ローマ法王への対応に成功したイスラム宗教指導者たち(Yeni Safak紙)
2006年12月02日付 Yeni Safak 紙

宗務庁長官がローマ法王を非常に丁重にもてなしローマ法王のひどい発言をうまく批判したこと、イスタンブルのムフティーがスルタン・アフメト・モスク(通称ブルーモスク)でイニシアチブをとってローマ法王を祈りに招いたことが評価された。

ローマ法王ベネディクト16世をもてなしたトルコのイスラム宗教指導者たちの厳粛な態度と親切なもてなしは多大な評価を集めた。宗務庁長官アリ・バルダクオールがローマ法王を非常に丁重に接待する一方、イスラームに関してローマ法王が語ったひどい発言をうまく批判したことは賞賛を得た。スルタン・アフメト・モスク訪問の際にイスタンブルのムフティーであるムスタファ・チャールジュが行った見事な対応とローマ法王を祈りへ招いたことは、世界のトップニュースとなった。

■有益であった
本紙記者ハイレッティン・カラマンは、ローマ法王ベネディクト16世の訪土はイスラム宗教指導者たちの正しい行いによって極めて素晴らしく有益であったと述べ、次のように続けた:「イスラム宗教指導者たちは、信頼できる偉大な国民に属するという威厳を示してくれていた。宗務庁長官アリ・バルダクオールは、イスラームはテロ宗教ではないことについて、『正しいやり方』で説明をおこないました。バルダクオール長官は対話の範囲を『世界の問題を共に考えること』だとして明確にしました。特に、世界のすべてがそして素晴らしい教えが、一つの神によって作られたこと、我々皆が同じ神を礼拝することを強調したことは素晴らしかったです。スルタン・アフメト・モスクでローマ法王とイスタンブルのムフティーが共に足をとめ、たたずんだ事はまさにこれを実現したものでした。ムフティーはローマ法王を礼拝には招きませんでした。ローマ法王もアヤソフィアで祈りませんでした。二人とも『一つの神の御前で共に立たずみ、瞑想しましょう』と言われました」。弁護士のケズバン・ハテミは、ローマ法王が非常に正しく素晴らしい形でもてなされたと述べ、「我々はローマ法王と随行の客人に対して、我々の間の異なる点ではなく、類似点を考えて対応しました。我々ムスリムは、ローマ法王がドイツで行った談話で大変心を痛めました。アリ・バルダクオール長官のこの問題に関するメッセージは大変素晴らしかったです」と語った。

■ムスタファ・チャールジュ:神の御前に立つことはあの時思いついた。
この間、ローマ法王のスルタン・アフメト・モスクの訪問の詳細について話したイスタンブルのムフティーであるムスタファ・チャールジュ博士は次のように語った:「精神的な短いひと時を過ごすのがいいのではないかと思いました。ローマ法王の周りの関係者とも話しあい、どのように行うかは私に任されました。その証拠に、イニシアチブをとった後、あの場における流れは完全に私が整えたものなのです。こういう状況では、シナリオは完全には進まないものです。その時頭に浮かんだ『神の御前に立つ』という表現を使いました。我々はあの時、神の御前にいました。モスクに入った人がイスラーム式の礼拝である二度の伏拝(レキャート)を行うことはムハンマドの教えです。キリスト教徒の客人に対し、『さあ、イスラーム式の礼拝をしましょう』とは言えませんでした。こうしたことがなされたことは非常に重要な出来事でした。おそらく神の恩恵によるものでしょう。少し前にイスラームについて残念な発言をした宗教的指導者が、イスラムの礼拝の場に来て、敬意を示すために腹の前で両手を重ねたことは大変良かった。」一方、宗務庁長官アリ・バルダクオールは、「我々は来客には扉を開きます。礼儀の範囲内で、我々に課せられたあらゆることを行います。正しいと考える事を伝えることも、もてなす側の義務です。単に礼儀のために我々の宗教の真理を犠牲にすることはできません。ローマ法王の訪土は非常に前向きな一歩と認識しています。世界のトルコに対するイメージの点からも非常に素晴らしいメッセージとなりました。トルコは非常に現代的な国家であると、世界も認めました」と述べた。


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( 翻訳者:富田 祐子 )
( 記事ID:4036 )