ヒズブッラー書記長が演説で政府を激しく非難(アル・ナハール紙)
2006年12月08日付 Al-Nahar 紙

■ 座り込みの第二段階、本日始動
■ 国軍司令部、諸政治家に予め決められた立場に固執しないよう呼びかける
■ ナスラッラーの猛烈な非難 多数派勢力側は当事者の名前を公表するよう要求
■ マロン派教会の提示した前提条件に 満場一致...待たれる対話

2006年12月08日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 ヒズブッラーのハサン・ナスルッラー書記長の前例のない鋭さと強硬さと非難をともなう激しい演説が昨夜注目を集めたにもかかわらず、緊迫した政治情勢の中でさらに注目されたのは、キリスト教マロン派教会が一昨日に打ち出した「マロン派の前提条件」への支持でレバノン各派がほぼ一致して合意したことであった。

 マロン派教会の前提条件を支持する各派の立場がうまく「転がって」、政治的合意を街頭における危機を回避しつつ対話へ復帰する実際的な行動へと変化させるために仲介者たちが関与しうるような「メカニズム」が明らかになり、早急に危機が打開されることを期待するのは尚早であるにせよ、関係各方面は今回の動きの重要性を軽視してはいない。観測筋の一部では今回の[マロン派教会の]動きを、ターイフ合意への到達にあたってマロン派教会のナスルッラー・ブトゥルス・スファイル総大司教が引き受けた役割と比較する見方すらある。

(中略)

■ ナスルッラー書記長

 ナスルッラー師は先週の金曜日にベイルート中心街で座り込み集会が開始されて以来初めての演説の中で、内閣と首相と3・14勢力に対してこれまでで最も激しい攻撃を展開した。演説は大型のスクリーンに映し出された。ナスルッラー師は7月の戦争に関して一連の非難を展開し、たとえば「誰にも名前を明かしたことはないが3・14勢力の一部はアメリカ当局者と会合を行い、イスラエルがヒズブッラーに戦争をしかけるよう要請することを求めた」と述べた。

 またフアード・アル=セニョーラ首相が国軍に対して戦争中、レバノン南部の抵抗運動に輸送される武器を押収するよう命令を発したと非難し、「戦争中にそのようなことが起こることがレバノン人あるいはアラブ人にとって受け入れられるであろうか?」と問いかけた。また「その決定を凍結させるためにセニョーラ首相との仲介を行うべく我々が派遣した人々は今も存命中である」と述べ、この問題について調査するため「公正な司法専門家から構成される」アラブ諸国とレバノンの共同の調査委員会を設置するよう求めた。また、戦争中に治安機関が「私(ナスルッラー師)自身を含む」ヒズブッラー幹部の所在地について情報を得ようと試みていた、とも述べた。

 ナスルッラー師はあらためて「我々は街頭での行動をつづける」と強調し、「反対派勢力と交渉を行いたい者に対しては、扉は開かれている。...しかしあらゆる選択の可能性がある。我々はレバノンを救う目的が実現するまでは街頭行動を停止することはない」と述べた。また内戦や宗派騒乱には反対するとの立場を強調し、「我々の側に1,000人の死者が出ようとも騒乱に引きずり込まれることはない。誰に対しても武器を振りかざすことはしない」と述べるとともに、スンナ派とシーア派の宗派対立を煽る動きについては「この宗派にもとづくスローガンはもはや崩壊している。それは過ちであり、犯罪である」と警告を発した。

 またナスルッラー師はアラブ諸国の民衆にうったえかけることに努め、一部のアラブ諸国の指導者がレバノンとイラクとパレスチナにおける内戦の可能性に言及していることを非難し、セニョーラ政権は「アメリカ大使の決定に従う政府である」とあらためて非難した。

(後略)




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( 翻訳者:河上直衣 )
( 記事ID:4220 )