対キプロス開港問題で政府・大統領府の対立激化(Milliyet紙)
2006年12月10日付 Milliyet 紙

トルコ政府は、1港と1空港をキプロス共和国が使用できるよう開港するという件をEU委員会に提案した。ヤシャル・ビュユクアヌト参謀総長が、この件について知らされていなかったと明らかにしたことで、(この問題に関して)対立が激化した。

ビュユクアヌト参謀総長が「テレビで知った」と話したこの提案を、アフメト・ネジュデト・セゼル大統領もマスコミを通じて知ったことが明らかになった。セゼル大統領は、「私に直接的にも、間接的にも知らせてこなかった」と話した。

参謀総長がヒュッリイェト紙に対して行なった会見が世論に伝わった一昨日(8日)、政府関係者が沈黙を保った一方、その晩に参謀本部も大統領府のいずれも知らされていたことが非公式な形で伝えられた。前外務大臣次官のアリ・トゥイガンと現次官のエルトゥールル・アパカニの両者が、この提案がEUに伝えられる一日前に、参謀副総長のエルギン・サイグに知らせたとのうわさが報道機関に届いたのだ。

■ 「知らされていない」

外務省の情報筋も、参謀本部と大統領府が知らせを受けていたという方向でマスコミに発表した。しかし昨日(9日)大統領府は知らせを受けていたという方向での報道に不快感を抱いたセゼル大統領の指示で、大統領府のプレスセンターより公表された書面は、以下のように伝えた。

「トルコの1港と1空港がキプロス共和国政府に対し使用を認めて開港されるとの、EU議長国に向けた提案の件で、同件を大統領が伝えられていたということに関して、現在一部のマスコミで流れているニュースは、事実を反映していない。この提案について、親愛なる大統領は、直接的にも、間接的にも全く知らせを受けていなかった。」

外交上の重要な局面では、政府は今日までにセゼル大統領に2つの方法で(その内容を)知らせていた。ひとつは、外務大臣か外務次官が大統領本人に直接伝えることだった。もうひとつのやり方は、大統領府渉外担当補佐官のセルメト・アタンジャルに書面または口頭で伝える、間接的な情報提供だった。」

入手した情報によれば、セゼル大統領は、この提案がマスコミに伝わった後に、知った。この状況に反発したセゼル大統領が間接的に提案内容を知ったのは、この件がマスコミに伝わった後、
外務省がアタジャンル補佐官を介して情報を伝達したことによってであった。

大統領府の情報筋は、セゼル大統領とビュユクアニュト参謀総長間で、この件に関する会談が行なわれたとの主張を否定した。フィンランド首相のスポークスマンが、トルコの提案を世界へ伝えた木曜日(7日)に、大統領府での「国務委員会」の会議に出席したセゼル大統領、ビュユクアヌト参謀総長、エルドアン首相の3者間で、トルコにとって非常に重要性をもつ、この提案について話し合いがもたれなかったことは注目を集めた。

参謀本部が事前に情報伝達されていたとの報道に対して、エルドアン首相が昨日(9日)アフヨンカラヒサルで「書面になる前段階で関係各所に了承を求めるべきなのか」との形で発言したことは、ビュユクアヌトが感じた不快の本当の理由が、「トルコ国軍(TSK)へ情報が与えられなかったこと」ではなく、「参謀本部の公式見解が汲み取られなかったこと」によるものであるとの解釈により信憑性を与えた。





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( 翻訳者:丹羽貴弥 )
( 記事ID:4094 )