アージャ元服役囚釈放にバイカルCHP党首:司法に介入すべき(Radikal紙)
2006年01月15日付 Radikal 紙

 新聞記者アブディ・イペックチの殺人犯メフメト・アリ・アージャが、裁判所の判決により犠牲祭中に釈放された。共和人民党党首デニズ・バイカルは、このことやアージャを英雄に仕立て上げようとする者、また口をつぐむ首相エルドアンそしてその政府に反発を強めている。バイカルは、「とても受け入れられない」アージャ釈放をもとに、すでにトルコの最大問題となっていることが明らかな司法に介入し、広範な司法改革をする時が来たと信じている。昨日、アンタリヤからアンカラへ戻る際、バイカルは我々に次のように語った。

●アージャはローマ法王パウロ2世の殺人計画により、イタリアで19年の投獄刑を受け、アブディ・イペックチ殺人と、さらに2度の強盗及び軍事刑務所脱獄により、トルコでは6年近くの囚人生活を送り、釈放された。これを我々が受け入れられるわけがない。全く評価できない判決だ。司法への介入だという批判は、司法が健全に機能しているなら有効な批判と言える。しかし問題が指摘されているなら、「司法への介入だ」と言って異議を抑え込むことはできない。

■アージャの行方は?首相は口をつぐむ
法務大臣ジェミル・チチェキもまた、判決に納得しておらず、最高裁へ抗議文を提出すると述べた。法務大臣が納得しない判決を司法はどう出したのか? 法務省行政はこの決着をどうつけるのか? 国にはなんらかの権力集中があることはわかるが、解消されないのはなぜか?容認できないことが行われているが、政治はただ眺めているだけで何もしていない。
一方アージャは徴兵試験後に交番に出頭する必要があるが、姿を現していない。行方は明らかでなく、イスタンブル警察署長ジェラーレッティン・ジェッラーも「わからない」と言っている。一体どこへ?追跡の必要はないのか?こんな話があるだろうか?首相エルドアンはというと、口をつぐんでいる。トルコで話題になっている非常に深刻な問題も、政府では話題になっていない。

■これでいいわけがない
政府はこれを見過ごしたがっているが、アージャ釈放でトルコは動揺している。その一方で、アージャを英雄に仕立てようとする者もいる。さらに周辺国では深刻な反感が増している。これを一時的と見過ごす代わりに、アージャ釈放を期に司法改革を行う必要がある。
アージャ釈放は、司法がトルコの最大問題であるという事実を再び示した。これではいけない、立ち上がらなくてはならない。ただちに広範な司法改革に取り組むべきだ。私は首相とこの件を直截話しあって解決するつもりだ。あたかも首相の善意で解決するかのように捉えられてはならない。政治にも、市民社会にも、メディアにも大きな責務がある。大規模な司法改革を共に実現させなくてはならない。

■トルコ実業家協会の調査はどうなったか
司法改革の柱がいくつかある。まず、司法が政治の指図を受けないようにすること。ヴァンのユジェル・アシュクン裁判はどうなったのか。この問題に注目したトルコ実業家協会会長は首相の逆鱗に触れ、検察官は調査を開始させた。現在、首相はトルコ実業家協会との和解に乗り出している。検察官の調査に対し何が生じたのか、問いただす必要がある。政治家が任命や昇進のメカニズムにより司法を歪めるチャンスは剥奪されるべきだ。法務大臣と参事官は、判事・検察官高等委員会に参加してはならない。
二つ目に、国会議員の不逮捕特権撤廃がある。国会議員が判事や検察官を見下すのは終わりにするべきだ。
三つ目に、司法組織における政治的人事配置にピリオドを打つべきだ。法律は、恣意的に法が実行されないよう整備されるべきだ。
四つ目に、あらゆる恩赦が確実に撤廃されるべきだ。恩赦は、トルコにとってあまりにも問題が多い。トルコが今日アージャ釈放について議論するに至ったのも恩赦のせいである。反テロ政策でも恩赦は問題になっている。トルコで恩赦実施が取り沙汰されないようにすべきだ。
 イペックチの殺人犯アージャの釈放に対する共和人民党党首バイカルの見方は以上のようなものである。さらに、犠牲祭中行ったアンタリヤの人々との集会についてはこう言っている。「アンタリヤ選出の国会議員として、東部から西部へ小規模な選挙のキャンペーンのように遊説し、集会を行った。次回の選挙はトルコにおいて、重要な変革となるであろう。すばらしい選挙期間になるだろうと考えている。」


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( 翻訳者:井上 さやか )
( 記事ID:1716 )