述べ、両国間の対話や連絡の継続に向けた実際的で効果的な措置がとられることへの希望を表明した。
ズィーバーリー外相は「我々は共にこうした活動のスタートに署名した。イラクの旗がシリアの空に、またシリアの旗がバグダードの空に掲げられることになるだろう」と述べ、さらに「これは両国の治安に関する調整や協力の一環であり、両国の治安責任者の間での会合についてもすでに合意されている。同様に通商関係発展の手段においても検討中である」と続けた。
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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:4013 )