ヨーロッパはトルコを欺いている -4分野での交渉開始のはずが1分野のみに(Radikal紙)
2006年12月21日付 Radikal 紙
トルコは審査手続きを完了した4つの分野で同時に交渉が開始されることを期待している。一方EUは、1分野のみ交渉を開始するとしている。
関税同盟追加議定書で求められている港湾の開放を行っていないという理由で、欧州評議会はトルコに対し8分野での交渉凍結、24分野については南キプロス(ギリシャ系)の拒否権行使という脅威が存続するかたちで交渉継続が決定されたが、小さくても前に進むよう努力している。トルコは、欧州委員会が審査プロセスが完了し、交渉開始の準備が整ったとした4つの分野(教育・文化、財政管理、経営・産業政策、経済・金融政策)で即刻、交渉が開始されることを期待している。一方、20日に召集されたEU常駐代表委員会(COREPER)は、20項目目の経営・産業政策のみ交渉開始を許可した。この経営・産業政策の交渉開始時期については未定である。
欧州委員会のオッリー・レーンEU拡大担当委員は、今年中に最低1分野で交渉を開始するという姿勢から後退し、うまくいけば来年1月第一週に交渉を始められると以前述べていた。
常駐代表委員会では、経営・産業政策の分野でトルコから状況報告文書の提出を求めることが決定された。南キプロス(ギリシャ系)に加えてフランス、オランダ、ドイツが反対したため、審査プロセスとテクニカル作業を完了したその他の分野については、今のところこの状況報告文書は求められない予定だ。さらに交渉に入るためにはEUが共同調査報告書を作成し、加盟国から承認をとる必要がある。トルコはこの状況に至って初めて議長国から政府間会議に招待されることになる。トルコ政府は1年間の審査プロセスのなかで、科学研究分野のみを完了した。この一方で常駐代表委員会は、科学研究分野とともに教育・文化分野を完了した別の候補国クロアチアに対しては、3分野で招待状を送付することを決めた。
■メルケル独首相:交渉をキプロス問題に関連付けたことは名案
ロイター通信は、トルコに関する決定が1月に議長国任期を終了するフィンランドにとっては残念なものであったと論じた。フィンランドから議長国を引き継ぐドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー外相は、4分野のうち2分野の交渉開始を考える予定と明らかにしたが、時期を明言しなかったことが注目を集めた。20日、ヘルシンキを訪問したアンゲラ・メルケル独首相もまた、トルコに関する取り組みについてフィンランドに謝意を表し、次のように述べた。「加盟交渉の進展問題に間接的にキプロス問題を結び付けたことは名案でした。これはトルコに意味のあるシグナルを送ったといえましょう。」
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( 翻訳者:上田悠里 )
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