アルメニア人記者の発言にエルドアン首相が反論(Milliyet紙)
2006年11月04日付 Milliyet 紙
55カ国から500人近くのジャーナリスト関係者が参加した“ニュースエクスチェンジ2006”会議で、エルドアン首相はあるアルメニア人新聞記者の主張に対し「あえて申し上げます。我々は古文書館を開放しました。アルメニアも開放して下さい」と語った。
レジェプ・タイイプ・エルドアン首相は、EU加盟は、それが持つ意味の観点から、樹立83年の共和国建国の理想であると話し、「加盟プロセスが難航せずに進んでいる点で、EUの態度は非常に大きな重要性を持っています。我々の最近の歩みが示しているように、一部の者が主張するような改革プロセスの停滞は問題ではありませんし、今後も問題にはならないでしょう。」と語った。会議でアルメニア人の新聞記者がエルドアン首相に投げかけた質問は、会場に緊張の一瞬をもたらした。
■会場を緊張させた質問
エルドアン首相は、コンラッドホテルで開催された“ニュースエクスチェンジ2006”会議に参加した。この会議には55カ国から、155以上のメディアと500人近くのジャーナリストが参加した。この中で、アルメニア人の新聞記者グレグハン・メヌクヤン氏の話は、会場に緊張感をもたらした。質疑応答で話し始めたメヌクヤン氏は、「会議のために訪れたイスタンブルで奇妙な感情にとらわれています。アルメニア人はイスタンブルの文化の成立に多大な貢献をしました。それにもかかわらず1914年に3人のアルメニア人がイスタンブルで殺されました」と語った。
■住民移住という援助
これに対しエルドアン首相は、「私は、ここであえてはっきり申し上げます。我々は古文書館を開放しました。できるのならアルメニアも古文書館を開放して下さい。私の執務室には、オスマン帝国のスルタンたちがアルメニアの病院に行った援助に関する勅令があります。なされた援助とは人々を移すこと、移住させることなのです。コチャリャン大統領は自信があるなら、古文書館を開放して下さい。調査団はトルコに来て調査しなさい。恨みや嫌悪があっては、相互理解はありえない。トルコで生活するアルメニア人には問題は全くありません。問題があるのはトルコの外にいるディアスポラのほうだ」と返答した。
この間、アルメニア人の新聞記者の側にあった「トルコよ、アルメニア人虐殺を認める勇気を持て」と英語で書かれたプラカードが注目を引いた。
会議後に警察がアルメニア人新聞記者からプラカードを取りあげた際、警察関係者はこの新聞記者はいかなる監察下にも置かれない、と話した。
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( 翻訳者:富田祐子 )
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