ビュユクアヌト参謀総長、EU加盟交渉での政府提案に不快感(Milliyet紙)
2006年12月09日付 Milliyet 紙
ビュユクアヌト参謀総長は、1港と1空港を(南)キプロスにたいし開港するという提案について、「我々の意見としては、この提案は政府の公式見解からの逸脱を意味する」と述べた。
ヤシャル・ビュユクアヌト参謀総長は、政府が1港と1空港を(南)キプロスへ開港するという提案を自身らに意見を求めずにおこなったこと、その事実をテレビの報道で知ったと語った。参謀総長は、出された提案が政府の公式見解からの逸脱を意味すると述べた。
ヒュッリイェト紙へのコメントで、「次のことをはっきり言おう。オフレコじゃない。我々の意見は求められなかった」と語った参謀総長は、「あなたの考える公式見解とはなんなのでしょうか?」という質問に次のように答えた。
■正しくはなかった
「今日まで我々の公式見解は国家の公式見解だった。その見解というのは、1. 解決案は、国連の意見をもとに出される。2. 解決案は個々の問題についてではなく総合的な案を示す。3. 公平で永続的な解決案である、というものである。我々の意見としては、この提案は、政府の公式見解からの逸脱を意味する。港を開港しますよと政府は言っている。どの港を開放するつもりなんだ?」
「(南)キプロスはこの提案を拒否しました。政府は(南)キプロスを窮地に陥れたのではないか?」との質問には、参謀総長は、「彼らが提案を拒否したことはさして重要なことではない。私が申し上げたとおり、政府は公式意見から逸脱した(ことの方が重要だ)。不意な形でこのことが話題にあがってしまったことに違和感がある」と返答した。
参謀総長は、「あなたが質問されていたとしたら、どんな答えをなさいましたか」という質問については、「政府の答えたこととは正反対に答えたであろう。急にこうした提案がなされたのは正しいことではない」と答えた。さらに、「トルコ国軍は何年も外交問題でこのようなはっきりした異論を唱えなかった」と振り返り、次のように続けた。
「もちろん、これは政府の決定です。トルコを導く人物は私ではない。私はただ軍を代表して述べているだけで、その意見を包み隠さず申し上げているだけなのだ。それを重ねて強調しておく。我々の意見を聞いてはくれないだろうから。しかし、国軍のトップに立つ人物がこのような決定をテレビの報道で知るべきではない。(北)キプロスに4万の兵士を駐留させている組織が、このような重大な決定を知らされないということは、国軍の意見は汲み上げる必要はないということだろうか?」
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( 翻訳者:古瀬 由加里 )
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