クルド系首長、クルド語放送局閉鎖回避のためデンマーク首相に書簡(Milliyet紙)
2005年12月31日付 Milliyet 紙

 民主市民党に所属するトルコ南東部の56市長がデンマーク首相アナス・フォー・ラスムセンに書簡を出し、PKK寄りの放送を行うデンマークのTV局ロジ・テレビを閉鎖しないよう訴えた。書簡はディヤルバクル市長オスマン・バイデミルよりラスムセン首相に送られた。市長たちは書簡で、「トルコ政府がロジ・テレビについて反民主的な行動をとるのではと心配している」と述べているという。書簡は10日前に市長らによって共同で書かれた。ディヤルバクル市長バイデミルは次のように述べた。

■「重要な放送局」
 「クルド語で放送を行うTV局は他にないため、市民はロジ・テレビを必要としている。代替手段としてクルド語放送を行う全国ネットのTV局を設立する許可が下りれば、問題は解決する。」
 ラスムセンに送られた書簡には次のようなことが書かれていた。
「ロジ・テレビの放送方針を認めるかどうかは議論になるかもしれない。現在の政治状況において、表現の自由拡大という点でロジ・テレビは重要かつ意義のある活動を行っていると確信している。ロジ・テレビが放送をヨーロッパから行わざるを得ない状況にあることは我々にとっても遺憾である。我々がトルコに願うのは、ロジ・テレビを禁止するのではなく、むしろこれを保護し法的地位を与えることである。いつかロジ・テレビが、トルコ政府の支持のもと放送を行う多くのクルド語放送局のひとつとなり、イスタンブルやアンカラ、そしてディヤルバクルから放送を行えるようになることを願ってやまない。」

■共和人民党議員は反発:「民主市民党の行動は祖国への反逆だ」
 共和人民党イズミル選出議員のジャナン・アルトマンは民主市民党所属の56市長がロジ・テレビ存続を訴えてデンマーク首相に書簡を送ったことに反感をあらわにした。そして、ロジ・テレビの存続を願うことは「祖国への反逆」であると述べた。アルトマンは昨日公開した書面でロジ・テレビが「トルコで3万人を殺したテロ組織PKKに属しており、戦闘的な活動を行っている」とした。さらに同議員は次のような見解を示した。「ロジ・テレビの存続を願うことは祖国への反逆である。ロジ・テレビの存続を要求することはPKKというテロ組織への支持と同じである。トルコ共和国の市長たちがテロ組織への支持を行うことは犯罪だ。今私は首相や内務相に適切な措置をとるよう働きかけているところだ。即刻行政的・法的手続を開始し、市長らを更迭するべきである。」

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( 翻訳者:宇野陽子 )
( 記事ID:1626 )