シリア大統領がロシア訪問、国際法廷や武器購入について協議(アル・ナハール紙)
2006年12月19日付 Al-Nahar 紙

■ モスクワ訪問中のアサド大統領、武器購入に関心
■ プーチン大統領は国際法廷が圧力をかけるためのものではないと強調

2006年12月19日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【ロイター、UPI、AFP、サナ】

 シリアのバッシャール・アル=アサド大統領は昨日、モスクワ訪問を開始した。この訪問中にアサド大統領は、中東で白熱している問題、特にレバノンのラフィーク・アル=ハリーリー元首相暗殺の容疑者を裁くために国連が組織する国際的な性格を有する法廷について、またシリア軍の近代化のためにロシア製の武器を購入することについて、ロシアのウラディミール・プーチン大統領と話し合う。

 国営のシリア・アラブ通信「サナ」は、アサド大統領がプーチン大統領と中東情勢について話し合うだろうと報じた。

 またロシアの通信社「ノーボスチ」はロシア政府側からの情報として、中東における公平で確固とした解決策が両大統領の議事日程の筆頭となるだろうと報じた。

 今回の会談で両大統領は、レバノンやイラクの状況といった両国にとって重要な政治的問題に触れるものとみられる。2005年1月の前回の訪問では、アサド大統領は主に経済的な事項について、ロシアの要人たちと話し合った。

 前回の訪問でロシアとシリアは、シリアの負債軽減について原則的に合意し、2005年5月29日にはシリアのロシアに対する負債の73パーセントを免除するという合意文書に両国が調印した。

 ロシアのロシスカヤ・ガゼータ紙の取材に対しシリアのファールーク・アル=シャルウ副大統領は「ロシアは中東地域において『とても重要な役割』を果たしている」と述べ、前回の取引でイスラエルを怒らせアメリカに不快感を与えたにも関わらず、シリアはロシアからさらに武器を購入することに関心をもっていると示唆し、シリアにとってロシアからの武器供給が重要であることを強調した。

(中略)

 ロシアの外交官によれば、アサド大統領とプーチン大統領は[レバノン元首相暗殺に関する]国際的性格を有する法廷の設置案についても話し合う。ロシアは法廷の設置を支持しているが、プーチン大統領はアサド大統領に対して、「[法廷は]シリアに対する圧力の道具として利用されることはない」と明言した。

 また会談においては、アメリカ政府は反対しているものの、イラクにおける暴力を停止させる努力にシリアとイランを関与させる呼びかけについても話し合われる。

(後略)



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( 翻訳者:玉井葉子 )
( 記事ID:4221 )