貴重な飾り板を取り戻したーワクフ総局局長の歴史的遺産保護に関する会見 (Yeni Safak紙)
2006年12月25日付 Yeni Safak 紙
ワクフ総局(*1)ユスフ・バヤズット局長は、2006年に盗難に遭い、国外へと流出したワクフ財を再び取り戻し、歴史的骨董品の不法売買を事前に阻止することおよび、モスクや小規模モスク、倉庫などで死蔵されたままのワクフへの寄進品を入手するために大変な努力をしたと明らかにした。そして、この活動でイギリス、フランス、スウェーデンといった多くの国から多くの歴史的骨董品をトルコへ再び取り戻したということである。またバヤズット局長によれば、年内にイスタンブルだけで3回行われた捜索活動で254点もの歴史的骨董品を入手した。
バヤズット局長は、チェンゲルハンで催された朝食会兼記者会見で「2006ワクフ文明年」の一環で行われた活動と共に、2007年の計画についての情報を公表した。バヤズット局長はまた、ある歴史的価値の高い陶製の装り板を取材陣に公開した。この飾り板は、昨年イスタンブルのアティーク・ヴァリデ・スルタン・モスクから盗難されるも、後にパリで発見され、我が国に再び取り戻されたものだ。さらに全国のモスクや小規模モスクで見つかった2万点もの絨毯、1万点のキリムをアンカラに運び、うち2,641点の手織り絨毯、2,643点のキリムと8,800点の民族的骨董品を公開・展示すると発表した。
■骨董品修繕施設
またバヤズット局長は、絨毯、キリム、建築物の装飾品、燭台、写本、陶器や飾り板といった歴史的価値のあるワクフ寄進品の盗難を防止すること、国内外の研究者や観光客がこの恩恵にあずかれるよう計画中である。2007年にはイスタンブル、アンカラ、トカト、ガズィアンテプ、エルズルムなど合計12県で博物館・美術館の開館が予定されているという。さらに展示品の盗難を防止するため、歴史的なモスクには防犯カメラが設置される。保存状態の悪い骨董品を蘇らせるため、‘骨董品修繕施設’を設立する予定だとも語った。
■ファーティフ・モスクとスレイマニエ・モスクのキュッリイェも修理予定
ワクフ総局はまた、2007年にファーティフ・モスクとスレイマニエ・モスクのキュッリェをはじめとして見られる、内部に歪みのある建造物の修理を開始する。2007年内に修理が始まる建造物は、他にヤヴズ・スルタン・セリム・キュッリイェ、ヴァリデ・スルタン・モスク、ヌールオスマニイェ・モスク、そしてエディルネにある、シナゴーグに似た古代遺跡などである。
(*1)ワクフ…イスラーム文化における、寄進財産のこと。
(*2)キュッリイェ…モスクに学校や病院、公共浴場等の公共福祉施設が組み合わせて建造されている、モスク複合体。
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( 翻訳者:及川治香 )
( 記事ID:4215 )